閃乱ジード   作:BREAKERZ

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遂に第三のジード登場。
そして斑鳩も葛城が・・・・。


見せる衝撃 アクロスマッシャー

ー斑鳩sideー

 

「あ、飛鳥さん? ほ、本当に、暁月さんが、ウルトラマンジードになったんですか?」

 

「はい! この目でバッチリと見ました!」

 

「目の前でいきなり叫んだと思ったら光りに包まれて、身体が巨大になったと思ったらああなってたんだよ!」

 

理巧の変身に飛鳥と葛城はワタワタとふためきながらも斑鳩に説明した。

雲雀と柳生が目を少し逸らしているのを見て、斑鳩が近づく。

 

「雲雀さん。柳生さん」

 

「「・・・・・・・・」」

 

黙りした二人に、斑鳩は半眼になって詰め寄り、二人は目を逸らす。

 

「貴女達知ってたのでしょう? 暁月さんがウルトラマンジードだって!」

 

「あの、その、えっと・・・・」

 

「・・・・・・・・・・・・」

 

雲雀はしどろもどろになり、柳生は完全に黙秘を貫いた。

 

「まぁまぁ良いではないか斑鳩よ」

 

「半蔵様、しかし・・・・」

 

「その事に関しては後回しじゃ、今は暁月君の方を見るのじゃ」

 

半蔵は鋭い視線で、三大怪獣と戦おうとしている理巧こと、ウルトラマンジードを見据える。

 

 

 

ージードsideー

 

ウルトラマンジードに変身した理巧は、自分の周りを取り囲むように出現した怪獣達を構えながら睨む。

かつて『初代ウルトラマン』を敗北させた『宇宙恐竜ゼットン』。

『ウルトラマンジャック』が苦戦した『宇宙大怪獣ベムスター』。

『ウルトラマンエース』を含めた『ウルトラ兄弟』を窮地に追い詰めた、怪獣を越えた超獣、『異次元超人エースキラー』。

 

『ゼットォォン!』

 

『ピギィィィィ!』

 

『オオオオオオ!』

 

『っ! ジュワッ!!』

 

ジードはエースキラーを押さえつけようとエースキラーに向かうが、目の前にいきなりゼットンが現れ、バリヤーを張ってジードを遮る。

 

『っ!』

 

『ピポポポポポポポ』

 

バリヤーに遮られ動き止めたジードにゼットンは、一兆度もある火球『メテオ火球』を放つ!

 

『ウワァッ!!』

 

『メテオ火球』を受けて、仰向けに倒れるジード。

 

『ゥォォ・・・・!』

 

『ピギィッ!!』

 

『っ!』

 

あまりの熱さに悶えるジードに、ベムスターが踏みつけようと攻撃する。

 

『クッ、『レッキンロアー』!!』

 

ジードは『レッキンロアー』をベムスターに向けて放つが、ベムスターの腹部の5角形に吸い込まれた。

 

『クゥッ・・・・!』

 

ジードは何とか起き上がると、ベムスターが襲いかかるが、ジードは寸前で回避した。

 

『『スペシウム光線』!』

 

『ウワァアアアアアア!』

 

が、エースキラーが斑鳩の兄・村雨の声で『スペシウム光線』を放ち、ジードは光線をくらって吹き飛び、山を砕いて倒れた。

 

『クッ・・・・ウゥッ・・・・!』

 

何とか起き上がったジードに、三大怪獣が迫る。

 

『・・・・オォオオオオ!!』

 

ジードは三大怪獣に果敢に挑んだ。

 

 

ー霧夜先生(ゼロ)sideー

 

「コイツはかなりヤバイぜ・・・・!」

 

「霧夜先生。暁月のヤツ、大丈夫なのかよ?」

 

ゼロにチェンジし渋面を作っている霧夜先生に、葛城が話しかける。

 

「イヤ、かなり不利だ。光線技はベムスターに吸収され、接近戦に変えてもゼットンがテレポートで先回されバリヤーで遮られ、さらにウルトラ兄弟の技を繰り出すエースキラーの攻撃に攻めあぐねてやがる」

