閃乱ジード   作:BREAKERZ

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遂にこの回に来ました。


ジードアイデンティティ
咲かすぜ騎士道! フォトンナイト!


ー伏井出ケイsideー

 

その日。伏井出ケイは担当編集者の男性と次回作の打ち合わせの為に屋外カフェに来ていた。

 

「先ず・・・・ある男が、ある国から『カプセル』を奪うのです」

 

担当編集者は、伏井出ケイの話をボールペンを使って手帳に記していく。

 

「ーーーー強大な力を秘めた『カプセル』を・・・・」

 

「以前の講演会で、参考にするアイテムをお持ちでしたね?」

 

その講演会は、ウルトラマンゼロを一時的に殺した事件であった。

 

「『カプセル』を起動させるには、"特別なエネルギー"が必要だった。ーーーー宇宙に拡散し、惑星や生命を循環させるエネルギーが。男はそれを集める為、『ある物質』を作ります」

 

「物質・・・・?」

 

顔を上げる担当編集者に伏井出ケイはあくまでにこやかに続ける。

 

「男はソレをーーーー『カレラン分子』と命名しました。しかし『カレラン分子』は、生命の中でしか安定して存在できなかった・・・・」

 

伏井出ケイが話を続けようとするが、それを遮るように担当編集者のスマホがバイブで震える。

 

「ーーーーすみません。直ぐに戻ります」

 

担当編集者はボールペンと手帳をテーブルに置いて席を外す。それを見送ると、伏井出ケイは瞑目した。

その瞬間、伏井出ケイの意識が別の空間へと繋げた。暗黒の空間と形容してもいいその空間に佇む伏井出ケイの目の前にーーーーウルトラマンベリアルが伏井出ケイを見下ろしていた。

 

『・・・・報告を聞く』

 

ベリアルが声を発する。

 

「先日で十九の『ウルトラカプセル』の起動を確認しました。必要な数を超えました」

 

『流石は私の息子だ。ソコまでの働きをしてくれるとはな』

 

「・・・・・・・・・・・・ええ、とても」

 

ベリアルがジード、暁月理巧を称賛すると、伏井出ケイは何やら苦々しい声色で応えた。

 

 

 

 

ー鷹丸sideー

 

「どうだ?」

 

そして〈AIB〉の地下基地にて、暁月理巧の養父である戦部鷹丸と同僚で相棒のシャドー星人ゼナがおり、鷹丸がモニターに映された伏井出ケイを解析している局員に話しかけた。

 

『モルフェウスAからDに動きはありますが、微弱で追跡不能です』

 

『っ! タレバーンに特徴的な波長を観測。追跡します』

 

と、別の局員が宇宙空間が映された別のモニターを追跡すると、宇宙の一部分が赤く染まっている箇所があった。

 

『探知完了まで後八十四秒』

 

ゼナはモニターに映る伏井出ケイを見据えて声を発する。

 

『さあ、お前は何処に思念を送っている?』

 

 

 

 

 

ー伏井出ケイsideー

 

『『ストルム星人』よ。お前の正体に気づいた者がいるようだ。気配がするぞ』

 

「っ!」

 

ベリアルにそう言われ、伏井出ケイは周囲を睨む。

 

 

 

 

 

ーゼナsideー

 

ーーーーブー! ブー! ブー!

 

と、警報が基地に鳴り響く。

 

『タルバーン波、消えていきます!』

 

『まだだ! 待ってくれ!』

 

局員の報告を聞いて、ゼナが声を発した。

 

 

 

 

 

ー伏井出ケイsideー

 

「っ!」

 

瞑目していた伏井出ケイが、目をカッと開き、周囲を見ると、担当編集者が戻ってきて席に座る。

 

「ーーーーお待たせしました」

 

「・・・・先ほどの話の続きをしましょうか」

 

「っ、是非!」

 

担当編集者がボールペンを持って手帳を開く。

 

「男は『カレラン分子』を散布し、生命体の体内で高密度エネルギーの養殖を行うようにした。人々や惑星を循環するエネルギーはーーーー」

 

説明しながら、担当編集者の頬に、一滴の汗が流れているのを、伏井出ケイは捉えた。

 

 

 

ー鷹丸sideー

 

そして、後少しで探知が完了しようとしており、鷹丸とゼナの視線は、二つのモニターを行ったり来たりだった。

 

 

 

ー伏井出ケイsideー

 

