閃乱ジード   作:BREAKERZ

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修業内容は少しはしょります。


強くなるぜ、特訓

ー霧夜先生sideー

 

霧夜先生は、『セリザワ・カズヤ』と名乗った青年と、缶コーヒーを片手に公園のベンチに座っていた。

 

「セリザワ殿、こんな形で、貴方と出会うとは思いませんでした」

 

「俺もです。そして・・・・申し訳ありません。俺達が駆けつけた時には・・・・」

 

「いえ、・・・・ゼロは、消えたと思いますか?」

 

「・・・・私の住んでいた地球では、ゼロの父親、ウルトラセブンを初め、多くのウルトラ戦士達が地球の平和を守るために戦ってきてくれました。その戦いの中で、ウルトラマンが倒されてしまったり、敵対異星人に捕らわれたり、絶体絶命の窮地に立たされる事は少なくありませんでした」

 

「そう、なのですか・・・・」

 

「ですが、その都度、我々地球人が助けたり、ウルトラマンが奇跡を起こし、彼らは甦り、立ち上がり、そして、守ってくれました」

 

「・・・・・・・・」

 

「俺もまた、地球を守りたいと思い、防衛チームに志願しました。しかし、怪獣との戦いで命を落としかけましたが、あるウルトラマンに助けられ、九死に一生を得たのです」

 

語っていくセリザワの言葉を霧夜先生は漏らさず聞き入れた。

 

「そのウルトラマンは、とある怪獣に大切な人達を殺され、復讐鬼になってしまいました。ですが、私の地球を守りに来た『光の国のルーキー』や、私が目をかけていた部下や、その『ルーキー』を信じる少女達の呼び掛けで、俺は自分を取り戻し、そのウルトラマンも自分を取り戻しました」

 

「そうだったん、ですね・・・・」

 

「ウルトラマンは、例えどんな事になっても、信じる人達がいる限り、その想いを裏切らない、その人達の希望となる存在です。そしてそれは、貴方とゼロにも言える事です」

 

「・・・・私に、なれるでしょうか、『希望』に・・・・。かつて教え子を守れなかった私に・・・・」

 

教え子、凜の事を心配するあまり、試験最終日に、

“試練をクリアできなければ二度と忍になることが出来ない”。

と言う事情から、教え子の背中を狙う傀儡を裏で倒す手助けをしてしまい、その結果、『調子に乗ると油断してしまう』という弱点を抱えたまま上忍になってしまった凜は、『とある任務』で殉職してしまった。が、その時に道元に拾われ、鈴音先生として蛇女子学園の教師となったのだ。

 

「俺にできた事が、貴方にできない筈はない。貴方も俺と同じ、『ウルトラマン』なのだから」

 

「私も、『ウルトラマン』・・・・」

 

「この地球にも、ウルトラマンがいるのですね? それも、ベリアルの面影のあるウルトラマンが」

 

「はい・・・・」

 

「俺は彼がどんな人物で、何故ウルトラマンとなったのかは分かりません。ですが、彼がウルトラマンとなった事は、『運命』だったのだと思います。そして、俺がそうだったように、貴方も・・・・」

 

「・・・・・・・・(コクン)」

 

セリザワの言葉に、霧夜先生は力強く頷く。

 

「貴方は、ウルトラマンの力で、何をしたいのですか?」

 

「・・・・・・・・」

 

霧夜先生は懐からウルトラゼロアイNEOを取り出し、ジッと見つめる。

 

「守りたい・・・・! もう、失いたくない・・・・! ゼロよ、俺には、二万年早すぎると思うか?・・・・それでも、やってみたいんだ! 大切な、大切な教え子達を! 皆を守るって事を!!」

 

そう言って握る手を強くすると、ウルトラゼロアイNEOの中心が一瞬光ったのを確認したセリザワは立ち上がると、霧夜に『有るもの』を渡した。

 

「霧夜殿、これを」

 

「っ! これは・・・・!」

 

それを見た瞬間、霧夜先生は目を見開いた。

 

 

 

 

ー理巧sideー

 

「ぐあぁあああああああああっ!!」

 

特殊フィールドの中で修業していた理巧は、地面を何度もバウンドして転がると、漸く勢いが無くなり、地面に倒れる。

 

「ぐぅっ!! つぅっ!!」

 

