ニンジャスレイヤー第一部RTA ネオサイタマの夜明けルート≪参考記録≫   作:暴力・砂場・エネルギー無視

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クリスマスがはーじまーるよー


ノーティアーのソウルですが、ホシナ・モリエと一体化したソウル(コロスニンジャ・クラン)の周りを、ザンキョウとおぼしきソウルが回転しているように、見える人には見えるようです。フシギ!


#4 ニンジャスレイヤー・ネヴァー・ラーフス ①

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「イヤーッ!イヤーッ!イヤーッ!……」

 トコロザワ・ピラーに設置されたドージョーに、カラテシャウトが響く。時刻は既に、草木も眠るウシミツ・アワーである。その一人を除いて、訓練を行う者など誰もいない。

 

 「イヤーッ!イヤーッ!イヤーッ!……」

 一人カラテ・トレーニングを続けるニンジャ、スキャッターは、一心不乱にチョップを振るう。思い返すは、ノーティアーとカルマヘッドのイクサ。そして、モータルの女をプリンセス・ダキしたノーティアー。

 

 「イヤーッ!イヤーッ!イヤーッ!……」

 「イヤーッ!イヤーッ!イヤーッ!……」

 「イヤーッ!イヤーッ!イヤーッ!……」

 「イヤーッ!イヤーッ!イヤーッ!……」

 

 「……ハァーッ、ハァーッ……」

 息を荒げながらのザンシン。スキャッターは自問自答する。俺は……なにを求めているのだ?何のために、誰のために、こんなことをしているのだ?

 

 以前ほど、猟奇趣味的なビデオを楽しめなくなった。モータル狩りも、どうしてか心踊らない。だから、ドージョーにも足繁く通うようになった。カラテを鍛えることは楽しかったが、不思議な心残りが彼の胸の内にあった。

 

 ノーティアーに惚れているのか?ノーティアーのカラテに魅入られたのか?あるいは、ノーティアーとモータルの女の顔が近かったことに……?

 「ワカラナイ!ワカラナイ!アーッ!」

 ニンジャヘルムを振り、雑念を振り払う。そしてまた、孤独なトレーニングを再開する。カラテだ。ニンジャなのだ、カラテがすべてを解決するだろう。

 (ナンデ……?)

 それでもなお。彼には、己の心がわからなかった。

 

 「ドーモ。迷っているようだな、スキャッター=サン」

 突如、己以外誰もいないドージョーに声が響く。「アイエエエ!?」咄嗟にスキャッターはヘルムの生体レーダーを作動、付近をスキャン……反応なし!

 

 「アイエエエ!?」スキャッターは周囲を見回し、01ノイズで出来た人型存在がいることに気付いた!「オバケ!?」

 「いいや、俺もニンジャだ……改めて、ドーモ、スキャッター=サン。マスター・カバシラです」ノイズはクネクネとオジギする。

 「ド、ドーモ、マスター・カバシラ=サン。スキャッターです。何が目的だ!?」

 

 01ノイズは揺らめく。「何、道に迷うニンジャに道を示したいだけだ……フィヒヒッ。個人的には役得ではないがな……求められれば答えるのがメンターというものだ。それに、お前を通して汚染と循環とが始まるのだからな。では行くぞ!フィヒーッ!」

 

 突然のカラテ・ツキ!「ヌゥーッ!」紙一重でスキャッターは、ヘルムを守るようにブリッジ回避!

 「まだまだァーッ!フィヒーッ!」間髪おかずにポム・パンチが放たれる!「グワーッ!」これをブリッジからのニュートラル状態移行時に食らったスキャッターは、タタミ五枚分吹き飛ばされる!

