閃乱ジード   作:BREAKERZ

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私は帰って来た!


野望、潰える刻
キレたぜ、道元


ー霧夜先生sideー

 

『霧夜先生!!』

 

「っ、ペガくん?」

 

突如、転送エレベーターが霧夜先生達がいる屋根に現れると、理巧が外の悪忍達を片付けた後で基地に避難したペガが慌てた様子で霧夜先生に駆け寄り、ユートムから映し出された映像をスマホで霧夜先生に見せると、ちょうど道元が理巧の蹴りで吹き飛んだ光景が映し出されると同時に、凄まじい衝撃で城全体が揺れた。

 

「な、何が起こったの?」

 

「フム・・・・暁月か」

 

「ペガくん、これは一体・・・・?」

 

『あの道元って人が、“理巧の育ての親の鷹丸さん達に危害をくわえる”って言ったんだ!』

 

「なに・・・・!?」

 

ペガの説明で霧夜先生の顔に焦りが生まれた。

 

「不味い事になったぞ!」

 

≪霧夜。何が不味いんだ?≫

 

「・・・・理巧の一番の逆鱗。それは、“鷹丸達に危害を与える事”だ。こうなった理巧は下手をすると、“道元を殺してしまう”・・・・!」

 

頬に汗を流した霧夜先生の態度に、ペガ以外の人達がピクリっと反応した。

 

「子供のいさかい、じゃなかったの?」

 

「そんなレベルの話ではない。なぜ理巧がこれまで忍の学院に入学できなかったと思う?」

 

「そんなの、あの閃忍達が許さなかったからでしょう?」

 

「それもある。だが、一番の原因はそれじゃない」

 

「どういう事だ師よ?」

 

「・・・・かつて理巧は中学生時代に、かなり凄惨なイジメに一年半以上あっていた。イジメをおこなっていた生徒達は退学処分にされたが、ソイツらは理巧への報復として理巧を拉致し、ナイフや鉄パイプとかで理巧をリンチにしようとした。それだけなら理巧も正当防衛で多少懲らしめる程度で許していたが。奴らは、『鷹丸達にも危害を及ぼす』、と言ったんだ。それで理巧の奴はソイツらを“全治一年の重体にしたんだ”」

 

「「っ!」」

 

鈴音と大道寺も、息を呑んだ。

 

「何とか事なきを得る事ができたが、例えそんな事情があったにしても、そんな危険性を持った理巧を忍の学院に入学させるのに善忍の上層部が難色を示してな。高校一年間は入学を保留されていたんだ」

 

≪(なるほどな。それにしても理巧のあの目、“ベリアルを彷彿させるぜ”・・・・)≫

 

ゼロは画面に映し出された理巧の顔を見て、“宿敵の面影を感じた”。

 

 

 

 

ー理巧sideー

 

「・・・・・・・・・・・・」

 

理巧の頭と心は以外と冷静だった。

腸は怒りで煮えたぎっていると言うのに、思考も感情も極めてクリアな状態だった。ただ、目の前に不様に尻餅ついているこの生物<道元>をーーーー“いかに解体するか”、それを静かに考えていた。

 

「き、貴様、こ、この私を、よくも・・・・!!」

 

道元は脅える感情を何とか押さえつけて、『ドウローダー』を動かし起き上がらせると、両肩や両足に取り付けた武装を一斉射撃をさせた。

 

「・・・・・・・・・・・・」

 

理巧は迫り来るレーザーを回避し、ミサイルやマシンガンの弾丸やキャノン砲の弾をクナイで切り裂き、一瞬で道元の眼前に現れた。

 

「う、うぉあああああああああああ!!!」

 

道元は半ば錯乱したように両腕に装備した剣や鞭で攻撃するが、理巧は冷淡に両腕をクナイで切り落とした。

 

「バ、バカな!?」

 

「・・・・・・・・」

 

「ひぃ・・・・っ」

 

眼前に現れた理巧に小さく悲鳴を上げる道元。そしてーーーー。

 

グワシャァァァン!!!

 

道元の『ドウローダー』のコックピットを拳で粉砕し、この中にいる道元の顔面に、理巧の拳が叩き込まれた。

 

「はべんっ!!」

 

道元は小さく悲鳴を上げ、鼻の骨が折れる音と肉が潰れるような音が耳に入り、視界が真っ赤に染まり、後ろに倒れそうになるが、瞬時に背後に回った理巧が全身のバネを使った後ろ回し蹴りを叩き込み、両腕を失った『ドウローダー』ごと道元を部屋から飛鳥達や焔達のいる広間に叩き出した。

 

『うわぁあっ!!』

 

飛鳥達と焔達の声が上がり、ゆっくりと出口に向かうと、切り落とした『ドウローダー』の両腕が火花を上げて爆発した。

 

ドガァアアアアアアンッ!!

