ージードsideー
『『『『『ーーーー!』』』』』
ファイブキングがレイキュバスの鋏でジードの首を狙う。
『シュワッ! ヌゥオオオオオオオオオッ!!』
ジードはその鋏を回避してその腕を取り、民間人のいない所に投げた。
『『『『『ーーーー!』』』』』
『グゥゥゥゥッ!!』
『きゃぁぁぁぁっ!』
『おっ! 見えた(ゴンッ!)あでっ!』
が、ファイブキングは羽を羽ばたかせ上昇した。その時の暴風で、ジードは腕で顔を守り、飛鳥達に焔達、そして雪泉達のスカートが盛大に捲れ、下着が丸見えになり、男衆は鼻の下を伸ばすが、すぐに女衆に殴られた。
その巨体から想像できない速さで旋回する。
『『『『『ーーーー!』』』』』
次に、ガンQの目玉から光線を放った。
『ふっ、はぁっ!!』
ジードはバク転で回避する。その時ーーーー。
ーーーーバチィッ!!
『グァアアアッ!!』
背後から火球が飛んできて、ジードの背中に当たり、ジードは倒れてしまう。
『っーーーーハッ!』
『ピギュポポポポポポポ!』
後方を振り返ったジードが見たのは、ベムスターとゼットンが融合したような、『融合獣ベムゼード』だった。
『「伏井出、ケイ・・・・!」』
ー飛鳥sideー
「伏井出ケイっ!?」
「しかも新しい融合獣じゃねえかっ!」
避難誘導をしていた飛鳥達と焔達は、ベムゼードを見上げてそう言った。ただ、雪泉達月閃の忍達は戸惑いがちだったが。
「あの、飛鳥、さんでしたか? あの怪獣は一体?」
「あの怪獣は、ウルトラマンベリアルの配下である伏井出ケイって小説家さんが変身した怪獣が融合した融合獣だよ!」
「ふ、伏井出ケイ・・・・? あの人気小説家の?」
「ソイツが、お前ら月閃の敵であるウルトラマンベリアルの手下なんだよ! ついでに、私ら蛇女と半蔵学院の対決を裏で糸を引いていて、お前達の爺さんに怪獣の力を与えたのもヤツだ! 伏井出ケイが、蛇女の事件やこの騒動の黒幕なんだよ!」
「っ! そんな・・・・!」
「わ、わしらは、伏井出ケイとやらに、利用されていたのか・・・・!」
「黒影さまが、あんな風になったのも・・・・!」
「うぅっ・・・・!」
叢と夜桜と四季が驚愕し、美野里は怪獣になってしまった黒影を見上げて涙を潤ませた。
ー黒影sideー
『「伏井出、ケイ・・・・! 手を、出すでない・・・・!!」』
『「おや、流石は『伝説の抜け忍 黒影様』。ファイブキングに取り込まれながらも、意識を失わず操るとは、大した精神力ですね。タイラントにあっさりと取り込まれた道元ごときとは、やはり格が違う。ーーーーご安心を。私はあなたの邪魔をする存在の、邪魔をするだけですから!」』
ベムゼードは火球を上空へと放出するとーーーー。
『セヤッ!』
空から舞い降りたウルトラマンゼロが、両手に持ったゼロスラッガーで防ぎ、火球を切り捨てた。
『「ゼロ。おじさん」』
『よっ。ソッチに向かう途中で、レムから連絡があって変身してやって来て見れば、まさかファイブキングと融合獣が現れるとはな』
『「黒影様、何故このような真似を・・・・!?」』
霧夜先生が苦々しい声で問いかけると、ファイブキングに内部にいる黒影が問い返した。
『「霧夜、か・・・・。悪いが、こうして怪獣を、制御するだけでも・・・・! かなりの神経を、磨り減らす・・・・! 儂の目的はその少年・・・・! 暁月、理巧・・・・ウルトラマンジードのみじゃ! 邪魔立てするな・・・・!!」』
『『『『『ーーーー!!』』』』』
ファイブキングが雄叫びを上げると、ジードへと猛進した。
『「ゼロ! この人は僕が!」』
『「理巧っ!」』
『シュワァッ!』
ジードは構えると、ファイブキングの両碗の攻撃を回避し、後ろに回り込んで尻尾を掴んで引き付ける。
ーゼロsideー
『「おじさんとゼロは! 伏井出ケイを頼む!」』
『おい! たくっ、しゃぁねえなぁっ!!』
『ピギュッ!』
不意討ちで攻撃してくるベムゼードの鉤爪のような腕から回避しながら回し蹴りを叩きつけるゼロ。
『来いよ伏井出ケイ。テメエには借りが山のようにあるんだからな!』
『「くくくく、良いでしょう! お相手になってあげますよ!」』
『ハァッ!』
