閃乱ジード   作:BREAKERZ

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最終局面だぜ、暴君怪獣

ー伏井出ケイsideー

 

「フフフフフ。道元も遂に最終手段を使いますか。ならば、こちらも参戦させていただきましょう」

 

蛇女子学園を一望できる丘の上で、状況を静観していた伏井出ケイは身体からドス黒いオーラを放ち、ジードライザーを取り出すと、“ベムラーの『怪獣カプセル』を起動させた”。

 

「ベムラー!」

 

ギュワァァァァァ!!

 

ベムラーの鳴き声が響き、『ベムラーカプセル』を装填ナックルに入れた。

 

「アーストロン!」 

 

グワァァァァァァッ!!

 

次に、以前ジードとの戦闘で手に入れたアーストロンの生態エネルギーから作り出した『アーストロンカプセル』を起動させて、ナックルに装填し、ライザーの握り手のスイッチを押す。

 

「これでエンドマークだ!」

 

ライザーで手に持ったナックルをスキャンする。

 

ドクンッ! ドクンッ!

 

ナックルのカプセルのエネルギーを読み込んだライザー中央のカプセルが目映く発光して、音声が流れる。

 

『フュージョンライズ!』

 

「ハァアアアアアア・・・・ハァアッ!!」

 

ライザーを胸元に持ってきて、起動スイッチを押した。

 

『ベムラー! アーストロン! ウルトラマンべリアル! バーニング・ベムストラ!!』

 

伏井出ケイの姿が『ウルトラマンベリアル』の姿へと変わり、ベリアルの前に『ベムラー』と『アーストロン』の姿が現れると、2体は緑と黄色の粒子となってベリアルの口の中へと吸い込まれ、ベリアルの姿が変貌した。

ベムラーの姿がより刺々しく凶暴となり、体色は青くなり、頭部には真っ赤になったアーストロンのように大きな角が伸び、大きな口から剥き出しなった牙や両手両足の爪も血のように真っ赤に染まり、胸部には血管のように広がるカラータイマーがある巨大な怪獣ーーーー。

 

『ギュグワァァァァァァァァァァァッッ!!!!』

 

その名を、『ベリアル融合獣 バーニング・ベムストラ』。

 

 

 

 

 

 

ー理巧sideー

 

「・・・・・・・・」

 

「な、何なの・・・・!?」

 

理巧が鋭い視線を向け、飛鳥が戸惑ったような声を上げ、他の皆も飛鳥と同じく愕然としているが、それも仕方ない。

なぜなら、道元が自分を助けてくれた『異次元宇宙人イカルス星人』に、クナイを突き刺したからだ。

 

『ど、道元、な、何を・・・・?!』

 

「フフフフ、なぁにそんなに脅える事はない。元々お前はこの時の為に生み出したようなもの、だからなぁっ!」

 

ザシュッ!

 

『イガァッ!!』

 

道元はクナイを引き向き、四つん這いになって痛みに苦しむイカルス星人の背中に、さらにクナイを突き刺した。

 

「・・・・」

 

「あっ!」

 

「ぅっ!」

 

「やりやがった!」

 

「ぁぁ!」

 

「雲雀、見るな!」

 

「道元!」

 

「なんて、事を!」

 

「えぐぃなぁ」

 

「ぅぇ」

 

「ソコまでやるとはね」

 

理巧は鋭い視線で見据え、飛鳥達と焔達も、道元の凶行におののいた。

 

「・・・・道元、どういうつもりだ?」

 

理巧が静かに声を発し、道元は口元を歪めて嗤った。

 

「くくくく。元々コイツは、こうするつもりだったからなっ!!」

 

『グハァッ!!!』

 

イカルス星人に突き刺したクナイを乱暴に引き抜くと、イカルス星人の身体が崩れ落ち、砕けた水晶とカプセルだけが残った。

 

「っ、『コピークリスタル』に『怪獣カプセル』? あのイカルス星人も『コピークリスタル』で生まれたのか?」

 

「そうだ! このイカルス星人に使っていた『コピークリスタル』は特別製でな! お陰でコイツ自身は自分をイカルス星人であると思い込み、他の異星人達との交渉役や『ドウローダー』といった私専用の兵器を造らせたのだ! だが、ことこの状況になってはなぁ!!」

 