 

「う~む、3体の怪獣達も、まるで示し合わせたかのように見事な連携じゃ。それに・・・・」

 

半蔵はチラッとエースキラーを睨む。

 

「じっちゃん、どうしたの?」

 

「・・・・ウルトラマンジードの戦い方を良く見て見るのじゃ」

 

半蔵に言われ、飛鳥達はジードを見ると、ジードはエースキラーを取り押さえようとしているように戦い。それを他の2体に邪魔されているかのような様子だった。

 

「理巧くん、どうしてあの怪獣を取り押さえようとしてるんだろう?」

 

「・・・・もしかしてだが」

 

「柳生ちゃん?」

 

「理巧のヤツは、斑鳩の兄を止めようとしているんじゃないか?」

 

「え・・・・?」

 

柳生の言葉に、斑鳩は声を漏らした。

 

「ウム、おそらくな。あの怪獣の体内に斑鳩の兄が取り込まれておる。ウルトラマンジードの力ではヘタをすれば斑鳩の兄の命まで奪いかねん」

 

『っっ!』

 

半蔵の言葉に、一同は息を飲んだ。

 

「(理巧の性格なら、斑鳩の兄ごと敵を倒そうと考えそうだが・・・・ゼロ)」

 

「分かってる。アイツを見定める」

 

「霧夜先生?」

 

雲雀が首を傾げると、霧夜先生は一同から少し離れる。

 

「じいさん。生徒達を任せるぜ?」

 

「ウムそちらも頼むぞ」

 

「半蔵様? 一体何が?」

 

斑鳩を初め、飛鳥達も首を傾げるが、霧夜先生は懐からゴーグルのようなアイテム、『ウルトラゼロアイNEO』を取りだし、目元に合わせて、スイッチを押した。

 

「シャアッ!」

 

霧夜先生がそう叫ぶと、目映い光が霧夜先生を包み込むと、先生の身体が変貌した。

 

『え、えええーーーーーーーー!!??』

 

飛鳥達は揃って、驚きの叫び声を上げた。

 

 

ージードsideー

 

『クゥッ!!』

 

ジードはゼットンに後ろから首を両手で捕まれ、身動きが取れなくなった。正面にはエースキラーが必殺光線を放とうとしていた。

『レッキングリッパー』で先手を撃とうとするが、ベムスターによって光線技を封じられた。

エースキラーは両腕でL字を作って光線技を放った。

 

『『ワイドショット』!』

 

『クゥッ・・・・!』

 

迫り来る光線技に、理巧は思わず目を瞑ったーーーーその瞬間。

 

『『ワイドゼロショット』!!』

 

迫り来る『ワイドショット』を、別の方向から来た光線が押し返し、押し返された『ワイドショット』が、エースキラーの近くにいたベムスターに直撃した。

 

『ピギイイイイイッ!!?』

 

まったく予想していなかった光線に吸収が遅れ、ベムスターは真後ろに吹き飛んだ。

 

『「っ!? 何だ?」』

 

『『ゼロスラッガー!』』

 

飛来してきた2本の刃が、ジードの首を掴んでいたゼットンを切りつける。

 

『ピポポポポポポポ!!?』

 

『っ! ダァ!!』

 

切りつけられたゼットンの拘束が弛んだ隙に、ジードは羽交い締めから脱出した。

 

『『レッキングリッパー』!』

 

『ゼットォォォォン!!』

 

振り向き様にゼットンに波状光線を放ち、ゼットンが倒れる。

 

『ウォオオオオオオオ!!』

 

エースキラーが村雨の声で吼えながらジードに右手の武器を振り下ろそうとしたが。

 

『『ウルトラゼロキーーーーック』!』

 

『グァアアアアアアア!』

 

横から現れた巨人の炎を纏った急降下キックが炸裂し、エースキラーも倒れ、武器も落とした。

そして、その巨人は見事に着地し、ジードの前に佇んだ。

 

『「ウルトラマン、ゼロ・・・・?」』

 

『よぉ、ダークロプスゼロの時以来だなジード』

 