飛鳥達が見たら驚くだろう。何故なら、蛇女の忍をたった一人で制圧した理巧が、全身がボロボロになり、肩で荒く息を吐き、ヨロヨロと立ち上がり、見るからに疲弊しているのだ。

 

『どうした? この程度で終わりか?』

 

理巧の眼前に現れたのは、登頂部に角が伸びたしなやかに鍛えられた身体をしたウルトラマン、『粉砕の拳闘士 ウルトラマンドリュー』だった。

ドリューの後ろには、ウルトラマンタロウのように大きな角をしたウルトラマン、『灼熱の戦士 ウルトラマンカラレス』。

プロテクターを着けた『氷結の剣士 ウルトラマンザージ』。

一番小柄なウルトラマン、『異次元の戦士 ウルトラマンフレア』。

そして一番の巨体をした『剛力の戦士 ウルトラマンゴライアン』が控えており、四人のさらに後方には、“鎮座した人間体のゴライアンが手に持つアイテムから光を放っていた”。

 

~10分前~

 

修業を開始する前に、杖を置いて片足で立った人間体のゴライアンが懐から、『ブレスレット』、『バッジ』、『メダル』、『剣』を取り出し、さらに自身も外套をあげると、『ベルト』を出した。

 

【それは・・・・?】

 

【かつて、私や亡き兄弟達が超人になる為に使ってきた道具。お前も変身する際に用いるだろう?】

 

【(『ジードライザー』のような物か・・・・)】

 

【今から、この道具の中にある私と兄弟達の『記憶』を呼び出す】

 

【記憶を・・・・?】

 

【そうだ。この道具に秘められし『戦いの記憶』を具現化させる。その『記憶』と戦うのだ】

 

【“『記憶』と、戦う”・・・・】

 

【『記憶』と思って甘く見るな。その具現化された『記憶』にいるのは本物と大差ない強さを持った物だ。並大抵の事ではあるまい。だが、私は口頭で説明するのは苦手でな。実戦でお前を鍛える】

 

【・・・・・・・・】

 

【怖じ気づいたか?】

 

ゴライアンの言葉に、理巧は決然と答える。

 

【いえ、やって下さい】

 

【良かろう・・・・ぬぅん!】

 

ゴライアンが力を込めると、全身から光のエネルギーが迸るとアイテムが光輝きーーーーソコから、光の玉が飛び出し、五人のウルトラマンへとその形を変えた。

 

【(っ! 彼らが、歴史の裏に隠されたウルトラ戦士達・・・・!)】

 

五人から発せられる『強者の気配』が理巧を嫌が応にも身構えさせた。

 

【少年。君は、ウルトラマンのようだな】

 

【私達を呼び出した言うことは、私達に鍛えてもらいたいのか?】

 

【へぇ、良い面構えしてんじゃねぇか】

 

【んじゃ、誰がこのルーキーを鍛える?】

 

【・・・・私が行こう】

 

ドリューが前に出て理巧と対峙し、組手を始めた。

 

 

~現在~

 

 

そして組手をしていると、その技の威力に理巧は何度も地面に膝処か、全身を叩きつけられた。

 

「はぁ、はぁ、はぁ・・・・!」

 

理巧はドリューの拳に押されてしまっていた。

 

「(なんて威力なんだ・・・・! 徒手空拳なら大道寺先輩と同じだけど、威力が桁違いだ・・・・!)」

 

『(フム。確かに才も素質も備えてある。自己鍛練も行っているようだ。だが・・・・)少年。お前はこれをただの訓練と思っているのではないか?』

 

「っ!」

 

ドリューの言葉に、理巧は息を詰まらせた。それを肯定と取ったドリューが、さらに言葉を紡ぐ。

 

『確かに才はある。それもかなり上物のな。だが、お前は心構えが半人前だ』

 

「心構え・・・・?」

 

『『常在戦場』。常に己は戦地にいると心に構えよ。己が死に体と思えば、相手が如何なる技を用いていても、心静かに対処できる・・・・。お前はその心構えを感覚として、既に知っている節が見える』

 

「っ!」

 

更なる言葉に、理巧は息を呑んだ。確かに、己を死に体として扱う術を理巧は知っている。

かつて自分は、他人の命にも、自分の命にもまるで執着せず、いつ死んでも良いような考えで、『凄絶な地獄の中』にいた。

 

「(・・・・そうか、あの感覚だ。鷹丸さん達に拾われて、生きる事に執着するようになってから忘れていた感覚・・・・!)」

 

