ニンジャスレイヤー第一部RTA ネオサイタマの夜明けルート≪参考記録≫ 作:暴力・砂場・エネルギー無視
感想などに加え、誤字報告のほど、誠にありがとうございます。タイプミスをした担当者はすみやかに次元マンゴーもぎ研修に行きましたので、ごあんしんください。
#DANGOU:sonicboom:今回のミッションは堕落ツジキリストの成敗だ ///
#DANGOU:notear:ハイヨロコンデー ///
#DANGOU:sonicboom:ポイントM-12に向かえ ///
#DANGOU:sonicboom:協力者のソウカイニンジャがいる そいつから詳しいことは聞け ///
#DANGOU:notear:どのような方でしょう ///
#DANGOU:sonicboom:煙突頭だ、見りゃわかる ///
IRC端末を見ながら、パルクール移動でノーティアーは目標地点に向かう。脳内では、ザンキョウがまだ何事かを喚いている。
(((実際珍しい事態です、まさかこのタイミングでフユコ=サンに出会うなど……。彼女のような原作ネームドとの交流(イクサを含む)は、基本的にプレイヤー・キャラクターにとっていい効果をもたらします。あのニ010101010101ヤーですら、出会って逃走するだけでも莫大な経験値が得られますからね。赤黒追跡マラソンは周回プレイヤーの王道を往く経験値稼ぎです)))
(((で、このようなイベントはロスかと言うと……最終的にはロスではないです。極まったカラテで終盤の難敵をいなすことで、結果的にタイム短縮に繋がるからです。ウンチ―理論がまかり通るこのゲームにおいて、これらは最終的何暴メソッドのための必要なコラテラルタイムダメージです。必ず起きるわけでないイベントも多々あるので、見かけたらなんとしてでも拾っておきましょう。
今回の場合はモータル度の追加と精神力経験値です。ちょっとお話しただけでこれ。おお旨い旨い)))
「ドーモはじめまして、ノーティアー=サン。スキャッターです」
「ドーモはじめまして、スキャッター=サン。ノーティアーです」
(((サンシタダー!)))
銀メンポの女ニンジャと円筒形のニンジャヘルムを被ったニンジャは、同時にアイサツした。彼はソウカイ・シンジケートの索敵担当ニンジャであり、独特のヘルムの中には生体レーダーが備え付けられている。
(((このゲームにおいてはわらいなく=サンの他、多くのウキヨエ絵師様がカロウシすんぜ……もとい、安らかな原稿納入を行ったことにより、ほぼすべてのキャラクターに書籍(わらいなく=サン)版/シヨン版/
よくわからないことをのたまうザンキョウを無視し、ノーティアーはスキャッターにミッションの説明を要求した。
「ツジキリストってのは知っているな?新型武装の試し切りなんぞをやっている連中だ。……今回の標的であるニンジャ、カルマヘッドは、シンジケート構成員ニンジャを三人も殺しやがった。この舐めた野郎を残虐に殺し、ソウカイヤの恐怖を企業共に知らせるのが目的、という訳だ」マキモノを取り出し、スキャッターはカルマヘッドの潜伏先である、マルノウチ地区東端、カレススキ・ストリートを示す。マルノウチにしては珍しく、治安の悪い区画だ。
(((このような戦闘任務は定期的にソウカイヤから与えられ、達成すると【名声:ソウカイヤ】が上がっていきます。……モリエちゃんさあ、なんか的確に敵に強ニンジャを引き当ててない?しかしこれは倒せば経験値も高いのは間違いない……別に倒してしまっても問題ないのだろう(類似例で、この期間に14敗)?まあ私の実力見とけよ見とけよ~???)))
「それとだ。ソニックブーム=サン、ひいてはラオモト=サンは、強力で、かつ邪悪なニンジャをこそ求めている……わかるな?」スキャッターのサイバネ・アイが動く。ナムサン!彼が派遣されたのは、ノーティアーの行動を記録し、その邪悪さを測るためでもあるのだ!
「勿論、出来ますよ。ニンジャですから」ノーティアーはしかし平静を保つ。彼女とてニンジャであり、当然ながらモータルを虐げることになんら気後れすることはない!フユコのような類稀な善良さを持つものならばともかく、そこらのモータルなどは尊重されざる弱者であり、自らの暴力の前に倒れ伏す存在だ……そのように、彼女のニンジャ感性は告げていた。
「いい返事だ……では聞き込みを始めようか」その言葉と同時に、二人のニンジャは跳躍!恐るべきスピードでもってビル伝いにジャンプを繰り返し、色付きの風になって目的地に向かう!
