ー理巧sideー
「りっくん!!」
『理巧(くん/さん/さま)!!』
ーーーーバコンッ!!
レムが放った貫手を手に持っていたトレーを盾にして僅かにスピードを殺してから身体を逸らして回避する理巧。
「!」
レムはすぐに貫手を外し、カポエラのように回転しながら理巧に蹴りを浴びせようとする。
「(っ! この動きは・・・・!)」
理巧はレムの動きに既視感を感じつつも、その蹴りを後ろに跳んで回避し、別の女子グループがたむろっていた席の近くに来てしまう。
『きゃぁっ!?』
「あ、失礼」
「・・・・・・・・!!」
が、レムはテーブルにあるフォークを手に取ると、一瞬で理巧に肉薄し、舌舐めずりをしてから理巧の片目に向けてフォークを突き立てようとする。
「っ!!」
しかし、理巧は開いた手の指と指の間にフォークを通らせてその手を掴んで止めた。
「(今のは・・・・!)」
「っ!!」
更に既視感を感じる理巧。が、レムは今度はもう片方の手にいつの間にか持っていたスプーンを逆手に持ち、ソレで理巧の手に突き立てようとするが、理巧は頭を逸らして回避する。
「っっ!!!」
次にレムは回避で緩んだ手からフォークを掴んだ手を離れさせ、更に両手に持ったスプーンとフォークを逆手に持ち、ソレで理巧に斬りかかるように襲う。
「くっ!!」
が、理巧は両手にトレーを持って防ぐ。二人はまるでアクション映画のような立ち回りを繰り広げる。
「ちょっとお客様! こんな所で喧嘩なんてやめて下さい! 警察よび「うるさい! 取り込み中だ! 向こうに行ってろ!!」はいぃぃっ!!」
店長らしき壮年の男性が警告するが、理巧が鋭い視線で一喝すると姿勢を正して返答した。
そんな中、二人の戦いを見ていた飛鳥達と焔達、雪泉達と雅緋達。そして飛鳥がポツリと呟いた。
「・・・・ねぇ、私の気の所為なのかな? レムが一瞬、“私に見えたんだけど”?」
「気の所為ではありません。最初の蹴りの動きは、“葛城さんに見えました”」
「次のフォークの攻撃の時は、“日影に見えたな”」
飛鳥の突拍子の無い言葉を、斑鳩と焔・・・・そして他の皆も肯定をするように頷いた。
すると、段々理巧の顔に苦い色が浮かび、レムに押されていた。
「な、何か、理巧くんが苦戦しているように見えるけど?」
『え? ソレってどういう事?』
「レムは今まで、わたくし達の組み手とかを見てたから、わたくし達の動きをトレースし、理巧さんの動きを学習し、予測しているのでしょう」
雲雀とレムの疑問に詠が解説する。
「ーーーーレム! 伏井出ケイに何かされたのか!?」
「・・・・ぅっ!!」
向き直った理巧が冷静に聞くと、レムは再び頭を抑えて苦しむ。
ー伏井出ケイsideー
「ーーーーゲームはコレからだ」
そして伏井出ケイは、その様子を嘲笑いながら『怪獣カプセル』を起動させる。
ーーーーグギャァアアアア!!
「ーーーー『メカゴモラ』!」
『メカゴモラの怪獣カプセル』を起動させた伏井出ケイは、装填ナックルに入れて、ライザーで読み込み、ライザー中央が光る。
「エンドマークを打ってこい!!」
[メカゴモラ!]
ライザーを突き出してスイッチを押すと、『基地』の外で怪獣が召喚された。
『古代怪獣ゴモラ』を黒いメカメカしい身体にし、その顔も機械的で不気味であり、両腕の肘には突起物がある『メカロボット怪獣メカゴモラ』である。
『ーーーーグギャァアアアアッ!!』
ー理巧sideー
「い・・・・いや・・・・! 理巧・・・・助けて・・・・!」
「レム!」
助けてとレムが言い、理巧がレムに近づき手を伸ばそうとしたが・・・・・。
「っ!」
レムは理巧のその手を払うと、ドーナツ屋から外に出ていった。
「レム!!」
理巧と忍達(会計と弁償を済ませ)は急いでレムの後を追った。
すると、レムはピタッと止まって顔を俯かせると、メカゴモラが地響きを上げながらその姿を見せた。
「っ! メカゴモラ!? 伏井出ケイの人形か!」
理巧は伏井出ケイが召喚した怪獣であると見抜くと、俯いていたレムが再び、理巧達の方を振り向いて、俯かせていた顔を上げて、いつの間にか閉じていた瞼を開けると、
「(ギランっ)」
『っ!!?』
レムのその目は、鮮血のように真っ赤に染まっていた。
「ジーッとしてても、ドーにもならない・・・・でしょう?」
「!」
そう言って、ニヤリと笑ったレムの身体は桃色の光の球体に包まれ、メカゴモラの左胸の隅にあるカラータイマーのような窪みに吸い込まれた。
ーーーー理巧・・・・!!