『ピギュポポポポポポポ!』
ゼロとベムゼードが、ぶつかり合った。
『『エメリウムスラッシュ』!』
『ピギュポポ!』
光線を放つゼロだが、ベムゼードは左手にあるベムスターの腹部の五角形で、吸収した。
『なにっ!?』
『ピギュポポポ』
驚くゼロに構わず、ベムゼードは一瞬で姿を消すと、ゼロの背後に現れ、その鉤爪でゼロの背中を裂いた。
『グァァァァッ!!』
突然の攻撃によろめくゼロ。
『「ベムスターの吸収能力に、ゼットンのテレポート能力と火球攻撃か・・・・!」』
『こうなったらーーーー霧夜!』
『ピギュポポポ!』
『うわっ!?』
ゼロの眼前にベムゼードが現れ、攻撃を繰り出していく。
『ビヨンドになる隙は与えませんよ!』
『くぅ・・・・っ!』
距離を空けたくても、テレポートで一瞬で距離を詰められ、ビヨンドに変身する暇を与えられなかった。
ージードsideー
『シュアッ!』
『『『『『ーーーー!』』』』』
ジードが飛翔すると、ファイブキングも後を追うように飛翔し、そのまま超速の空中戦を繰り広げる。
『「黒影さん。あなたは道元と違って、利用されている訳ではないようですが、何故こんな戦いを?」』
『「問答は、不要・・・・! 儂に見せろ・・・・! 貴様の持つ、“運命を覆す、力”を・・・・!」』
『「・・・・・・・・」』
『『『『『ーーーー!!』』』』』
『っ! うぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?』
黒影との問答はずっとこの調子である。どうしたものかと思考をするジードに、ファイブキングのファイヤーゴルザとメルバの瞳から光線を放ち、ジードに腹部に当たり、落下すると、土煙を巻き上げた。
『『『『『ーーーー!!』』』』』
急降下したファイブキングが、ジードを踏み潰そうとする。
『っ! ハッ!』
が、ジードは寸前で回避すると、
『『レッキングリッパー』!』
光の刃を放つが、レイキュバスの鋏で切り裂かれた。
『っ! ウォォォォォォォォォォ! 『レッキングバースト』ーーーー!!』
速攻で仕留めようと、ジードは必殺光線を放った。
が。
『『『『『ーーーーーーーー!!!!』』』』』
ファイブキングがガンQの目玉で光線を吸収するとーーーーそのままジードへと跳ね返した。
『っ! グァァァァァァァァァッ!!』
『レッキングバースト』を跳ね返され、一瞬反応が遅れたジードは光線を受けて、盛大に後ろに倒れ、地面をガリガリと削る。
ーーーーピコン、ピコン、ピコン、ピコン・・・・。
『グゥッ!ーーーーウゥゥゥゥ・・・・!』
カラータイマーが鳴り出し、苦しそうに立ち上がろうとする。
ー雪泉sideー
「りっくん!」
『理巧(くん/さん/さま)!』
避難誘導をしていた飛鳥達と焔達が、倒れたジードを見て、思わず叫び声を上げた。
『っ!』
呆然と見上げていた雪泉達月閃も、思わず肩を揺らした。
「・・・・ジード、さま・・・・!」
雪泉が、理巧の言葉が頭に過った。
【必ず、連れ戻すから】
「・・・・・・・・がい・・・・す・・・・お願い、します・・・・!」
「雪泉?」
「お願いします! 暁月理巧ーーーーウルトラマンジード! お爺様を・・・・お爺様を連れ戻して!!」
いつもはクールな雪泉が、涙を流しながら目を赤くし、頬を僅かに紅潮させながら、ヨロヨロと起き上がろうとするジードに向けて叫んだ。
「・・・・っ!ーーーーこんなの、邪魔だぁっ!!」
叢は雪泉の行動に面食らったが、すぐに正気に戻ると、般若面を放り捨て、
「ーーーー“理巧様”! いえ、ウルトラマンジード! 立ってください!」
「叢さん・・・・、っ、暁月理巧! ワシを倒したお前が! そんな無様を晒すなっ!!」
「りくっち! ウチと美野里っちはアンタを見極めてんだよ! 見せてよ! アンタの『正義』を!」
「頑張って理巧くん! 頑張って! ウルトラマンジード!!」
「雪泉さん・・・・月閃の皆・・・・!」
つい先ほどまで、理巧の命を狙っていた雪泉に叢に夜桜が、理巧を応援する姿に、飛鳥は驚いたが、すぐに笑みを浮かべた。
次の瞬間ーーーー。
ーーーーコーン・・・・!