『「理巧、大丈夫か?」』

 

ウルトラマンゼロから、聞き覚えのある声が聞こえた。

 

『「っ! その声、霧夜おじさん? 何でおじさんがウルトラマンゼロと?」』

 

『「それはな・・・・」』

 

『おい、それどころじゃ無さそうだぜ?』

 

『ッ! 『レッキングロアー』!』

 

『『エメリウムスラッシュ』!』

 

ジードがゼロの後ろから起き上がったベムスターに『レッキングロアー』を放ち、ゼロはジードの背後にテレポートしてきたゼットンに向けて『エメリウムスラッシュ』を放つ。

吸収する体制を整えていない状態だからベムスターは直撃して押し飛ばされ、ゼットンも光線の威力に押し飛ばされた。

 

『ピギィィィィィ!』

 

『ピポポポポポポ!』

 

2体が離れると、ジードはエースキラーとベムスターに、ゼロはゼットンに向かい、二人は背中合わせとなった。

 

『おいジード。お前、斑鳩の兄貴をどうするんだ?』

 

『「・・・・なるべくなら、どうにかして助けてやりたいと思っている」』

 

『意外だな。お前はエースキラーごと倒すんじゃないかと思っていたぜ?』

 

ゼロがそう言うと、ジードは少し逡巡すると声を発する。

 

『「取り込まれたのがまったくの赤の他人なら、その方法も思案していたけど・・・・」』

 

『けど?』

 

『「あの人は、曲がりなりにも、斑鳩さんのお兄さんだから・・・・』

 

『へっ! そうか』

 

ゼロは右親指で口元を撫でると、笑ったような声を上げる。

 

『なら、エースキラーは任せる! ゼットンとベムスターは任せな!』

 

『「・・・・良いのか?」』

 

『あぁ! だが、俺も本調子とは言い難いんでな、なるべくさっさと斑鳩の兄貴を助けろよ』

 

『「・・・・了解!」』

 

ジードはそう応えると、エースキラーの背後に跳び、エースキラーを羽交い締めにした。

 

『ピギィィィィッ! ギュワッ!!?』

 

ベムスターがジードに迫ろうとしたが、ゼロがゼロスラッガーを飛ばして切りつけられ、ゼロの方を睨んだ。

 

『かかってきなベムスター! ゼットン! このウルトラマンゼロ様が、相手になってやるぜ!!』

 

『ピギィィィィィッ!!』

 

『ゼットォォォォン!!』

 

『ハァアアアアアア・・・・! シャァアッ!!』

 

前後から迫るベムスターとゼットンに、ゼロはスラッガーを両手に持って気合いを込めて、2体に切りかかる。

 

 

ー斑鳩sideー

 

「こ、今度は、霧夜先生がウルトラマンに?!」

 

「雲雀! 柳生!」

 

「「(ブンブンブンブンブンブンブンブン!!)」」

 

霧夜先生がウルトラマンゼロに変身し、飛鳥が驚き、葛城も雲雀と柳生に知っていたのかと聞こうとするが、二人も知らなかったので首を横に高速で動かした。

斑鳩は事情を知っているような半蔵に話しかける。

 

「半蔵様はご存知だったのですか?」

 

「まぁの。今はそれよりも、ジードの方を見るのじゃ」

 

半蔵に言われ、一同はエースキラーを羽交い締めしたジードを見据える。

 

「っ!」

 

すると、雲雀が胸の谷間から通信インカムを取り出すと、耳にあてた。

 

「斑鳩さん、ジード、理巧くんから通信が来たよ!」

 

「えっ?」

 

斑鳩はインカムを受け取り耳に当てると、ジードの、理巧の声が響いた。

 

《斑鳩さん、聞こえ、ますか・・・・!》

 

暴れているエースキラーを押さえつけているのか、少し忙しそうな声を出していた。

 

「暁月さん・・・・」

 

《この人、どうしますか?》

 

「えっ・・・・?」

 

《この人は、斑鳩さんを殺す為に、怪獣の力を使って、います・・・・! そんな人を、助けますか?》

 

