ー飛鳥sideー
「う、ウソ・・・・!?」
「ば、馬鹿な・・・・!」
「こ、こんな事が・・・・!」
「まさか、ですわよね・・・・!」
「マジ、かよ・・・・!?」
「信じ、られへんわ・・・・!」
「・・・・!」
「あ、あり得ない・・・・!」
「ええ~・・・・!?」
「まさか、ね・・・・!」
「四季さんが・・・・!」
「あの暁月理巧さ・・・・いやいや、暁月理巧を・・・・!」
「追い詰めている、じゃと・・・・!?」
「四季ちゃん、凄い・・・・!」
飛鳥達と焔達だけでなく、雪泉に叢、夜桜に美野里も驚愕に目を見開いたが、それも仕方ない。
何故ならーーーー暁月理巧が、月閃の四季の足元で、倒れているのだから。
今まで理巧は圧倒的な実力を見せてきた。天才と呼ばれた柳生を一蹴し、焔達選抜メンバー五人を叩きのめし、鈴音先生が不在だったとは言え、蛇女子学園をたった一人で制圧したあの理巧が、先日圧倒した相手の足元で倒れているのだ。
ー理巧sideー
「っ・・・・! くっ・・・・!」
「・・・・・・・・・・・・」
理巧は足元をふらつかせながら、立ち上がろうとした。
がーーーー。
「うわっ!」
突然足が滑り倒れてしまった。端から見ても、無様としか言いようがない。理巧の強さを知っている人間達から見れば、あまりにも信じられない光景だ。
四季はそんな理巧に、苦笑いを浮かべ、人差し指で頬をポリポリと掻きながら口を開く。
「あぁ・・・・その、理巧ちん・・・・その、さ。無理しなくて良くね?・・・・そのーーーー“ローラースケートくらいで”・・・・」
四季は、デート場所であるスポーツやアミューズメントを楽しめるレジャー施設・『スポッシュ』でローラースケートをしているのだが、理巧がローラースケートの乗り方を知らず、さっきから滑って転んでを繰り返していた。
「うわっ!?(ドテン!)」
「これで連続八回転がり・・・・」
またもや滑って転んでしまった理巧に、四季は苦笑いを浮かべるしかなかった。
事の発端は数時間前ーーーー。
* * *
今日は夜桜が夜襲を仕掛けてきたので四季とデートする事になった理巧。当然、飛鳥達や焔達もその場に来て夜桜が理巧と夜襲、嫌、夜のデート(嘘は言っていない)の事を教えた。
【夜桜ちゃんと夜のデート!?】
【おいコラ理巧! 夜のデートってなんだコラ! アタイに黙ってあんなB90(Hカップ)・W53・H82のナイスバディちゃんと宜しくしやがったのか!?】
飛鳥と葛城が代表して詰め寄るが、理巧は至って平静に答える。
【別に変な事はしてないよ。ただーーーー背中とか太腿とか足の裏を、マッサージしてあげただけ】
【【【【【【っっ!!!!】】】】】】
理巧が両手をゴキッゴキッと鳴らすと、焔達紅蓮隊と、雲雀の顔が、驚愕と戦慄が交ざった顔になる。
【アレをやったのかっ!?】
【アレをやったんですの!?】
【アレをやったようやな・・・・!?】
【アレをやっちゃったのっ!?】
【アレをやったのねっ!?】
【アレをやっちゃったんだね理巧くん・・・・!?】
【まぁね】
理巧が答えると、焔達と雲雀は同情の目を夜桜に向ける。
夜桜は身体を少し抱きながら退く。
【アイツ、まだ後遺症が残っているようだな・・・・】
【儂ですら八分で気ぃ失ってもうた技や。少し残っておってもしゃぁないな】
【何言ってるの? 日影ちゃんも五分辺りで意識が半分以上飛んでたじゃない】
【そう言う春花お姉様は後遺症で半日以上動けなくなってけどね】
【仕方ありませんわ。理巧さんのマッサージって本当に足腰が立たなくなってしまいますもの・・・・!】
【雲雀は見てただけだけど、本当に凄いマッサージだったよ】
【【【【そんなに凄いの(か/ですか)? 理巧(くん/りっくん)のマッサージって・・・・?】】】】
【【【【(・・・・・・・・ゴクリ)】】】】
焔達や雲雀の様子から、逆に少し興味が出てきた飛鳥達。そして同じく興味がでできた雪泉達。
話が脱線しそうになったので、理巧が手をパンパンと叩く。
【あのさ、それで今日は誰とデートすれば良いの?】
【あ、はい。本日は四季さんとデートしてもらいます】
【よろ~】
【宜しく】
ギャルっぽい見た目の四季と、どちからかと言うとクール系の理巧が並んで歩いていき、勿論、飛鳥達と焔達と雪泉達も付いていった。