「・・・・・・・・・・・・」

 

伏井出ケイは席から立ち上がると、ゆっくりと担当編集者に近づき、

 

「あ、あの、何を・・・・!」

 

担当編集者の上着の内ポケットを捲ると、何かの小さな機械、否、盗聴器があり、伏井出ケイはそれを握り潰したその瞬間ーーーー。

 

「うわぁあっ!!」

 

「あぁっ!!」

 

カフェにいた何人かの客が、耳を抑えて悲鳴を上げた。

悲鳴を上げた客はその姿を、異形の姿、異星人の姿になっていた。悲鳴を上げていない客達は、異星人の客に目を見開いて驚きていた。

そんな周囲に構わず、伏井出ケイは担当編集者が思わず胸ポケットに差したボールペンを、否、ボールペン型の監視カメラを睨んだ。

 

 

 

 

ー鷹丸sideー

 

「しまった、バレてる! 総員退避!」

 

《フン!》

 

モニターの伏井出ケイが凄むと、基地の機械が盛大な火花を散らせ、モニターも消えた。

 

『うわぁっ!!』

 

鷹丸達は、激しい火花と小さな爆発で倒れた。

 

 

 

 

 

ー伏井出ケイー

 

『逃げて!』

 

「あ、はい!」

 

〈AIB〉の局員の宇宙人が、担当編集者を逃がそうとする。

 

『あっ!』

 

が、一瞬で先回りした伏井出ケイが、杖で局員を殴り気絶させた。

 

 

「・・・・・・・・・・・・」

 

「・・・・はぁ、新作の執筆は中止です。ーーーー今まで、ありがとうございました」

 

伏井出ケイが、殺意を込めた目で担当編集者を見据えた。

と、その時ーーーー。

 

「っっ!!」

 

ーーーーカキン! カキン! カキン!

 

伏井出ケイが明後日の方向に目を向けると、自分に向かって飛来してきた物を杖で弾き飛ばすと、飛来してきた物はアスファルトに深く突き刺さり、その姿を露にした。

手裏剣だった。

 

「この手裏剣はーーーーあなた方ですか。十年前、『クライシス・インパクト』によって生まれた時空の亀裂からこの時代にやって来た異形の忍軍団、〈ノロイ党〉を討ち破った『伝説の閃忍』・・・・!」

 

担当編集者と気絶させられた局員を保護し、伏井出ケイから距離を取って、他の局員達に預けて退避させたのは、鷹丸の三人の妻にして、暁月理巧の養母である三人、ハルカ。ナリカ。スバルであった。

 

「「「・・・・!」」」

 

三人は、黄色、赤、青の忍装束を纏い、それぞれ大型クナイ、大型手裏剣、長刀を構えた。

 

「・・・・成る程、面白いですねぇ・・・・!」

 

伏井出ケイが、ニンマリと歪んだ笑みを浮かべた。

 

 

 

 

 

ージードsideー

 

『シュゥワッ!!』

 

『ヌゥンッ!!』

 

そしてその頃、ウルトラマンジード・プリミティブは、隻眼の野武士のような風貌に日本刀のような剣を持った宇宙人と戦っていた。

野武士宇宙人が剣を振るうが、ジードはその剣をジードクロウで防いでいく。

 

『ヌゥンッ!!』

 

『ハァッ!』

 

野武士宇宙人が剣を横薙ぎに振るうが、ジードは大きく後ろに反転跳びをすると、後方にあった大型高層ビルを飛び越えて回避した。

 

『フッ!』

 

『・・・・・・・・』

 

野武士宇宙人とジードの間に大型高層ビルにより隔たれていた。

 

『(これでヤツの剣も届か・・・・っ!)』

 

ジードは一瞬気を抜きそうになるが、全身の細胞が退けと警報を鳴らした気がして、トン、と後ろに跳んだその瞬間ーーーー。

 

『キェェイッ!!』

 

ーーーーズバァァンッ!!・・・・ズズズズ、ズシャァァァァァン・・・・!