 

部屋が爆発に呑まれたその瞬間、理巧は道元の机を盾にして爆炎から逃れるが、壁の一部が破壊され、『黒い塊』が蛇女子から吹き飛んでいった。

 

「・・・・・・・・」

 

理巧は一瞬、ソレを視線で追うと、合流した時に斑鳩に渡されたジードライザーを握ってレムに連絡をする。

 

 

 

 

ー飛鳥sideー

 

「っ!」

 

飛鳥は息を呑んだ。いや飛鳥だけではない。周りの仲間達や蛇女の忍達も同じように息を呑んだ。

今さっき部屋から叩き出され、鼻が潰れて鼻血を流している道元にではない。

爆発によって道元がいた部屋が炎に飲み込まれ、一瞬理巧を助けにいかねばと思ったが、炎に呑まれた部屋から出てきた理巧の雰囲気に圧巻されたのだ。

 

「・・・・・・・・」

 

顔は影が入り見えないが、緋色の髪が後ろの業火に映え、同じく緋色の瞳は妖しい光を放ち、静かな威圧感で『ドウローダー』から這い出た道元を冷酷に見下ろすその姿は、まるで地獄からやって来た修羅の如くであった。

 

「・・・・道元」

 

「ひっ、ひっ、ひひぃぃっ!!」

 

「お前は決して犯してはならない領域に、その穢らわしい足で踏み込んだ。惨めに命乞いしろ、無様に泣きわめけ、見苦しく這いずれ、どんな醜態をさらそうが、お前は赦さない。痛覚を持って来たことを後悔しろ。自分の吐いた唾がどれほどの物を汚したか、その身や心にも刻み込んでやる!」

 

「ひいいいいいいいいいい!!!!!」

 

理巧の底冷えする程の声でゆっくりと階段を下っていき、半ば錯乱気味の道元は恥も外聞もなく悲鳴を上げた。

 

「こ、こうなれば・・・・!!」

 

道元は懐から『陰と陽の超秘伝忍法書』を取り出すと、忍法書が宙に浮く。

 

ーーーードクン・・・・!

 

「えっ?」

 

「んっ?」

 

飛鳥が陽の超秘伝忍法書と、焔が陰の超秘伝忍法書と同じ光に包まれると、2つの忍法書が広間を覆うほどの光を放った。

 

「(忍結界か)ーーーー逃がさん・・・・!」

 

理巧は道元と飛鳥と焔を追った。

 

 

 

ー雲雀sideー

 

光が収まり、雲雀達が目を開けると、理巧と飛鳥と焔、そして道元の姿が消えていた。

 

「理巧くんに飛鳥ちゃんに焔さんがいない!?」

 

「まさか・・・・!」

 

「結界に取り込まれた・・・・はっ!」

 

全員が天井を見上げると、忍装束を着こんだ絡操人形達が逆さまに立っていた。

 

 

 

ー理巧sideー

 

「これは・・・・!」

 

「忍結界、だと?」

 

「・・・・・・・・」

 

暗い空間に閉じ込められた三人の目の前に、2つの忍法書を持った道元の幻影が現れた。

 

《もはや貴様らは私の術中。見せてやろう! 我が秘伝忍法! 『怨楼血<オロチ>』!!》

 

道元の幻影が消えると、地面を砕いて炎を纏った六本の首の怪物が現れた。

 

「『大蛇』と言うよりも、芋虫の化け物だな」

 

理巧が両手にクナイを持ち、焔と飛鳥も武器を構えた。

 

 

ー斑鳩sideー

 

日影が人形の一体にナイフを突き刺すと倒れ、人形の刺された箇所に機械と火花が上がっていた。

 

「なんだコイツら!?」

 

「コイツらはただの忍やない。護衛用の絡操忍者や」

 

「『絡操』!? っ!」

 

斑鳩に迫っていた絡操忍者を、詠の大剣で真っ二つにした。

 

「ご、誤解しないで下さいませ! 別に貴女を助けた訳ではありませんわ!////」

 

「うふ。今戦うべきは、わたくし達ではありませんものね!」

 

「分かってるなら宜しいですわ!」

 