そして、道を歩いていくと、レジャー施設・『スポッシュ』に着いた。
【ここは?】
【スポーツとかで遊べる『スポッシュ』つーんだ。前からちょっと来てみたかったんだよねー。つー訳で、今日はあたしとスポッシュで勝負ね!】
【勝負?】
【そ! あたしは夜桜ちんみたいに真っ正面から堂々と戦って勝てるって思ってないし、でも黒影さまにアンタを落とせって言われてるし、スポーツで勝負すれば少しはあたしにも勝機はありそうじゃん?】
【ふぅん】
【あたしが勝ったら、月閃に婿入りしてもらうよ。んで負けたら・・・・】
【それじゃ僕が勝ったら、四季さんは僕の言う事を一つ聞いてもらうって言うのは?】
四季の提案に、理巧がそう返した。
【お、良いねぇ! 何だったら、あたしのカ・ラ・ダ♪ 好きにしちゃっても良いよぉ~】
四季は自分のB95(Gカップ)・W54・H83のグラマラスバディを魅せるようなポーズをとった。
【まぁソコは勝ってから決めるとして、僕もこう言うレジャー施設って始めてだから、ちょっと楽しみだな】
【へぇ~そうなん】
そう言って、二人がレジャー施設に入り、先ずはボウリング。
【それ!】
【・・・・ふむ。こうやれば良いのか。はっ!】
四季は馴れた手つきで決めていき、理巧も四季のやり方を見て、すぐにストライクを決めていき、最終的には理巧がストライクを数本差で勝利を収めた。
【あぁん! 悔しい!】
次はビリヤード。四季を胸元を少し開けて豊かな谷間を見せ、スカートの裾をわざと短くして、スラリとした脚を晒し、ビリヤードのキューを構えると前屈みになり、胸元が潰れ、スカートの中身が見えそうで見えない状態になった。
【『おおっ!』】
その場にいた何人かの男が、鼻の下を伸ばすが、理巧は馴れないビリヤードで三回失敗をして、敗北した。
【二度突きに足を地面から離した、ビリヤードは細かいルールがいっぱいだな・・・・】
【いや、あたしの艶姿は無視?】
自分に女としての魅力が無いのか、と四季は勝負に勝ったが謎の敗北感を感じた。
【甘いな。理巧はアタイ達のようなナイスバディ&グラマラスボディ、そして未来のようなロリロリボディを見ても平然としている男だぞ。あの程度のお色気攻撃で攻略できるか】
【そうそう。理巧様に色仕掛けは通用しないわよ】
物影に隠れていた葛城と春花がセクシーポーズを取りながらそう言った。
【ロリロリボディで悪かったわね!】
【【まぁまぁ】】
未来がシャー!と、怒っており、焔と詠が宥めていたが。
そして次にダーツ。これは手裏剣と同じ棒手裏剣で鍛えたテクニックを四季が披露し、トリプルやシングルブルに刺さり高得点を稼ぐ。
【ふっふ~ん。どうよ!】
【ふぅ~ん。棒手裏剣のような物か・・・・ほい!】
理巧が投げたダーツは全て、ボードの中心、ダブルブルに命中した。
【うっそぉっ!?】
これには四散も驚愕し、理巧の勝ちになった。
* * *
そして現在、ダーツが理巧の勝利に終わり、次にローラースケートにし、いざ滑ろうとしたらこうなっているのだ。
「いや~、理巧ちんがローラースケートができないって、意外な弱点だし」
勝負している内にスッカリ理巧と馴染んだのか、理巧に“ちん”と付け、ローラースケートに苦戦している姿に苦笑する。
「・・・・! これって、簡単そうに、見えて難しい、な」
プルプルと生まれたての小鹿のように震えながら、漸く立てるようになる理巧。
「おぉっ!」
何か謎の感動を感じ、パチパチと手を叩く四季。
「だ、だが・・・・ここから歩くのは・・・・!」
「あぁほら、手ぇ貸したげるから」
「あ、ありがとう・・・・!」
理巧は両手を出した四季の手を取り、ゆっくりとだが、滑っていく。
「そうそう、足元を滑らせるように歩いて」
「う、うん・・・・」
端かは見ても、デートしているカップルに見える。
「理巧ちん段々上手くなってんじゃん」
「あぁ、四季さんのお陰・・・・あっ、四季さん!」
「えっ?(ドンッ!)きゃっ!?」
「うわっ!」
四季が後ろの壁に気付かなかったのか、壁に背中からぶつかり、前のめりに倒れそうになる。いつもの理巧ならサッと支える事ができるが、足のローラースケートで動けず四季を抱き止めそしてーーーー。
ーーーードテーーーーン!