◆
所変わって、カレススキ・ストリート。
ここの一角、ビルとビルの間の裏路地で、一人の女子高生が四人のヨタモノに詰め寄られていた。
「ヘッヘッヘ……君ィ、俺らと遊ばなぁい?」
「ひっ……や、やめてください……」抵抗する女子高生!しかしその手はしっかりとヨタモノに掴まれている!おお、ただ一度近道をしようとしただけのこの女子高生は、このままヨタモノ達の嬲り者にされてしまうのか!?
否!
「ちょっとやめませんか」
「ナンダッテメ……ニンジャ!?」
突如として上空から二人のニンジャがエントリー!ノーティアーとスキャッターだ!
「イヤーッ!」「「グワーッ!?」」ノーティアーは即座にスリケンを投擲し、二人のヨタモノの足を封じる!
「イヤーッ!」「「グワーッ!?」」スキャッターは即座にスリケンを投擲し、二人のヨタモノの足を封じる!
おお、おお!女子高生は彼らの嬲り者になることはなかったのだ!
「アイエエエ!?ニンジャ!?ニンジャナンデ!?」ノーティアーはNRSを起こし失禁したヨタモノの腕を掴み上げ、男の写真を見せる。「この人を知っていますか?」「アイエエエッ!し、知らねえ!」「イヤーッ!」カラテチョップで右小指を破壊!「アイエエエ!?お、教えますッ!シダン先生はカレススキ・ストリートの実質的な支配者で、タカマキ・マンションの最上階に住んでいるんですッ!」
「なぜ言い渋ったの?イヤーッ!」左小指破壊!「ゴボボーッ!?!?あ、あんたらシダン先生を殺しに来たんだろッ?だ、だから恐ろしくてッ……」「では、その恐怖から解放してあげます。イヤーッ!」「アババババーッ!!」決断的カワラ割りによりヨタモノの顔面を破壊!噴水めいて血液が飛び散る!その惨状に残りのヨタモノは嘔吐!女子高生はしめやかに失禁!
「良いぞッ!なかなかやってくれるな、ノーティアー=サン!」一方のスキャッターは、態々ハンドカメラを構えてその残虐行為を録画していた!そして、そのレンズは女子高生に焦点を合わせる!「ナンデ!?」女子高生の顔が恐怖に歪む!「ハァーッ!お前をひどいザマにする前に聞きたい!シダンという男を知っているな!?」興奮を抑えきれない彼は、微振動しながらインタビューを開始する!
「アイエエエ!?!?し、知りません!本当です!」「イヤーッ!」スキャッターのキックが、女子高生の右膝関節を百二十度回転させる!「アバーッ!?」「ハァーッ!ハァーッ!貴様嘘をついているな!?これはいけないぞ!わからせてやる!」完全なる言いがかりだ!
「スキャッター=サン。それは可哀そうですよ」二人目のヨタモノの耳を引きちぎったノーティアーが苦い顔をする。「いくらなんでも彼女まで殺す必要はないです。四肢をへし折るのはいいとして……ファックアンドサヨナラはやめましょう。時間的に」
「それもそうだ!」かぶりを振ってスキャッターは肯定し、おもむろに女子高生の左足を破壊!「アババババーッ!?!?」悲鳴が響き、ヨタモノの一人が失神!しかし、それでもニンジャの暴力は止まらない……!
おお、おお、ナムアミダブツ!これこそがソウカイニンジャの残忍さである!ブッダよ、まだ寝ているのですか!?
◆
三時間後。二人のソウカイニンジャは、タカマキ・マンションの向かいにある廃ビルの一角で、シダン……すなわち、カルマヘッドの帰宅を待ち受けていた。
「チッ。こんなに待つならば、あの女子高生とここで前後すべきだった……」「それではニンジャ野伏力が下がってしまいませんか?」「そのための生体レーダーだ」コンコンと、スキャッターはニンジャヘルムを叩いた。
(((モリエちゃん結構酷い事しましたね……)))ザンキョウがぼやく。あの後、さらに三回の追加インタビューにより、二人はカルマヘッドの情報を手にしていた。
彼はカレススキ・ストリートの実質的な支配者であり、外敵からストリートの住民を守るとともに、公然とツジキリを行っているという。そのワザマエから、先生と恐れられていた。
今、彼は契約先の企業との交渉に出払っており、このミッション自体、その隙を狙って立てられたものであった。ノーティアーが選ばれたのは、トレーニングを丁寧にやらなかったことに対する嫌がらせの意味が大きい。
「おや」不意に、スキャッターが立ち上がった。ヘルムのスリットから、緑色のUNIX光が漏れる。「奴が帰ってきたようだ……始めるぞ」
その言葉を合図に、ノーティアーは支給されたスリケンを手に取る。そして、バイオカンガルーめいて大跳躍!
