ー理巧sideー
街で猛威を振るうロボット怪獣達の前に、炎を纏ったウルトラマンジードが現れた。
赤と銀と黒の体色に、融合素材となったウルトラマンレオやアストラのような剥き出しに鍛えられた身体。
頭部は逆立った髪か、炎を思わせる形状となり、腕には手甲と包帯を着けている。手甲にはレオ兄弟の腹部に描かれている紋章があり、左手にレオの紋章、右手にアストラの紋章が書かれている。
『イヤーッ!』
叫びを上げて構えるその姿、熱き闘魂の戦士・『ウルトラマンジード リーオーバーフィスト』。
『ーーーー!』
『ピギュゥゥゥ!』
『キュォォン!』
『グワン! グワン!』
4体のロボット怪獣達はジードに向かって行くと、先ずはナースがジードに目から破壊光線で攻撃するが、
『ハァッ!』
ジードは俊敏な動きで光線を回避すると、ナースの目の前に現れ、頭部を掴むと、そのままナースの顎に膝蹴りを叩きつけ、さらに肘打ちを叩き込む。
『ピギュゥゥゥ!』
ナースはジードの身体に巻き付こうとするが、
『イヤーッ!』
巻き付かれる前に、ジードはナースの頭部を掴んだまま回転してナースの身体を振り回し、空高く投げ飛ばした。
『ピギュゥゥゥ・・・・・・・・!!』
『グワン! グワン!』
続いてキングジョーが迫り来ると、両手を上に挙げて、ジードを捕まえようと振り下ろすが。
『フッ! グゥゥゥゥ!! ヤァッ!!』
キングジョーの腕を両手で押さえ、力比べをしていると、ジードは跳び、キングジョーに両足で蹴りをぶつけ、キングジョーの身体を後方に退かせ、反転跳びで着地すると、次にギャラクトロンに迫る。
『キュォォン!』
ギャラクトロンは後頭部から伸びた大きな鉤爪の付いた『ギャラクトロンシャフト』を振り回し、ジードを攻撃するが、ジードは跳んでそれを足場にしてさらに高く跳び、ギャラクトロンの真っ正面に回り込む。
『キュォォン!』
『フッ! ハッ! ヌッ!』
ギャラクトロンは次に、左腕の回転式の大剣・『ギャラクトロンブレード』でジードを攻め立てる。
が、ジードは紙一重で回避し、ギャラクトロンの左腕を受け止める。
『ーーーー!!』
ジードの後方に回り込んだダークロプスゼロが、背後からジードに、『ダークロプスゼロスラッシュ』を放った。
『っ! ヤーッ!』
『っ、キュォォン!』
が、いち早く察していたジードは、ギリギリで回避すると、光線がギャラクトロンに当たり、ギャラクトロンの巨体を押し飛ばす。
『ーーーー!』
頭部のスラッガーを取り外し両手に構え、ジードに斬りかかるダークロプスゼロ。
『イヤーッ!!』
ダークロプスゼロのスラッガーを使った攻撃を、ジードは防ぎ、払いながら、ダークロプスゼロと格闘戦を繰り広げる。
その後ろから、キングジョーが迫り来る。
『グワン! グワン!』
『フッ! ヤーッ!』
ジードはダークロプスゼロの攻撃を払うと、キングジョーに蹴りをぶつけ、2体の怪獣に挟まれながらも、果敢に戦う。
『キュォォン!』
ギャラクトロンが目から閃光光線を放つのを見たジードは、光線が放たれた瞬間、捕らえようと迫るキングジョーの身体を身軽に受け流すと、光線はキングジョーに当たった。
『グワン! グワン!』
キングジョーは吹き飛び倒れる。
『イヤァッ!!』
『ーーーー!!』
ジードは後ろ回し蹴りをダークロプスゼロに叩き込み、ダークロプスゼロを退かせると、両腕に力を込める。
『フッ! ハァァァァァァァ・・・・!』