「・・・・・・・・」

 

斑鳩は逡巡する。確かにあんな姿になったのは、兄・村雨の自業自得だ。記憶の中にある兄との思い出など、常に自分に、憎悪と嫌悪と嫉妬と敵意に満ちた目を向けられていた。

それでもーーーー。

 

「暁月さん、お願いします・・・・! 兄を、お兄様を、助けて下さい!!」

 

《・・・・・・・・委細承知!》

 

斑鳩は涙を浮かべながらそう叫ぶと、理巧も了承の声を上げた。

 

「斑鳩・・・・」

 

葛城が斑鳩に話しかける。

 

「無茶なのは分かっています・・・・。でも、助けて欲しいんです・・・・兄を」

 

「・・・・・・・・」

 

葛城もエースキラーを押さえつけているジードを見据えると、声を上げた。

 

「暁月! いやウルトラマンジード! 頑張れよっ!!」

 

「葛城さん・・・・」

 

「頑張って! りっく、ウルトラマンジード!」

 

「飛鳥さん・・・・」

 

「頑張れジード!」

 

「お前ならやれる!」

 

「雲雀さん・・・・。柳生さん・・・・」

 

葛城だけではない。飛鳥達も兄を助けようとするジードを応援してくれていた。斑鳩も意を決して、ジードに向けて叫ぶ。

 

「お願いします! 暁月さん! ウルトラマンジード! お兄様を、助けて下さい!!」

 

 

ーゼロsideー

 

『「ゼロ。助ける方法は無いのか?」』

 

霧夜先生もエースキラーに取り込まれた村雨をどうにか助けようと、ゼロに聞くが、ゼロは声でも渋面を作っているような感じで発する。

 

『『ルナミラクル』になれれば! 助ける事が出来るが! 今の状態じゃ! 無理だっ!!』

 

ゼロはゼロスラッガーでベムスターとゼットンを相手取りながらそう言った。

その瞬間ーーーー飛鳥達、もっと詳しく言えば、斑鳩と葛城の胸元が光り輝いた。

 

『「っ、あれは!」』

 

『おい、まさか!?』

 

 

ー斑鳩・葛城sideー

 

コーーーン・・・・!

 

「こ、これは・・・・?」

 

「な、なんだ・・・・?」

 

斑鳩と葛城の胸元から、カプセル状の光が出て、光は二人の身体から出ると、ジードの元へ飛んでいった。

 

「あ! 柳生ちゃん! あれって!」

 

「ああ。・・・・『リトルスター』だ。斑鳩と葛城にも、『リトルスター』があったんだ!」

 

「ほぉ~!」

 

「何が起こるの?」

 

雲雀と柳生と半蔵は笑みを浮かべ、飛鳥も斑鳩と葛城と同じように戸惑いがちに、光を追った。

 

 

ージードsideー

 

『ウワァァァァァッ!』

 

エースキラーを羽交い締めしていたジードはエースキラーに振りほどかれ、『エメリウム光線』を受けて吹き飛び倒れると、2つの光がカラータイマーに入り込んだ。

 

『「っ!? これは・・・・」』

 

インナースペースにいた理巧の2つの光がカプセルホルダーに入り、カプセルを取り出すと、『ウルトラカプセル』となった。

 

デャッ!

 

フワァッ!

 

1つは青い身体に剣のような角を付け、鎧のようなプロテクター胸にスターマークを付けたM78星雲の『知性』のウルトラマン、『ウルトラマンヒカリ』。

1つは深い海のような、青と銀の身体をしたウルトラマン。平行世界の地球で艦隊の娘達と共に、人類と怪獣と深海の艦隊が共存する世界を築いた『慈愛の勇者』、『ウルトラマンコスモス』。

 

《『ヒカリカプセル』、『コスモスカプセル』の起動を確認。カプセル交換が可能となりました。カプセルの交換を》

 

『「了解。ジーッとしてても、ドーにもならない!」』

 

理巧は先ず、『ヒカリカプセル』を起動させた。

 

「融合!」

 

デャッ!