二人共倒れてしまった。幸い四季は理巧が抱き締めるように受け止めたので四季に怪我は無かった。
「いたた、あっ、理巧ちん!」
「いつぅ~、背中少し打ったかな?」
「うわっ・・・・!//////」
目を開けた四季の目の前には、理巧の顔があった。突然の状況に四季は顔を赤くした。
「四季さん、怪我は?」
「あ、あぁ、大丈夫これくらい!」
四季がバッと起き上がると、理巧の手を引いて起き上がらせようとする。がーーーー。
「(ツルンっ)うわっ!」
「えっ!? きゃぁっ!?」
ーーーードテン!
理巧のスケートが滑ってしまい、四季を巻き込んでまた転倒した。
「(ボニュン!)えっ? ボニュンって・・・・っ//////」
倒れた四季が見たのは、自分の豊乳で顔を押し潰した理巧だった。
「ム、ムゴムゴ・・・・(く、苦しい・・・・)」
「ご、ごめん! (ツルン)嘘っ!?」
慌てて起き上がろうとした四季だが、今度は四季が足を滑らせ体勢を崩した。
「うぅ・・・・えっ? (ムニっ)ふご!?」
「あん!」
ーーーードテン!
そして今度は何とーーーー四季の股間を、理巧の顔面に騎乗する形で倒れてしまった。
「ふご、ふごふごふご・・・・?(ちょっ、何なのこれ・・・・?)」
「ちょ、ちょっと! あん! く、口動かしふぁ! だ、駄目だっうぁんっ!」
理巧が顔と口を動かし度に、四季は艶っぽい嬌声を上げて身悶えた。
ー雪泉sideー
「こ、これが、ラッキースケベ展開・・・・!?//////」
叢が驚嘆したような声を漏らし、他の皆も顔を赤くし、アワアワとしていた。
ー理巧sideー
漸く起き上がり、スポッシュから出る二人は少々気まずい雰囲気になっていた。
「・・・・勝負は引き分けって事で良いかな?」
「う、うん・・・・//////」
何とも言えない空気の中、理巧が口を開く。
「僕、スポッシュって始めてだったから、今日は凄く楽しかったよ。ありがとう四季さん」
「ああ、うん//////。そう言えばさ、あたしに勝ったら、何をお願いするつもりだったの? まさかエロい事考えてた?」
「いや。少しだけ、焔達への敵意を収めて欲しいなぁって思っただけ」
「えっ?」
理巧の言葉に四季は一瞬唖然となるが、すぐに引き締める。
「それは無理。アイツら悪忍だし」
「そうだよねぇ。ま、すぐにそうして欲しいとは思わないけど。一つ忠告」
「ん?」
「人伝に聞いた事だけど。昔、力を持って悪を滅ぼすって考えを持った男がいた。月閃とーーーーいや、黒影って人と似た考えのな」
「ソイツどうしたん?」
「その考え方を周りに否定されて、孤立して、道を踏み外してしまった。悪を憎むのを悪いと言わないけど、行きすぎた考え方は不幸への道となると、僕は思うよ」
「・・・・・・・・・・・・」
四季は少し先に行った理巧の背中を、ジッて見つめていた。
ー雪泉sideー
二人の会話は聞き取れなかったが、四季とのデートはこれで終わった雪泉達は思った。
「四季さんも終わりましたね」
「最後にトラブルがあったが、良い感じではないか?」
「しかし、次は・・・・」
雪泉と叢と夜桜は、次に理巧とデートする娘を見て、半眼になる。そうーーーー美野里を見て。
「任せて! 美野里が理巧くんを絶対落としてみせるから!」
「・・・・そうですね。頑張って下さい美野里さん」
「・・・・お前なら大丈夫だ」
「・・・・美野里。任せたぞ」
頑張るぞー! と両手を上げる美野里を見て、オチが見えたのか、雪泉達は暖かい目と優しい声で応援し、飛鳥達や焔達も生暖かい視線を向けていた。
◇
そして翌日。予感は的中した。
「・・・・何て言うか、ですね」
「・・・・あの二人の様子を見ると」
「・・・・デートと言うよりもじゃ」
「・・・・・・・・ペットとご主人様のお散歩じゃん」
美野里を除いた月閃メンバーの視線の先にはーーーー。
「理巧くん待ってぇ~!」
「ほらほら美野里ちゃん、こっちだよぉ~」
はしゃぎながら理巧と“鬼ごっこ”をしている美野里だった。その様子はあたかも、飼い主とじゃれているペットのようであった。
