閃乱ジード   作:BREAKERZ

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正義執行

ー理巧sideー

 

「悪の因子を持つ者は、生かしておきません! 『忍転身』!」

 

「「「「『忍転身』!!」」」」

 

突然現れた少女達が『忍転身』すると、その忍装束に変わった。

 

リーダー格の少女は白と水色に花柄が付いた着物を着崩し、豊満な胸元の上部分と肩を剥き出しになり、シミ一つない新雪のように白い肌を出し、両手に扇子を持っていた。

長身の般若面の少女は、長いマントに鎧を着け、胸元の上部分が見え、波打った長大の槍と大きな包丁を持っていた。

おかっぱの少女は動きやすいように改良された青い着物に、自身の数倍は大きな手甲を装備し、ガチンガチンを擦り合わせた。

ギャル系の少女は水着のようなボンテージの衣装に、黒いマントを羽織り、骸骨を着けた大きめのキャペリンハットを被り、自分の身長を越える円盤型の大鎌を持っていた。

小動物のような少女は、胸元が開いた黄色い可愛く、ウェイトレスのような衣装に、足には白と黄色のニーソックスを履いており、何故かフライパンとバケツも持っていた。

 

「私達は『死塾月閃女学館』! 悪は絶対に許しません!!」

 

リーダー格の少女が、扇子を理巧に向けてそう言ってきた。が、理巧は何食わぬ顔をしていた。

 

「『死塾月閃女学館』?」

 

「半蔵学院にも負けない歴史を持つ忍育成に特化した善忍の学校ですわ。ですが一般人もいる我が校と違い、高等部や中等部の生徒全員が忍だと聞いてますわね」

 

「つまり、善忍のエリート校みたいなの?」

 

「そんな所ですわ」

 

理巧と雲雀に斑鳩が簡単に説明した。

 

「ふぅ~ん。所で質問何だけど」

 

「何ですか?」

 

リーダー格の少女は理巧に鋭い視線を向けたまま問い返した。

 

「アンタ達の名前は? 名を名乗らずに戦う何て、ちょっと失礼なんじゃない?」

 

理巧がそう言うと、月閃の忍達は一瞬ポカンとなるが、リーダー格の少女が扇子を下ろして、コホン、と咳払いをして頭を下げた。

 

「こ、これは失礼しました。如何に悪とは言え、礼節を欠いておりました」

 

「えぇ、名乗るのぉ? メンドイんだしー!」

 

「文句を言うでない。確かに失礼じゃ」

 

ギャル系の少女が面倒臭そうに言うが、おかっぱの少女が老人口調で注意した。

 

「(リーダー格とおかっぱさんは、どうやら根っからの真面目さんみたいだな)」

 

理巧は少しそう思うと、先ずはリーダー格の少女が名乗りをあげた。

 

「死塾月閃女学館三年生、忍名『雪泉』と言います」

 

「同じく三年生、忍名『叢』」

 

「二年生の『夜桜』じゃ」

 

「チョリース。あたし一年生の『四季』だしー」

 

「みのりは、一年生の『美野里』だよ」

 

「それで、月閃の皆さんが何でりっくんを狙うんですか?」

 

飛鳥が月閃の忍達にそう問うた。

 

「・・・・知れた事、その少年があなた方半蔵学院にやって来てから、半蔵学院を中心に、過去に例が無いほどの怪獣騒動が多発するようになりました」

 

リーダー格の少女、雪泉が改めて扇子を理巧に向けて構え直す。

 

「それで?」

 

「我々月閃女学館の調査によると、あなたはあの忌まわしき事件、『クライシス・インパクト』の首謀者、ウルトラマンベリアルと関係のある人物だと言う事が分かりました」

 

「・・・・我らの星、いや、銀河すらも滅ぼそうとした最悪の存在、ウルトラマンベリアル。その縁のある人物が、半蔵学院にいると聞いた」

 

「時を同じくして、怪獣騒動の多発と、『光の国』から別のウルトラマンが登場し、さらにお主は蛇女子学園をたった一人で制圧したと聞いた」

 

「一人で、って言うけど、あの時は焔達選抜メンバーはいなかったし、一番の使い手である鈴音先生もいなかったからだと思うけど?」

 

「でも私達、一度も理巧様に勝てなかったけどねぇ」

 

「鈴音先生も、【やり合ったら多分、手足の一本か二本は使えなくなっていた】って言ってたけどねぇ」

 

後ろでコッソリと春花と未来が何か言っているが無視する。雪泉はさらに、焔達元蛇女子学園の選抜メンバーを指す。

 