 

カプセルから黄色い光の線が溢れ出て、胸にスターマークの並ぶ青いウルトラ戦士、『ウルトラマンヒカリ』のビジョンが現れて腕を振り上げた。

理巧は『ヒカリカプセル』を装填すると、今度は『ウルトラマンコスモスカプセル』を起動させた。

 

「アイ・ゴー!」

 

フワァッ!

 

カプセルから白い光の線が溢れ出て、青と銀の『慈愛の勇者』、『ウルトラマンコスモス』のビジョンが現れる。理巧は装填ナックルに収めた。

 

「ヒア・ウィー・ゴー!!」

 

そしてジードライザーのスイッチを押して、装填ナックルを取り出すと、二つのカプセルをスキャンするとライザー中心のカプセルに、黄色と白が現れる。

 

ドクン! ドクン! 

 

『フュージョンライズ!』

 

「見せるぜ! 衝撃!! ハァアアアアアア!! ハァッ!! ジィィーーーーーーードッ!!!」

 

ヒカリとコスモスのビジョンが重なりあい、理巧と合わさる。

 

『ウルトラマンヒカリ! ウルトラマンコスモス! ウルトラマンジード! アクロスマッシャー!!』

 

折り重なる光の直線と水流の煌めきを抜け、黄色い光と青い結晶の螺旋の中から、青い姿のジードが飛び出す。

 

『ハアァッ!』

 

『っ!』

 

エースキラーの頭上を飛び越え、静かに大地に舞い降り、その姿を見せる。

 

『ハァァァァァ・・・・!』

 

全体的にシャープでシンプル。白銀の姿に青いラインが入った姿。頭頂には青いメット部分であり、滑らかに流れるような動きで構えた。

 

青き激流の戦士・『ウルトラマンジード アクロスマッシャー』。

 

 

ー斑鳩sideー

 

『うわぁ~!』

 

「新しいジードだぁ!」

 

「青い、ジードか・・・・」

 

「なんかシャープでカッコいいかも・・・・」

 

雲雀の影に隠れたペガと、雲雀と柳生と飛鳥は、新たなジードの姿に驚嘆した声を漏らす。

 

「「・・・・・・・・・・・・」」

 

斑鳩と葛城は直感した。あのジードの姿は、今さっき自分達から出た『光』から生まれたんだと。

 

「(さて、お手並み拝見かのぉ?)」

 

 

ージードsideー

 

『『メタリウム光線』!!』

 

『ハァッ!』

 

エースはジードに『メタリウム光線』を放つが、ジードは軽やかに跳び跳ねて回避し、エースキラーの頭上を越えた。

 

『『アトモスインパクト』!!』

 

『グォォオオオオオ!!』

 

着地と同時に流れるように円を描いたジードは手を十字に組むと、光輪状の波動光線・『アトモスインパクト』を放つと、エースキラーは吹き飛び倒れた。

 

『フッ!』

 

ジードは再び軽やかにジャンプすると、ベムスターの近くに着地し、構えると、クイッ、クイッ、とベムスターを挑発した。

 

『ピギィィィィィィィィッ!!』

 

ベムスターは挑発されていると理解すると、両手をバサバサと動かして上昇し、ジードに向かって急降下する。

 

『っジード! セアッ!!』

 

ゼロは『ゼロスラッガー』を『ゼロツインソード』に変えて、ゼットンを切り裂いた。

 

『ピポポポ、ゼットーーーーンッ!!』

 

切り裂かれたゼットンはそのまま倒れ爆散した。

 

『フゥゥゥゥゥゥ・・・・『スマッシュビームブレード』!』

 

右手に形成した光の剣で迫り来るベムスターに、地面を滑るような動きで接近し、すれ違い際に斬り裂いた。

 

『ギュァァァァァァァァァァッ!!!』

 

ベムスターは真っ二つに斬り裂かれ、そのまま空中で爆散した。

 

『光の剣。あれは、ウルトラマンヒカリの技か?』

 

ゼロはジードの光の剣を見て呟いた。

 