理巧は瞑目すると、ドリューも構えをしたまま待つ。ゴライアン達も、静かに見守っていた。

 

「・・・・・・・・」

 

ソッと目を開いたら理巧は構え、ドリューも改めて気を引き締めると、二人はダッと駆け出し、飛び蹴りを繰り出した。

 

『イヤァアアアアアアアアアアッ!!』

 

「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!」

 

ドリューと理巧の蹴りがぶつかり合うと、先ほどと違い、理巧は吹き飛ばされず、空中でドリューの蹴撃と拮抗していた。

 

『ヌゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥッ!!』

 

「おぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉッ!!」

 

拮抗したパワーが、バチバチっ、と火花を散らせていると、ついにそのパワーが小さな閃光を起こし、ドリューと理巧が呑まれた。

 

『・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・』

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

光が収まると、二人は背中を向けて静かに佇んでいた。

 

「ぐぅぁあっ!!!」

 

理巧は片膝を地面に付いて、痛みを堪えるような声を漏らす。その理巧に、ドリューは背中越しから声を発する。

 

『・・・・・・・・『常在戦場』。常に己は戦地にいる事を忘れるな、若き光の戦士よ。・・・・グハッ!』

 

ドリューは片膝を付かず、そのまま倒れた。

 

「はぁ、はぁ、はぁ・・・・ありがとう、ございました、ウルトラマン、ドリュー・・・・!」

 

荒い呼吸をしながら、理巧は静かに倒れ、気を失った。

 

 

 

ーゴライアンsideー

 

『どう見る。この新入り?』

 

『まだ荒削りな部分はあるが、良い素質を持っている』

 

『ドリューと相討ちまで持ち込んだんだ。十分合格点をあげてもいいんじゃないか?』

 

ゴライアンとカラレスとフレアが、ドリューを相手に相討ちにまで行った理巧を称賛した。

 

『・・・・・・・・』

 

『ザージ?』

 

倒れた理巧に近づくのは、ウルトラセブンのようなプロテクターをつけた『氷結の剣士 ウルトラマンザージ』であった。

 

『・・・・皆、この少年の次の修行、私にやらせてくれ』

 

『ほお、光の国随一の剣士のザージの目にも止まるなんて、よっぽどの奴なんだな!』

 

『それでは、ザージの次は私が鍛えよう』

 

 

 

 

それから、目を覚ました理巧は、ザージ。カラレス。フレア。そしてゴライアンに鍛えられた。

ザージにてーーーー。

 

『『加速<リモート>』』

 

「くっ・・・・!(斑鳩姉さん、いや、ナリカさんよりも速い!)」

 

両手に氷の刀を携え、幾つもの残像を見せながら加速するザージを相手に、理巧はザージから貰った氷の剣を持って挑む。

カラレスにてーーーー。

 

『星の声に耳を傾けよ。我らの力は使い方を誤れば恐ろしい結果を生む。何故この力を持ったのか、何のために使うのか、星の生命を感じ、学ぶのだ』

 

「・・・・・・・・」

 

瞑想する理巧に、カラレスが星の声を、生命を感じる訓練をした。

フレアにてーーーー。

 

『俺の動き! 見極めて見ろよっ!』

 

「ぐっ! あっ! がはっ! ぬぅあっ!!」

 

身体の一部を光の粒子に変えた遠距離から攻撃する異次元戦法に苦戦した。

ゴライアンにもーーーー。

 

『フンッ!!!』

 

「ぐぁああああああああああああっ!!!」

 

ゴライアンの圧倒的なパワーによって、理巧は吹き飛ばされる。

 

『良いかボウズ。ただ振り回すだけの力は暴力と変わらねえ。それを忘れるな』

 

「は、はい・・・・!!」

 

光の戦士達との修行。特殊フィールドの中では既に2ヶ月半以上の時が流れたーーーー。

 

 

 

ー伏井出ケイsideー

 

そして、、外の世界では既に理巧の再変身まで後一時間を切った頃。

無人の広場で伏井出ケイは、ギャラクトロン。ナース。キングジョーを遠くから見上げていた。

 

「さぁ、次の段階へ・・・・ん?」

 

伏井出ケイが背後に気配を感じて振り向くと、飛鳥。斑鳩。葛城。柳生。雲雀が駆けつけた。

 