「悪忍育成機関である蛇女子学園を、たった一人で制圧したその功績は認められますが。貴方はなぜ、彼女達と行動を共にしているのですか? しかも、半蔵学院の生徒達まで巻き込んで」

 

「違います!」

 

雪泉の言葉を飛鳥が否定する。

 

「私達は焔ちゃん達と友達だから一緒にいるんで「いや別に友達じゃないぞ」えええぇぇぇぇ!?」

 

「えええぇぇぇぇ!?」

 

飛鳥の言葉の途中で焔が否定し、飛鳥が驚きの声を上げ、雲雀も声を上げ、柳生と斑鳩と葛城も、えっ?、とした顔になった。

 

「私達は理巧に会いに来ているだけで、お前達と仲良くする気はない。お前達は二重の意味でライバルだからな」

 

「まあ、確かにそうですわね」

 

「別に仲良しやないしな」

 

「結果的に一緒にいるだけだし」

 

「で・も。“こっちの方”では私達が一歩リードしているけどねぇ」

 

焔の言葉の詠に日影、未来が同意し、春花は唇を人差し指でなぞりながら、蠱惑的な笑みで理巧を見据える。

 

「「「「「ううぅっ!!」」」」」

 

その仕草の色っぽさと、確かに遅れを取っている事を自覚し、飛鳥達は悔しそうな顔になる。

半蔵学院側と蛇女子学園側の忍達が雪泉達そっちのけで火花を散らしているが。

 

「それで、君達は僕を始末したいの?」

 

「・・・・その通りです。悪の芽は早めに摘んで置かなければなりません」

 

理巧と雪泉達は話を戻し、雪泉が理巧に向けた言葉に他のメンバーも頷いて、それぞれの武器を構える。

 

「・・・・・・・・」

 

理巧はしばし彼女達を見据えると、

 

「作戦ターーーーイム!」

 

手をT字にした。スポーツでタイムを示すサインである。

 

「・・・・認めましょう」

 

「ありがとう」

 

雪泉がタイムを認めたので、礼を言ってから、飛鳥達半蔵学院、焔達紅蓮隊の皆と円陣を組んでヒソヒソと小声で作戦会議を始めた。

その時、四季と呼ばれた少女は立っているのが疲れたのかしゃがみ、美野里は“バケツからお菓子を出して食べていた”。

 

「どうすれば良いかな?」

 

「見た感じ見逃してくれなさそうよ」

 

「話し合いで解決できないかなぁ?」

 

「それは無理やな」

 

「あの雪泉って子と夜桜って子、斑鳩姉さんから柔軟さと融通を抜いたように見えるし。他の三人も先の二人程じゃないけど、敵意を向けているし」

 

「おい理巧。斑鳩に柔軟と融通なんてあったか?」

 

「ちょっと葛城さん。それはどういう意味ですか?」

 

「はいはい。内輪揉めは後よ」

 

「つまり斑鳩よりも堅物と言う訳か。面倒だな・・・・」

 

「確かに面倒くせえなぁ。おい理巧。いっちょ軽く揉んでやったらどうだ?」

 

「何やら、お高く止まっている雰囲気が癪に障りますわ」

 

『理巧。あの子達どれくらい強い?』

 

雲雀と未来がどうするか聞き、飛鳥は話し合いを提案するが、日影と理巧が無理を示す。葛城と斑鳩が言い合いになりそうなのを春花が止め、柳生と焔が面倒くさそうに理巧をけしかけようとし、詠は雪泉達から出るお行儀の良いお嬢様な雰囲気に不愉快を隠さず、円陣の影からペガが理巧に向かってそう言った。

 

「・・・・恐らくだけど、雪泉って子と叢って子、それに夜桜って子は、焔と詠さんと日影、斑鳩姉さんか葛姐さんくらいだね。四季って子はあーちゃんくらいかな。美野里って子は多分雲雀ちゃんくらいだ」

 

「結構やる奴らって事か・・・・」

 

「それでどうするのりっくん?」

 

「ま、本人達もやる気になっているみたいだし。それにーーーーちょっと試してみたいから、お相手しましょ」

 

そう言って、理巧は少し柔軟体操をしてから、雪泉達に向き直る。

 

「覚悟は決めましたか?」

 

「覚悟? 決める必要があるのかな?」

 

雪泉の言葉に理巧は手をプラプラさせながらそう答えると、雪泉達は眉をピクンと動かすと、それぞれの武器を構えた。

 

「その驕り。後悔させてあげます!」

 

雪泉がそう言って飛び出すと、他の四人も後に続いて理巧に迫ったーーーー。

 

 

 

 

 

 

ー霧夜先生sideー

 