 

ジードと野武士宇宙人の間を隔てていたビルが斜めに切り捨てられ、ビルはゆっくりと滑り落ちて崩れると、袈裟斬りにしたような構えの野武士宇宙人がソコにいた。

 

『「スッゴ・・・・! やるじゃないの、『宇宙剣豪ザムシャー』、だったな』」』

 

『・・・・貴殿も噂通りの腕だな、ウルトラマンジードよ。嬉しいぞ。このような銀河の辺境の辺境とも言える星で、貴殿のような強者と刃を交えられるとは・・・・!』

 

ジードと、ザムシャーと呼ばれた宇宙人は、お互いに笑みを浮かべるのであった。

 

『「それにしても、何で僕に挑むのさ? 誰かに倒してくれって依頼されたのか?」』

 

『拙者、修行中の身。この銀河の辺境の地球にいるウルトラマンジードと言う光の戦士がいると風の噂を聞き、是非手合わせをしてみたいと馳せ参じたのだ!』

 

ーーーーさて、何故ザムシャーとジードが戦っているのかと言うと・・・・。

 

 

 

 

 

* * *

 

 

 

 

黒影との戦いと月閃女学館との騒動も終わり、黒影は〈AIB〉の医療によって心臓の病を治療されたが、暫くの入院と伏井出ケイとの事で事情聴取を受けるようになった。

が、雪泉達は今だ理巧との関係を続けるようになり、今日は展望台で、飛鳥達半蔵学院、焔達紅蓮隊との三竦みの模擬戦をしていた。

組み合わせはーーーー飛鳥VS焔VS雪泉。斑鳩VS詠VS叢。葛城VS日影VS夜桜。柳生VS未来VS四季。雲雀VS春花VS美野里。

理巧とペガは観戦をし、それぞれの模擬戦が白熱していったその時、

 

ーーーーズズゥゥゥゥンン・・・・!

 

展望台から見える街の中心に、突如『宇宙剣豪ザムシャー』が仁王立ちで現れた。

 

【『拙者の名はさすらいの剣豪『ザムシャー』! ウルトラマンジードよ! 拙者と是非勝負していただきたいっ!!』】

 

と、ウルトラマンジードこと、理巧に挑戦をして来たのだ。別に破壊行動は取っていないのだが、巨大な異星人がその場に鎮座しているだけで人々に取っては迷惑極まりない。

飛鳥達も焔達も雪泉達は、理巧に戦いを任せようとするがーーーー。

 

【ーーーーイヤだよ。面倒臭い。ゼロとおじさんに任せた】

 

と、ウルトラマンベリアルか伏井出ケイの刺客でもなければ、レムのユートムで調べて貰って、『コピークリスタル』から生まれた疑似生命体でもない。完全に無関係の異星人である。

そんなヤツを相手にするつもりはないと、理巧はゼロと霧夜先生に任せて昼寝をしようとする。

飛鳥達や焔達が何とか理巧をやる気にさせようとするが、今一乗り気になれない理巧。雪泉達が首を傾げていると。

 

【理巧は基本面倒くさがり屋だから、気分が乗らない時はトコトン動かないんだ】

 

と、説明した。

雪泉達も理巧に戦うように説得するが、それでも理巧は動かない。どうしたものかと悩んでいると、AIBに行っていた霧夜先生から連絡が入り。

 

【理巧。あの異星人がいる所、“お前の家の近くだぞ“】

 

【(ピクッ)】

 

霧夜先生の言葉に、理巧がピクリと反応を示した。

 

【あのザムシャーって異星人が焦れて暴れ出したら、折角復興が進んで来たお前の家の周辺が、また破壊されて立ち入り禁止にされてしまうかもなぁ?】

 

【ーーーージーッとしてても、ドーにもならない! ジーーーーーードッ!!】

 

と、速攻でウルトラマンジードになってザムシャーと戦い始めた。

 

 

 

 

* * *

 

 

 

 

ー飛鳥sideー

 

 

そして、ジードが戦っている間に、避難誘導を終えた半蔵・紅蓮隊・月閃の面々は近くのビルの屋上に登り、ジードとザムシャーの戦いを見ていた。

 

「りっくん、ちょっと苦戦してるね」

 

「ああ。流石は剣豪を名乗るだけあるな。一太刀一太刀のキレが凄まじいぜ」

 

「あの高層ビルを一太刀で斬り捨てるとは・・・・! 宇宙には、これほどの使い手がいるのですね・・・・!」

 

「ーーーー今回の相手は、伏井出ケイと無関係の方なのでしょうか?」

 

「分かりませんわよ。彼に雇われたっという線もありますわ」

 

