閃乱ジード   作:BREAKERZ

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襲撃だぜ、悪忍

ー飛鳥sideー

 

『命駆』の修行を終えた飛鳥達は、自由時間となったので、海で遊ぶために水着に着替えていた。

 

「やっと待望の自由時間だっ! 遊ぶぞーーーー!」

 

先程よりも攻めたデザインの水着姿に着替えた葛城が喜びの雄叫びを上げた。

 

「ねぇ柳生ちゃん」

 

「なんだ?」

 

「さっきまで水着で修行してたんだから、わざわざ着替えなくても・・・・」

 

「それとこれとは別だ。理巧にもなるべくなら色々と可愛い水着を見せたいとも思わないか?」

 

「ああ! そうだね!」

 

柳生の説明に、雲雀は納得したようにポンと手を叩いた。

 

「そうそ、戦う水着と見せる水着は違うんだ」

 

そう言う葛城の手には、誰かの水着のブラが握られていた。

 

「カツ姉ぇ! 私の水着返して!!」

 

「あのCOOLな理巧の無感情な顔を崩すなら・・・・トップレスってのも悪くないぞっ!!」

 

「いやぁああああああああああああああっ!!!」

 

葛城が豊満なバストを両手で隠した飛鳥の手を万歳させて、トップレスを披露された飛鳥の悲鳴が、島全体に広がった。

 

 

 

ー理巧sideー

 

理巧はスパッツタイプの水着にパーカーを羽織った姿で、ビーチチェアで寝そべりながら、海で遊ぶ皆を眺めていた。

水蜘蛛を使って波乗りする斑鳩。

雲雀にサンオイルを塗ってもらっている柳生。

水着のブラを持って逃げる葛城を追う飛鳥。

ちなみに飛鳥がトップレスを晒した状態で浜辺に来たときは、雲雀と柳生が理巧の両目を塞ぎ、葛城が理巧の後ろに回り込んでお尻に頬擦りしようとしたが、斑鳩に阻まれた。

 

『理巧。こういうのも楽しいね?』

 

「まぁ、ね・・・・レム」

 

すぐ隣で砂遊びをしていたペガがそう聞くと、理巧も少しフッと笑みを浮かべて答えると、レムに連絡して呼び寄せた、『球体型偵察機 ユートム』を見据えて、装填ナックルでレムに通信する。

 

《なんでしょう理巧》

 

「ユートムでこの光景を記録してくれないか? 悪くない思い出になる」

 

《了解しました》

 

「それと・・・・」

 

理巧は昨夜に感じた怪しい気配をユートムを使って探ろうとしていた。

 

ー霧夜先生sideー

 

ちり~ん・・・・。

 

そして浜辺で御座を敷いて寝そべる霧夜先生の耳に、“鈴の音”が聞こえた。

 

「っ!?」

 

≪霧夜。後ろだ≫

 

ゼロに言われて振り向いた霧夜先生の目の前に、矢文が砂浜に刺さっていた。

 

「・・・・・・・・」

 

霧夜先生は矢文に鋭い視線を向けていた。

 

 

ー飛鳥sideー

 

その夕方。

斑鳩と飛鳥は夕飯の支度をしており、かまどの火に竹筒で空気を吹いていた飛鳥に、斑鳩が話しかける。

 

「飛鳥さん。霧夜先生を見かけませんでしたか?」

 

「えっ? いいえ、私は・・・・」

 

「明日の予定を確認したかったんですが。理巧くんとペガさんもいつの間にか居なくなっていますし・・・・」

 

 

 

ー霧夜先生sideー

 

霧夜先生は矢文の主からの指示で、島の断崖に来ていた。

 

≪おい霧夜。一体何なんだ? これは明らかに罠って感じだぜ?≫

 

「・・・・・・・・・・・・」

 

ゼロの言葉に答えず、霧夜先生は矢文の文面を見る。

 

『あの崖で 待ってます あなたの大切な 教え子』

 

文面にはそう書かれており、霧夜先生は難しい顔を浮かべていた。

 

 

 

ー雲雀sideー

 

「うわぁ~! お魚がいっぱい!!」

 

川の魚を見てはしゃぐ雲雀は、背後から気配を感じた。

 

「ん。ねえ柳生ちゃん! お魚がこんなに、ん?」

 

「(ニッ・・・・)」

 

しかし、そこに立っていたのは柳生ではなく、黒いゴスロリのドレスに、フリルの付いた西洋傘を広げた、黒い長髪の小柄な少女だった。

 

 

ー柳生sideー

 

『きゃぁあああああああああああっ!!』

 

「っ! 雲雀!!」

 