そしてその頃、霧夜先生は半蔵学院の自室にて、鷹丸と連絡を取り合っていた。

 

「・・・・そうか。そっちでも伏井出ケイの行方は見つけられなかった・・・・」

 

《ああ。全く痕跡が見られないんだ。恐らく何者か、AIBでも手が出せないような相手に匿われているんじゃないかと思う》

 

「かも知れんな。こっちでも理巧達も独自に調査をしているが、あまり成果は出ていないようだ。スマンな。善忍上層部が非協力的なせいで、お前達に負担をかけてしまう」

 

《気にしないでくれ。何か情報が入ったら連絡するから、理巧の方を頼む》

 

「分かった」

 

電話を切ると、自室に黒猫とーーーー大道寺が現れた。

 

「大道寺か。そちらで情報は?」

 

「不甲斐なし。裏の裏の情報を探っては見たが、成果は得られなんだ」

 

≪たくっ、何処に消えやがったんだ≫

 

大道寺も独自に調査をしていたのだが、結果は惨憺たるものであったようだ。

 

「師よ。伏井出ケイの情報はようとして掴めなかったが、一つ気になる情報が入った」

 

「気になる情報?」

 

「・・・・月閃女学館が動いた。近い内に、暁月に接触してくると思われる」

 

「っ! 遂にか・・・・。ここまで怪獣や宇宙人騒動が多発していれば、遅かれ早かれとは思っていたが」

 

「然り。現在の月閃の選抜メンバーは全員、伝説の抜け忍、黒影様の養子として育てられた娘達ばかりだ」

 

「と言う事は、過激な正義理論を教え込まれている可能性があるな」

 

≪霧夜。黒影って、何者だ?≫

 

「・・・・端的に言えば、光の国にいた頃の、“ベリアルのような考え方をした御仁”だ」

 

≪成る程な。そりゃあ面倒くさそうだ。んで、ソイツの養子達が理巧に仕掛けてくるって事だな≫

 

「ああ。既に理巧に喧嘩を売っている可能性もあるな」

 

「・・・・暁月は、大丈夫なのか?」

 

最近の理巧の様子を知らない大道寺が少々心配気味に聞くが、霧夜先生もゼロも、微塵も心配していないような声で、

 

「大丈夫だ。少し見ていない内に、理巧は腕をあげている」

 

≪その選抜メンバー、今頃どうなっているかな≫

 

 

 

ー理巧sideー

 

「ぐぅっ!!」

 

叢が理巧の掌底を受けて、木に叩きつけられる。

 

「叢! はぁあっ!!」

 

夜桜が手甲で殴ろうとするが、理巧はその腕をいなし、合気道の技の要領で投げ飛ばし、地面に叩きつけた。

 

「かっは!?」

 

「何コイツ!? メチャメチャ強いしっ!?」

 

「狼狽えないでください四季さん! これなら!!」

 

雪泉が扇子を振るうと、氷の氷柱が地面から伸び、理巧に襲い掛かる。

 

「おっと」

 

理巧はすぐに飛んで回避すると、木の枝に立つ。

 

「ふっ!」

 

「せやぁっ!」

 

叢と四季が巨大包丁と大鎌で理巧を挟み込むように斬りかかる。がーーーー。

 

「・・・・・・・・」

 

理巧は片手にクナイを持つと、先に迫っていた叢の包丁の刃を自分に当たる直前に受け流して滑らせると、四季の大鎌にぶつけた。

 

「なっ!?」

 

「ウソっ!?」

 

大鎌と包丁が絡み合って、一瞬二人の動きが止まった。

 

「しっ!」

 

「ぐぁ!」

 

「あぅっ!」

 

理巧は二人の腹部に肘鉄を当てると、叢と四季は意識が朦朧となり、武器から手を離し、枝からまっ逆さまに落ちていく。

 

「叢さん! 四季さん!」

 

「いかん!」

 

「ああ!」

 

雪泉と夜桜が落ちていく二人を受け止めようとしたが、それよりも早く、理巧が二人を空中で抱えて、スタっと着地した。

 

「・・・・・・・・」

 

そして二人は優しく地面に横たわらせ、武器の方もソッと地面に置いた。

 

「貴方・・・・私達を嘗めているのですか?」

 

「何で?」

 

「わざわざ助けるなど、侮辱に等しいぞ・・・・!」

 

雪泉と夜桜は、敵である筈の自分達を助ける理巧に、不快な感情を感じていた。

 

「・・・・別に、怪我されると気分が悪いと思ってね」

 

「くっ! ふざけるな!!」

 

夜桜が両手の手甲で乱打をするように振るうが、理巧はその攻撃をヒラリヒラリと回避し、夜桜の眼前にまで来た。

 

「なっ!? くぅううう!!」

 

夜桜が拳を叩き込もうとした、理巧は回避しようとせず、またいなすのかと思われた。

がーーーー。

 

パシッ。

 

「な、なんじゃと・・・・!?」

 

何と、その理巧の体躯よりも巨大な手甲の拳を、理巧は片手で掴み止めた。

 

「・・・・本物の剛力の拳は、こんな物じゃないさ」

 

グシャァッ!!

