ーゼロsideー
ゼロは外に繋がる通路を駆け出し、外に出ると、ナースに巻き付けられたジードと、それを三方から囲むギャラクトロンとキングジョー、そしてストロング・ゴモラントを見据える。
『「こ、の・・・・ぐぅぅっ!!」』
ジードを見るとゼロは、ウルトラゼロアイNEOを握る霧夜先生の手が震えているのに気づく。
「霧夜。震えているのか?」
≪・・・・すまない≫
「ふっ、そりゃそうだな。けどよ、もう少し付き合ってくれ!」
≪ゼロ・・・・≫
ウルトラゼロアイNEOを見据えて言うゼロに、霧夜先生が声を発する。
「安心しろ。お前は死なせない! 飛鳥も! 雲雀も! 柳生も! 葛城も! 斑鳩も! 当然理巧もみんな!!」
再びジードを見ると、ジードはナースから脱出しようと足掻くが、ナースの締め付けは更にキツくなる。
『ぐぅあぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!』
ジードが苦しそうな声をあげると、ギャラクトロンがゼロの方に目を向ける。
ーペガsideー
ギャラクトロンの行動から、狙いがゼロである事に気づいたペガ。
『理巧っ! 霧夜先生が、危ない!!』
ー理巧sideー
ペガからの通信で、理巧も霧夜先生に目を向ける。
『「ゼロ・・・・! おじさん・・・・!!」』
ーゼロsideー
ゼロの眼前に立ったギャラクトロンの右腕の2つの砲口から、光が溢れ、ゼロへと発射された。
「ふっ!!」
ゼロは、ウルトラゼロアイNEOを突き出して、砲撃を防いだ。
「ぐぅぅぅぅぅぅぅぅぅっ!! うぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!」
すると、霧夜先生の身体から、ウルトラマンゼロが、霧夜先生を守るように現れ、身体の主導権が霧夜先生に戻る。
「ゼロっ!!」
『ぬぅううううううううううううううっっ!!! 霧夜! 良く! 耐えて、くれたな!』
「ゼロ?・・・・ゼロ!!」
光が溢れ、霧夜先生の身体が後ろに吹き飛び、地面に転がると、ウルトラゼロアイNEOも煙を上げて地面に転がった。
『「はっ!!?」』
「うぅ・・・・あっ! ぐぅぅぅぅっ!」
霧夜先生は痛む身体を引きずりながら、ウルトラゼロアイNEOに手を伸ばすがーーーー。
なんと、ウルトラゼロアイNEOが、石となってしまった。
ー飛鳥sideー
「ゼロ、さん・・・・?」
「ウソ・・・・?」
「くぅっ・・・・!」
「ちくしょう・・・・!」
「そんな・・・・!」
飛鳥達も、今起きた現実に呆然となった。
ー伏井出ケイsideー
『「さようなら。ウルトラマンゼローーーーあはははははは・・・・!」』
ストロング・ゴモラントの体内で、伏井出ケイが笑い声を上げた。
ー理巧sideー
『「ゼ、ゼロ・・・・!」』
理巧は、自分の中で沸き上がる感情に一瞬戸惑った。理巧にとって第一は鷹丸達。第二は親友のペガ。これは絶対に揺るがない物であり、それ以外は割りとどうでも良かった。
だが、半蔵学院に来て、それ以外のどうでも良かったモノが、段々大切になっていった。勿論それは、ゼロもーーーー。
『「・・・・・・・・うぅ! うぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおッッッ!!!!」』
ーーーーゴキンッ!!
ジードは雄叫びを挙げながらーーーー何と、左肩の関節を外して、ナースの拘束から脱出した。
『オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッッッ!!!』
左肩の関節を外し、片腕と脚だけしか戦えない状態になりながらも、4体の怪獣達と戦う。
『『バーニングオーバーキック』!!!』
炎の蹴り技をギャラクトロンに叩き込もうとするが、ギャラクトロンは魔法陣で防御する。
『「それが・・・・どうしたっ!!!」』
が、更に炎の出力を上げたジードの蹴りにギャラクトロンは魔法陣ごと吹き飛ばされる。
『「ギャラクトロンをあそこまで・・・・! まさか、怒りが力を底上げしているのか?」』
伏井出ケイも、ギャラクトロンに攻め勝ったジードに驚愕する。
『「・・・・伏井出、ケイーーーーーーーーーーーー!!!」』
『「っっっ!!!?」』
こちらに振り向いたジードを見て、伏井出ケイは息を呑んだ。
片腕の肩の関節を外し、ウルトラマンゼロが死んだ事で冷静さを失い、遮二無二に暴れているだけ、こんな小僧に何を恐れるのか。
だが、自分の方に振り向いたジードを見た瞬間、伏井出ケイは不覚にも、そしてーーーー“不愉快にも"、ジードの姿が重なった。
ーーーーウルトラマンベリアルと。
『「こ、この・・・・紛い物がっ!!!」』
『キヒャァアアアアアアアアアアアアッ!!!』
伏井出ケイの怒りの雄叫びと、ストロング・ゴモラントの咆哮が重なると、ストロング・ゴモラントは翼を広げて、ジードに突進する。
『おおおおおおおおおおおお・・・・!! イヤーーーーッッ!!!』
カラータイマーの点滅によるパワーダウンをものともしないジードは、全エネルギーを込めた『バーニングオーバーキック』でストロング・ゴモラントとぶつかる。
ドゴォオオンッ!
