ー飛鳥sideー
「りっくん達が!」
「『忍結界』に閉じ込められたか!」
突如姿を消した理巧と雪泉に叢に夜桜。飛鳥達は『忍結界』に行ったと察した。追いかけたくても、こちらから干渉はできない。
周りをみると、貧民街な住人達に、作業員の人達が訝しそうに周囲を見回していた。
「ど、どうしよう四季ちゃん・・・・!」
「・・・・しゃーなし! ウチらは作業員の人達を抑えるから、飛鳥っち達は住人の人達を抑えてちょ」
「それで良いんですか?」
斑鳩が首を傾げるた、四季は手をパタパタと振る。
「モーマンタイ! モーマンタイ! 理巧っち達が戻って来たらそん時考えりゃよきよ!」
四季が美野里と一緒に作業員の人達の方に行くと、詠を筆頭にして、飛鳥達と焔達が住人達の方に向かった。
ー理巧sideー
「はぁぁぁぁぁぁっ!! 『秘伝忍法・豪鉄・破覇<ゴウテツ・ババ>』!!」
先ず勇んでパイルバンカー付きの手甲で殴りに来るのは夜桜。
が・・・・。
「・・・・・・・・」
理巧は繰り出される右フック、左フックの全てをスレスレに避けていく。完全に間合いを読まれてしまっていた。
「くっ! ふっ! はっ! つぁ! ああぁぁぁぁっ!!」
必死にその拳を届かせようと夜桜は全力で手甲を振るうが、理巧の前髪すら掠めずにいた。
「夜桜さん! 離れてください!」
「っ!」
雪泉の声を聞いて、夜桜は苦々しい顔をしてワンステップで後方に跳ぶと、入れ替わるように雪泉が扇子を振るう。
「『秘伝忍法・誘い雪影』!」
一瞬溜めて扇子を左から右に振って攻撃し、理巧の身体を凍結させた。
「よしっ!」
「何がよし?」
「はっ!?」
雪泉の背後に理巧がいた。凍結させた方を見ると、丸太だった。変わり身の術である。
「っ!」
「うっーーーーあぁっ!」
理巧が掌底打ちを放とうとするが、雪泉はその間際に回避しようと後ろに飛ぶが、“空気の塊”のような物が腹部に叩き込まれ、口から息を吐いて吹き飛び地面をゴロゴロと転がる。
「ーーーー掌底打ちで空気を叩き、その衝撃波で空気を塊として打ち出す中距離用掌底打ち、『空掌』、とでも名付けようか・・・・」
「雪泉さん! くぅっ!! 『秘伝忍法・益荒女猛衝<マスラメモウショウ>』!!」
理巧に向かって突撃する夜桜が、さらに前方に飛び込んで両腕で地面を抉るように手甲を突き出し、理巧の顔を捉えた。
が、手甲が当たった瞬間、理巧の姿が陽炎のように消えた。
「はっ・・・・!」
夜桜は回避されたと察し、背後などを警戒するが。
「頭上注意」
「っ! かっはっ!?」
理巧は上におり、夜桜の後ろ首に踵落としを叩き込むと、夜桜は白目を剥いて倒れた。
「・・・・・・・・」
「・・・・!!」
理巧が目を向けると、叢が槍と巨大な肉切り包丁を理巧に向けて振るう。
「・・・・・・・・」
「ーーーー!!」
が、他の二人と同じように、すっかり間合いを見切られ、その刃は掠りもしない。
「・・・・ねぇ、叢さん。あの貧民街ってさ。君の故郷でもあるんだよね?」
「っ・・・・!」
「それなのに、この場所を壊す事に賛成なのか?」
「・・・・・・・・大人が、『大狼財閥』が決めた事、我にどうこう、できる事では、ない・・・・!」
般若面越しの声は、か細い声が聞こえる。それを聞いて理巧は優しさを混じらせた声を発する。
「そんな今にも泣き出しそうな声をしているのに、何を言ってるんだ?」
「ーーーーっ! わ、我は、泣いてなんか・・・・!」