「「「「「えっ・・・・?」」」」」
荘厳な鐘の音色と共に、月閃の五人の胸元から小さな光が灯ると、ジードのカラータイマーに吸い込まれるように飛んでいった。
「あっ、あれって!」
「『リトルスター』かっ!?」
飛鳥と焔、そして他の忍達も、目を見開いた。
ージードsideー
『「っ! 『リトルスター』?」』
理巧の手に、五つの『リトルスター』が飛んできて、カプセルの姿を現す。
ーーーーシュワッ!
雪泉の身体から出たのは、初代ウルトラマンに似ているが、胸元に〈宇宙警備隊〉のエリート証である『スターマーク』を着けた、〈宇宙警備隊〉の隊長、『ウルトラマンゾフィー』の『ゾフィーカプセル』。
ーーーーフッ!
叢からは、ゼロを銀と青のカラーにした、月と奇跡が融合した『ルナミラクルゼロ』の『ルナミラクルゼロカプセル』。
ーーーーセェヤァッ!
夜桜からは、ゼロを銀と赤のカラーにした太陽と剛力が融合した『ストロングコロナゼロ』の『ストロングコロナゼロカプセル』。
ーーーーディヤッ!
四季からは、『大地の光 ウルトラマンガイア』の強化態、『ウルトラマンガイアV2』の『ウルトラマンガイアV2カプセル』が。
ーーーーシャァッ!
美野里からは、『光の国の若き戦士』、『ウルトラマンメビウス』の『ウルトラマンメビウスカプセル』が。
「これは・・・・」
《理巧。雪泉達から、『ウルトラカプセル』がもたらされました》
「雪泉さん達が・・・・?」
《スキャンします。ーーーーーーーー『ルナミラクルゼロ』と『ウルトラマンティガ』。並びに、『ウルトラマンゾフィー』と『ウルトラマンメビウス』。『ウルトラマンメビウス』と『ウルトラマンオーブ スペシウムゼペリオン』。『ウルトラマンガイアV2』と『ウルトラマンヒカリ』で、新たなフュージョンライズが可能になりました》
『「そうか。ーーーーならば! 詠さん! 叢! あなた達から貰ったカプセルで、決めさせてもらう!」』
理巧は『ジードライザー』を構え、カプセルホルダーから、『ウルトラマンティガ』のスイッチを押して起動させる。
「融合!」
ーーーーディヤッ!
カプセルから紫色の光の線が幾つもの放たれ、『ウルトラマンティガ』の姿が現れ、カプセルを装填ナックルにいれる。
「アイ・ゴー!」
『ウルトラマンゼロ・ルナミラクルカプセル』を持って起動させると、蒼い光の線が幾つも放たれ、『ウルトラマンゼロ・ルナミラクルゼロ』の姿が出現した。
ーーーーセヤッ!
『ルナミラクルゼロカプセル』をナックルに装填し、ジードライザーのスイッチを押して起動させた。
「ヒア・ウィー・ゴー!!」
装填したナックルを取り外し、ジードライザーにスキャンさせる。
ーーーードクンッ! ドクンッ!
ジードライザーの中央のカプセルに、紫と蒼の光が交差するように交わる。
[フュージョンライズ!]
「挑むぜ、神秘!! ハァアアア・・・・っ!」
理巧はジードライザーを掲げて胸の前でスイッチを押した。
「ハァッ! ジイィーーーーード!!」
ライザーのカプセルが回転し紫色に輝き、理巧の身体が青く輝く。
[ウルトラマンティガ! ルナミラクルゼロ! ウルトラマンジード!! ムゲンクロッサー!!]