飛鳥と焔と雪泉は、ビルを斬り捨て、更にジードと互角以上に渡り合うザムシャーの剣技に称賛していた。

夜桜と斑鳩は、ザムシャーが伏井出ケイと関係があるのか思案し、他のメンバーもジードとザムシャーの戦いを興味深そうに見ていたり、近くに伏井出ケイがいないか見回していた。そんな中、雲雀も未来と美野里は、キョロキョロと下を見回していた。

 

「? どうした雲雀?」

 

「う〜ん。理巧くんのお家がこの近くにあるって霧夜先生が言っていたから、何処にあるんだろうって思って・・・・」

 

『!』

 

その言葉に全員が反応した。面倒くさがり屋な理巧がザムシャーの挑戦を受けたのは、この当たりに理巧の実家があるからなのだ。

 

「ーーーーそう言えば、私達りっくんと結構濃い付き合いをしてきたのに、理巧くんの家とか知らなかったね・・・・」

 

飛鳥の言葉に、まだ付き合いの短い月閃の五人以外は少し顔を俯かせる。確かに、理巧の事はある程度知っているが、理巧の家族については、良く知らないからだ。

 

 

 

 

 

 

ージードsideー

 

『うわっ!!』

 

ジードはザムシャーの剣技をジードクローで受けていたが、遂にジードクローを弾き飛ばされてしまう。

 

『キィェエイッ!』

 

ザムシャーが脳天切りをしようと太刀を振り下ろすが、

 

『ハァっ!!』

 

ーーーーパシッ!

 

『っっ! 白刃取りだとっ!? 我が『名剣 星斬丸』を受け止めるとは!』

 

が、ジードが真剣白刃取りをし刀、星斬丸を止めると、ザムシャーが驚いたほんの刹那の隙をジードは突く。

 

『『レッキングロア』!!』

 

『ぬぉぉおおおおおおおおっ!!』

 

両手が塞がったジードが口から放つ波状攻撃でザムシャーを太刀ごと吹き飛ばした。

 

『フッ!』

 

ザムシャーが起き上がってくる前に、新たなフュージョンライズで対抗しようとする。

 

『「新しいフュージョンライズを試すには、丁度いい相手だ」』

 

理巧は『ジードライザー』を構え、カプセルホルダーから、『ウルトラマンガイアV2』のスイッチを押して起動させる。

 

「融合!」

 

ーーーーデュワッ!

 

カプセルからレモン色の光の線が幾つもの放たれ、『ウルトラマンガイアV2』の姿が現れ、カプセルを装填ナックルにいれる。

 

「アイ・ゴー!」

 

カプセルホルダーから『ヒカリカプセル』を持って起動させると、黄色の光の線が幾つも放たれ、『ウルトラマンヒカリ』の姿が出現した。

 

ーーーーデャッ!

 

『ヒカリカプセル』をナックルに装填し、ジードライザーのスイッチを押して起動させた。

 

「ヒア・ウィー・ゴー!!」

 

装填したナックルを取り外し、ジードライザーにスキャンさせる。

 

ーーーードクンッ! ドクンッ!

 

ジードライザーの中央のカプセルに、レモン色と黄色の光が交差するように交わる。

 

[フュージョンライズ!]

 

「咲かすぜ、騎士道!! ハァアアア・・・・っ!」

 

理巧はジードライザーを掲げて胸の前でスイッチを押した。

 

「ハァッ! ジイィーーーーード!!」

 

ライザーのカプセルが回転し黄色に輝き、理巧の身体も黄色に輝く。

 

[ウルトラマンガイアV2! ウルトラマンヒカリ! ウルトラマンジード!! フォトンナイト!!]

 

ウルトラマンガイアV2とウルトラマンヒカリの姿が合わさり、理巧の姿が変わっていく。

 

『メッッ!!』

 

金色の光の螺旋の中から花弁が舞い、そのは中から新たなウルトラマンジードが飛び出した。

 

『フゥゥゥ・・・・!』

 

体色は銀・赤・紫・青とカラフルに彩られ、頭部は角が三つになっているようになり、身体の各所には鎧を取り付け、胸には〈ウルトラの星〉に多大な貢献をした者に与えられる最高の名誉勲章である『スターマーク』を付け、白い白衣のようなマントを靡かせると、ソコから赤い花弁がヒラヒラと舞い散らせるその姿は、ザムシャーが武士とするならば、正にーーーー光と花の騎士・『ウルトラマンジード フォトンナイト』。

 