「ーーーーその顔で言っても、説得力無いけど?」
「っっ!!??」
理巧のその手には、叢が着けていたお面があった。
そしてその顔はーーーー今にも泣き出してしまいそうで、クシャクシャになっていた。
「か、返して、返して下さい・・・・!」
涙を流しながら叢がお面を取り戻そうと両手に持っていた武器を手離して手を伸ばす。
が、理巧がその手を掴んでグイッと、自分に引き寄せる。あと少しでお互いにキスをしてしまいそうな距離になる二人。
「っ!~~~~~~!/////」
叢は顔を赤くし、両の瞼にうっすらと涙を浮かべ、顔を逸らそうとするが、理巧は空いているもう片方の手で叢の顎を掴み、自分の向かせる。
「正直に言え“叢”。お前は実家の判断に賛成なのか? 反対なのか? 僕の目を見て答えろ」
「っ!・・・・」
仕方ないと割りきったつもりだった。しかし、いざ現場に行くと、貧民街の人達が自分に向ける冷たい視線が、叢の心に突き刺さり、抉り、削いでいった。
だが、理巧のその緋色に輝く瞳に、自分を責める色は無かった。塞き止めていた感情が、ダムの決壊のように砕けると、溢れ出てくる。
「・・・・・・・・・・・・イヤ、です・・・・! あそこには、辛い事もあったけど、楽しかった思い出も、いっぱいある・・・・! 壊したく、ないです・・・・!」
涙を流す叢から力が抜けると、そのまま理巧にすがるように抱きついた。
「・・・・・・・・」
理巧は何も言わず、叢の頭を撫でてあげると、叢は戦意が喪失したように力が抜けていた。
「っ!」
と、その時、理巧は後方から敵意を感じて、叢を抱き抱えて横に回避すると、
ーーーードゴォォォォォォンッ!!
「暁月理巧! また叢さんをたぶらかしおってっ!」
夜桜であった。手甲で理巧を背後から殴りかかってきたようだ。
理巧は叢から離れると、夜桜と対峙する。
「ーーーー今度はアンタか、夜桜さん? また負けたいの?」
「負けとらん! わしはまだ生きておる! わしを殺さん限り、わしは負けを認めーーーー」
「っ!」
ーーーーパンっ!
「っ!?」
夜桜の眼前に一瞬で移動した理巧は、その頬をひっ叩いた。
「な、何をすーーーー」
ーーーーパン!
「っ!?」
再び顔を向けた夜桜のもう片方の頬をも叩く。
「“たかだか一回敗けた程度で、簡単に命を捨てるとかほざくな”。そんな安っぽい『命』なのか? アンタは?」
「~~! 煩い! わしは負ける訳にはいかんのじゃ!」
「そんな甘ったれた考えで戦ってるのか?」
「あ、甘ったれた、じゃと!!」
夜桜が両手の手甲のパイルバンカーを引くと、理巧に叩きつけようとする。理巧が迎撃しようと、両手を掌底打ちの構えを取った。
「(無駄じゃ! 触れた瞬間、パイルバンカーが叩き込まれ、ヤツの腕を破壊する! わしの勝ちじゃ!)」
夜桜が勝利を確信したかのようにニヤリ、と笑みを浮かべた次の瞬間ーーーー。
「っ!」
「なっ!?」
理巧は両手の掌底を夜桜の手甲の正面からではなく、内側に入らせ、夜桜の両手を開かせるように側面に掌底打ちを打ち込むと、夜桜の両手が開かれた。
ーーーーバシュゥゥゥゥゥゥンッ!!×2
標的を失った両手のパイルバンカーが宙に打ち込まれる。
「パイルバンカーは確かに強力な武器だが、それはあくまで正面に対してだ。側面からの攻撃には隙が生まれるし、そんな大仰な仕掛けが施されていれば当然、手甲の強度はーーーー脆い!」
ーーーービキビキビキビキビキ・・・・!