同時に、スキャッターは部屋の片隅に予め設置されたコンピュータ群の前に座った。
「イヤーッ!」スリケン投擲とトビ・ゲリ、二重のアンブッシュ!しかし、重厚な戦闘用義手を右腕に取り付けたニンジャ、カルマヘッドは、双方を義手の装甲で防いだ!
「ドーモ、カルマヘッド=サン。ノーティアーです」
「ドーモ、ノーティアー=サン。カルマヘッドです」
アンブッシュを弾かれたノーティアーはバク転して体勢を整え、二人はアイサツする。狭い廃棄マンションの廊下にて、二者は油断なく対峙していた。
「またしても貴様らか!ハエのように鬱陶しいものだ!イヤーッ!」カルマヘッドは横薙ぎに義手を……改造テッコを振るう!ノーティアーはブリッジ回避!
「イヤーッ!」そのままケリをテッコに放つ……が!「バカメーッ!」「ンアーッ!?グワーッ!?」ナムサン!テッコの装甲の一部がパージされ、白熱ナイフが出現!そのままノーティアーの足に突き刺さったのだ!
「仕込みテッコの恐ろしさ、とくと思い知れーッ!イヤーッ!」更にカルマヘッドはテッコの仕込み武器を用いる!出現するのは火炎放射器だ!
「何ィーッ!?」このままではマルコゲ必須!(((ならば引くか、ノーティアー?否!あえて突っ込むのだ!成せば成る!)))しかし、ノーティアーはニューロンの声に従い突撃!「イィヤーッ!」火炎が放たれるコンマ一秒前にカルマヘッドの眼前に到達!そして手刀を放つ!
だが!「ツジキリスト舐めんなッコラーッ!イィヤーッ!」「ンアーッ!?」カルマヘッドの左手にあったのは、テンダリアス社の開発した最新式電磁ナックル!接近したノーティアーに対し、カルマヘッドはクロスカウンターを仕掛けたのだ!
「イヤーッ!イヤーッ!」「ンアーッ!」さらに二撃!「……ン、三発殴ると充電か。ちと早い……威力を下げてでも連撃性を高めた方がいいな」改善点を発見した彼は、端末にそれをタイプする。
「スゥーッ……」一方、電撃から立ち直ったノーティアーは、簡易アグラ・メディティエーション呼吸を行い、ニンジャ耐久力を高め、傷を癒す。「どうした?何を待っている?来ないならこちらからやるぞ。イヤーッ!」カルマヘッドはカベケリを行い、中空から攻撃を仕掛ける!「イヤーッ!」ノーティアーは前転でこれを回避!
「イヤーッ!」テッコの装甲が開き、アフリカ投げナイフめいた邪悪なスリケンが射出される!ノーティアーは、これをクナイ・ダートで弾いた!
「イヤーッ!」テッコの装甲が開き、非人道兵器マキビシが射出される!ノーティアーは、これをカベケリで回避!
「イヤーッ!」テッコの装甲が開き、鎖鎌が射出される!ノーティアーは、これにあえてクナイ・ダートを巻き付け、射線を誘導、回避!
「なかなかやるな!だがこれではジリー・プアー……」そう言いかけたカルマヘッドの手元で、UNIX端末が爆発する!「グワーッ!?」
その時、タカマキ・マンションの向かいの廃ビルでは、ハッキングによる第三のアンブッシュを成功させたスキャッターが勝利の雄叫びを上げていた!「ヤレー!ノーティアー=サン!」そのまま表に出て、二人のイクサの記録を始めた!
そして、この隙を見逃すノーティアーではない!「イヤーッ!」果敢にカラテを仕掛ける!だがカルマヘッドもやすやすと反撃を許さない!「イヤーッ!」二人の拳が交錯し、美しい演舞にも似たカラテの軌跡が描かれる!
「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」
「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」
「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」
「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」
このイクサを記録していたスキャッターは、何かしらの奇妙な高揚感を覚えた!さながらモナリザを見た者が、その美しさに魅せられるかのように!スキャッターのニンジャヘルムに刻まれる二人の筋肉の動きが、足の運びが、凄烈な空気が、彼のニューロンに刻まれる!
「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」
「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」
「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」
「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」
激しくぶつかる両者!しかし、状況は変わっている!テッコによって、マンションの柵がほとんど吹き飛んでいるのだ!