ウルトラマンティガとルナミラクルゼロの姿が合わさり、光を纏った戦士となった。
『セィヤッ!!』
紫と青の光の螺旋の中から二刃の剣を携えた、新たなウルトラマンジードが飛び出した。
『フゥゥゥ・・・・!』
スラッガーを持つ頭部、青と紫のボディライン、ティガの右胸にプロテクターと左胸から左腕にかけて装着された装甲。そしてその手には、二刃の剣『ゼロツインソード・ネオ』を構えた新たなフュージョンライズ。
神秘の剣士・『ウルトラマンジード ムゲンクロッサー』。
『シュァッ!』
ーゼロsideー
『おおっ! 理巧のやろう! また新しいフュージョンライズを会得しやがった!』
『ゼロ! コレを使ってくれ!』
ジードがゼロに目を向けると、カラータイマーから『光』を射出し、それがゼロのカラータイマーに吸い込まれると、霧夜先生の手に渡った。
『「っ! これはーーーー」』
それは、『ストロングコロナゼロカプセル』だった。
『おおっ! 『ストロングコロナ』の『ウルトラカプセル』かっ!?』
『それを使えば、ゼロの使えない力も使えるかも知れない!』
『よぉしっ! 霧夜!』
『「あぁっ!」』
ゼロの言葉に呼応するように、霧夜先生は、『ストロングコロナゼロカプセル』を起動させると、真紅の粒子が出て来て、『 ストロングコロナゼロ』となると、装填ナックルに入れてライザーでスキャンした。
ドクンッ!
[ストロングコロナゼロ!]
『「はぁっ!」』
ライザーのボタンを押すと、粒子がインナースペースが溢れる。
『ピギュポポポポポポポ!』
ベムゼードはこれまでの戦闘でゼロの光線技から奪ったエネルギーを右手から放出し火球を放つ『トリリオンインフェルノ』を放つ。火球が当たり、ゼロの身体が焔に包まれる。
が、その焔がゼロに吸収されるように吸い込まれると、
『セヤァァァァァァァァァッ!!』
焔の中から真っ赤に燃えるウルトラマンゼロが飛び出し、炎を纏った拳でベムゼードを殴り飛ばした。
『ピギュポポポポポポポッ!?』
その姿は、負傷で変身できなくなっていた、『ストロングコロナゼロ』であった。
『「これは!? 『ウルトラカプセル』のエネルギーで変身したのかっ!?」』
『ーーーーへっ! ブラックホールが吹き荒れるぜっ!!』
ーーーーギュィィィィィンン!!
ストロングコロナゼロが両拳を叩き合わせると、エレキギターのような音が鳴り響いた。
『フッ! ハァァァァァァァァッ!!』
ストロングコロナゼロは、ウルトラゼロランスも持って、ベムゼードに斬りかかる。
ー飛鳥sideー
新たなフュージョンライズへと至ったジードと新たな姿となったゼロを見て、飛鳥達は笑みを浮かべる。
ージードsideー
『「ーーーーそれが、お主の力、か・・・・。敵であった者ですら、自らの味方に変え・・・・更なる可能性を生み出していく・・・・暁月理巧よ・・・・! ウルトラマンジードよ・・・・! さぁ、これが最後だ! この儂を、黒影を、越えてみよ!!」』
『『『『『ーーーー!!!』』』』』
黒影の滾りに呼応するように、ファイブキングも雄叫びを上げて、ジードへと迫る。
『フッ! シュア!』
ジードはゼロツインソード・ネオを構え、ファイブキングの鋏と斬り結ぶ。
『ハッ! シュァァッ!!』
『『『『『ーーーー!?』』』』』
鋏の刃を避けたジードは、ガンQの目玉に×字に切ると、ファイブキングを悲鳴を上げる。
『『『『『ーーーー!!』』』』』
ファイブキングは鋏でジードの剣を掴むと、大きく振り、ジードから剣を振り飛ばす。
『っ!』
『『『『『ーーーー!!』』』』』
ファイブキングが両目から光線を放つ。
が、ジードの姿が陽炎のように消えた。
『「何っ!? 残像、いや幻影かっ!?」』
驚く黒影は上空を見ると、いつの間にかジードは放り飛ばされたゼロツインソード・ネオを掴み、
『ーーーーシェァッ!!』
『ーーーー!!?』
防御しようとするレイキュバスの鋏を急降下で斬り落とし、さらに返す刀でガンQの腕も切り落とす。
『ーーーー!?』
『『ガルネイトバスター』』
『ピギュポポポポポポポ!!』
後ろに後退したファイブキングは、ゼロ距離で放たれたストロングコロナゼロの必殺技を受けて後退したベムゼードと背中合わせにぶつかる。
『「決めるよ! ゼロ! おじさん!」』
『「あぁ! 俺に限界はねぇっ! ハアァッ!!」』
霧夜先生は、合体させたジードライザーをウルトラゼロアイNEOでゼロビヨンドに変身した。
[ニュージェネレーションカプセル! α! β! ウルトラマンゼロビヨンド!!]