側面から打たれた掌底の衝撃に、夜桜の手甲にヒビが走った。
「っ!」
夜桜が急いで両手を引っ込めて下がろうとするが、右肩腰を理巧が掴み、身体を捻らせて柔道の背負い投げのように夜桜を投げて地面に叩きつけた。
「おりゃっ!」
「ぐはぁっ!!ーーーーうわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
地面に叩きつけられた夜桜だか、投げられた勢いが止まらず、その場で回転してしまった。
回転が収まると、忍装束が破れ下着姿を晒し、揺れる視界と頭が少し収まると、自分を見下ろす理巧がいた。
「(・・・・あぁ、敗けた・・・・)」
言い訳のしようもない。掌底打ちで両手が完全に麻痺し、全身も悲鳴を上げている。暫くはマトモに身体が動かないだろう。今トドメを刺されれば自分は間違いなく死ぬ。
「・・・・殺せ・・・・こんな体たらくを晒してまで、生き抜きたいとは、思わん・・・・!」
「・・・・・・・・」
夜桜は恥を晒したくないのか、理巧に殺せと言う。が、理巧はそんな言葉を無視して夜桜の胸元に上着を被せた。
「・・・・何の、つもりじゃ・・・・!?」
「ーーーーこの程度の負けで捨てるような安い命なんて、奪う価値もないと思っただけさ」
「今ここでわしを殺さねば! わしは何度でも貴様の命を狙うぞ・・・・!」
夜桜がそう言うと、理巧はフッと、笑みを浮かべて言葉を発する。
「何度でも来なよ。負けてもアンタは生きてる。ならこの敗北を『糧』にして強くなって来な。また負けても、その度に強くなれば良い。いつでも相手になるよ」
そう言って、理巧は次に待ち構えていた雪泉に向かう。
叢が夜桜に付き添うが、夜桜は理巧の背中を見る。
近くにいるのに遠くーーーー本当に遠い所にいるその背中を・・・・。
「(ーーーー強くなる・・・・! 必ず強くなって、追い付いて見せるぞ・・・・!!)」
倒れたまま下唇を少しかじって、悔し涙を流す夜桜は、理巧の背中をジッと見据えていた。
そして理巧はーーーー雪泉と対峙した。
「雪泉さん・・・・」
「暁月理巧・・・・!」
理巧はやれやれと言わんばかりに見据え、雪泉は敵意と使命感がごちゃごちゃになったような視線を理巧に向けた。
「・・・・どうしてもやるんですか?」
「・・・・当然です。あなたはウルトラマンベリアルの息子・・・・! 滅ぼさねばならない『悪』なのです・・・・!」
「それはあなたの『意志』ですか? 黒影の『意志』ですか・・・・?」
「勿論。お祖父様の『意志』でもあり『正義』です! 私の『正義』は、お祖父様と共にあります・・・・!」
「・・・・それはあなたの『正義』じゃない。黒影の『正義』。あなた達は、『黒影の複写<コピー>』に過ぎない!」
「私達が・・・・?」
「黒影様のーーーー」
「『複写<コピー>』・・・・?」
雪泉だけでなく、叢に夜桜も思わず声を発した。
「あなた達は『自分の正義』を持っていない。黒影の、『他の正義』を翳しているに過ぎない。そんな『正義』は『正義』じゃない。ーーーー『紛い物』だ」
「っ! 『紛い物』ではありません! 黒影様の、お爺様の『正義』に、間違いなど在りません!」
雪泉が声を荒げて冷気を纏う扇子を構えると、その豊満な胸元に、“カプセル状の光”が出て、扇子が冷気の他に、バチバチっと、電流が迸る。
「(あれは・・・・)」
理巧は一瞬、その電流に目を向けるが、ソコに隙が生まれ、雪泉が扇子を振りだす。
「『秘伝忍法・霜袖・破魔流<シモソデ・ハマリュウ>』ッッ!!」
雪泉が扇子を振りかぶると、前方に幾つもの氷柱(しかも電流まで流れている)が発生し、理巧に襲い掛かる。受ければ凍結するであろう。
「すぅぅぅぅぅ・・・・はぁぁぁぁぁ・・・・」
しかし理巧は静かに構え、瞑目すると、深く息を吸い、長く吐き出しながら、『灼熱の戦士 ウルトラマンカラレス』の教えを思い出す。