ー理巧sideー
理巧とデートする為に森林公園にやって来て、ソコで鬼ごっこを繰り広げてはしゃいでいる美野里(16歳)は、犬の尻尾が付いていれば千切れんばかり振り回しながら楽しんでいた。
「あぁん! 理巧くん捕まらないよぉ!」
「頑張れ美野里ちゃん。ほらほら、お菓子があるよ」
「っ!」
中々理巧が捕まえられず、泣き言を言いそうになる美野里だが、理巧がチョコレートスナックを出すとまた動き出し、理巧に飛び付いた。
「うわっと、捕まっちゃったね」
「えへへ~、捕まえた♪」
「捕まえたご褒美に、はい」
「わ~い! モグモグ・・・・美味しい~!」
チョコレートスナックを食べさせてもらいながら頬を緩ませる美野里。
「理巧くんおかわり!」
「待て」
「あう・・・・」
スナックチョコをもっと欲しいとねだる美野里だが、理巧が制止するように手を突き出すと、ショボンとした顔で止まる。
そして、理巧がチョコレートスナックを自分の口に咥えると。
「良いよ」
「(パァ!) はむ!」
『ああああああああああああああ!!』
遠くで何人かの女性陣の悲鳴が上がるがしょうがない。今理巧は、口移しで美野里にお菓子を食べさせたのだ。が、ギリギリ唇は当たっていない。
「美味しい?」
「うん! 美味しい! 理巧くんと遊ぶの凄い楽しい!」
「そう」
美野里は座る理巧にお姫様抱っこするように抱きつくと、スリスリと頬を擦り寄せた。
「随分懐いてくれたけど、僕一応敵視されている身なんだけど?」
「でも理巧くん優しいよ」
「優しい?」
「うん! 頭を撫でてくれた時、凄い暖かい感じがしたの! 雪泉ちゃんもあんなに可愛い感じになっていたし! 叢ちゃんの顔を見て、可愛いって言ってくれたし! 夜襲をしてきた夜桜ちゃんを無傷で帰らせてくれたし! 四季ちゃんも楽しそうだったよ! だから美野里、理巧くんが大好き!」
そう言って美野里が理巧に思いっきり抱きついた。
「・・・・ありがとう美野里ちゃん。でも、黒影って人の命令は聞くの?」
理巧がそう聞くと、美野里は少し辛そうに顔を俯かせた。
「うん。美野里、理巧くんの事大好きだけど、黒影おじいちゃんの事も大好きなの、だからおじいちゃんの命令は聞こうと思うの。でもね、理巧くんとこれからも仲良くしたいから、理巧くんが、美野里じゃなくても、雪泉ちゃん達の誰かと結婚して、月閃に来てくれたら、美野里は嬉しい」
「・・・・そっか。でも、僕にも筋ってのがあるからね。そう簡単に結論は出す訳にはいかないんだ」
「うん分かってるよ。だから今はーーーー」
美野里はそう言うと、ピョンっと理巧から離れて立つと、手を差し出した。
「美野里、もっと理巧くんと遊びたいし! いっぱいお話したい! だから、遊ぼう!」
「・・・・うん」
美野里の手を取ると美野里が引っ張って、さらに遊びだした。
ー黒影sideー
その頃、何処か分からない屋敷の和室で、空中ディスプレイに表示された暁月理巧と雪泉達のデートの様子を見ている黒影と伏井出ケイ。
「・・・・・・・・・・・・」
「ふむ。中々良いですねぇ。青春ラブストーリーと言った様子ですねぇ。ですが、そろそろ別の展開をするべきですね? “黒影殿”?」
伏井出ケイの言葉に、“黒影”はコクンと頷いたその時、“黒影”の影がウゾウゾと蠢くとーーーー影の中から、“異形の存在達”が現れた。
理巧はボウリングと言った遊びのスポーツを知らないで育ちました。後、美野里は理巧と懐いています。
そして次回は、理巧達の前に“あの存在達”が現れます。
ー次回予告ー
月閃女学館の雪泉さん達とデートを続けている僕。伏井出ケイが月閃にいるならば、このまま何もない訳ないと思う。そして突然異形の怪物が襲いかかってきて、僕は月閃の皆と一緒になり、あーちゃん達や焔達と離ればなれになってしまった。
そんな僕と月閃の皆は、『六年前のある場所』にたどり着き、ソコで怪獣達まで現れた。月閃の皆に知られるけど、仕方ないか!
次回、『閃乱ジード』
【襲撃、妖魔】
進むぜ、彼方!