海で番傘を釣竿のようにして、魚を釣ろうとしていた柳生は、雲雀の悲鳴を聞いて目を鋭くした。

 

 

ー葛城sideー

 

「たぁああああああああああああ!!」

 

葛城は健脚で木を砕き薪を作っていると、上空に弾き飛んだ木片が“何者”かに蹴り返され、葛城に向かってきた。

 

「っ!」

 

葛城は寸でで回避すると、木片は葛城の背後の木に突き刺さった。

 

「誰だ!「こっちや」っ!?」

 

後ろから声が聞こえ振り向くと、葛城の後ろの木に枝に座った少女がいた。

 

「一応命令やさかい、相手になってや・・・・ペロッ」

緑色の髪をセミロングにし、抜群のスタイルをラフな格好で包んで関西弁を喋るその少女は、ナイフを取り出して刀身を、蛇のように長い舌でペロッと舐めた。

 

「・・・・!!」

 

葛城はラフな格好の少女に鼻の下を伸ばさないで、険しい視線を向けた。

 

 

 

ー雲雀sideー

 

雲雀は突然現れた少女から逃げようと川縁の岩場を駆け抜けるが、その少女に先回りされた。

 

「あっ!」

 

「へぇ~、逃げ足だけは一人前みたいね」

 

その少女は片目が眼帯で隠され、隠されていないもう片方の目で、雲雀を見下ろしながら冷笑を浮かべる。

 

「あ、貴女、『悪忍』?!」

 

「『蛇女子学園1年 未来』よ。覚えておきなさい!!」

 

『未来』と名乗った少女は、西洋傘を閉じると、その先端を雲雀に向けて突き刺そうとした。

 

「うわぁああっ!」

 

しかしそこで二人の間に割って入った番傘が、西洋傘を防いだ。

 

「っ!」

 

未来はその場から一歩引くと、番傘の主がその姿を露にした。

 

「雲雀を傷つけようとするヤツは、オレが許さない・・・・!」

 

「柳生ちゃん!」

 

柳生はいつもの冷静な瞳に、小さく闘志を燃やしていた。

 

「いつの間に・・・・! 遠慮無く掛かってきなさいよっ!!」

 

未来は舌打ちする仕草をすると、柳生に向かってそう言った。

 

「『忍転身』・・・・!」

 

柳生は忍装束に転身した。

 

 

ー葛城sideー

 

その頃、葛城は襲撃してきた少女と対峙し口を開く。

 

「アンタ、強いのか?」

 

「強い? そうありたいモンやな・・・・。ま、命令に応える為やったら強くないとアカンやろ?」

 

「上等! アタイはこの時を待ってたんだ! 『忍転身』!!」

 

ニヤリと好戦的な笑みを浮かべた葛城は、忍装束を纏った。

 

「たぁああっ!!」

 

先手必勝で飛び蹴りを繰り出す葛城だが、相手の少女は一瞬で回避し、葛城の蹴りは少女の背後にあった木をへし折った。

少女はへし折られた木の上に立つと、葛城も木の上に飛び乗って、お互いに跳躍する。

 

「やぁ! たたたたたたたたたた!!」

 

「(ニヤリ)」

 

連続蹴りを繰り出す葛城の攻撃に、少女はニヤリと笑みを浮かべるとーーーー。

 

「っ!!」

 

一瞬で、葛城の忍装束が、少女のナイフで僅かに切り裂かれる。

お互いに距離を空けて着地した。

 

「ハァ、ハァ、ハァ、ハァ、ハァ・・・・」

 

「(ペロリ)」

 

息を切らせる葛城と対象に、少女は余裕の笑みでナイフの刀身に舌を這わせた。

 

「こっちだって、かなり当てたのに・・・・!」

 

自分の攻撃がまるで効いていないと言わんばかりの少女の様子に、葛城は渋面を作った。

 

 

ー霧夜先生sideー

 

ちり~ん・・・・!