道元は懐から、『コピークリスタル』を取り出した。だがそのクリスタルは、焔達が使っていた物よりも、大きなサイズとなっており、背中の窪みも大きく、その中に

 

『殺し屋超獣バラバ』。

 

『大蟹超獣キングクラブ』。

 

『液汁超獣ハンザギラン』。

 

『宇宙大怪獣ベムスター』。

 

『竜巻怪獣シーゴラス』。

 

そして『どくろ怪獣レッドキング』の『怪獣カプセル』が並んで装填され、そして『異次元宇宙人イカルス星人』のカプセルも装填された。

 

「(バラバ、キングクラブ、ハンザギラン、ベムスター、シーゴラス、レッドキング、そしてイカルス星人・・・・)まさか、この怪獣達は!?」

 

「もう何がどうなろうが知った事かっ! 貴様ら全員、この場で葬ってくれる! さぁ現れろ!『暴君怪獣タイラント』!!」

 

 

 

ー霧夜先生sideー

 

「っ! こ、これは!」

 

ユートムから送られてくる映像を見ていた霧夜先生達も、道元の突然の凶行に目を見開き、道元が『コピークリスタル』を取り出すのを見た。

 

≪この怪獣達やイカルス星人の組み合わせ・・・・やべぇっ!≫

 

『理巧っ!!』

 

ゼロは最悪の可能性を推察し、ペガは転送エレベーターを使って理巧達の元へ向かった。

 

 

ー理巧sideー

 

「皆、離脱するんだ!!」

 

理巧の一声に、全員が動こうとした瞬間、なんと道元が持っていた『コピークリスタル』が飴細工のようにグネグネとうねると、そのボディが一気に膨張した。

 

「ふはははははははははははは!! あぁあはははははははははははは!!!!」

 

高笑いする道元を飲み込みそしてーーーー。

 

「なぁっ!?」

 

「あっ!」

 

「っ!」

 

「ち、ちょっと!」

 

「マズイっ!」

 

なんと、焔と詠と日影と未来と春花も膨張した『コピークリスタル』に飲み込まれてしまった。

 

「焔ちゃん!」

 

「なっ!」

 

「おい!」

 

「くっ!」

 

「春花さん!」

 

「しまった!」

 

理巧達が内部に取り込まれた焔達を助けに行こうとするが、膨張していく『コピークリスタル』が段々怪獣の形に変貌していき、内部に潜入できず、徐々に壁と怪獣の肉体に挟まれそうになる。

 

『理巧、皆っ! こっち!』

 

「ペガ!」

 

ペガが転送エレベーターで現れ、6人はすぐに入り込み脱出した。

 

 

 

ー霧夜先生sideー

 

霧夜先生と鈴音と大道寺も、怪獣の肉体が屋根を突き破りそうになり、咄嗟に離脱して蛇女の屋外訓練場に着地した。すでに他の蛇女の生徒と教官達は理巧が制圧し、気絶したまま屋外訓練場に縛り上げられていた。

そして天守閣を見ると、異形な怪獣が城を破壊して現れた。

 

シーゴラスの頭。イカルス星人の耳。ベムスターの胴体。バラバの両腕。レッドキングの両足。ハンザギランの背中。キングクラブの尻尾。それらのパーツが備えた合体怪獣ーーーー『暴君怪獣タイラント』。

 

『ヒャアアアアアアアっ!!!』

 

「(デュォン!)やはりタイラントかっ! あの野郎トンでもねぇ怪獣を作り出しやがって!」

 

「(これがウルトラマンゼロと入れ替わった先生?)・・・・ウルトラマンゼロ、タイラントとは一体何だ?」

 

「歴代ウルトラマン達に倒された怪獣達や宇宙人の怨念が合体して生まれた合体怪獣だ。これまで蛇女の忍達が呼び出した『コピークリスタル』の怪獣達は、コイツの素材となる怪獣達だったんだ!」

 

「道元が特殊な『コピークリスタル』を使って、誕生させたって事だね?」

 

霧夜先生の近くに転送エレベーターが現れ、脱出した理巧達が出てきた。

 

「お前ら、無事だったか!」

 

「霧夜先生!」

 

「ワリぃが今はゼロだ」

 

「じゃゼロさん! 焔ちゃん達があの怪獣の中に取り込まれちゃったんです!」

 

「っ! 何ですって!?」

 

飛鳥の言葉に鈴音が反応し、斑鳩と雲雀が飛鳥に続いた。

 