「イヤーッ!」突如としてノーティアーは側面に回り込み、カルマヘッドを蹴り飛ばす!「バカナーッ!?」バランスを崩したカルマヘッドは……おお、ゴウランガ!二十階の高さから落下!“重い奴は落とせ”というミヤモト・マサシの格言に則った、見事なフーリンカザンだ!過去、平安時代においても、ドサンコ・ウェイストランドのウーンドオオカミ・ニンジャはこの手法で不死身のベンケー・ニンジャを倒したという逸話が古事記に記されている。
「ヤメロー!ヤメロー!」叫ぶカルマヘッド!しかし引力は容赦しない!「クタバレー!」呼吸を整えながら、ノーティアーは落ちゆくツジキリストを見た!その目にいまだ殺意が篭っていることをも、見たのだ!
「なんてな。バカメーッ!」ゴウランガ!ニンジャ平衡感覚によって姿勢を変えたカルマヘッドは、直立に着地!瞬間、足に仕込まれたホッパーサイバネが作用し、反動により天高く飛び上がる!
「ナニーッ!?!?」「イヤーッ!」カルマヘッドは、そのままトビ・ケリを放つ!おお、おお!ワザマエである!そして、その射線の先にはノーティアー!「死ね!ノーティアー=サン、死ね!」
(ジャンプして回避するか!?側転か、前転か、バク転か、それで間に合うか!?)コンマ一秒の間に、ノーティアーのニューロンは目まぐるしく回転し、いくつものイマジナリーカラテが出来あがり……その全ては、貫かれる己の姿で終わった。
ニューロンに潜む隣人は、いつもどおりの合成音で答える。(((昇りなされ、或いは降りなされ。どちらも同じことですよ)))悪魔メフィストフェレスの言葉だ。それによって、電撃的な閃きが彼女に舞い降りた!
「シンキャク!」ノーティアーは……全身のカラテ力を用いて、地面を踏み締めた!重金属酸性雨に晒され、老朽化したマンションの床は、ニンジャの踏みしめに耐え切れずに悲鳴を上げて破壊される!「バカナーッ!?」落下するノーティアーの動きを、カルマヘッドは読み切れない!渾身のトビ・ケリが、空を切り、マンションズウォールに突き刺さる!
「ヌゥーッ、ならば!」その勢いをも利用し、カルマヘッドは再び跳躍!「カラダニキヲツケテネー!」離脱!
「スキャッター=サン!」ノーティアーは落下しながらも叫ぶ!「ヨロコンデー!」落下地点に来ていたスキャッターは、ニンジャ力学を利用した動きで、ノーティアーをプリンセス・ダキ・キャッチ!
「追いますよ!」
(((だから、協力者を用意しておく必要があったんですね。まあこのミッション自体が初なのでアドリブの成果ですが……)))
◆
フジキド・フユコは帰りの道を急いでいた。今日は自分が食事を作る日であるというのに、ワーキングが長引いてしまったからだ。
マルノウチ地区は夜であっても(一部を除いて)治安は良い。しかし、もしものことがないとは限らない……。丁度、今日のように。
彼女の目の前に、突如として全身から血を流す片義腕の男が現れたのだ。
「アイエエエ!?」突然、カタギではなさそうな人間が目の前に現れた事にフユコは困惑する。それをよそに、男……カルマヘッドは、彼女をジロリと見た。「……モータルか」
「あ、あの、怪我は痛んでないんですか?」震えながらもフユコは訊ねる。「い、今は、使えそうなものはハンカチしか持っていないのですが……アンビュランスを呼びましょうか?」
「いや、いい。俺はニンジャだからな」
「ニンジャ!?ニンジャナンデ!?」ニンジャは……トチノキが夢中になるようなフィクションの存在ではなかったのか!?ニューロンに与えられた多大なダメージにより、フユコは失神した。
「よく逃げるネズミですね。これで終わりだカルマヘッド=サン……アイエッ!?フユコ=サン!?ナンデ!?」
しめやかに上空からノーティアーがエントリー!しかし、昼に偶々喋っただけの女性・フユコまでも居合わせたことに困惑!
(((アー!不味いですよコレは!なんとしてもフユコ=サンを守ってください!!!最悪の場合赤黒が生まれない!!!!リセット案件!!!!!)))いつにない早口で、ザンキョウは指示を出す。ノーティアーとしても、そのつもりであった。(((本当は使わないつもりでしたがアレを使いましょう!!!)))