そして小さくだが、レムの助けを求める声を響かせ。
『グギャァアアアア!!』
そしてレムは、メカゴモラのコックピットに乗り込んでいた。
ー伏井出ケイsideー
「ーーーー『最強の器』に『最高の頭脳』! コレが史上最強のメカゴモラだぁああああ!!!」
『秘密基地』にいる伏井出ケイが吠えると、レムが操縦するメカゴモラが、活動を開始した。
ー理巧sideー
メカゴモラは鼻の角にエネルギーを集中させて放つ『メガ超振動波』を放つと、辺りを破壊していった。
「レム! やめるんだ!!」
『ーーーーグギャァアアアアアアアア!!!』
理巧が声を張り上げるが、レムは完全に操られており、メカゴモラを動かし破壊を繰り広げる。
ー伏井出ケイsideー
「アッハハハハハハハハハハハハハハハハっ!! 『自分の世界』が壊れていくのを見るのはどんな気分だぁっ!?」
『秘密基地』の空中ディスプレイに映された理巧を、嘲弄に満ちた顔で嘲笑う伏井出ケイ。
ー理巧sideー
『グギャァアアアアアアアアアアア!!!』
「レム・・・・」
「りっくん!」
「! あーちゃん・・・・」
理巧が、愕然とメカゴモラを見上げていると、飛鳥達忍組が合流した。
「クソったれ! まさかレムがあの怪獣に入っちまうとはよ!」
「何が目的なのじゃ、伏井出ケイは?」
「・・・・・・・・」
「春花お姉様?」
焔と夜桜がメカゴモラに取り込まれたレムを見て、伏井出ケイの『目的』が分からないと言いたげだが、春花は顎に手を当て思案していると、未来が声をかけた。
「・・・・恐らく、“理巧様にレムを倒させる”、っと言うのがのが伏井出ケイの『シナリオ』じゃないかしら?」
「・・・・だろうね」
『!!』
春花の推論を理巧が肯定するのを見て、全員が息を呑んだ。
「ヤツは自分が狂信するウルトラマンベリアルを倒した僕が憎くて仕方ない。だから、僕の仲間であり、自分の思い通りに動くレムを使って、僕と戦わせて、僕にレムを倒させる事で、僕に無力感と絶望感を味あわせてようとしているんだろうと思う」
「随分と陰険で陰湿、それでいて悪辣で姑息な事を思いつくわね」
理巧の話を聞いて、両備が吐き捨てるように言う。
「しかし、実際にどうやってレムを救い出すかだ」
「りっくん!」
「ん?」
「ジーッとしてても! だよ!」
「・・・・ふっ、それもそうだね。やる事は変わらない。レムを助けるだけさ。ーーーージーッとしてても、ドーにもならない!」
飛鳥に言われ、理巧は薄く笑みを浮かべてから、ジードライザーを構えると、カプセルホルダーからウルトラマンのカプセルを取り出し、スイッチを押して起動させる。
「融合!」
ーーーーシャアッ!
カプセルから青い光の線が幾つもの放たれ、ウルトラマンの姿が現れ、カプセルを装填ナックルにいれる。
「アイ・ゴー!」
すぐにベリアルのカプセルを取り出し起動させ、ベリアルの姿が出現した。
ーーーーウエェェッ!
『ベリアルカプセル』をナックルに装填し、ジードライザーのスイッチを押して起動させた。
「ヒア・ウィー・ゴー!!」
装填したナックルを取り外し、ジードライザーにスキャンさせる。
ーーーードクンッ! ドクンッ!
ジードライザーの中央のカプセルに、青と紫の光が交差するように交わる。
[フュージョンライズ!]
「決めるぜ、覚悟!! ハァアアアっ!」
理巧はジードライザーを掲げて胸の前でスイッチを押した。
「ハァッ! ジイィーーーーード!!」
ライザーのカプセルが回転し赤く輝き、理巧の身体が青く輝く。
[ウルトラマン! ウルトラマンベリアル! ウルトラマンジード!! プリミティブ!!]
ウルトラマンとベリアルの姿が重なり合い、理巧は2人のウルトラマンの姿を合わさり、ウルトラマンジード・プリミティブへと変身し、メカゴモラと対峙した。
『ハァァァァ・・・・!』
『グギャァアアアアアアアアアアア!!!』
ー伏井出ケイsideー
「ーーーーソレで良いんだぁ! お前も・・・・! お前の『大事な物』も! 全て消してやる・・・・! ソレがお前の『運命』だぁ!! アッハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!!」
基地でジードの姿を見た伏井出ケイが、目論見通り、自分の描いたシナリオ通りと言わんばかりに狂笑を張り上げるのであった。その姿は、正に春花の予想通りの姿であった。
ージードsideー
『グギャァアアアアッッ!!!』
『ハァァッ!!』
迫りくるメカゴモラを、ジードはショルダータックルで応戦するが、重量の差があるのかメカゴモラはビクともせず、逆に腕て殴られてしまった。
『ぐっ!! ハァァァァ!!』
が、ジードは怯まず、メカゴモラの両肩を抑えて、そのまま押し出しを繰り出した。
『グギャァア!!』
『グハァっ!?』
が、メカゴモラは空いている腕が鎖付きで発射された『ナックルチェーン』でジードの首を掴み、その発射されたパンチの勢いでジードは思わず手を離してしまい、そのままメカゴモラは身体を大きく動かし、鎖に繋がった腕と共にジードは振り回される。
『グギャァアアアアッ!!』
『うぁっ!!』
ー霧夜先生sideー
その頃、石刈アリエの取材を受けている霧夜先生とゼロは。
『(おい霧夜。怪獣が出ているぞ)』
「(待てゼロ。ジードが戦っているか?)」
『(ーーーージードの気配は感じている)』
「(それなら、大丈夫だ。しかしソレよりも・・・・)」
「ーーーーどうしました? 霧夜先生?」
『(・・・・・・・・おい、何だこの女?)』
「(分からん。だからこそ、警戒しているのだ・・・・!)」
霧夜先生とゼロは、目の前の女性記者、石刈アリエに言いようのない程の『奇妙な不審感』を抱き、そして2人の『直感』が騒いでいたのだ。
ーーーーこの女には、僅かな隙も見せてはならない。
と。
「いえ、何でもありません。どうぞ、取材を続けて下さい」
「では・・・・」
取り敢えず、さっさとこの取材を終わらせようと、霧夜先生は石刈アリエの質問に戻った。