「以前、わたくしのお兄様が『エースキラー』と言う怪獣のカプセルの入った『コピークリスタル』を持ったまま、怪獣に取り込まれた事がありましたわ」

 

「道元って人も、あの怪獣さんに取り込まれちゃって、蛇女の皆も巻き込まれちゃったの!」

 

「っ!!」

 

『ヒャアアアアア!!!』

 

鈴音は今まさに地面に足をついて、雄叫びを上げるタイラントを見上げた。

 

「あの野郎! 敗けそうだからヤケクソになってややこしい事をしやがって!!」

 

「悪あがきをしてくれる。理巧。斑鳩の兄の時のようにアクロスマッシャーで片付けてしまえ」

 

葛城と柳生が、蛇女の城を破壊しながら暴れるタイラントを見て悪態を吐き、柳生の言葉に頷いた理巧がカプセルホルダーから『ヒカリカプセル』を取り出し、起動させようとした。

 

「融合!」

 

カチッ・・・・。

 

「・・・・えっ?」

 

『どうしたの理巧?』

 

「いや・・・・融合!」

 

カチッカチッカチッ・・・・。

 

理巧が再びカプセルを起動させようとスイッチをあげるが、『ヒカリカプセル』が起動しなかった。

 

「どうしたのりっくん?」

 

「・・・・『ウルトラカプセル』が、起動しない?」

 

『えええぇっ!!?』

 

理巧の言葉に、ペガだけでなく、飛鳥達も驚き、ゼロ(&霧夜先生)や大道寺と鈴音も目を見開く。

理巧は他のカプセルを起動させようとするが、『ベリアルカプセル』を除いた『カプセル』が全て起動できなくなっていた。

 

「レム。何が起こっているんだ?」

 

『スキャンします』

 

ユートムからレーザースキャナーが照射され、他のカプセルをスキャンした。

 

『スキャン完了。『ベリアルカプセル』を除いたウルトラカプセルは、“現在エネルギーが減少し、変身不能状態となっています”』

 

「っ、あの時か・・・・」

 

道元の忍結界の中で駆けつけたカプセルのエネルギーを受けた事を思い出した。

 

「レム! もしかして、りっくんはジードに変身できないの!?」

 

『現在カプセルはエネルギー回復の為に機能停止状態となっています。変身可能になるまで、後8分34秒の時間が必要と報告します』

 

「つまり、それまで変身できないって訳か・・・・」

 

たった8分。

だが、この状況ではまるで何時間にも感じるような絶望感が一同を包むが、さらに厄介な状況が現れた。

 

『ギュグワァァァァァァァァァァァァァ!!』

 

タイラントとは反対方向から、ベムラーによく似た怪獣が現れた。

 

「(あの怪獣のシルエット。まさか、あの時俺を攻撃した奴かっ!?)」

 

「今度はなんだよっ!?」

 

『スキャン完了。新たに出現した怪獣は、『宇宙怪獣ベムラー』と『凶暴怪獣アーストロン』の融合獣です』

 

ゼロは前回の戦闘で自分に不意討ちをかけた怪獣であると判断し、葛城が毒づくのをレムは淡々と説明する。

 

「(っ! ベリアル融合獣? 道元かイカルス星人がベリアルの協力者ならば、今までの融合獣は奴らの内どちらかが変身していたと思っていたが、あの二人はタイラントに取り込まれている。では、あの融合獣に変身しているのは・・・・)」

 

「おい理巧!」

 

「っゼロ?」

 

「ボケッとしてる場合じゃねぇぞ! 怪獣達は俺が相手をする! 行くぞ霧夜!!」

 

≪ああ!≫

 

「シャアッ!」

 

ウルトラゼロアイNEOを取り出して装着し、ウルトラマンゼロへと変身した。

 

『ヒギャアアアアアア!』

 

『ギュグワァァァァァ!』

 

『へっ! 行くぜぇ!』

 

ゼロはゼロスラッガーを両手に持って、タイラントとバーニング・ベムストラと交戦を開始した。

 

 

ー理巧sideー

 

「りっくん、焔ちゃん達は大丈夫かな?」

 

「・・・・レム。焔さん達の生体反応をキャッチ出来るか、タイラントをスキャンしてみてくれ」

 

『了解』

 

ユートムはレーザースキャナーでゼロと戦うタイラントをスキャンする。

 