『『ゼロツインソード』!』
『『ゼロツインソード・ネオ』!』
ゼロビヨンドはゼロツインソードを、ジードがゼロツインソード・ネオを持つと、何と、ジードが三人に分身して、ゼロビヨンドと共に、二体の怪獣を挟み込むように摺り足で移動し、
『『マジカルトライデントスラッシュ』!』
『『ツインギガブレイク』!』
二体に近づくと、四つの閃光が閃き、一人に戻ったジードと、ゼロビヨンドは立ち位置が逆になり、二体の怪獣を背にした。
そして、ファイブキングの身体に『G』の文字が、ベムゼードの身体に『Z』の文字が刻まれていた。
ゼロの剣の刀身にベムゼードが映り、ジードの剣の刀身にファイブキングが映る。二人は刃に映る怪獣達を一瞥し。
『俺達の刃をーーーー』
『刻み込め・・・・!』
ゼロビヨンドとジードがそう言うと、文字を中心に亀裂が凄まじい勢いで走っていく。
『「ここまで、ですね・・・・!」』
ベムゼード、否、伏井出ケイが逃げようとした次の瞬間ーーーー。
『「ーーーー『忍法 封殺の術』!!」』
『「っ!? ぐぅぅぅぅっ!!」』
ファイブキングの体内、印を結んだ黒影から光の鎖がファイブキングの胸元を貫いて、ベムゼードに入り込むと、体内にいた伏井出ケイを捕らえた。
ー黒影sideー
ファイブキングが鋏を失ったレイキュバスの腕で、ベムゼードの身体を捕まえると、背中の羽を羽ばたかせる。
『「黒影!?」』
『「逃がさんぞ、伏井出ケイ・・・・! 貴様はここで、儂と一緒に死んでもらう!」』
『「っ! 黒影様!」』
『何っ!?』
『「どういう事だ?」』
「お爺様!」
「「「黒影様!」」」
「おじいちゃん!」
近くにやって来た雪泉達や飛鳥達に焔達、雪泉達が飛翔するファイブキング、黒影に叫びを上げた。
ドンドン上昇していく二体の怪獣の体内で伏井出ケイが逃れようともがくが、黒影は印を結んだまま力を込めるのを止めない。
『「貴様! まさかこの為にっ!?」』
『「そうだ! 貴様が儂を利用しようとしているのは百も承知! しかし! 儂もただでは利用されん! この老い先短い命と引き換えに、貴様も道連れにしてくれるっ!!」』
『「ふざけるなっ! このーーーー老いぼれふぜいがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」』
『「っ!」』
と、その時、伏井出ケイの“背中が光り”、黒影の拘束から逃れると、ベムゼードのカギ爪で、黒影のいる地点に貫こうとしたその時ーーーー。
『「黒影さん!!」』
『「暁月っ!?」』
何と、黒影の身体を、“人間サイズになったジード”が助けた。
ージードsideー
今にも爆散しそうなベムゼードと共に、同じく爆散しそうになファイブキングが上昇していく。
『「このままじゃ・・・・!」』
『理巧! お前の今のフュージョンライズは、ルナミラクルゼロとフュージョンしている! その力をフルに使えば、黒影のじいさんを救えるかも知れねえ!』
『「っ。分かった! シェァッ!」』
ジードがファイブキングを追って飛び立つと、二体が爆散する寸前だった。
『フッ!』
力を込めると何と、ジードの身体が徐々に小さくなっていき、自分が付けた『G』の字の傷口から、ファイブキングの体内に入っていき。
『「黒影さん!!」』
「っ! 暁月っ!」
黒影を片手で掴み、その地点にベムゼードの腕が通った来た。
ゼロツインソード・ネオで体内からファイブキングの身体を貫いて脱出した際、一瞬、ベムゼードと、伏井出ケイと視線が合った。
『「貴様・・・・!」』
『フッ』
そしてそのまま、巨大化しながらジードが離脱するのと同時に。
ーーーードガァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアンンンッ!!