振り向き様に、絡操人形を数体切り捨てる。

 

「う~りゃーーーー!!」

 

未来が仕込み傘の機関銃で絡操忍者達を蜂の巣にするが、絡操忍者の口からレーザーが放たれ、傘を弾き飛ばせる。

 

「うわっ!」

 

「っ!」

 

それを見た柳生が自分の番傘を未来に投げ渡した。

 

「っ! はぁあっ!!」

 

「っはぁ!」

 

未来が柳生の番傘で絡操忍者を突き刺し、柳生は未来の傘を手に取って絡操忍者を真っ二つにした。

 

「やるじゃない!」

 

「当然だ」

 

「やっぱり可愛くない!」

 

背中合わせで話し合う二人を、春花と雲雀が見ていた。

 

「ウフフ。面白いわね」

 

「柳生ちゃん!」

 

雲雀が柳生の元へ行こうとするが、その手を春花が握って止める。

 

「春花さん?」

 

「力は温存しておきなさい。貴女には別の仕事があるわ」

 

「えっ?」

 

 

 

 

ー理巧sideー

 

理巧達は自分達に迫る怨楼血の首を回避しながら長い首筋を小太刀と三本の刀とクナイで切り裂く。

 

「はぁあ!!」

 

「うぉお!!」

 

「しっ!!」

 

が、切り裂かれた傷はあっという間に再生された。

 

「切りがないな」

 

《我が『怨楼血』に抵抗など無意味だ》

 

道元の声が響くと、焔が怒りを吐き出すように声を発した。

 

「・・・・よくも、この私を、利用したなぁーーーーーーっ!!!」

 

過去のトラウマがフラッシュバックした焔に、『怨楼血』の胴体らしき部分に現れた道元が鼻を隠すように手を置いて口元に笑みを浮かべて口を開く。

 

「笑止千万! フフフフ、貴様が利用されたのは、自らの愚かさに他ならぐぁあああっ!」

 

「っ! 理巧くん!?」

 

今度は道元の片耳を理巧が投げたクナイで切り落とした。

 

「・・・・ホントに、不愉快な生き物だな」

 

冷酷に道元を睨む理巧は、クナイにくくりつけた糸を操作して投げたクナイを戻す。

 

「・・・・ふふふ、はははははは! 」

 

が、焔は自嘲するように笑い声をあげた。

 

「焔ちゃん?」

 

「・・・・」

 

「なるほど、これが『悪』。“利用する”にも“される”にも感情次第、これが運命<サダメ>とするなら・・・・『悪の運命』に舞い殉じる!! それだけだ!! うおおおおおおおおおおおおおおおっっ!!!!」

 

六本の刀を構えた焔な身体が炎に包まれる。

 

「ぬぉ!」

 

「道元!! 貴様も道連れだぁあああああああああああああああああああああっ!!!!」

 

「っ!」

 

「・・・・」

 

刀を振り上げる焔の腕を飛鳥が抱きつき、もう片方の腕を理巧が片手で押さえた。

 

「飛鳥!? 暁月理巧!?」

 

「簡単に命を捨てちゃダメだよ!」

 

「あんな“廃棄物野郎”と心中だなんて、割りに合わなさすぎだろうが!」

 

「元より悪忍に拾われた身だ! 今さら命など惜しむものかっ!」

 

「きっと『仲間』が助けてくれる!」

 

「『仲間』・・・・」

 

「焔、アンタにもいるだろうが、信頼できる『仲間』が少なくても四人はな!」

 

「っ!」

 

焔の脳裏に、詠が、日影が、未来が、春花が浮かんだ。

 

 

 

ー斑鳩sideー

 

斑鳩達が漸く絡操忍者を片付けた。

 

「これで全てですわ」

 

「後は、あの三人だな・・・・」

 

一同は、忍結界が展開された黒い渦を睨み、春花が口を開く。

 

「あの結界は、『陰・陽の2つの超秘伝忍法書』の力によるもの。私の作った『連動結界』よりも、遥かに強固。でも、私たち全員の力ならば或いは・・・・!」

 

春花の説明を聞いて、未来が柳生に話しかける。

 

「貴女以前<半蔵学院襲撃>、私達の『連動結界』を破って、侵入したことが・・・・」

 

柳生は未来の話を聞きながら雲雀に近づく。

 

「あの時、結界に入れたのは、俺の力じゃない。雲雀の力だ!」

 

「えっ?」

 

「言ったでしょ。“力を温存しておきなさい”って」

 