ジードの両手に描かれたレオ兄弟の紋章が光ると、炎が燃え上がり、ジードは一瞬でギャラクトロンに接近し、ギャラクトロンは『ギャラクトロンブレード』を横凪ぎに切り払うように腕を回すと、ジードは剣をギリギリで回避し、カウンターで両手の拳をギャラクトロンに叩き込んだ。
『『ブラザーズインパクト』!!』
『キュォォン!』
ギャラクトロンは魔法陣を展開して防御するも、技の威力に魔法陣ごと倒れる。
『ーーーー!!』
ダークロプスゼロが後ろからスラッガーで斬りかかる。
『イヤァァァァッッ!』
その動きを読んでいたジードが、拳でスラッガーを弾き飛ばした。スラッガーを失ったダークロプスゼロは拳を構えて、ジードに接近し連続で拳を繰り出す。
『イヤタァッ!!』
が、ジードはその拳を連続蹴りで応戦した。
『ーーーーーーーーーーーー!』
『イヤタタタタタタタタタタタタタ!! イヤァッ!!』
『ーーーーーーーー!!』
競り勝ったのはジードであった。さらに攻め立て、ダークロプスゼロの拳に押し返し、ダークロプスゼロの身体に、炎のようなエネルギーを纏った連続キックをぶつけ、飛び蹴りでフィニッシュを決めるリーオーバーフィストの必殺技。
『『バーニングオーバーキック』!!』
『ーーーー!!』
ダークロプスゼロは全身に火花を飛び散らせながら、爆散した。
『キュォォン!』
『グワン! グワン!』
『ピギュゥゥゥ!』
ギャラクトロンとキングジョー。そして戻ってきたナースがジードを見据えて迫り来る。
『フン! イヤァッ!!』
ジードは残りの怪獣達へと向かい、跳び蹴りを繰り出した。
ーゼロsideー
「ぃよっしゃッ! 先ずは一体目!」
「レオ兄弟の融合形態だけに、とてつもない格闘能力だな」
空中ディスプレイに映し出されたダークロプスゼロを粉砕したジードの映像に、一先ず笑みを浮かべる飛鳥達だが、ゼロは油断なく伏井出ケイを睨む。
「う~ん、格闘戦特化の形態ですか・・・・。暑苦しいですが、中々に王道ですね」
見せ物を見るような笑みで言う伏井出ケイ。
「伏井出ケイ。お前は大人しくしているつもりか!?」
「フフフッ、そうですね。このまま見物も良いですが、それだけでは面白くありませんね。・・・・では、新たなゲストの登場です」
「「「「「「≪っ!!≫」」」」」」
伏井出ケイが新たに出したカプセルを見て、一同は目を見開いた。
それは、蛇女との戦いで現れた合体怪獣・『暴君怪獣タイラント』だった。
「これは、蛇女子学園の生徒の皆さんのお陰で完成された『怪獣カプセル』です。いや~、彼女達は実に良い働きをしてくれましたよ」
ジードライザーや装填ナックルと同じアイテムに、二本の『怪獣カプセル』。
これらの情報から導きだされる可能性に、ゼロと霧夜先生と飛鳥達が、ハッ! となった。
「しかし、私が突然居なくなってしまっては、場が混乱するかもしれませんねぇ。ですので、宜しくお願いしますよ。『ザラブ星人』さん」
伏井出ケイの背後から、ツリ眼と星形の口が特徴的な顔が胴体一体となっている宇宙人が現れた。
『凶悪宇宙人 ザラブ星人』だ。
『ーーーー!』
ザラブ星人が両手で顔を覆うと、その身体が何と、伏井出ケイへと変身したのだ。
「なにっ!?」
「では、私は少々失礼します。あぁ安心してください。私からの指示はザラブ星人さんに連絡するのでそれに追従してください。・・・・それができない場合は、解っていますよね?」
ジードの戦いが映し出された空中ディスプレイの画面が半分別の場面に変わった。