『ウォオオオオオオオ!!』

 

『っ! ハァッ!』

 

エースキラーが起き上がり、ジードは軽やかにジャンプして、エースキラーの前に立つと、エースキラーは『M87光線』を放とうと構えた。

 

『フッ! ハァァァァァァァァァ・・・・!』

 

しかしジードはいち早く、虹色の光を放ちながら、大きく円を描くように構える。

 

 

ー斑鳩sideー

 

「暁月さん、お兄様をどうか・・・・!」

 

『・・・・・・・・・・・・』

 

斑鳩は祈るように手を組むと、飛鳥達もジードを真っ直ぐ見つめる。

 

 

ージードsideー

 

『『スマッシュムーンヒーリング』・・・・!』

 

ジードか両手から、虹色のオーロラのような光線がエースキラーを包み込んだ。

 

『ウウゥゥゥゥゥゥゥゥゥ・・・・アッ!』

 

エースキラーの身体が硬直すると、エースキラーの胸元が光り、そこから村雨が光に包まれて出てきた。

 

『フッ!』

 

ジードは光に包まれた村雨を優しく受け止める。

 

「・・・・・・・・」

 

『・・・・ウン』

 

先程の憎悪に満ちた顔ではなく、穏やかな顔で眠っている村雨を見て、安心したように頷いた。

 

『ーーーーーーーー!!』

 

エースキラーがジードに襲い掛かろうと、左手のカギ爪を振り下ろそうとした。

しかしその瞬間ーーーー。

 

『させるかよぉ! 『ゼロツインシュート』!!』

 

ゼロは、ゼロスラッガーを胸のカラータイマーに装着した強力な必殺光線、『ゼロツインシュート』を放ち、エースキラーは空中に吹き飛びながら爆散した。

 

『フゥゥ、グゥッ!』

 

それを確認したゼロは、ただでさえ傷が癒えていない状態で、強敵怪獣を相手取り、強力な光線技も使ったので、エネルギー切れ寸前となり、片膝をついてしまうが、優しく村雨を斑鳩達の所に下ろすジードの姿を見据える。

 

『フッ。コスモスの力か・・・・(『武志』。お前の力を正しく使うヤツがいたぜ)』

 

かつて共に戦った『コスモスの変身者』に呟いたゼロが立ち上がると、ジードが近づく。

 

『・・・・・・・・(コクン)』

 

『(コクン)』

 

お互いに頷きあったジードとゼロは光に包まれ、その姿を消した。

 

 

ー詠sideー

 

「・・・・・・・・・・・・」

 

詠は、斑鳩達を見下ろした後、戦闘によって破壊された山を見て渋面を作り、その場から離れた。

 

 

 

ー斑鳩sideー

 

あの戦いから2日後。病院に担ぎ込まれた兄・村雨が目を覚ましたと聞き、お見舞いにやって来た斑鳩。

 

「・・・・・・・・・・・・」

 

「・・・・・・・・・・・・」

 

ベッドに横になり、上体を起こした村雨は、ベッドの近くに置いた椅子に腰かけた斑鳩と目を合わさず、窓の外の景色を見ており、斑鳩もどう話せば良いのか迷っていた。

 

「斑鳩・・・・」

 

「っ、はい・・・・」

 

どんな言葉をかけられるか分からず、内心緊張する斑鳩に、村雨は今まで斑鳩が聞いたことの無いような静かな声で話した。

 

「昨日な。お前のクラスメートの小僧に聞いた。ウルトラマンは、お前が俺を『助けて』と言ったから、俺を助けた。そうじゃなかったら、俺ごと怪獣を倒す勢いだったってな」

 

「っ!(暁月さんが・・・・?)」

 

内心驚く斑鳩に構わず、村雨は声を発する。

 

「何で、俺を助けてなんて言ったんだ? 俺はお前を散々貶してきたのによ?」

 

「・・・・分かりません」

 

「は?」

 

「わたくしにも、分かりません。お兄様とはお世辞にも、良き関係では有りませんでしたから・・・・。ですが、あの時、お兄様を助けるかと、ウルトラマンに聞かれた時、わたくしはお兄様に、“死んで欲しくない”と思ったのです・・・・」