「おやおや、半蔵学院のお嬢さん方。良くここが分かりましたね?」

 

「伏井出、ケイ・・・・!」

 

「あなたが現れるのは予想できました。町中の監視カメラにアクセスし、カメラに映らず、怪獣達の様子を見れる場所を絞って、調査したのです・・・・!」

 

「これ以上、好き勝手にさせん」

 

「絶対に、止めるもん!」

 

葛城と斑鳩、柳生と雲雀が鋭い視線で伏井出ケイを睨むが、飛鳥が前に出て声を発する。

 

「伏井出ケイ、さん・・・・。貴方はどうして、こんな事をするの? こんな事をして、一体何になるって言うの?」

 

飛鳥はここまで来てまだ、伏井出ケイと対話をしようとする。仲間達は飛鳥の性格を理解しているので、静かに見守る。

 

「・・・・・・・・」

 

伏井出ケイは少し黙ると、口をゆっくりと開き、まるで宣言者のように両手を広げる。

 

「貴女は、宇宙の広大さを知っていますか?」

 

「えっ・・・・?」

 

「宇宙がどれ程広いのか、どれ程大きいのか、どれ程深いのか、知っていますか? 考えた事がありますか?」

 

「え、えっと・・・・」

 

「考えた事が無いでしょう。所詮無限とも言える宇宙の中の、ちっぽけな星のちっぽけな島国で、“下らない忍者ごっこ遊び”をしている程度で満足している“劣等な存在”には、決して理解できないでしょうねぇ」

 

「(ピクッ)“下らない、忍者ごっこ”・・・・!?」

 

自分達の目指す『忍』を侮辱された事に、飛鳥達を瞳に、怒りが宿る。

 

「おや、怒りましたか?・・・・まぁ、この崇高な考えを、月よりも先の星に行った事のない低次元な貴女方に理解できないのは当然とも言えるでしょう。まぁ、そんな貴女方でも、多少の役には立ってくれましたけどね。例えば、タイラントの『怪獣カプセル』をつくりだす事とか」

 

タイラントの怪獣カプセル。それを聞いて、飛鳥達は肩を揺らす。

 

「タイラントの、カプセル・・・・?」

 

「そう、『暴君怪獣 タイラント』のカプセルを造り出すのには、その素材となった7体の怪獣が必要。『コピークリスタル』は疑似生命体として怪獣を生み出す事ができ、ウルトラマンジードがその怪獣を倒すことで、疑似とは言え、その怪獣達が恐怖を、憎悪を、怒りを、それらにより、より強力で、より強大な力を宿す暴君怪獣を生み出す事ができました。そして私がそのエネルギーから、『怪獣カプセル』を造り出したのです」

 

「ではまさか! お兄様に『コピークリスタル』を渡したのも、蛇女子学園の道元と手を組み、カプセルとクリスタルを渡したのも!」

 

「ええ。全ては、“『コピークリスタル』の実験と暴君怪獣を作り出す為”だったんですよ。あのような『出来損ない<村雨>』や、分不相応の野心を抱いた『愚か者<道元>』。社会から爪弾きにされた『負け犬達<焔達>』ごときが、この崇高な使命に協力できた。寧ろ感謝されても良いくらいですよ!・・・・ふふふふ、ははははははははははははははははははははっ!! あっはははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははっ!!!」

 

高笑いをあげる伏井出ケイに、飛鳥達は拳をきつく握り締め、『忍転身』をしようとしたその瞬間、

 

「「「「「っ!?」」」」」

 

伏井出ケイの背後から襲い掛かる、“五人の少女達”が現れた。

それはーーーー。

 

「焔ちゃんっ!」

 

「詠さんっ!」

 

「日影っ!」

 

「未来っ!」

 

「春花さんっ!」

 

「「「「「ぶっ潰すっ!!」」」」」

 

怒りが宿った瞳をした『焔紅蓮隊』が、伏井出ケイにそれぞれの得物を叩きつけた。

 

ドゴォオオオオオオオオオンンッ!!

 

五人の攻撃を回避した伏井出ケイは指を鳴らした。

 

「では、始めましょうかっ!」

 

パチンッ!

 

ーーーーギュゥオンッ!

 

『ピギュゥゥゥッ!!』

 

『グワン! グワン!』

 

『キュォォォンッ!!』

 

ナース。キングジョー。ギャラクトロンが再び起動した。




次回、ジードのリベンジと・・・・。
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