ストロング・ゴモラントの鼻先の角から放たれる『グラビトロプレッシャー』とジードの紅蓮の蹴撃のエネルギーが強烈な火花を散らすと、その反動で2体は弾き飛ばされる。
『ヒャァアア!!』
『うぉあっ!!』
ジードは倒れ、ストロング・ゴモラントも倒れるが、その姿が粒子状となって消えた。
『ピギュゥゥゥ!!』
『ヒュォォォン!!』
『グワン! グワン!』
が、ジードに向かって、ナースとギャラクトロンとキングジョーがゆっくりと迫ってきた。
『くっ!』
ー飛鳥sideー
飛鳥達は、ゼロがやられた光景を見た後、ザラブ星人から退室を許可され、大急ぎで霧夜先生の元にたどり着くと、倒れている霧夜先生と石となったウルトラゼロアイNEOを見つけた。
「「「「「先生!! ゼロ(さん)!!」」」」」
5人はジードを見ると、3体の怪獣がジードに迫り、絶対絶命の状況になっていた。
ー理巧sideー
ーーーーピコン! ピコン! ピコン! ピコン!
『「もうすぐ、限界時間か・・・・だが、まだまだぁっ!!」』
ジードは片腕をぶら下げたまま、3体の怪獣に蹴りで攻撃する。
離れた地点で変身が解除された伏井出ケイ、冷静に戻ったのか薄ら笑みを浮かべる。
「若い、若いですねぇ、ウルトラマンジード。さて・・・・」
ーーーーパチン
伏井出ケイが指を鳴らした。その時。
『「おおおおおおおおおおおおっ!!!」』
ジードの蹴りが3体の怪獣に当たった瞬間、怪獣達の動きが止まった。ギャラクトロンは目と腹の光が消え、キングジョーも両腕をぶら下げ、ナースはそのまま倒れた。
『「な、何が、起こった・・・・? ぬっ!」』
ジードは遂に制限時間となり、光の粒子となって、変身が解除された。
ー飛鳥sideー
「怪獣達が、止まった・・・・?」
「あっ! 理巧くんがっ!」
突然止まった怪獣達に戸惑った声を漏らす飛鳥に、雲雀が指差すと、ジードが光の粒子となって消えた。変身可能時間が過ぎたのだ。
ー理巧sideー
「っ・・・・くっ! ぐぅおぉあっ!!」
ーーーーグギンッ!!
変身解除された理巧は、疲労の身体を動かし、外した関節を戻して、機能を停止したように動かなくなった怪獣達を見上げる。
「一体・・・・なんなんだ・・・・?」
「どうやら、見逃されたようだな」
「っっ!!」
理巧は背後から聞こえた声に臨戦態勢で振り向くと、そこにはーーーー2メートルは優に越える巨体に外套を羽織った、白髪の長髪をした老人だった。
が、理巧はその老人から放たれる、『歴戦の強者の気配』を敏感に察知する。杖を持っている所に気づき良く見ると、右足を負傷しているようだ。
が、外套に隠されたその身体からは、溢れんばかりのパワーが秘められているような雰囲気があり、そしてまるで隙が無い佇まいが、理巧に警戒心を持たせた。
「何者だ? アンタは・・・・?」
「ふん。先ほどの姿。ウルトラマンレオとアストラの力を融合させた物だな?」
「っ!」
理巧は更に警戒心を高める。
「中々のモノだが、お前はまだ彼らの力の半分しか引き出せていない」
「なに?」
「レオ兄弟は、我が兄弟が育てた弟子達。その力の全てを引き出せるようになれば、お前はより強くなれるだろう」
「アンタ、一体何者だ・・・・?」
「・・・・・・・・ただの、死に損ないさ」
巨体の男が理巧を見下ろすと、一瞬その姿が変わった。
鍛えぬかれた山のような筋肉と、頭頂部に伸びた大きな角をした光の戦士にーーーー。
「あっ、あなたは・・・・!?」
「私の名はーーーー『ウルトラマンゴライアン』。お前を鍛えてやる、ウルトラマンベリアルの面影がある、新たな光の戦士よ・・・・!」
かつて、M-78・光の国から『宇宙警備隊』が生まれる前にいた。ウルトラ兄弟の他の兄弟達が、ウルトラマンジード、暁月理巧の前に現れた。
最後に出てきたウルトラマンは、真船一雄先生の『ウルトラマンSTORY 0』に出てくるウルトラマンです。
ー次回予告ー
ゼロが消えてしまった。だが、悲しみと悔しさに打ちひしがれる暇は俺達にはない。理巧は己の力を高める為に、残りの時間で修行に向かい。飛鳥達も自分にできる事をしている。
ゼロ。俺も信じているぞ! お前が必ず戻ってくる事をな!
次回、『閃乱ジード』
【運命を越えろ】
俺に限界はねぇ!