ジードの戦いを見ている、会場から脱出できない観客達と、その観客達の後ろで控えている警備員の姿に変身した伏井出ケイに雇われた宇宙人達だ。
「「「「「「≪っ!!≫」」」」」」
ゼロと霧夜先生、飛鳥達はそれを理解し、歯噛みするしかできなかった。
「フッフッフッ。ご理解いただけて幸いです。では・・・・」
そう言って、伏井出ケイの身体を光のリングが幾つも包み、伏井出ケイの身体を転送させた。
それを見た後、飛鳥が伏井出ケイに変身したザラブ星人に話しかける。
「・・・・ねえ! ザラブ星人さん! 何でこんな事に協力するの?! 貴方達だって危険なのに!?」
『お金の払いが良いからに決まっているでしょう。それに安心してください。私達は転送装置でこんな所から直ぐに逃げられますから。ここに集まった観客の皆さんがどうなろうが、知った事ではありません』
「どうして・・・・!」
『余計な事をくっちゃべると、解りませんか?』
飛鳥がザラブ星人を説得しようと声を張り上げるが、慇懃無礼な態度で取り合わないザラブ星人は笑みを浮かべて、ディスプレイを指差すと、観客達の後ろにいた警備員の1人か、こっそり地球の物ではない拳銃を取り出し、ジードの戦いに夢中になっている観客の1人に銃口を向ける。
『1人くらいなら良いですかね?』
「っ! やめろっ!!」
ゼロが声を張り上げると、ザラブ星人を更に笑みを深くし、耳に付けたインカムで指示を出すと、宇宙人は拳銃をしまった。
『これでご理解できましたか? 余計な事をすれば、貴方達が不利になるだけだと言う事が?』
ザラブ星人の言葉に、飛鳥達は悔しそうに顔を歪めた。
ー伏井出ケイsideー
「さぁ、真打ちの登場です!」
転送された伏井出ケイは会場の屋根の上に立つと、身体からドス黒いオーラを放ち、ジードライザーを取り出すと、“ゴモラの『怪獣カプセル』を起動させた”。
「ゴモラ!」
キシャアァァァァァ!!
ゴモラの鳴き声が響き、『ゴモラカプセル』を装填ナックルに入れた。
「タイラント!」
ヒャアァァァァァァッ!!
次に、『タイラントカプセル』を起動させて、ナックルに装填し、ライザーの握り手のスイッチを押す。
「これでエンドマークだ!」
ライザーで手に持ったナックルをスキャンする。
ドクンッ! ドクンッ!
ナックルのカプセルのエネルギーを読み込んだライザー中央のカプセルが目映く発光して、音声が流れる。
『フュージョンライズ!』
「ハァアアアアアア・・・・ハァアッ!!」
ライザーを胸元に持ってきて、起動スイッチを押した。
『ゴモラ! タイラント! ウルトラマンべリアル! ストロング・ゴモラント!!』
伏井出ケイの姿が『ウルトラマンベリアル』の姿へと変わり、ベリアルの前に『ゴモラ』と『タイラント』の姿が現れると、2体は黄色と灰色の粒子となってベリアルの口の中へと吸い込まれ、ベリアルの姿が変貌した。
頭部は強化されたゴモラ、ベムスターの翼を大きくしたような翼を生やし、尾先にはバラバの武器のようであり、体色はダークグレーと赤に統一され、まるで西洋のドラゴンのような容貌。胸部には血管のように広がるカラータイマーがある怪獣ーーーー。
『キヒャァァァァァァァァァァァァァァッッ!!!!』
新たな融合獣、『ベリアル融合獣 ストロング・ゴモラント』。
ー理巧sideー
ジードは左右からキングジョーとギャラクトロン、前方から迫るナースと交戦していると、背後に嫌な気配を感じ、振り向くとーーーー。
『キヒャァァァァァァァァァッ!!』
ドゴォオンッ!!
