閃乱ジード   作:BREAKERZ

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遂に激突した理久と伏井出ケイ。二人の戦いの行く末は!?


大敗だぜ、ウルトラマンジード

ージードsideー

 

『シャッ!』

 

『(グワシッ)ゼットーン!』

 

ジードとペダニウムゼットンが組み合い、そのまま押し合うようにその場に留まる。足元のアスファルトは亀裂が凄まじい勢いで広がっていき、アスファルトが砕けたせいか建物が倒壊していく。

 

『ゼットーン!!』

 

『グゥゥゥッ!!』

 

体格の差か、ペダニウムゼットンがジードを押し出すが、ジードは一瞬飛鳥達に目を向けると、腰を落とし足の踏ん張りに力を込めて、ペダニウムゼットンを止めた。

 

 

 

 

 

ー飛鳥sideー

 

ーーーーうわぁぁぁぁぁぁぁっ!!

 

ーーーーきゃぁぁぁぁぁぁぁっ!!

 

「皆さん急いで! 急いで避難して!」

 

「コッチだ! 慌てるんじゃあないぞ!」

 

「皆さん押さないで下さい!」

 

「あっ! 怪我はありませんか!?ーーーー無事なら安心しました。早く避難を!」

 

「どうしましたの!? えっ、お母さんとハグレたんですの!?」

 

「見つけた! 我が連れてくる!」

 

「おい大丈夫か爺さん! 背中に乗りな! アタイが運んでやるよ!」

 

「アンタどないしたんや? え? 足を怪我した? 肩貸したるわ」

 

「泣くでない! 男の子じゃろ? グッと堪えて、生き残る事を考えるんじゃ!」

 

「皆無事かっ!?」

 

「あっ柳生に四季! スナイパー達は!?」

 

「ペガっちが『ダークゾーン』に放り込んだし!」

 

「春花さんどうしたの!?」

 

「雲雀! 美野里! ペガくん! 手を貸して! 妊婦さんよ!」

 

「ええっ!? 大変だぁ!」

 

『急いで避難させよう!』

 

ジードとペダニウムゼットンが押し合いをしている間、ジードの後方では、飛鳥達半蔵学院。焔達紅蓮隊。雪泉達月閃女学館が、悲鳴を上げて逃げようとしている民間人を誘導していた。

飛鳥と焔と雪泉が誘導し、斑鳩と詠と叢が転んだ子や迷子になった子を避難させ、葛城と日影と夜桜が怪我をした人達を手助けして避難させ、柳生と未来と四季も避難誘導に参加し、雲雀と春花と美野里とペガが妊婦さんを運んでいく。

その場はまさにーーーー紛争地帯のような光景だった。

 

 

 

 

 

ージードsideー

 

『「(ーーーーちっ。まだ派手な立ち回りをする訳にはいかないな)」』

 

ジードは後方の行われている避難誘導を気にするが、今はペダニウムゼットンを押える事に集中する。

 

『シェァっ!』

 

ジードは押し合いでペダニウムゼットンを押し出すと、すぐにペダニウムゼットンの頭を掴み、その後ろ首に肘鉄をたたきつける。

 

『ピギュギュ、ゼットーン!』

 

『ウワっ!』

 

が、ペダニウムゼットンは頭を上げると、ジードにストンピングで距離を空ける。

 

『ハっ! ハっ! ハっ! ハァっ!!』

 

すぐにジードが拳や膝蹴りで連続攻撃するが、ペダニウムゼットンはその巨体から想像できない機敏な動きでジードの攻撃を全て捌いていく。

 

『ゼットーン!』

 

『グゥアッ!』

 

ペダニウムゼットンが、ジードの左脇をその赤いカギ爪を付けた拳を突き立て、捻るように動かす。

 

『ウゥっ!!』

 

『「確かここでしたよねぇ? "ザムシャーなどと言う虫けら”に負わされた傷があるのはぁっ!」』

 

『ぐっ! ああああぁぁぁぁぁっ!!』

 

痛みに悶えるジードが引き剥がそうとするが、ペダニウムゼットンが脇腹に何度も拳を叩きつける。

 

『グァっ! ウッ! アッ! アァっ!!』

 

激痛で動きが緩慢になり、インナースペース内の理久の脇腹から、傷口が開き始めたのか、ジワリと血が衣服に広がり始める。

 

『ゼットォォォォォンッッ!!』

 

『ウワァァッ!!』

 

ペダニウムゼットンは裏拳のように腕を振るうと、ジードは吹き飛び、すぐ後ろにあったビルを巻き込んで倒れる。

 

 

 

ー飛鳥sideー

 

『っっ!』

 

巻き込んだビルの破片の幾つかが、飛鳥達のいる地点まで飛んでくる。

 

「はぁっ!」

 

「とりゃっ!」

 

「ふっ!」

 

飛鳥。焔。雪泉の三人はすぐに動き、二刀小太刀と六刀と扇子で、コンクリートの破片を破壊する。

他の皆も、それぞれの武器で破片を破壊した。

 

『くぅぅ・・・・っ! アッ!』

 

ジードに目を向けると、無事な飛鳥達がコクリと頷き、それが避難が完了した事を伝えた。

 

『(コクン)・・・・ハァっ!』

 

[ウルトラマンジード!! フォトンナイト!!]