【『感じろ。風の息吹。水の流れ。炎の揺らめき。大地の鼓動。稲妻の閃きーーーーそれは全ての動きを感じ、その流れを内に流すのだ』】
「(この忍結界は彼女達の領域<テリトリー>。しかし、氷の動き。稲妻の迸り。それらを流れーーーー掴む!)」
カッ、目を見開いた理巧が飛び蹴りの態勢となり、ドリルのように回転すると、空気の回転摩擦により、両足に炎を纏い突き進む。ーーーーまるでそう、炎の弾丸となって。
『粉砕の拳闘士 ウルトラマンドリュー』が得意とする技だ。
「ハァァァァァァァァァ・・・・!!」
「っ! きゃぁあああああああああああああああああああっっ!!」
炎の弾丸となった理巧の蹴りは氷柱の隙間を針の穴を通すように貫き、雪泉は炎の弾丸を受けて装束と扇子を焼き破り、豊麗な肢体を晒して倒れる(勿論下着姿)。
「うっ・・・・! くぅっ・・・・!」
身体に凄まじいダメージを受けて、雪泉はボロボロの身体をあげて、再度理巧に構える。
「まだ、戦うのか?」
「ーーーーわ、わたくし達は、お爺様の忍務を、お爺様の『正義』を・・・・!」
満身創痍の状態でも戦おうとする雪泉に、理巧は唇を動かした。
「“ある男”に聞いた昔話をしてあげるよ。ーーーー昔々、力を持って悪を滅ぼすって考えを持った男がいた。月閃とーーーーいや、黒影って人と似た考えをした。だけど、その考え方は憎しみの連鎖を産み出し、更なる悲劇を生むと周りに否定された。男は孤立して、更なる力を持って周りを納得させようとしたが、結果、道を踏み外し、悪の道に堕ちてしまった」
「その男と、お爺様が同じだと言うのですか・・・・!?」
「まぁ聞きなよ。次の言葉は、“ある人”に教えて貰った言葉だ。『優しさを失わないでくれ。弱い者をいたわり、互いに助け合い、どこの国の人達とも友達になろうとする気持ちを失わないでくれ。例えその気持ちが何百回裏切られようと。 それが私の最後の願いだ』、ってね。僕は、例え『悪』とは言え、優しさを失わず、慈悲を持つ事も大切だと感じた。ーーーー『悪』を許す気はない。だが、『悪』とは言え、無慈悲に命を奪うのは『正義』とは言えないよ。『正義』って言うのは、誰かから教えられる物じゃない。自分の心から湧き出る正しい心、義心から生まれる物だと思う」
何故だろうか、雪泉も、叢も、夜桜も、その言葉が心に染み渡った。
「ーーーーその、その言葉を言ったのは、誰なのですか・・・・?」
「ーーーーウルトラマンゼロの大先輩、『ウルトラマンエース』だ」
「・・・・・・・・・・・・」
雪泉が顔を俯かせると、理巧はソッと近づき、話をする。
「雪泉さん。『自分の正義』を持ってきなよ。『黒影の正義』じゃない。『雪泉さんの正義』で僕を『悪』と判断したなら、この命を奪いに来ても良い。でも、雪泉さんが迷っているなら、この命はまだ奪わせないよ」
「わ、私は、迷ってなんか・・・・!」
「技の練度とか動きとかで分かるよ。雪泉さんも迷っていたって事が、ね」
「ーーーー!」
雪泉は、その光と闇が混合したような、不思議な輝きを放つ理巧の緋色の瞳に見据えられ、戦う意志が折れたのか、腰を落とした。その瞬間、忍装束から月閃の制服に戻ると、『忍結界』が消滅し、元の貧民街に戻っていた。
「あっ、戻ってきた!」
「勝敗はーーーー見ての通りか・・・・」
飛鳥達と焔達、そして四季と美野里も、ほぼ無傷の理巧と、制服に戻った叢と夜桜と雪泉を見て、終わったと思った。
しかしその時ーーーー。
「ーーーーどうやら、儂の目論みは半分を達成されたか」
『っ!』
と、和服姿の老人が現れ、一同はソチラに目をやり、雪泉がその老人の名を呼ぶ。
「黒影お爺様・・・・!!」
「っ! あの人が!?」
「伝説の抜け忍、黒影・・・・!」
黒影は雪泉達を一瞥すると、僅かに笑みを浮かべながら声を発する。
「四季。美野里。自らの意思で判断したお前達は、合格だ」
「「へ?」」
「儂の『正義』に捕らわれず、この少年を見定めようとした。お前達二人は成長したと言えよう。雪泉に叢に夜桜は、少し残念だったが」
