I・IS《イフ・インフィニット・ストラトス》   作:嘘つき魔神

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 ヤバいなんか矛盾してるかも。(二回目)


第4話:走れ一夏!

「……っえ?」

 

 ビンタされた。それを理解するのに数秒の時を要した。激しい痛みとラウラを見上げる構図。それが自分が吹っ飛ばされたことを物語っていた。そして、それを理解して、はいそうですかで終わる訳がない。誰だって、いきなり訳も分からず殴られれば腹が立つ。無論一夏も例外でない。

 

「……何しやがる?」

 

 本当なら一発ぶん殴っておきたいが、それを抑え、怒気を声に滲ませる。

 

「ふん、教官の弟がこれか……期待はずれだな」

 

 だが、ラウラは気にした風でもなく、一夏を煽る。

 

「いきなり人にビンタかましてくれた奴の台詞とは思えないな……?」

「フッ、惨めに吹っ飛んだというのに、虚勢だけは立派だな?」

 

 互いに感情が高まり、イラつきが最高潮に達しそうになる。互いにピリッとした空気を放ち、睨み合う。周りが冷たい空気に包まれ……

 

「何をしている馬鹿者共!」

「「!」」

 

 冷たい空気を晴らし、千冬が現れた。もう安心だ!

 

「織斑先生……邪魔しないでくださいよ」

「同感です、教官」

 

 何と、2人は千冬に反論したのだが……スパンと小気味良い音が鳴り、2人はうずくまることになる。

 

「うおぉ……」

「くうぅ……」

「お前らの個人的な喧嘩に付き合うつもりはない、おとなしく席に着くんだな」

「「……はい」」

 

 1組の鬼には敵わない、1組のパワーバランスが示された瞬間であった。

 

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「「「「「デュノア君!」」」」」

「さぁ、観念なさい!」

「織斑君×デュノア君……ディ・モールトベネッ!いい!すごくいい!」

「腐女子のプライド!漫画部の栄光!他の学校なぞに、やらせはせん!やらせはせん!やらせはせんぞぉ!」

 

 1時間目の準備時間、一夏とシャルは女子の軍団に追われていた。

 

「ねぇ!?何この状況!?というか最後の人は何!?」

「知らん!とにかく走れ!捕まったら終わりだ!後最後の奴はド○ルだな!」

 

 そんなことを言いながら逃げていく。だが……

 

「逃がしはせん!逃がしはせん!逃がしはせんぞぉ!」

「ほらほらスクラム組んでほらほら!」

「諦めろぉ!大人しくウス=異本の題材になれぇ!」

 

 前からスクラムを組み、一夏達を捕らえんとする女子達の姿が!

 

「はぁ……しょうがない、シャルル?ちょっと許せ!」

「へ?ふにゃあ!?」

「「「「「きゃあぁぁぁぁ!お姫様だっこ!」」」」」

 

 一夏はシャルを抱き上げ、走る。目指すは廊下に置かれたロッカー!

 

「待ぁぁぁぁぁてぇぇぇぇぇ!」

 

 3……!

 

「うわぁぁぁぁぁ!?一夏ぁ!?」

 

 2……!

 

「「「「「あんた達はもうおしまいよぉ!」」」」」

 

 1……!

 

 一夏はシャルを抱き上げたまま飛び、ロッカーを踏みつけた!壁を蹴り、迫る女子の壁を抜け、そのまま更衣室に走る!

 

「逃がしたぁ!?」

「し、しまった!?お、追えぇ!皆の衆!追えぇ!」

 

 だが、既に一夏達は更衣室に鍵を掛けていた。ミッションコンプリート、一夏達の勝利だ!

 

「ふう、ごめんな、シャルル?大丈夫か?」

「……し、死ぬかと思った……お、織斑君、な、何してたのさ……」

「……悪いが話は後だ、早く着替えないと織斑先生に……」

「お、織斑先生に……?」

「……」

「ひ、ひえ!」

 

 そう言いながらシャルはさっさと着替え始める。それを横目に一夏もさっさと着替える。着替えには1分も掛からず、さっさとグラウンドに向かうのだった……




 あぁぁぁぁ!

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