それでは本編どうぞ!
「改めまして、今日からこのクラスの副担任をさせてもらう風鳴真です。」
何故俺が女子高である私立リディアン音楽院高等科で教師をすることになったかと言うと…
数ヶ月前、俺は最後の仕上げに緒川さんと父さんふたりを相手に組手をしていた時だった。
「真、来年度からリディアンという学校の教師をしてもらう」
「は?リディアン?そこって確か女子高だろ?男の俺が教師って…大丈夫なの?」
「そこはこちらで何とかする。リディアンの地下に二課の本部があるのは知ってるな?」
「まぁね」
「何かあった時、リディアンにいれば直ぐに駆けつけて来れるからな」
「なるほど、わかった。俺が子供に勉強を教えられるほど頭は良くないが。それでもいいと言うなら」
「ふっ、そこは心配していない。お前の先生は了子君だったからね」
俺が小さい頃、色々な事情で学校に行けなかったため、仕事の合間を縫って母さんが俺に勉強を教えていた。
そんなこんなで朝の全校朝礼で、新任として理事長が俺を紹介したのだが、あの時の翼の驚き様はすごく可愛かった。
「先生は今お幾つなんですか?」
「22だよ」
俺は今生徒たちの質問に答えている。一人一人の顔を覚えるため辺りを見回していたが…
「おや?1人いないようですが?」
「えっと、立花響さんですね」
「誰か立花君…「遅くなりました!」……」
「おはようございます立花君」
「はい!おはようございます!」
元気いっぱいまるで太陽みたいな子だ
「ところで…」
「ん?」
「どちら様ですか?」
「……」
一瞬だけあっけに取られた。
「プッ…あははははっ!そうだね、君にはまだ自己紹介をしていなかった。風鳴真だ、今年からこの学校の教師になった。よろしくな」
俺は右手を差し出す
「はい、よろしくお願いします!」
そう言って彼女は握り返す。
「それで?どうして遅れた理由のですか、立花さん?」
担任の先生が立花に問いただす。
「実はここに来る途中で木に登って降りれなくなってるネコちゃんを見つけて」
「それを助けていたら遅れたと?」
「それでその…」
「まだ何か?」
「このままほっとく訳にも行かず…」
そこで俺は察した。
「連れてきたと…」
「はい…」
立花は鞄のファスナーを開けると、中から動物が顔を出してきた。出してきたのだが、猫…なのか?
猫にしても犬にしても、こんな種類のは見たこと…あ、目が合っ…
「るお〜ん♪」
「へぶっ!」
俺と目が合うとそいつは俺の顔目掛けて飛び込んできた。
「ぶはっ!」
「る〜ん♡」
なんでこの子、初めましてでなつき度MAXなの?
「あの…先生?」
「とりあえず、この子はこちらで預かりましょう。」
「本当ですか!?」
「はい。なので、席に着いてくれますか?」
「はい!」
立花が席につき、授業に入りたいのだが…
「先生?」
「はい、なんでしょう」
「さすがにこの子を連れたまま授業を進めるのは…」
「そうですね、では今日は挨拶だけということで」
担任の先生とそんな話をしていると生徒側から不満の声が聞こえてくる。
「それでは皆さん。また明日」
俺はこの子を連れて教室を出る。だが、この子を抱えたまま職員室前にもどるのもなぁ…あ、そうだ。
「本部に行くか」
「るお〜ん?」
そうと決まれば本部に行こう。俺はこの子を抱えて二課の本部に行くことにした。
特異災害対策機動部二課
「いつ見ても広いよなここ」
「るお〜ん」
「いつもエレベーターから見える壁画を見て何か思い出さなきゃ行けない気がするんだよな」
「るお〜ん?」
「まあ、そのうち思い出すか!」
「るお〜ん♪」
さっきまで抱えていたのだが、頭に乗ってしまったので、そのままお話しながら二課の司令室まで行きそこに入る
「おはようございます」
挨拶したと同時にみんながこっちに顔を向けてくる。
「学校はどうした?」
暫くの沈黙の後、父さんが切り出した。
「いや、実は……」
かくかくしかじか、まるまるしかく。一通りの説明を終えると
「温かいものどうぞ」
「温かいものどうも」
友里さんから温かいコーヒーを貰う。友里さんはよく俺たちに温かいコーヒーを届けてくれる。周りをよく見て気配りができる美人のお姉さん。藤尭さんと最近よく話してる。そういう関係じゃなかったらけっ……
「い゛っ゛た゛ぁ゛!!」
脇腹に激痛が走り危うく手に持ってたコーヒーを落としそうになった。
「何考えてた?ん?言ってみな?」
いつの間にか隣に座ってた奏に脇腹を抓られていた。
「いや、友里さんと結婚した旦那さんは幸せだろうなーって」
「ふーん…」
「なんだよ」
「誑し…」
「誤解だ」
奏に変な誤解をまねかれた気がするがまぁいい。それよりも
「名前…決めないとな〜」
「るお〜ん?」
「なんだよ決まってなかったのか?」
「そうだな……あ、そうだ。」
どことなく彼女に雰囲気が似ているし…
「イヴにしよう。」
「るお〜ん♪」
「お、なんだ気に入ったのか?」
「るおーん♪」
「はっはっはっ、こいつ〜」
「お前って、動物にも好かれるんだな」
「そうかな?」
イヴとじゃれながら奏と会話していると…
ピロリンピロリン
あるところから着信がはいる
「この着信音は…」
携帯を開いて違うことを祈るが、願い叶わず。俺はため息をこぼしてしまう。
「奏、イヴの面倒見てくれるか?」
「なんだ、どこか行くのか?」
「鎌倉にちょっとな」
俺は司令室に戻り父さんに鎌倉に行くことを伝え、そのまま鎌倉へ向かった。
〜to be continued〜
次回、風鳴訃堂登場。どうなる主人公!!
それではまた次回!
まだ全然先の話だけどG編の話します
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キャロルに記憶を取られFISと合流
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そのままFISと合流