 

 「スキャッター=サン!今の攻撃を回避できなかったのは、何故だと思う?……答えは一つ。頭を使っていないからだ」

 「ナニヲーッ!」スキャッターは足元に滑り込み、スライディングで攻撃する!これをマスター・カバシラはジャンプ回避!「頭を使えーッ!重心が悪いんだよーッ!」

 

 スキャッターの脳裏に電撃走る!「そうか!」縦長のニンジャヘルムを地面にあえて付け、ニンジャテコの力学を利用した蹴りを放つ!サマーソルト・キックだ!「イヤーッ!」

 

 「フィーヒヒ!学びが早い!」しかしこれをマスター・カバシラはパンチで相殺!そして対地パンチラッシュを仕掛ける!スキャッターは決断的バク転!「イヤーッ!」マスター・カバシラが着地したところをめがけ、頭突きを放った!

 

 「良い!しかしカラテは足りぬな!」だが!その一撃は右手のみで押し留められ、カウンターのハイ・キックをスキャッターはモロに受ける!「グワーッ!」タタミ五枚分転がる!

 

 「今はまだこんなところか。サンシタなりに良くやるではないか、フィヒヒッ」立ち上がらんとするスキャッターに、マスター・カバシラは手を差し伸べた。

 「しかし、何故俺に」

 「フィーヒヒヒ。クリスマスにわかるだろうさ。世界は循環しているってことがな」

 その瞬間に、マスター・カバシラの姿は無くなっていた。

 

 「オバケ……」スキャッターは呟く。各部の痛みが、先程の僅かなイクサが現実に起こったことを示していた。

 装束から埃を払うと、スキャッターは再びカラテ・トレーニングを始める。

 (ニンジャヘルムをより頑丈なものにしよう……ふわふわローンでカネを借りても良いかもな……何が起きるかはわからないが、クリスマスに備えよう……)

 

 

 

 

 

 

 

【#4 ニンジャスレイヤー・ネヴァー・ラーフス】

 

 

 

 

 

 

 

 

 「ドーモ、フユコ=サン」

 「ドーモ、モリエ=サン」

 ホシナ・モリエとフジキド・フユコは同時にアイサツした。彼女らがいるのは、バーガーショップ・セツゲツカだ。余暇を見つけては、モリエはここに赴き……フユコに会っていた。

 

 (((ガバではない。会う度にモータル度と精神的リラックスによるニューロン経験値を狙ってのことですからね。あとモリエの個人的趣味ではない、わかったか!)))

 「ところでフジキド=サン。クリスマス・イブとか……お暇ですか?」

 (((言ったそばから野獣の眼光はちょっとやめないか)))

 

 しかし、フユコはやや申し訳なさそうに首を振る。「クリスマス・イブは、マルノウチ・スゴイタカイビルで、家族でテンプラを食べることになってるんです。夫との初めてのデート以降、慣例になっていて……」

 

 「そうですか……」少し寂しい思いと、あの家族の仲の良さならば当然だという納得で、モリエは下を向いた。

 (((やーいやーいクリボッチー。というか子持ちがクリスマスに予定がないなんてことありえない日本人!社会性スカスカちゃんか?)))

 (黙れザンキョウ。というか忙しい時の私の父はクリスマスにも働いていたぞ)

 (((アッハイスミマセンデシタ)))

 

 「そんな寂しい顔しないでよ、モリエ=サン。クリスマスに世界が終わるってわけじゃないんだから」

 「そうですね……」しかし、彼女のニンジャ第六感は告げていた。近いうち、彼女には会えなくなると。所謂虫の知らせだが、しかしモリエのニューロンに、それは異様な反響を齎した。

 

 他愛無い会話が続き、そしてフユコは席を立つ。

 モリエは、急にその手を掴んだ。

 「!?」

 「また、会えますよね……?」思っていた以上に不安げな声が出たことに、モリエは驚いた。

 おかしなことを言うのね、とフユコは微笑んだ。「勿論、また会えますよ。オタッシャデ」

 「オタッシャデー……」

 

 

 

 

 

 「ドーモ、ノーティアー=サン。ゲイトキーパーです」

 トコロザワ・ピラー最上層部。紫色のミラーニンジャ装束に身を包んだ古強者は、アンダーカード・ノーティアーに向かってオジギした。

 