 

掴んだ拳に力を込めると、手甲を砕いた。

 

「ななっ!?」

 

理巧の腕はお世辞にも逞しいとは言えない。細腕な方と言っても良いのに、鋼鉄の手甲を握力だけで破壊した事に夜桜は驚きを隠せずにいると。

 

「はい」

 

ドン!

 

「かぁっ!?」

 

理巧は愕然となる夜桜の腹部に掌底打ちを叩き込むと、夜桜は肺の中の空気を全て吐き出したような声を漏らし、目を覚ました叢と四季の近くまで吹き飛び転がった。

 

「よ、夜桜っち・・・・!」

 

「夜桜まで・・・・!」

 

理巧は自分の拳を握ったりして、自分の状態を確認する。

 

「(やはり、ゴライアン達との修行で、以前よりも相手や周りの動きが良く見えるようになっているし、パワーやスピード、反射神経に技の精度が上がっている)」

 

ウルトラマンゴライアン。カラレス。ザージ。フレア。ドリュー。古強者の五人との修行が、理巧の心技体を引き上げていたのだ。

 

 

 

 

ー飛鳥sideー

 

「り、りっくん、強い・・・・!」

 

「いや、私達と戦った時よりも強くなってるぞ・・・・!」

 

飛鳥達と焔達は、蛇女子の時よりも格段に強くなった理巧を見て、驚いていた。

 

 

 

ー雪泉sideー

 

「な、なんと言う強さ・・・・!」

 

「あわわわわわ!」

 

雪泉は苦虫を噛んだような顔になる。美野里に至っては完全に脅えており、涙が浮かんでいた。

 

「・・・・これで退いてくれる?」

 

理巧がそう言うが、雪泉はくっ!と、歯噛みすると、扇子を構えた。

 

「退く訳ありません! ここで逃げては、『あの方』のようになれません!」

 

雪泉が言った『あの方』と言う言葉に、理巧は少し気になったが、雪泉が扇子を振るうと、再び地面から氷の氷柱が隆起して、理巧に迫るが。

 

「よっ!」

 

「まだですっ!」

 

雪泉が舞を踊るように扇子を振ると、氷の氷柱が次々と隆起して理巧に襲い掛かる。

 

「はっ! それっ! ほいっ! おっと!」

 

ヒョイヒョイと回避していくが、

 

「っ! 囲まれたか」

 

辺りを見れば氷の氷柱が自分の周囲を取り囲んでいた。

 

「これでおしまいです」

 

動きを封じた理巧に、雪泉が扇子を構える。

 

「っ!」

 

ボワァアアアアアアンン!

 

「なっ!? 煙玉なんて古典的な!」

 

理巧が煙玉を地面に叩きつけると、煙が辺りに充満した。

 

「しかし、そのような子供騙しで逃げられません」

 

雪泉煙の向こうで動く人影を見つけると、跳んでその人影に迫る。

煙を抜けて見つけたのは、理巧だった。

 

「貰いましたっ!!」

 

「っ!!」

 

雪泉が理巧に向かって扇子を振り下ろした。その時ーーーー。

 

グワシャァンッ!!

 

振り下ろした扇子が砕いたのは理巧ではなく、雪泉が出した氷柱だった。理巧に見えたのは、氷に映された影だったのだ。

 

「なっ!? こ、これは・・・・!」

 

ーーーーこっちだよ・・・・。

 

ーーーーいやいやこっち・・・・。

 

ーーーー実はここ・・・・。

 

ーーーーここだったりして・・・・。

 

「っっ!?」

 

雪泉は辺りの氷柱全てに映った理巧の姿に、完全に惑わされていた。

 

「(私の術を逆手に取った!?) 己ぇっ!!」

 

雪泉は辺りの氷柱を手当たり次第に破壊するが、どれも理巧ではなかった。

 

「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、はぁ・・・・!」

 

「ーーーー残念」

 

「はっ!?」

 

背後に理巧の声が聞こえ、雪泉は振り向こうとしたが、それよりも早く、理巧は雪泉に当て身を叩き込むとーーーー。

 