『生体反応を確認。6人の反応はタイラント頭頂部に確認しました』

 

「そうか。ありがとう」

 

そう返事をした理巧は軽く柔軟体操を始める。

 

「りっくん?」

 

「何をしているのですか?」

 

「・・・・雲雀ちゃん」

 

「なに?」

 

「焔さん達に、僕の意思を飛ばす事ができる?」

 

「・・・・やってみる!」

 

雲雀が印を結んで念じると、理巧が雲雀の肩に手を置き、目を閉じて意思を焔達に飛ばす。

 

「(焔さん! 詠さん! 日影さん! 未来ちゃん! 春花さん! お願い! 聞こえたら返事して!)」

 

≪・・・・く、苦しいわ・・・・!≫

 

≪なんや、これ・・・・!≫

 

≪ダメですわ・・・・!≫

 

≪た、助けて・・・・!≫

 

≪もう、終わりだ・・・・!≫

 

五人の苦悶の声が聞こえた。

 

「(何を弱気な事を言ってるんだよ? 蛇女子学園の悪忍が情けない)」

 

雲雀を通して、理巧が焔達に言う。

 

≪あ、暁月・・・・!≫

 

「(アンタら、いつ死んでも良いみたいな事ほざいていたけどさ。こんな終わり方で良いわけ?)」

 

≪だ、だけど・・・・!≫

 

≪どないせぇ言うんや・・・・≫

 

≪どうしようも、ないわ・・・・≫

 

「(散々道元に利用され、今度は怪獣の中で捕らわれ、アンタらの悪忍としての『矜持』は、こんな形で終わって良いはずが無いだろう)」

 

≪で、ですが、どうすれば・・・・≫

 

「(助けに行く)」

 

≪な、何だと・・・・?!≫

 

「(助けに行くって言ってるんだ)」

 

≪何故、私達を、助ける?≫

 

「(・・・・・・・・)」

 

理巧の脳裏に過るのは、自分が育ての親達の姿が浮かんだ。

ーーーーあの人達に誇って貰える『人間』になる。それが、暁月理巧の戦う理由。

 

「(アンタらを見捨ててしまったら僕は『人間』じゃなくなるからだ)」

 

≪それは・・・・?≫

 

「(足掻けよ悪忍達。詠さん。アンタが死んだら貧民街の皆はどうなる?)」

 

≪!?≫

 

「(未来ちゃん。アンタは自分を虐めた奴らを見返す事もできずに終わって良いのか?)」

 

≪・・・・い、いやだ!≫

 

「(春花さん。アンタは道元に利用されたまま終わるのか?)」

 

≪それは、確かにイヤね≫

 

「(日影さん。アンタはまだ感情を知らないだけだ。僕がこれから教えてやるよ)」

 

≪・・・・ホンマに?≫

 

「(ああ。そして焔さん、足掻けよ。僕が必ず助ける。だから、簡単に諦めるな!)」

 

≪・・・・・・・・助けて、くれるのか?≫

 

「(ああ。覚悟決めて、命懸けでね!)」

 

≪・・・・・・・・たす、けて・・・・助けて! 暁月理巧!!≫

 

「・・・・・・・・委細承知!」

 

理巧はカッと目を開けると、大道寺に向き直る。

 

「大道寺先輩」

 

「ん?」

 

「こんな事態になった以上、もう学生同士のいさかいなんてレベルを越えてます。力を貸してくれますか?」

 

「フッ。この我を使うか?」

 

「それで彼女達を助けられるなら」

 

「良かろう。貴様の策に乗ってやる!」

 

「(コクン)斑鳩姉さん! 葛姐さん! 柳生さん! 雲雀ちゃん!」

 

「「はい!」」

 

「「応!」」

 

「四人は大道寺先輩と一緒に融合獣を足止めをしておいてくれ! 無理はしないでくれ。1分ほど時間を稼いでくれるだけで良いんだ!」

 

「わかりましたわ!」

 

「おうよ!」

 

「ああ!」

 

「うん!」

 

斑鳩達は頷くと、大道寺先輩と共に、バーニング・ベムストラの方へ向かった。

 

「あーちゃんは此処で他の悪忍達を守って「私も行く! 」 え・・・・?」

 

「焔ちゃん達を助けに行くんでしょ?! だったら私も行く!」

 

