閃乱ジード   作:BREAKERZ

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『大切な物』

ー葛城sideー

 

「どおぅりゃっ! たぁっ! おおっ! とぉりゃっ!!」

 

葛城は薪を作るために島の樹木を、その鍛え上げられた美脚、いや健脚で薙ぎ倒し、細かくへし折っていく。

 

「薪はこのくらいで十分か」

 

葛城は山となった薪の上に寝そべる。

 

「はぁ・・・・早く水着が、見たい」

 

葛城の頭の中では、斑鳩、飛鳥、柳生、雲雀。同年代から見ても圧倒的かつ、暴力的に実った瑞々しいプロポーションと豊満かつ形の美しいバストが、薄い水着に包まれた姿を想像し、顔がニヤケ、口元に涎を垂らした。

 

「うへへへへへ、さらに今日は、新しい逸材もいるしなぁ~」

 

男でありながら、自分の心を奪い、新たな境地に到達させた暁月理巧のヒップが、一体どのような水着でその姿を現すのかを想像して、葛城はさらに顔をニヤケさせる。

 

「うぇへへへへへ。トランクスタイプか? スパッツタイプか? それともまさかのブーメランタイプか? できればブーメランが好ましい!!」

 

知らない人が見れば問答無用で警察に通報されそうなほどに、顔をニヤケさせて涎を垂らす葛城だった。

 

 

ー理巧sideー

 

「っ・・・・!?」

 

『理巧? どうしたの?』

 

「いや、何か凄い嫌な気配を感じたんだけど・・・・」

 

「え??」

 

 

ー飛鳥sideー

 

その頃斑鳩は、竈に火を起こそうとし、雲雀は食器を洗って、飛鳥は食材を切っていた。

 

「白いお碗と思ったら、全部埃だったんだねぇ。飛鳥ちゃん、そのおネギどうしたの?」

 

「裏の畑に生えてたの。ちょっと朽ちかけていたけど、贅沢は言えないよね?」

 

「だよね~。・・・・ねぇ飛鳥ちゃん」

 

「ん?」

 

 

 

 

雲雀は先ほど見つけた文字の事を話し、それがあった部屋に向かった。

 

「“スーパー忍者”??」

 

「うん。そう書かれていたの」

 

「あっ! 以前ここに来た先輩が書いたんじゃないかな」

 

「あんな目立たない所に?」

 

二人は書かれていた天井の柱を見上げる。

 

「イタズラ半分かも知れないけど、見えない所にコッソリ願い事を書くだなんて、そう言う気持ち、何となく分かるなぁ」

 

「そうかぁ、お願い事かぁ! 書いた人、立派な忍になってるかなぁ?」

 

「なってると良いね!」

 

「うん!」

 

「立派な忍がどうかしたの?」

 

二人が振り向くと、ちょうど帰って来た理巧とペガがいた。

 

「あっ! 理巧くん、ペガくん。お帰り!」

 

「うわぁ! このキノコ食べられるかなぁ?」

 

雲雀が二人が背負ったカゴに入ったキノコや山菜を見て言った。

 

「ちゃんと食べられる物を集めたよ」

 

『あっ! 霧夜さんと柳生も戻ってきたよ』

 

「それじゃ、おじさんと柳生の成果を見に行くか」

 

理巧は飛鳥達を連れて、霧夜先生の方に向かった。

 

 

 

ー理巧sideー

 

そして夜。食卓には柳生が捕ってきた魚で刺身が並べられた。

 

「柳生さん、お疲れ様。はいア~ン」

 

「ア~ンムっ。ムグムグ」

 

理巧は柳生にイカゲソをアーンとさせた。

 

「霧夜先生」

 

「釣りは駄目だったが、貝を捕ったのは俺だからな」

 

≪いやそれ自慢にならねぇだろ≫

 

雲雀に話しかけられ、アサリを見せて妙な見栄を張る霧夜先生にゼロは呆れながらツッコンだ。が、雲雀は別の事を話した。

 

「“スーパー忍者”ってどんな忍なんですか?」

 

「っ・・・・」

 

「先生?」

 

霧夜先生の目が少し鋭くなったが、雲雀に話しかけられ、元に戻った。

 

「名前からして、全ての忍を超越するような、究極の忍・・・・見たいなもんじゃないかな?」

 

≪何か歯切れ悪いな?≫

 

「へぇ~、そんな忍がいたら、悪忍や悪い宇宙人なんて簡単にやっつけて、世界も平和になっちゃうかもですね!」

 

「あ、ははは・・・・そう、だな・・・・」

 

「・・・・」

 

≪???≫

 

顔を背ける霧夜先生に、理巧とゼロは訝しそうに見ていた。

 