「お爺様。それは一体・・・・?」
「この少年から聞いただろう。かつて儂と同じ『正義』を掲げた者の話を」
「は、はい」
「その者の名はーーーー『ウルトラマンベリアル』」
『っっ!!?』
黒影と同じ『正義』を掲げていたのが、『最強の悪』と言われたウルトラマンベリアルと知り、月閃の五人は目を見開いた。
「儂と同じ『正義』を持っていれば、お前達も最悪、ベリアルのように道を踏み外してしまう。儂はそれを止めたかった。お前達には、『自分の正義』を持って欲しかった。だが、儂の言葉では、お前達は止まらんだろう。だから、その少年と出会い、お前達が儂の『正義』から脱却させる事を望んだ」
「だから、お爺様は理巧さんと私達を接触させた・・・・?」
「さもなければ、可愛い孫娘達をたらすような男と関わらせる訳無かろうて」
『・・・・ぽっ///////』
「わ、わしはたらしこまれては・・・・!///////」
「いや夜桜。お前は十分その少年に心を奪われておるぞ」
「~~~~///////」
雪泉と叢と四季と美野里が頬を赤くし、夜桜は否定しようとするが、無駄だった。
苦笑していた黒影が、顔を引き締め、理巧に顔を向ける。
「ーーーー暁月理巧」
「はい?」
「この度は、儂の勝手な考えでお主を迷惑を掛けたの。じゃが、迷惑ついでにもう一つ頼まれて欲しい」
「それは?」
「儂と、戦って欲しい」
『っ!?』
「・・・・・・・・」
「お、お爺様! 戦うとは・・・・!」
「儂には時間が無い。しかし、心残りがある。その心残りを、儂は暁月理巧。君に託したいと思っている。迷惑だとは思うが、儂にとっては大切な事なのだ」
その真摯な眼差しに、理巧はやれやれと肩を落としながら応える。
「ーーーー分かりました。ソコまで言うなら、相手をしますよ」
「感謝する。しかし、戦いの内容はーーーーコレだ」
黒影が懐から出したのは、『大型のコピークリスタル』だった。
「なっ! それはーーーー!?」
「暁月理巧。いや、ウルトラマンジードよ。見せてくれ。お主が、あの娘の『希望』になってくれか・・・・!」
黒影が『コピークリスタル』を掲げると、クリスタルが光り、水飴のように形を変えると、その形を巨大化し、黒影を飲み込み、異形の生物へと変貌させた。
「お爺様!」
「「黒影様!」」
「「黒影おじいちゃん!」」
月閃が叫びを上げるが、そのクリスタルは怪獣へと変わり、理巧が声を張り上げた。
「あれはーーーー『超合体怪獣 ファイブキング』っ!?」
頭部と胸部が『超古代怪獣 ファイヤーゴルザ』、額と背中の翼と尾が『超古代竜 メルバ』、左腕が『奇獣 ガンQ』、右腕が『宇宙海獣 レイキュバス』、下半身と合体している『宇宙戦闘獣 超コッヴ』。以前道元が変身した『暴君怪獣タイラント』と同じ、合体怪獣ーーーー。
『『『『『ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッッ!!!!』』』』』
『超合体怪獣 ファイブキング』である。
ファイブキングは、5体分の怪獣の雄叫びを上げると、暴風が吹き荒れ、貧民街が吹き飛びそうになる。
「・・・・お爺様、何故、こんな・・・・?」
『・・・・・・・・・・・・』
雪泉達が茫然自失となるが、理巧は前に出る。
「りっくん! 戦うの!?」
「・・・・向こうからのご指名だから、ね」
理巧が見上げると、ファイブキングはジッと理巧を見据え、そのまま動かなかった。
「雪泉さん。叢さん。夜桜。四季ちゃん。美野里ちゃん」
『・・・・・・・・』
「必ず、連れ戻すから」
『っ!』
理巧がそう言うと、雪泉達の目に光が戻り、五人は理巧の背中を見た。
「・・・・ジーッとしてても、ドーにもならない!」
理巧は、カプセルホルダーから『ウルトラマン』のカプセルを取り出し、スイッチを押して起動させる。
「融合!」
ーーーーシャアッ!