「春花さん?」

 

「貴女は皆の気持ちを受け止め、三人に伝えるの。きっとそれは大きな力になる筈」

 

「“大きな力”・・・・」

 

雲雀に全員が集う。

 

「忍結界!」

 

春花が黒い渦の結界に、己の忍結界をぶつける。

 

「これは!?」

 

「異なる結界の異操作を利用して、不安定にするわ!」

 

「雲雀!」

 

「うん!」

 

雲雀が印を結んだ。

 

「まさか貴女方と共闘するとは思いませんでしたわ」

 

「詠さん」

 

「勝負はお預けだな?」

 

「せやな・・・・焔さん!」

 

「飛鳥さん! 理巧くん!」

 

「飛鳥! 理巧!」

 

「焔さん!」

 

「焔ーーーー!」

 

「飛鳥・・・・! 理巧・・・・!」

 

他の皆も印を結び、三人に呼び掛ける。

 

「理巧くん! 飛鳥ちゃん! 焔さん! 聞いて! 皆の声を!!」

 

雲雀の声が響くと、斑鳩、葛城、柳生、そして雲雀の胸の谷間から、『ウルトラカプセル』が飛び出していった。

 

「あれは・・・・!」

 

「へっ! どうやらアイツらも力を貸してくれるみたいだな!」

 

「頼むぞ! 光の戦士たち!」

 

「理巧くん達を、助けて!」

 

四本の『ウルトラカプセル』が忍結界に入っていき、天井を突き破って、二本の『ウルトラカプセル』も忍結界に入っていった。

 

 

ーペガsideー

 

『うわっ!』

 

「ん?」

 

ユートムから送られてくる映像を見ていた霧夜先生達だが、ペガが基地から持ってきてパーカーのポケットに入れていた『初代ウルトラマンカプセル』と『ウルトラマンオーブ スペシウムゼペリオンカプセル』が飛び出し、屋根を突き破っていった。

 

「これは?」

 

≪力を貸そうとしているんだ、理巧にな!≫

 

 

ー理巧sideー

 

何とか自暴自棄になりそうだった焔を止めたが、怨楼血の長い胴体に飛鳥は捕まり、焔も捕まった。

 

「あーちゃん! 焔! くぅっ!!」

 

二人を助けようとするが、理巧も捕まってしまう。

 

「りっくん!! 皆・・・・あぁ!」

 

「ここで私が、倒れたら、アイツらに、会わせる顔が、ない・・・・!」

 

「ちぃっ! 道、元・・・・!《理巧くん・・・・!》っ!」

 

理巧達の耳に、自分たちの名を呼ぶ、仲間達の声が響いた。

 

《理巧くん! 飛鳥ちゃん! 焔さん! 皆を、皆を感じて! 皆を呼んでーーーー!》

 

「感じる・・・・皆を!」

 

「そうか! 皆が私達を助けようとしているんだ!」

 

「仲間達が・・・・!」

 

飛鳥た焔は頷き合うと、印を結び、精神を集中させる。

 

「まだ、終わってないな」

 

「忍学生と道具風情が・・・・!!」

 

()()()()()()()()()()()()()》》》》》》

 

暗い空間に仲間達の声が響くと、白い光が溢れ、白い光となった仲間達が、飛鳥と焔に集い、二人の身体に入った。

 

「皆・・・・!」

 

「あぁ・・・・!」

 

「あっ!」

 

さらに六つの光が現れ、飛鳥の胸の谷間から『ゼロカプセル』が飛び出し、七つのカプセルが理巧の周りを囲んだ。

 

「力を、貸してくれるのか、ウルトラの戦士たち・・・・!!」

 

シェアッ!

 

ィヤーッ!

 

デュワッ!

 

デヤッ!

 

フワァッ!

 

セリャッ!

 

シュワッ!

 

七つの『ウルトラカプセル』が起動すると光り輝き、『初代ウルトラマンカプセル』を除いた六つのカプセルが理巧の身体に入ると、理巧と飛鳥と焔の身体が白い光に包まれた。

 

「皆が、私の中に・・・・!」

 

「激しく、そして暖かい・・・・!」

 

「そうか、これが・・・・!」

 

「皆の思いが力に、そして私を守ろうと、そうか、分かったよ、じっちゃん・・・・っ!」

 

「っ!」

 

「光の戦士達が僕に言う、『邪悪に打ち勝て!』。『仲間を守れ!』。『己の運命を覆せ!』って・・・・っ!!」

 

カッ!と目を見開いた三人は、道元と三本首となった怨楼血を鋭く見据える。

 

「ぬおおおおおおおおお!! っ! 『秘伝書』がっ!?」

 

二つの『超秘伝忍法書・陽』が飛鳥の胸な谷間に、『秘伝忍法書・陰』が焔の胸の谷間に入るとーーーー。

 

「っ!!」

 

「っ!!」

 

焔の髪と瞳が真っ赤になり、髪が炎となった。

飛鳥の身体も赤く燃えるように輝き、二刀の小太刀が緑色のチャクラが放出される。

 

「さぁ覚悟決めろよ、道元!!!」

 

シェアッ!