 

 

 

 

カポーン・・・・。

 

夕食を終え、飛鳥達が風呂を入り終えたので(女性陣が入るとき、理巧は一緒に入ろうと葛城と雲雀に連れていかれそうになり、斑鳩と飛鳥と柳生が止めると言うハプニングがあった)、風呂に入浴している理巧と霧夜先生とペガ。

 

『♪~♪~♪~♪~♪~♪~♪~♪』

 

ペガは宇宙人専用シャンプーで頭(?)を洗っていた。

 

「ふぅ~。悪くないな」

 

理巧は夜空を見上げて呟いた。そんな理巧に、ゼロにチェンジした霧夜先生が話しかける。

 

「(デャォォン)・・・・よ。隣、良いか?」

 

「ウルトラマンゼロ。良いけど」

 

「固っ苦しいな、ゼロで良いぜ」

 

「それじゃ、ゼロ」

 

「おう」

 

二人は隣り合わせで、夜空の星空を見上げた。

 

「なぁジード」

 

「僕の事も、理巧で良いよ」

 

「それじゃ理巧。お前、ベリアルの息子なんだってな?」

 

「・・・・遺伝子上では、ね」

 

すでにお互いがウルトラマンである事を知ってから、これまで理巧が手にした『ウルトラマンベリアルに関する情報』を霧夜先生やゼロにも伝えておいた。

勿論。理巧には『ベリアルの細胞』がある事も。

 

「俺の親父は、お前が使うカプセルの1つのウルトラマン。『ウルトラセブン』だ」

 

「うん」

 

「お互い、父親には苦労するな?」

 

「お互いって、ゼロもウルトラセブンに苦労したの?」

 

「まぁ、俺がセブンが父親だって知ったのは、幽閉されていたベリアルが脱獄して、『M78星雲 光の国』を襲撃し、『プラズマスパーク』と呼ばれる『光の国』のエネルギーコアを強奪した通称『ベリアルの乱』が起こった時だがな。丁度俺はその時、親父の弟子である『ウルトラマンレオ』。その弟の『アストラ』。そしてキングのじいさんこと、『ウルトラマンキング』の元で修行していたんだ。もしかしたら親父は、俺が『英雄』と呼ばれた『ウルトラ兄弟』の『セブンの息子』って事で、周りの奴らから“色眼鏡で見られないようにしてくれたのかもな”」

 

「『伝説の忍 半蔵の孫』って肩書きで、肩肘張ってる所がある飛鳥さんみたいに?」

 

「そうかもな」

 

人は、偉大な事を成し遂げた人物の親族に対して、一方的な期待や嫉妬を抱き、そして期待に答えられない時は失望や嘲弄を抱く事がある。

理巧は、ジードがベリアルに似た容姿のせいで、世間から一方的な警戒や恐れを抱かれて、中学時代は周りと違う容姿のせいで一方的に異物扱いを受けてきたからよく分かる。

 

「・・・・ベリアルは、他に何をしたんだ?」

 

「聞くとかなり堪える物があるぞ?」

 

「それでも良い。僕はベリアルの事をほとんど分かっていない。だから、知らなければならないんだ、ベリアルの事を」

 

理巧の目を見て、ゼロはフゥ、とため息を吐いた。

 

「分かった。俺も大隊長である『ウルトラの父』から聞かされた事を話すぜ」

 

ゼロからの話に理巧は静かに聞き、ペガは今度は宇宙人専用ボディソープで身体を洗い出した。

 

 

 

 

 

風呂から上がって、ホカホカと身体を温まった理巧達は、女性陣の部屋を通ると、ギャイギャイ騒いでいる女性陣の聞こえた。

 

「皆、もう遅いから寝て(パシッ)・・・・危ないな」

 

襖を開けた理巧の眼前に迫った枕を、理巧は冷静にキャッチすると、枕を投げた体制の斑鳩と目が合った。

 

「・・・・・・・・斑鳩姉さん、何してんの?」

 

「あっ、いえ、これは、その、皆さんがあまりにも煩かったので、枕で対抗しようとして・・・・」

 

「・・・・全員、ソコに正座っ!!」

 

霧夜先生に怒鳴られ、女性陣は並んで正座して説教された。

 

 

 

 

 

『ZZZzzzZZZzzzZZZzzzZZZzzz・・・・』

 

そして、霧夜先生と同室で寝ることになった理巧とペガ。

布団で寝静まるペガはすでに夢の中に旅立ち、霧夜先生が理巧に話しかけた。

 

「理巧」

 

「ん?」

 

「お前は、何でウルトラマンジードとして戦うようになったんだ? お前は基本、鷹丸達以外がどうなろうが、無関心だっただろう?」

 