 

「っ!!!」

 

耳に入った鈴の音を感じて、霧夜先生は、ハッとなり、振り向くとソコにはーーーー。

夕焼けの空と海の輝きに照らされた、一人の少女がいた。

 

「お前は・・・・『凛』っ!!」

 

霧夜先生がその少女を『凛』と叫ぶが、その姿は一瞬で消えた。

 

≪おい霧夜。あの少女は?≫

 

「バカな・・・・凛は、もう・・・・」

 

≪おい霧夜! しっかりしろ! もしかしたらこれは、陽動かも知れねぇぞ!≫

 

「っ! 誘き出された? しまった! 生徒達がっ!」

 

呆然自失となりそうだった霧夜先生は、ゼロに怒鳴られて正気に戻ると、誘き出された事に気づいた。

 

 

ー柳生sideー

 

柳生は雲雀を抱えて、西洋傘の先端から機関銃のように弾丸を乱射する未来から逃げていた。

その際、弾丸が柳生の腕を僅かにかすった。

 

「っ! 柳生ちゃん!」

 

「心配するな! この程度・・・・!」

 

「私を舐めると、痛い目に合うわよ・・・・!」

 

未来は西洋傘を指し直すと、黒いチャクラを全身から迸らさた。

 

「シュテルプリヒ・・・・!」

 

「「っ!」」

 

未来は西洋傘を広げ、正面に構えて突撃してくるのを見て、柳生は雲雀を下ろして迎撃しようとするが。

その時、背後から聞き覚えのある声が小さく聞こえた。

 

『柳生~! 雲雀~! こっちこっち!!』

 

「っ! ペガ・・・・!」

 

「ペガくん?!」

 

二人の背後の影からペガが現れ、二人は『ダークゾーン』の中に隠れた。

 

「っ!? どこに!?」

 

突撃した未来は西洋傘を閉じると、姿を消した二人を探して辺りを見渡すが、影から柳生が飛び出してきた。

 

「はっ! きゃぁあっ!!」

 

柳生は番傘で未来の背後の服を破り、距離を空けた。

 

「や、やるわね。・・・・ふ、ふん! 今日はこのくらいにしといて上げる!!」

 

「・・・・・・・・」

 

負け惜しみを言っているような未来はソッポを向いてそう言った。柳生は静かに見据える。

 

「良いこと、次に会った時はこんなもんじゃ済まないからね!」

 

「逃がすと思うか?」

 

「まぁ、次に会えたらだけどね!!」

 

柳生が番傘を構えるが、未来をスカートを翻すと、思いもがけない物を取り出した。

 

斑鳩の兄・村雨が使ったのと同じ『怪獣カプセル』と『水晶の人形』、『コピークリスタル』だ。

 

「っ! それは・・・・!」

 

「さぁ! 出てきなさい! 『シーゴラス』!!」

 

キシャァアアアアアッ!!

 

未来は『怪獣カプセル』を起動させると、『コピークリスタル』に装填して、近くの川に投げ捨てた。

柳生と『ダークゾーン』から顔を出した雲雀とペガが川に入った『コピークリスタル』に目を向けている隙に、未来はスカートの中からなんと。

未来が馬乗りできるくらいの大きさのジェット機が現れ、未来はそれに跨がった。

 

「生きていたら覚えておきなさいよ!!」

 

未来はそのままジェット機に乗って、その場を離脱した。

柳生は逃げる未来を鋭く睨むが、すぐに通信インカムを取り出して、レムに連絡する。

 

「レム! 転送エレベーターを出してくれ! すぐにこの場を離れて飛鳥達と合流する!」

 

《了解しました》

 

「雲雀! ペガ! すぐにここを離れるぞ!」

 

雲雀とペガに向けてそう言うと、二人は慌てて『ダークゾーン』から出ると、ちょうど転送エレベーターがやって来て、三人はそれに乗り込んだ。

エレベーターが地下に潜ると同時に、川の中から、森を破壊して、鱗のような体皮に二本足で立ち、鼻先に巨大な角を生やした怪獣が現れた。

 

『竜巻怪獣』、または『津波怪獣』と呼ばれている怪獣、『シーゴラス』だ。

 

『キシャァアアアアアッ!!』

 

 

ー葛城sideー

 

『シーゴラス』が現れる少し前、葛城は襲撃者の少女に苦戦していた。

 

「うわあああああああっ!!」

 

少女の一太刀で地面に倒れそうになる葛城。

しかし、突如現れた影が、葛城の身体を抱き止めた。

 

「っと、大丈夫? 葛姐さん?」

 

「り、理巧・・・・?」

 

「ゴメン。昨夜から怪しい気配をレムにトレースして貰ってたら遅れた」

 

「ふ~ん、アンタが焔が言っとった男子かいな? あんまり強そうやないなぁ? そこの女と同じように」

 

「くっ!」

 

少女の言葉に、葛城は下唇を噛む。

 

「・・・・・・・・」

 

しかし理巧はソッと葛城を下ろすと、少女と対峙する。

 

「アンタが相手になるんか? すでに聞いてると思うけど、わし等の依頼人がアンタを連れてこい言うてな。痛い目に合うたくないなら大人しーーーー」

 

ドン!