「(これは説得するよりも連れていった方が良いか)・・・・分かった。でも、自分の身は最低限守ってくれ」

 

「うん!」

 

「それで、貴女はどうする? 鈴音先生」

 

「っ・・・・」

 

鈴音は理巧の視線に目を伏せた。

 

「鈴音先生! 焔ちゃん達が・・・・!」

 

「良いあーちゃん。話している時間も惜しい」

 

「でもりっくん!」

 

「今大事なのは、一刻も早く焔さん達を救出する事だ。違うか?」

 

「それは、そうだけど・・・・」

 

「自分の生徒達を助けようと考えられない教師に、無駄な時間を割くつもりはない。行くぞ!」

 

「あぁっ! りっくん!」

 

そう言って、理巧はタイラントに向かって跳び、飛鳥も後を追った。

 

 

ー鈴音sideー

 

「・・・・・・・・・・・・」

 

鈴音は跳んでいった理巧達の背中を見る。

裏切り者である自分が、今さら善忍と共に戦うなんてできない。だが、焔達の事も見過ごせない。鈴音は、ジレンマに陥った。

 

 

ー理巧sideー

 

理巧はそれぞれの『秘伝忍法』でバーニング・ベムストラを抑えている斑鳩達を見ると、ゼロに向かって叫ぶ。

 

「ゼロ!! 僕が言うタイラントの部位にツインソードでおもいっきり斬りつけてくれ!!」

 

『なに?!』

 

≪何をするつもりだ理巧?≫

 

「説明している暇は無いんだ! とりあえず斬りつけたらタイラントを押さえつけてくれ! 焔さん達を助けるっ!!」

 

≪何だと?!≫

 

「おじさん! ゼロ! 頼むよ!!」

 

『・・・・へっ! やって見せろよ!』

 

≪ゼロ!≫

 

『生徒達が根性見せようとしてんだ! だったら俺達は、信じてやろうぜ!』

 

≪・・・・分かった≫

 

「レム!」

 

《焔達の反応を検知。タイラントの右首筋46度》

 

「分かった! ゼロ! 右の首筋46度だ!」

 

『ぃ良し! フッ! セェェェヤァッ!!』

 

ザシュッ!

 

『ヒギャアアアアアアッッ!』

 

タイラントの攻撃を回避したゼロは、ツインソードで右の首筋を力一杯斬りつけると、傷口が出来上がった。

 

『ハァッ!!』

 

『ヒャアアアアア!』

 

ゼロはタイラントの両腕を捕まえ、タイラントを押さえた。

理巧は飛鳥を連れてタイラントの身体を跳び登り、傷口の近くに到着すると、懐から縄を取り出し、自分の腰に巻き付け、長い余りを飛鳥に渡す。

 

「あーちゃん。レムが引き上げろと合図を出したら、おもいっきり引っ張ってくれ」

 

「りっくんは?」

 

「・・・・こうするのさ!!」

 

「えぇっ!?」

 

なんと、理巧はタイラントの傷口から体内に飛び込んでいった。

 

 

 

ー焔sideー

 

「ぐぅぅぅっ!!」

 

「ぁぁぁぁ!」

 

「うぅ・・・・!」

 

「~~~!」

 

「ぅあ・・・・」

 

そして焔達は、流動するタイラントの体内にて苦悶の声をあげていた。

5人は離れないように手を取り合って抵抗しようとするが、『コピークリスタル』に中に流れる7体の怪獣達の『負のエネルギー』の奔流に飲み込まれ、段々と深い沼に沈んでいくような流れに自分達は抜け出せないんだと思ってしまっていた。

 

「(これで、終わりなのか・・・・?)」

 

焔はこれまでの自分の人生を振り返ってみると、利用される人生だったと思う。初恋の人に利用され、道元に利用され、最後は怪獣に取り込まれて終わり・・・・。

 

「(本当に、終わりなのか・・・・。イヤだ・・・・!

誰か・・・・誰か助けて!!)」

 

ーーーーガシッ!

 

「(っ!!)」

 

救いを求めて手を伸ばした焔の手を、誰かが掴んだ。

焔は手を掴まれた感触に上を向くと・・・・。

 

「・・・・・・・・」

 

「あ、暁月・・・・!」

 

強い意志を持った瞳をした理巧だった。

その時、焔の胸元に『小さな光』が出ていたーーーー。




次回、光刃が出てきます!
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