「・・・・・・・・『ジーッとしてても、ドーにもならない』」 

 

「何?」

 

理巧が呟いた言葉に、霧夜先生はピクリと眉を動かす。

 

「ジーっと耐えていても、ドーにもならない事があるって事を、中学時代に嫌と言うほど体験して。それから雲雀ちゃんを助けるために行動して、柳生さんを守るために戦って、それからも斑鳩姉さんの兄を助けようとして、自分でも、無関心を貫こうとしていたら、この言葉を呟くと、いつの間にか戦っていた」

 

「・・・・それは、お前にとって飛鳥達が、『守りたい大切な物』になったからだな」

 

霧夜先生の言葉に、理巧は少し逡巡して唇を開く。

 

「僕には、鷹丸さん達以外に無かった筈なのにな・・・・」

 

「俺も無かった時があった。だがな、1つ『大切な物』が見つかると、他にも大切な物が沢山出てくる。俺も、『仲間達や大切な人』ができて、それから世界が愛しくなった。大切な人達が生きる世界だからな。ま、今の俺が出来るのは、『次の世代』の奴らが、少しでも望みを持って生きて貰える事くらいだがな。ゼロになれるからって、それが俺自身の力とは思わないさ」

 

霧夜先生は薄く笑うと、理巧に顔を向けた。

 

「お前は普通とは逆かもしれん。俺達は身近な大切な人達を守りたいから世界を守りたいと思う。お前は、世界を守りながら、自分にとって沢山の『大切な物』を探していく。そう言う運命を担っているのかもな」

 

「そう、かな・・・・」

 

「そうだろうよ。俺だけじゃない、飛鳥達にだってあるんだ。理巧にも、きっと『大切な物』がこれからも生まれ、それらを守るために、戦う事ができるはずだ。お前がお前でさえいればな」

 

「僕が、僕でさえいれば、か・・・・もう寝るね。おやすみなさい」

 

「ああ、おやすみ」

 

理巧は布団を被って、眠ろうとした。

 

≪へへっ、良いこと言うじゃねぇか、霧夜先生?≫

 

「(これでも教師だからな・・・・)」

 

しかし、霧夜先生の脳裏には、雲雀が言った『スーパー忍者』の事を考えていた。

ふと霧夜先生の脳裏に1人の少女の姿が過っていた。

 

「(スーパー忍者、か・・・・)」

 

「(んん??)」

 

眠ろうとしていた理巧は合宿所の外から、『妙な気配を2つ』ほど感じて目を小さく開いたが、すぐにそれが消えて妙だと思ったが、眠りについた。

 

 

 

 

 

翌日の海岸で、飛鳥達が自発的に忍装束を脱いで自らを追い込み、素早さと攻撃力を上げ、防御力を極端に下げた特殊な術を用いた修行・『命駆』を眺めていた。

 

「『命駆』中は敵の攻撃一発一発が致命傷となりうる! 当てても当てられるなっ!」

 

「「はいっ!」」

 

霧夜先生の言葉を、水着姿となった斑鳩と葛城が返答し、飛鳥達も修行を開始したが、理巧は周囲を鋭く見回った。

 

「理巧。見学も大事な修行だ。飛鳥達の動きを細かく見ていろ」

 

「・・・・了解」

 

「「「「「っ・・・・!/////」」」」」

 

理巧が飛鳥達に視線を向けると、現在水着姿の状態の飛鳥達は、理巧に見られている羞恥で、少し動きが固くなって霧夜先生に怒鳴られたのは、この少し先である。

しかし理巧は、飛鳥達の瑞々しい肢体に、圧倒的かつ暴力的なプロポーションと、形の整った豊満なバストに鼻の下を伸ばしておらず、今考えているのは。

 

「(スピード&攻撃力重視タイプか。

『プリミティブ』はパワーは有るけどバランスタイプだ。突出した能力の相手には分が悪い。

『ソリッドバーニング』は攻撃力と防御力重視タイプだからスピードに難がある。それをブースターで補っているがそれだけじゃ素早さを補えない。

『アクロスマッシャー』は素早さと光線技重視タイプ。パワーが弱いし、攻撃力に少し難がある。

今なれるフュージョンライズを上回る相手が現れれば、苦しくなるかもな)」

 

理巧は今自分がなれるタイプ<手札>でどこまで戦えるかを思案していた。

ちなみにペガは麦わら帽子を被って、潮干狩りをしていた。




次回、閃乱カグラで1,2を争うツルペタ娘と無感情娘(昔の理巧ほどではない)が登場し、新たな『ベリアル融合獣』と島に隠れた怪獣が・・・・!
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