カプセルから青い光の線が幾つもの放たれ、『初代ウルトラマン』の姿が現れ、カプセルを装填ナックルにいれる。
「アイ・ゴー!」
すぐに『ウルトラマンベリアル』のカプセルを取り出し起動させ、『ウルトラマンベリアル』の姿が出現した。
ーーーーウエェェッ!
『ベリアルカプセル』をナックルに装填し、ジードライザーのスイッチを押して起動させた。
「ヒア・ウィー・ゴー!!」
装填したナックルを取り外し、ジードライザーにスキャンさせる。
ーーーードクンッ! ドクンッ!
ジードライザーの中央のカプセルに、青と紫の光が交差するように交わる。
[フュージョンライズ!]
「決めるぜ、覚悟!! ハァアアアっ!」
理巧はジードライザーを掲げて胸の前でスイッチを押した。
「ハァッ! ジイィーーーーード!!」
ライザーのカプセルが回転し赤く輝き、理巧の身体が青く輝く。
[ウルトラマン! ウルトラマンベリアル! ウルトラマンジード!! プリミティブ!!]
ウルトラマンとベリアルの姿が重なり合い、理巧は2人のウルトラマンの姿を合わさり、その姿を変える。
『シャァッ!!』
『ウルトラマンジード プリミティブ』となって、ファイブキングの相対した。
『『『『『ーーーー!』』』』』
『シュワッ!』
ファイブキングとジードがぶつかり合った。
ー伏井出ケイsideー
貧民街の一角でジードとファイブキングの戦いが行われるのを見ていた伏井出ケイは、ライザーを取り出すと、ベムスターのカプセルを起動させた。
「ベムスター!」
ピギュゥゥゥゥゥゥッ!!
ベムスターの鳴き声が響き、『ベムスターカプセル』を装填ナックルに入れた。
「ゼットン!」
ピポポポポポ、ゼットーンッ!!
次に、『ゼットンカプセル』を起動させて、ナックルに装填し、ライザーの握り手のスイッチを押す。
「これでエンドマークだ!」
ライザーでナックルをスキャンする。
ドクンッ! ドクンッ!
ナックルのカプセルのエネルギーを読み込んだライザー中央のカプセルが目映く発光して、音声が流れる。
『フュージョンライズ!』
「ハァアアアアアア・・・・ハァアッ!!」
ライザーを胸元に持ってきて、起動スイッチを押した。
『ベムスター! ゼットン! ウルトラマンべリアル! ベムゼード!!』
伏井出ケイの姿が『ウルトラマンベリアル』の姿へと変わり、ベリアルの前に『ベムスター』と『ゼットン』の姿が現れると、2体は緑色と紺色の粒子となってベリアルの口の中へと吸い込まれ、ベリアルの姿が変貌した。
ゼットンの姿だが、頭部から赤く鋭い瞳が睨み付け、両腕の鉤爪がベムスターの腹部にある五角形の噴射口のような物があった。
『ピギュポポポポポポポポッッ!!』
新たな融合獣、『ベリアル融合獣 ベムゼード』が、参戦した。
次回。神秘に挑む姿で、悪を斬れ!