 「ド、ドーモ、ゲイトキーパー=サン。ノーティアーです」一方のニンジャ、ノーティアーの額には冷たい汗が流れていた。シックスゲイツの顧問にしてラオモト・カンの懐刀、その圧倒的なカラテオーラは彼女の魂胆を寒からしめた。

 

 「ふむ……ノーティアー=サン。君は最近、モータルの女とよく交流しているそうでは無いか」「アッハイ」「何も責め立てるつもりはない。彼女のバックには何もない。単なるモータルに過ぎない……。さて、ソウカイヤが彼女を殺せと命じたならば、君は彼女を殺せるかね?」

 

 「殺せます」ノーティアーは即答した。フユコは好ましい。しかし、今の地位を投げ捨て、ソウカイヤに楯突いてまで守るべきものではない。ニンジャとして、人間として、そう思っている。嘘偽りのない本心だ。

 

 「うむ、よい心がけだ」ゲイトキーパーは、僅かに微笑む。「しかし、安心したまえ。ソウカイヤは()()()()()()()()()()()()()()()、モータルを傷つけることはない。ソウカイヤは無軌道な暴力機構ではなく、むしろラオモト=サンという清濁併せ呑む大樹を基とする、秩序をもたらす組織なのだから」

 「…ハッ」

 

 「それで、ここからが本題だが……ノーティアー=サン、ザイバツによる襲撃計画を知っているかね?」

 「いいえ。初耳です」そもそもザイバツとは何か、ということまでノーティアーは知らなかったが、黙っておいた。

 「12月24日。ラオモト=サンはマルノウチ・スゴイタカイビルにて、複数企業との商談を行う。その機に乗じ、ザイバツが攻撃を仕掛けるというのが、キョートに潜伏しているソウカイニンジャから得られた情報だ」

 

 「マルノウチ・スゴイタカイビル……」モリエの脳裏に、フユコの顔が浮かんだ。このことを、彼女に伝えなければ。

 (((不要だ)))脳裏の電子音声は、無慈悲に言い放った。

 (ナンデ!?)

 (((RTA上必要であるからですね!)))

 

 しかし、モリエは耐え切れなかった。(……義を見てせざるは勇なき也……!)ミヤモト・マサシの言葉を思い浮かべながら、毅然として口を開く。

 「……モータルをその場から、惨劇の予期される場から遠ざけること。これは、秩序を維持することに繋がらないでしょうか?」

 

 ゲイトキーパーは、その言葉を聞いて片眉を吊り上げた。「なるほど」そして、得心が入ったように目を閉じる。「ダメだ」

 「ナンデ!?」

 「アリが開けた穴が堤を崩す、というコトワザもある。一度例外を認めたならば、次からはそれが罷り通り、いずれは大きな陥穽となるだろう……。何より、そのモータルを見逃したことで、ザイバツ側にソウカイヤの対策が漏れ出る可能性もある、そうは思わないかね?」

 「でも……」

 

 ゲイトキーパーの強烈な眼光が、ノーティアーに突き刺さる!

 「ヒッ……」本能的な恐怖をノーティアーは覚えた!タイガーの間合いに入ったキャットのごとく、彼女はすくんだのだ!

 「ソウカイヤが殺せと命じたならば、君はモータルを殺せる!たとえどんな間柄にあろうとも!そうではないのかね、ノーティアー=サン?」

 

 「……ハイ」暫くの逡巡の後、ノーティアーは答えた。

 「君には期待しているのだよ。ラオモト=サンを失望させることがないようにな……ノーティアー=サン、君には、当日は目撃者のモータルの抹消任務についてもらう」そう言うと、ゲイトキーパーは立ち上がり、暗闇に消えた。

 ……モリエは、長らくそこに座ったまま、動けなかった。

 (これでは、私がフユコ=サンとその家族を殺すも同然ではないか……!)

 

 

 

 

 

 ……そして、運命の日は来る。ニンジャスレイヤー誕生の時(ボーン・イン・レッドブラック)が。

 

【ニンジャスレイヤー・ネヴァー・ラーフス】①おわり。②につづく。




マスター・カバシラ=サンはザイバツのアイツとは関係がなくもない胡乱な何かです
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