『うわああああああっ!!』
突然、背中を襲った衝撃に、ジードは吹き飛んだ。
『「な、なんだ!?」』
『キヒャァァァァァッ!!』
ジードが起き上がり、後ろを振り返ると、現れた融合獣、ストロング・ゴモラントが雄叫びをあげていた。
『「融合獣・・・・。伏井出ケイ、お前かっ!?」』
ジードの言葉に答えず、ストロング・ゴモラントは火炎攻撃・『ハイパーデスファイヤー』を口から放つと、ジードはバク転しながら起き上がり、火炎をかわしていく。
『ピギュゥゥゥ!』
『「っ! しまった!」』
ほんの一瞬、気がそれたジードの隙を狙って、ナースがその長い身体でジードの身体に巻き付き、ジードを締め付け、さらに電流を流す。
『ぬぁあああああッ!!』
『グワン! グワン!』
『キュォォン!』
今度はキングジョーの身体が頭部と腕、胴体、腰、両足のパーツが分離し、ギャラクトロンの右腕の砲台も分離すると、キングジョーがジードの四方を、ギャラクトロンの右腕がその上を取ると。
『ピギュゥゥゥ!』
ナースが離れた瞬間、4体のキングジョーのパーツの光線が、ギャラクトロンの右腕の砲がジードに襲い掛かった。
『ぐぅあああああああっ!!』
ーゼロsideー
「りっくんっ!!」
「「理巧っ!!」」
「「理巧くんっ!!」」
≪理巧!≫
「っ!・・・・」
飛鳥達が悲鳴のような声をあげ、霧夜先生とゼロも悔しそうに顔を歪める、
『はい。・・・・・・・・了解』
伏井出ケイからの連絡を受けたザラブ星人が、ゼロに顔を向けると、ゼロは感情を押し殺したような声をあげる。
「俺は何をすれば良い・・・・?」
『察しが良いですねウルトラマンゼロ。では、雇い主からの指示を伝えます。・・・・《ギャラクトロンが貴方目掛けて光線を放ちます。その直撃をーーーー受けてください》、と』
「・・・・・・・・!!」
ザラブ星人がニンマリと伏井出ケイの貌で凄絶な笑みを浮かべてそう言った。
ー理巧sideー
ピコン、ピコン、ピコン・・・・
『「くっ、リーオーバーフィスト。格闘戦に攻撃力とスピード重視の速攻タイプ・・・・それ故に、防御力が極端に低いのが、弱点か・・・・!」』
カラータイマーが点滅を初め、キングジョーは再び合体し、ギャラクトロンとナースと共にストロング・ゴモラントの隣に立つと、ストロング・ゴモラントが鼻先の角から光が発光し。
『ムッ!? ぐぉあああああああああああっ!!』
突然ジードの身体が浮き上がると、地面に叩きつけられ、強力な重力に押し潰すストロング・ゴモラントの必殺技・『グラビトロプレッシャー』だ。
『くっ・・・・うぅっ・・・・!』
起き上がろうとするジードの両肩をキングジョーが掴んで立たせ、ナースが再びジードの身体に巻き付いた。
ーゼロsideー
窮地に追い詰められていっているジードの映像を見せて、ザラブ星人が伏井出ケイの言葉を伝える。
『《悩んでいる時間はありません。答えを遅らせれば教え子であるジードは死んでしまいますよ!》』
≪~~~~!! ゼロ・・・・!≫
「・・・・・・・・受けてやるよ!」
ゼロがザラブ星人の、伏井出ケイの提案に乗ると宣言した。
ーーーーパチンッ。
それを聞くとザラブ星人が指を鳴らし、出口の扉が開いた。
『《だれもがウルトラマンジードの戦いを見ています。貴方の死を見届ける者はいません。1人寂しく、逝きなさい》・・・・との事です』
「・・・・・・・・」
ザラブ星人が出口を指差す。ゼロは懐からNEOウルトラゼロアイを取り出して握り、出口へと歩き出した。
「「「「「ゼロ(さん)っ!!!!」」」」」
飛鳥達が呼び掛けるが、ゼロは無言のまま歩みを進める。
ーーーーそれが、自分の死への道だと分かっていても。
ーヒカリsideー
ウルトラマンヒカリと、ヒカリに同行したウルトラマンが、ジードのいる宇宙に到着した。
『ここが、ウルトラマンキングが融合した宇宙ですか・・・・?』
『・・・・・・・・』
『どうしました?』
同行したウルトラマンが地球を指差すと、ウルトラマンの優れた視力でヒカリが地上を見ると、現在地球で戦っている見たことの無いウルトラマン、イヤ、ウルトラマンベリアルに良く似たウルトラマンを見つけた。
『っ! ベリアル!?・・・・いや、違うのでしょうか?』
『・・・・・・・・』
ヒカリと同行したウルトラマンは、ベリアルの面影のある謎のウルトラマン、ジードを見据えていた。
次回、ゼロが・・・・。