 

「がはっ!?」

 

少女の言葉は途中で止まった。

なぜなら、一瞬で自分の眼前に現れた理巧が、自分の腹部に両手の掌底打ちを叩き込んだのだ。

少女は突然の衝撃で後ろの木を何本かへし折りながら吹き飛び、何本目かの木に叩きつけられてようやく止まり、地面に力無く落ちた。

 

「くっ・・・・!」

 

「スゲェ・・・・」

 

少女は苦悶の顔で腹部を押さえてヨロヨロと起き上がり、葛城は理巧の動きに驚く。

 

「アンタ・・・・なるほど、焔が警戒するのも分かるわ。大人しゅう見えて、とんだくわせものやな・・・・?」

 

「・・・・・・・・・・・・」

 

立ち上がった少女は、自分を鋭く見据える理巧を見て、警戒心を高めた。

 

「ま、今回は、この辺で、ええやろな・・・・!」

 

「っ!?」

 

少女はどこからか、『怪獣カプセル』と『コピークリスタル』を取り出して、カプセルを起動させた。

 

ギャァアアアアアッ!!

 

起動させたカプセルをクリスタルに装填すると、空高く放り投げた。

 

「まさか・・・・! 葛姐さん。すぐに退避だ」

 

「何言ってやがる! まだアイツは・・・・あれ?」

 

理巧と葛城の視線が『コピークリスタル』に向いている間に、襲撃者の少女は姿を眩ませた。

 

「どこ行きやがった! 勝負はまだ着いてねぇぞってうわ!!?」

 

地団駄を踏む葛城を、理巧はお姫様抱っこして退避した。

 

「何しやがる理巧! お姫様抱っこだなんて少女漫画みたいなサービスなんかしている場合じゃねぇだろ?!」

 

「後ろ」

 

「あん? 後ろ??・・・・っ!」

 

葛城が理巧の後ろを眺めると目をひんむいた。

なぜなら背中に反り返った角を幾つも生やしたオオサンショウウオのような巨大な怪獣が現れた。

 

『ギャァアアアアアッ!!』

 

『液汁超獣ハンザギラン』だ。

ハンザギランは吐いた液が、森を溶かしてのを見て、葛城の顔からサッと血の気が失せた。

 

「理巧!! すぐに逃げろ!!」

 

「はいはい・・・・っ!」

 

すると上空に高く跳んだ理巧は、眼前の海を見て、目を見開く。海面が盛り上がり、そこから現れた怪獣が現れたからだ。

 

『グワァアアアアアアッ!!』

 

「『アーストロン』か!?」

 

恐竜のような姿に頭部に伸びた大きな角を付けた怪獣、『凶暴怪獣アーストロン』だ。

 

 

ー伏井出sideー

 

「ではこちらも、『新たな融合獣』を御披露目しますか・・・・!」

 

伏井出ケイは、海の上のクルーザーから、島の三ヶ所に現れた怪獣達を見据えると、伏井出ケイの身体からドス黒いオーラを放ち、『エレキングカプセル』を起動させた。

 

「エレキング!」

 

ピギィィィィィィィッ!!

 

エレキングの鳴き声が響き、『エレキングカプセル』を黒い装填ナックルに装填した。

 

「エースキラー!」 

 

ーーーーーーーーッ!!

 

次に『エースキラーカプセル』を起動させて、ナックルに装填し、ライザーの握り手のスイッチを押す。

 

「これでエンドマークだ!」

 

そして、ライザーで手に持ったナックルをスキャンする。

 

ドクンッ! ドクンッ!

 

ナックルのカプセルのエネルギーを読み込んだライザー中央のカプセルが、目映く発光して、音声が流れる。

 

『フュージョンライズ!』

 

「ハァアアアアアア・・・・ハァアッ!!」

 

ライザーを胸元に持ってきて、起動スイッチを押した。

 

『エレキング! エースキラー! ウルトラマンべリアル! サンダーキラー!!』

 

次の瞬間、伏井出ケイの姿が『ウルトラマンベリアル』の姿へと変わり、ベリアルの前に『エレキング』と『エースキラー』の姿が現れると、2体は青と紫の粒子となってベリアルの口の中へと吸い込まれ、ベリアルの姿は、エレキングの姿をより凶暴とし、エースキラーの鎧を着込んだような外見で、エレキングの皮膚が青白い色に変色している。

体の黒い模様に所々に赤い色が混じり、胸部にはカラータイマーが存在した。巨大な怪獣、『ベリアル融合獣 サンダーキラー』へと変身する。

 

『ピギュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥッッ!!!!』

 

『新たな融合獣』が、雄叫びを上げながら、その姿を現した。

 

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