 

「そうかよ・・・・(・・・・こういう所が、俺との決定的で、絶望的な差か・・・・)」

 

おそらく、いや間違いなく、自分が斑鳩の立場だったら、これ幸いと言わんばかりに、“斑鳩を殺せ”と言っていた。

しかしそんな思考をしている時点で、自分は斑鳩に及ばない事を実感した。

 

「俺は・・・・」

 

「・・・・・・・・」

 

「俺はただ、父さんに、誉めて貰いたかったんだ」

 

「お兄様・・・・」

 

「忍の適正が低い事は自分自身が良く分かっている。でも、頑張っていれば、努力していれば、『飛燕』に相応しい忍になれると、甘い幻想を抱いていたんだ」

 

それから村雨は自嘲するように呟く。

 

「父さんに誉めて貰いたかった。認めて貰いたかった。期待に応えたかった。だけど、お前が来て、父さんに認めて貰って、期待されて、そんなお前が妬ましくて、悔しくて、憎らしくて、お前を盗人と蔑んで、そんな惨めな自分を慰めたかったんだ・・・・」

 

「・・・・・・・・」

 

斑鳩は悲痛な顔で兄を見る。

 

「だから、あの力を使えば見返す事が出来ると思ったが。結局、力に呑まれて、自分を見失っちまった・・・・」

 

「お兄様・・・・忍になることは?」

 

「あんな事をやっちまったんだ。もう忍になる資格は剥奪されたも同然だ。しばらくは病院で留置処分とされるそうだが、罪には問わないだとよ」

 

「・・・・そう、ですか」

 

「斑鳩。そろそろ行けよ。間もなく事情聴衆が始まるからな」

 

「はい・・・・」

 

斑鳩が椅子から腰を上げて椅子を片付けると、病室を出ようとドアの取っ手に手を伸ばそうとする。

 

「斑鳩」

 

「っ、はい」

 

背中越しに兄から声をかけられた。

 

「『飛燕』に、相応しい忍になれよ」

 

「えっ・・・・?」

 

斑鳩は振り向くと、村雨は相も変わらず窓の外を眺めながら声を発する。

 

「今更、こんな事を言われても、許されないと思うし、資格も無いと思うがな・・・・その、今まで、済まなかった。これからも、頑張れよ・・・・」

 

「ーーーー!!」

 

その時、自分は兄から、初めての謝罪と応援を受けた。それを自覚した時、斑鳩の胸の内から、込み上がってくる喜びの感情が涙となって瞳を潤す。

 

「は、はい・・・・! 頑張ります・・・・! お兄様・・・・!」

 

涙を流しながら笑顔を浮かべる斑鳩に、村雨は顔を向けて、憑き物が取れたような笑みを浮かべていた。

 

 

ー霧夜先生sideー

 

斑鳩が笑みを浮かべて、涙混じりに病室を出るのを確認した霧夜先生(&ゼロ)と半蔵も、笑みを浮かべる。

 

「村雨の心の内にあった負の感情は、青いジードによって浄化されたようじゃな?」

 

「これも、『ウルトラマンコスモス』の力なのでしょうね。村雨に情状酌量を与えたのは、半蔵様ですか?」

 

「ま。今までの努力してきた『忍の道』を、安易に諦めろなどと言ってしまった責任じゃよ。・・・・それに、村雨にあの『怪獣のカプセル』と『水晶の人形』を渡した者も気になるしのぉ」

 

「(デュォオン!) もしかしたらソイツが、蛇女に手を貸しているのかもしれねぇな」

 

 

ー???sideー

 

その頃、蛇女のとある部屋では、鎧武者姿の人物が自分の前で膝を折る二人の忍を見据え、命令を下した。

黒いゴスロリの格好に猫耳のようなフードを被った黒い長髪の小柄な少女。

緑色の短髪にラフな格好をした少女。

二人とも、焔達の仲間の忍だった。

 

「了解した・・・・」

 