 

理巧は『初代ウルトラマンカプセル』を手に取り起動させると、青い光に身体が輝き、カプセルを握った拳から、ノコギリ状の光の輪を作り出した。

 

「『超秘伝忍法 紅』! ハァァッ!!」

 

「『超秘伝忍法 半蔵流乱れ咲き』!!」

 

「ジーっとしてても、ドーにもならねぇ! 『八つ裂き光輪』!!」

 

焔の炎を纏った六本の刀が、飛鳥の小太刀二刀流の乱舞が、理巧の光輪が、怨楼血の首を切り裂いた。

 

「「「はぁああああああああ!」」」

 

「そ、そんな馬鹿なっ!!!」

 

「「「はぁぁっ!!!」」」

 

「ありえぇええええええええんんっ!!」

 

三人の刃が、道元の身体を切り捨てた。

 

 

ー霧夜先生sideー

 

「善忍と悪忍が、手を取り合った・・・・!」

 

鈴音は思いがけない展開に驚いていた。

 

「これぞ、新たな忍の可能性! それを我等の後輩達が見せてくれた!」

 

大道寺の言葉に、霧夜先生もフッと笑みを浮かべる。

 

 

 

 

ー理巧sideー

 

黒い渦の結界からボロボロの道元が落ちてくると、飛鳥と焔に肩を貸した理巧が結界から出てきた。

二人を下ろすと、飛鳥と理巧の元に半蔵学院の仲間達が、焔の元に蛇女の仲間達が集った。春花は力をかなり消耗したのか、近くの柱に寄り掛かりながらも、焔に親指を立てていた。

 

「っ!」

 

「お、おのれぐがぁ! げはあぁっ!!」

 

理巧は道元が動いたのを察し、瞬時に道元に飛びかかり、道元の胸元に拳を叩き込んだ。骨が幾つも折れた音が響き、道元は口から血を吐いた。

 

「逃げられると思っているのか道元?」

 

「ご、あぁ・・・・!」

 

「りっくん!」

 

「殺しはしないよ。だが、コイツには聞きたいこぐぅっ!!」

 

道元を見下ろす理巧の身体が、突然、金縛りにあったかのように動けなくなった。

 

「うぁあっ!」

 

動けなくなった理巧の身体が宙に浮くと壁に叩きつけられた。

 

「りっくん!」

 

「「「「理巧!」」」」

 

「「理巧くん!」」

 

「「理巧さん!」」

 

「理巧様!」

 

叩きつけられた理巧は床に落ちそうなるが、斑鳩と葛城と日影が受け止めた。

 

「くっ、何が・・・・っ!」

 

理巧と飛鳥達と焔達が道元に目を向けると、道元に肩を貸した“異形の生物”が目に入った。

 

『まったく、目も当てられない姿じゃなイカ?』

 

「『異次元宇宙人 イカルス星人』だと・・・・!」

 

「異星人、ちゅうことかいな」

 

「っ! 皆さん! ソコから離れてください!」

 

『っ!』

 

斑鳩の声に、柳生が飛鳥に肩を貸して、焔に詠が、春花に雲雀と未来が肩を貸して理巧の側に退いた。

 

「イ、イカルス星人、もっと早く・・・・!」

 

『ふん。助けに来ただけありがたいと思って欲しい所じゃなイカ? さて、ここからどうするのカ?』

 

「・・・・・・・・ふふふ、そうだなーーーー」

 

ニヤリと笑みを浮かべた道元は、懐からクナイを取り出す。

 

「最終、手段だ!!」

 

ズリュッ!!

 

「なっ!?」

 

『えっ!?』

 

『・・・・・・・・へ?』

 

なんと、イカルス星人の腹部に、道元のクナイが突き刺さったーーーー。




次回。敗北を悟りヤケクソになった道元が、“暴君”を呼び寄せた!
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