「ほう、知り合いか。ならば……」そう言って、カルマヘッドはボロボロになった改造テッコをフユコに向ける。
しかし。
「涙は禁止よ」
次の瞬間には、2人のニンジャは灰色の異空間にいた。フユコの姿はない……イクサの邪魔になるものとして、キリングフィールド・ジツが弾き出したのだ。彼女のような善良な人間は、人を思いやれるような人は、イクサになど関わって欲しくない……ノーティアーの人間性は、そのように望んだのだ。
「さあ、タイマンよ。やりましょう、カルマヘッド=サン」
◆
スキャッターが到着したとき、そこにいたのはフユコをプリンセス・ダキするノーティアーと、カルマヘッドの生首であった。
「やりましたねノーティアー=サン!キンボシ・オオキイ!ところでそのモータルはどうしますか?」
ちらと、ノーティアーはスキャッターを見た。
「ファックします」
「え?」
「私は疲れたのでこの女とファックしてから戻ります。スキャッター=サンには、クエストの達成報告をお願いしてもいいですか?」
「エッ、でも女……」
「ダメですか?女同士では?」
「オ、オミソレシマシタ……」彼の胸裏に何かが浮かんだが、彼本人には、それが何かはわからなかった。
生首を持ったスキャッターが色付きの風となって去っていくのを見て、ノーティアーは安堵の息をついた。彼とて邪悪なニンジャであり、フユコを傷つけるかもしれない。どうにかして、今だけでも守らなばならぬ……無論ファックなどは真っ赤なウソである。
その後。モリエは、フジキド家の食卓についていた。
(ナンデ……?)
流れはこうだ。疲労から倒れたというテイでフユコを起こしたモリエは、なんやかんやでフジキド家のあるマンションまで彼女をエスコートした。ニンジャリアリティショックにより、彼女はカルマヘッドのことを忘れている。
インターフォン越しに、料理をしていたフユコの夫……ケンジの姿を見て、もういいかとモリエは帰ろうとした。が、フユコは彼女を引き留めたのだ。
「もう夜も遅いですし……たいしたもてなしは出来ませんが、よければ一緒にご飯にしませんか?」
それで、これだ。リビングには、居心地悪そうに食卓で待つモリエと、ニンジャのオモチャで遊んでいるフユコの息子……トチノキがいた。
「トチノキ、そろそろ座りなさい。もう出来るからね」エプロンをつけたケンジが、取り皿を並べる。
「スミマセン、モリエ=サン。あまり期待しないでくださいね、男の急ぎの料理なので……妻が大変お世話になったようで、本当にアリガトウゴザイマシタ」「いえいえ」謙遜。居心地の悪さから、話題を変えようとする。
「トチノキ=サン、ニンジャが好きなんですね」リビングには、多くのニンジャのオモチャがある。「男はみんなそうですよ……私もそうでした。不思議なものですよね」
「出来ましたよ!」ミトンを嵌めたフユコが、ナベをテーブルの中央に置いた。ミズ=タキだ。「ワーイ!」トチノキが我先にとナベをつつこうとするのを、ケンジがしめやかに制し、いくつかの物を取り寄せてモリエに渡した。
「アリガトウゴザイマス」家族の団欒を眺めながら、モリエは鶏肉を口に運ぶ。ケンジも、フユコも、トチノキも笑っている。味は……ソウカイヤで給されるものには悪い意味で比べられぬほどのものであったが、とても温かかった。
ふと、彼女は泣きたくなった。けれど、涙は出なかった。
【アンエクスペクテッド・エンカウント・ウィズ・ザ・ウーマン】おわり
その日のシトカは、珍しく晴れていた。
……ある墓の前に、二人の男が座っている。エピタフには、『ソフィア=ユーリア=ディアンタ』と彫られていた。
男の一人はロシア系ヤクザクラン『過冬』の末端ニンジャ、アドリアン・メギルヴィッチ・イオロフであり、もう一人は、RTA探偵ザザであった。アドリアンは突如現れたイカれた探偵に熱光線を浴びせられ、色々あってここまできたのだ。
「何か、彼女が残した言葉はないか?」ザザは訊ねる。探偵の持つ直感力、ジン・ツー・リキにより、彼はこの寒い土地に導かれたのだ。
「言葉……」アドリアンは考え込む。「なぜ言葉なんだ?」
「私の勘だ。わかるか?」「わからん」
その時である!……特に何も起こらない!しかし、アドリアンには何か思い浮かぶものがあった。
「何か……詩の一節か?時たま口ずさんでいたな」
「ほう」
「……『てんよりきたるあまくだり』……どういう意味だコレは?」
しかし、ザザには得心がいったようだ。
「ありがとう。きっとシトカは君のものになるだろう。いつの日か……」
「ハ?」
しかし、彼が目を上げたときには、そこには誰もいなかった。
【ザ・トゥルース・オブ・コズミック・ジョーカーリィ・カーニバリック・リアル・タイム・アタック・ランナー】 つづく