『『フォトンビームブレード』・・・・!』

 

ジードが右腕に装備したブレスレットから光の刃を伸ばし、構えた。

 

『ムゥ・・・・新たな姿となったか』

 

ザムシャーが起き上がると、再び星斬丸を正眼に構えた。

その構図は正に、東洋の武士と西洋の騎士のようであった。

 

『・・・・・・・・・・・・・・・・』

 

『・・・・・・・・・・・・・・・・』

 

両者構えたままだがその姿には微塵も隙が無く、周囲には息をするのも苦しい重い緊張感が漂っていた。

 

 

 

 

ー飛鳥sideー

 

『・・・・・・・・・・・・・・・・(ゴクン)』

 

その緊張感は、遠巻きで見ていた飛鳥達にも感じており、誰もが固唾を呑んでいた。

 

 

 

 

ージードsideー

 

そしてーーーーザムシャーが斬って崩れ落ちたビルの上部から、一つの破片が落ちる。

 

ーーーーガラン・・・・。

 

『っっ!』

 

『ッッ!』

 

その僅かな音で、二人が動いた。ザムシャーもジードも、摺り足のように滑るように動きすれ違い際、刀と光刃がぶつかり交わった。

 

『セヤッ!!』

 

『キエェェイッ!!』

 

ーーーーズバァンッ・・・・!!

 

一瞬の閃光が走ると、お互いに背を向けたジードとザムシャー・・・・が、ザムシャーのその手には、星斬丸の刀身が半分無かった。

 

ーーーードス・・・・!

 

星斬丸の半分の刀身が、近くのアスファルトに突き刺さる。

 

『わ、我が星斬丸が・・・・!』

 

幾つ物戦場を共に駆け抜けた相棒とも言える愛刀が折られた事に、ザムシャーは愕然となってしまった。

そして、その隙を見逃すジードではない。

 

『ハァァァァァ・・・・『ナイトストリーム』!!』

 

上げた左腕に右腕を合わせ、光がチャージしながら頭上にまでゆっくりと動かし、交差した腕を眼前に下ろし、右腕を突き出すと、光線がヤイバのように真っ直ぐ放たれその際に花弁がジードの周りに舞い散り、ザムシャーに当たった。

 

『ヌゥウオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!!』

 

倒れたザムシャーはその鎧に守られ、爆発はしなかったが、最早戦える状態では無くなっていた。

 

『ガっ! グゥゥゥッ!!』

 

だが、ボロボロになりながらも、起き上がったザムシャーは正座する。

 

『・・・・・・・・・・・・』

 

ジードがゆっくりと近づくと、ザムシャーは顔を上げてフォトンナイトを見上げる。

 

『無念なり・・・・!・・・・斬れ。生き恥を晒すつもりはない』

 

『「・・・・・・・・・」』

 

ザムシャーが斬れと言うが、ジードは背を向けてその場から去ろうとする。

 

『待て! 拙者に生き恥を晒せというのかっ!?』

 

『「あのね。僕はアンタを殺すつもりはないよ。それに、アンタまだ修行中の身だろう? もっと腕を上げてきなよ。また相手になってやるさ」』

 

『し、しかし・・・・!』

 

『「前に、アンタのように生き恥を晒すくらいなら殺せと喚いていた子がいましてね。同じ事を言わせてもらうけどーーーー【この程度の負けで捨てるような安い命なんて、奪う価値もないと思っただけさ】」』

 

ジードがチラッと、飛鳥達のいる所に目を向けると、夜桜がバツが悪そうに目を背けていた。

 

『・・・・・・・・』

 

『「それにーーーー正直言うと、これ以上戦うと、"傷口が開いてしまう"」』

 

『?ーーーーっ!』

 

ザムシャーがジードの左脇腹を見ると、斬られた傷があった。ザムシャーの星斬丸による負傷だ。

 

『「お互い。もっと腕を研いてから再戦しよう」』

 

『・・・・・・・・・・・・』

 

ザムシャーはゆっくりと立ち上がると、突き刺さった星斬丸の折れた刀身を拾うと懐にしまい、刀は鞘に納めた。

 

『・・・・必ずや再戦をしよう。ウルトラマンジード』

 

『「ーーーーああ、ザムシャー」』

 

お互いに背中を向き合わせたまま、ウルトラマンジードは空へと飛び立ち、ザムシャーは光の輪に包まれると、その場から去っていった。

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