二体の怪獣が大爆発を起こした。
ー雪泉sideー
「っ! お爺様! 理巧さんっ!!」
「ーーーー大丈夫」
爆発を見て、焦燥した貌になる雪泉の肩に飛鳥が手を置いて、安心するように言うのと同時に。
『ーーーーシュァ』
ジードがゆっくりと降り立つと、片手をソッと下ろすと、その手の平に黒影が横たわっていた。
「お爺様!」
「「「黒影様!」」」
「おじいちゃん!」
『フッ』
雪泉達が手の平から黒影を下ろすと、ジードのカラータイマーから『コスモスカプセル』が葛城に手渡された。
『「葛姐さん。治療を頼む。あーちゃん達と焔達は周辺を捜索。伏井出ケイを探してくれ」』
「分かった!」
ーーーーフワッ!
『うん!/了解』
葛城が早速カプセルを起動させると、手の平に光が溢れ、その回復の光を黒影に当て、飛鳥達と焔達は散開して伏井出ケイの捜索に向かった。
『シュァ!』
『セヤッ!』
ジードとゼロは、作業員や住人達が戻ってくるのを見て、正体を隠す為に飛んで言った。
ー理巧sideー
「皆!」
「無事かっ!?」
「理巧! 先生!」
理巧と霧夜先生が横たわる黒影を治療する葛城と、それを見ている雪泉達月閃に駆け寄った。
「葛姐さん。黒影さんは?」
「駄目だ! 悔しいがアタイだけじゃ手が足りねえ! 他にも回復の術が使える奴とかいないと!」
「・・・・理巧。『ルナミラクルゼロ』は、コスモスの力を宿している」
「! そうか。叢!」
「ひゃ、ひゃい!/////」
お面を投げ捨てたのを思い出した叢が、理巧と顔を合わせるのも恥ずかしそうにしていたが、理巧が『ルナミラクルゼロカプセル』を持たせて起動させた。
ーーーーセヤッ!
起動させると、葛城のように手の平に光が宿った。
「っこれって・・・・」
「それで黒影さんを助けられる。早くするんだ」
「っ! はい!」
叢も葛城と共に、光を黒影に当てた。
それから少ししてーーーー。
「うっ・・・・うぅっ・・・・」
「お爺様!」
「雪泉・・・・皆か・・・・儂は、生き恥を晒したか・・・・」
「黒影さん」
「暁月、理巧・・・・儂を助けた、のか・・・・?」
「雪泉さん達の大切な人を、僕が見捨てる理由がなかっただけです。それに、何でここまでの事をしたのか、まだ聞いていなかったですから」
「・・・・先ほども言った通りだ。このまま、雪泉達が、儂の『正義』に依存させるのは、彼女達の未来を、歪ませてしまう。それに、儂も知っている、ウルトラマンベリアルが『悪』に堕ちた理由を、な」
「っ!・・・・何故、あなたがそれを?」
「『クライシス・インパクト』の最中、儂はある人物に教えられた・・・・儂とウルトラマンベリアルは、辿った末路は違えども、僅かに運命の歯車が違ければ、儂がベリアルになっていた事を、な・・・・ソコにいる霧夜と一体化した、ウルトラマンゼロの父、ウルトラセブンからな」
「(デュオン!) ーーーー親父がっ!?」
霧夜先生からゼロに変わり、雪泉達はギョッと、するが、黒影は笑みを浮かべる。
「久しいなウルトラマンゼロよ。面倒事をかけてしまったな。この街の住人達にも・・・・」
「・・・・安心しな爺さん。ここに来る前に〈AIB〉と話を通してな。この街を『異星人交流区域』にする事の許可を貰っていたんだ」
「えっ? それじゃ・・・・」
「ああ。〈大狼財団〉も開発から手を引くだろうよ」
それを聞いて、叢はホッとしたように肩を落とした。
そしてそれを見てから、黒影は一瞬キリッと顔つきを引き締め、理巧に話しかけた。
「暁月理巧。儂は伏井出ケイがあれでくたばったとは思えん」
「でしょうね。また闇の中に隠れたのでしょう」