「きゃぁっ!」

 

雪泉の身体から力が抜け、扇子を落としてその場に力無く倒れようとするが、理巧が抱き抱え。

 

「よっと!」

 

煙が晴れると理巧は、抱えた雪泉を夜桜達の方に運んで下ろした。

 

「くぅっ!」

 

「雪泉までも・・・・!」

 

「やっべ~、冗談抜きでコイツ強すぎ・・・・」

 

「う、うぅ・・・・!」

 

叢と夜桜、四季がリーダーがやられた事に驚き、意識が戻った雪泉が悔しそうな声をあげていた。

 

「さて、残るは・・・・ん?」

 

理巧はある木を見ると、その木の影に隠れて、脅えている美野里を見つけた。

 

「ちょっと」

 

「ひゃああああああ!!」

 

理巧に声をかけられ、美野里は涙目で驚くと、距離を空ける。

 

「あのさ。もう降参しない?」

 

「し、しないもん! みのりだって、月閃の善忍何だから、悪は許さないよ! えぇ~い!!」

 

美野里は理巧に向かって迫り、拳を振るうが、理巧は難なく回避すると美野里の首根っこを掴んだ。まるで子犬か子猫でも摘まみあげるように。

 

「は、離して! みのりは子供扱いしないで「お菓子でも食べるかい?」食べる♪」

 

懐からチョコバーを差し出すと、リスの耳と尻尾を生やし、尻尾をブンブン振っているように見える美野里は笑みを浮かべて受け取り、リスのようにサクサクと頬張った。

 

 

 

ー飛鳥sideー

 

「りっくん、手懐けちゃった・・・・」

 

「プロだな・・・・」

 

「流石は理巧だな・・・・」

 

「ええ。小動物の扱いには慣れているわね」

 

『ん?』

 

「え?」

 

「誰が小動物よ! 誰が!」

 

飛鳥達と焔達が、美野里を手懐けた理巧に苦笑いをしながら感心していると、春花はペガと雲雀と未来を見て、そう呟いた。ペガと何故かウサミミと尻尾を生やしたように見える雲雀は首を傾げ、猫耳と尻尾をピンっと立てたように見える未来が、シャー! と声を荒げた。

 

 

 

 

 

ー雪泉sideー

 

「くっ、うぅ・・・・!」

 

雪泉は重い身体を起き上がらせ、再び理巧に向けて扇子を向ける。理巧は片手で美野里を持ち上げたまま、雪泉は見据える。

 

「まだやるの?」

 

「と、当然です・・・・! この程度で、正義を執行できなければ、『あのお方』のようには、なれません・・・・!」

 

「『あのお方』?」

 

「そうです・・・・あなたのような悪を撃ち破る『光の戦士』・・・・“ウルトラマンジード様”には!!」

 

「・・・・・・・・・・・・えっ?」

 

『え・・・・・・・・』

 

雪泉の言葉に理巧と、飛鳥達も焔達もペガですら、唖然となり、フリーズしてしまった。

それを好機と見た雪泉は理巧に真っ正面から向かい、美野里は逃れようともがいた時、唖然となってしまった理巧はバランスを崩れ、

 

「うわっ!」

 

「貰いまし(ツルン)あら!?」

 

何と、雪泉は先ほど自分が破壊していた氷柱の一部が足元に転がっており、それに足を滑らし、理巧の体当たりする形で倒れてしまった。

 

「きゃうん!?」

 

「うわむぐっ!?」

 

「あ、んんっ!?」

 

その時、理巧と共に倒れた美野里が小さな悲鳴を上げ、理巧と雪泉はくぐもった声を漏らしていた。

土煙で見えなくなっていたが、それが晴れるとソコにはーーーー。

 

『ああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!』

 

「「「えぇええええええええええええええええええええええええてえええっ!?」」」

 

その場にいたほぼ全員が驚きの声を上げた。美野里は目を回していた。

倒れた理巧とその理巧を押し倒すように倒れた雪泉がーーーー。

 

「ん・・・・!」

 

「ん、んん、んむ・・・・!//////」

 

キスをしていたのであった。




ー次回予告ー

僕を悪の存在として命を狙う月閃女学館の少女達。また面倒くさい事になったなぁ。しかし、そう簡単にくれてやる程、この命は粗末にできないんでね。仕方ないから相手になってやろうじゃないの!
それで、雪泉さん? また何の様なのさ? えっ? 唇を奪った責任として、雪泉さんと結婚しろだってっ!?


次回、『閃乱ジード』

【理巧のデート】

あれ? 何かあーちゃん達と焔達から殺気が・・・・!
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