「フフッ、漸く出番ね・・・・」

 

二人は笑みを浮かべると、懐から『コピークリスタル』と『怪獣カプセル』を手に取った。

 

 

ー伏井出sideー

 

「・・・・・・・・」

 

伏井出ケイは暗い執務室のような部屋で、『レッドキングカプセル』。『エレキングカプセル』を並べ。さらに、『ベムスターカプセル』。『ゼットンカプセル』。『エースキラーカプセル』を並べると、5個のカプセルから禍々しい黒いオーラが立ち上ぼる。

 

「『コピークリスタル』に人間を取り込ませると、あのような形になるとは、面白い実験結果が出ましたね。さて、まだまだこれからですよ・・・・」

 

伏井出ケイは、全てが計画通りと言わんばかりに笑みを浮かべる。

 

 

 

ー理巧sideー

 

「うぉぉおおおおおおおおおおおおおおおっ!! なんじゃここはーーーー!? まるでSF映画だぜっ!!」

 

理巧が基地の中央テーブルで『アクロスマッシャー』の分析をしていると、転送エレベーターから、雲雀と柳生に連れられて、飛鳥と斑鳩と葛城がやって来た。

葛城が大声で叫び、飛鳥と斑鳩も声には出さないが、葛城と同意見なのは、唖然とした顔で分かる。

 

「ここが! 理巧くんの秘密基地だよ!」

 

「と言っても、最近ではオレと雲雀も入り浸っているがな」

 

「凄ーーーーい! あっ! 理巧くん!」

 

「いらっしゃい。まあ取り敢えずゆっくりしていってね」

 

『はじめまして! 飛鳥に、葛城に、斑鳩だね! ペガは理巧の友達で、ペガッサ星人のペガだよ!』

 

「え、ええ、はじめまして・・・・」

 

「うわっ! 本当に宇宙人かよ!? 都市伝説かと思っていたぜ!」

 

「はじめましてペガくん!」

 

飛鳥と葛城がペガをマジマジと見つめ、斑鳩もペガに驚きたが、すぐに理巧の近くに行く。

 

「あの、暁月さん・・・・」

 

「はい?」

 

「その、お兄様と、お話できました」

 

「そうですか」

 

「・・・・ありがとうございます。お兄様を、助けてくださって・・・・」

 

「・・・・僕は、斑鳩さんが助けてって叫んだから助けただけです。感謝されることではありませんよ」

 

「それでも、ありがとうございます」

 

「・・・・はい」

 

どことなく気恥ずかしい雰囲気が二人を包み、飛鳥達もそれを見ていた。

 

「ですが、暁月さん、イエ、これからは理巧くんと呼ばせていただきます」

 

「ん? 名前は別に良いですけど・・・・」

 

「貴方のサボり癖ははっきり言って問題です。これから忍教室の一員たる者。修行にも真面目に取り組んでもらいます」

 

「ウェ・・・・」

 

「その為にも、わたくしが、貴方の『教育係』になります!」

 

「「「「『ん?』」」」」

 

「んん??」

 

斑鳩の言った言葉に、全員が首を傾げる。

が、斑鳩は若干顔を赤らめて口を開く。

 

「理巧くん・・・・わたくしが貴方の、『お姉ちゃん』になります!!/////////」

 

「・・・・・・・・・・・・いや何で?」

 

「あっ、んじゃアタイも暁月、いんや、理巧の『姉ちゃん』になってやるよ」

 

「いやだから・・・・・・・・何で??」

 

この日、暁月理巧は『二人の姉』を得たのであった。




斑鳩と葛城が、理巧のお姉さんポジションになりましたぁ!

ー次回予告ー

修行の為に無人島にやって来た僕達。初めてのお泊まりに少し緊張する。
しかし、そんな僕達の前に、新たな二人の悪忍と二体の怪獣と新たに出現した融合獣で大混乱。そして、海の中からも怪獣が出現して、大苦戦だ。
新たな武器のお披露目といきますか!


次回、『閃乱ジード』

【怪獣列島】

ジーッとしてても、ドーにもならない!
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