「うむ・・・・暁月理巧。伏井出ケイの捜索に、我が孫達を協力させてくれぬか?」
『えっ?』
「良いんですか?」
「きゃつをこのままにしておけば、いずれ災いをもたらすだけでなく、ベリアルも必ず現れるだろう。それにだ」
「?」
「雪泉の唇を奪い。叢と美野里の心を奪い。あまつさえ夜桜と四季に不埒な真似をしたのだ。相応の責任を取ってもらう」
「あぁ、知ってたんですか」
『/////////』
目が据わり、ファイブキングよりも凄まじい威圧感を放つ黒影に理巧は苦笑し、雪泉達は顔を真っ赤にした。
「雪泉。叢。夜桜。四季。美野里。これから彼の元で、『己の正義』を見つけよ。その時こそ、お前達は本当に一人前の善忍だ」
『はい!』
「それと、他の女子<おなご>達にも負けるでないぞ」
『・・・・・・・・はい//////』
黒影の言葉に、力強く頷いたり顔を真っ赤に染めて頷く月閃であった。
「理巧。お前って結構女難な体質だよな!」
「自分でもそう思うよ」
葛城がにやけながら言う言葉に、理巧も霧夜先生とゼロも苦笑した。
「暁月理巧。近くに来てくれ」
そして、黒影が顔を近づけた理巧に、耳打ちする。
「・・・・実は、雪泉達の他に、儂には孫がいるのじゃ。それも、お主と似た境遇のな」
「えっ?」
「その子もいずれ、お主に会いにくる。頼む。あの子の、『光』になってくれ」
「・・・・・・・・できる限りはします。その子の名前は?」
「・・・・『雪不帰』、だ」
「分かった。ゆっくり休んでください」
「ああ。休ませて、貰うよ」
ゆっくりと寝息を立てる黒影から離れ、理巧は青空を見上げた。
「(・・・・伏井出ケイ。ウルトラマンベリアル。そして、黒影さんのもう一人の孫『雪不帰』。これから、さらに厳しい戦いが待っているだろう)」
そして、理巧は顔を下に向けると、雪泉達の姿を見据える。
「(だが、新たにできた仲間がいれば、きり抜けられるな)」
ー伏井出ケイsideー
伏井出ケイは自分を捜索している飛鳥達と焔達を尻目に、転移ゲートを開いて逃げようとする。
「・・・・そろそろ、本格的な対決と行きますか」
ニヤリと笑みを浮かべる伏井出ケイの手に、『ゼットン』と『キングジョー』のカプセルが握られていた。
ー???sideー
「・・・・・・・・・・・・」
そしてここに、貧民街を一望できる丘の上、暁月理巧の関知範囲のギリギリ外から、ウルトラマンジードの戦いを見て、暁月理巧を見下ろしている1人の女性がいた。
年の位は二十代前半、死者を思わせるような色白な肌と、肌の色と対照的な黒いドレスを纏い、ドレス越しでも分かる豊満な胸元と、豊麗な身体付き、端正な顔つきもあるがその目は闇のように真っ暗になっている。
「・・・・・・・・・・・・」
女性は暁月理巧を見据えると、自分と同じような、『闇』を宿しているが、それに負けない『光』を宿した不思議な輝きに目が離せずいた。
「・・・・・・・・・・・・//////」
何故だろうか、暁月理巧の事を見ていると、女性は頬が熱くなるのを感じた。。胸の鼓動か高鳴るのを感じた。呼吸が僅かに乱れているのに気づいた。
「・・・・???//////」
その女性は気づいていない。それがーーーー『一目惚れ』である事に。自分は暁月理巧にーーーー心奪われている事に。
ー次回予告ー
半蔵学院。焔紅蓮隊。月閃女学館。多くの仲間が出来て、僕の周りは、いつの間にか随分賑やかになった。・・・・ふと、思ってしまう。こんな日々がいつまでも続いて欲しいと。しかし、運命という歯車は、否が応にも僕を戦いへと誘う。
次回、閃乱ジード。
【ジードアイデンティティ】
咲かすぜ! 騎士道!