 

『メッ!ーーーー『フォトンビームブレード』!』

 

ジードは姿を『フォトンナイト』に変えると、周囲に花弁が舞い散らせ、右腕から光の刃を伸ばし、さらにジードクロウを左手に持った。

 

『シュッ! ハッ! ヤッ!』

 

『グワシッ、ゼットーーン!』

 

ジードがビームブレードとジードクロウを振るい、ペダニウムゼットンもその両手のカギ爪を振るいジードの弱所になっている左脇腹を攻めようとするが、ジードは華麗な剣技と優雅な動きでその爪を弾いていく。

そんな攻防の最中、ペダニウムゼットンの内部の伏井出ケイが声を張り上げる。

 

『「ウルトラマンジード! ベリアル様に似たその姿を私に殴らせるのは不愉快だったぞ!」』

 

『「そんなの僕の知った事か!」』

 

『「お前は創られた『模造品』だっ!!」』

 

『グァァッ!!』

 

ペダニウムゼットンがジードの後方にテレポートすると、両手から赤いレーザー光線を発射し、ジードが武器を交差させて防ぐが、あまりの威力にビルを何本か巻き込んで倒れる。

ペダニウムゼットンがテレポートでジードに近づくと、その首を両手で掴んで立たせる。

 

『「ベリアル様の恩寵を受けるのはお前ではない! 私だ!! 私の方が優れている!! だからこそベリアル様は私に! "フュージョンライズできる力をお与えくださったのだ"!!」』

 

『ウワァっ!!』

 

掴んでいた腕を振り回し、ジードを投げ飛ばす。ジードは回転して地面に倒れる。

 

『クゥ!』

 

『グワワワ・・・・ゼットーン!』

 

ジードは武器を構えてペダニウムゼットンと横に移動すると、ペダニウムゼットンは眼前を遮るように立つ二本のビルを破壊しながら、ジードに迫り、カギ爪の腕で攻撃する。

 

『フッ! セヤッ!!』

 

しかし、ジードはビームブレードとジードクロウを駆使して、その腕を捌いていく。

だがーーーー。

 

『ゼットーン!』

 

『うおぉっ!!』

 

力を込めた拳の一撃でビームブレードが砕け、ジードクロウが弾き飛ばされてしまった。

 

『クッ!ーーーーハアァ!!』

 

『グワワワ!』

 

ペダニウムゼットンが体当たりを、ジードが全身のバネを使った回し蹴りを繰り出しぶつかるが、お互いに反動で後方に引く。

 

『グワワワ、ゼットーン!!』

 

ペダニウムゼットンが、両肩の角から赤い電撃を放ち、眼前に円状のエネルギーを生み出す。

 

『フッ!ーーーーハァァァァァァ・・・・!』

 

ジードも光線技の構えを取り、周囲に花弁が舞う。

 

『ゼットォォォォォォォォンン!!』

 

『『ナイトストリーム』!!』

 

ーーーービビビビビビビビビビビビ・・・・!!!

 

ジードの光線とペダニウムゼットンの電撃光線がぶつかり合い、それによってエネルギーが飛び散り、周囲に爆発を生み出していきながら、二体は円を描くように動く。

 

『「お前は自分が『救世主』か何かだと思っていたようだがそれは違うぞ! お前が存在しなければ街も蛇女子学園も破壊されずに済んだのだ!!」』

 

『「怪獣が出るのは、僕のせいだとでも言うのかこの元凶!」』

 

『「元凶はお前だ! 自分の存在が! 決意が! 如何に大勢を不幸にしているか自覚すると良い!! 今から証明してやろう!ーーーー全力でこい!!!」』

 

インナースペースにいる伏井出ケイの顔が、ペダニウムゼットンと重なる。

 

『ピギュゥゥゥ・・・ゼットォォォォンン!!!』

 

『「(ズキン!) ウグゥッーーーーオオオオオオオオオオオオオオオッッ!!!!」』

 

ペダニウムゼットンが電撃光線の出力を上げると、脇腹が痛み出し、ドクドクと血が流れ、出血で意識が朦朧となる理久も、歯を食いしばって光線のパワーを上げ、ジードと重なった。

 

ーーーービビビビビビビビビ・・・・ヒュゥゥンン、ドゴオオオオオオオオオオオオオオオオオンンンンっ!!!!

 

二つのパワーがぶつかり合い、二体や周囲を巻き込む程の大爆発を生んで、爆炎に呑まれた。

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

瓦礫の山と粉じんが舞い上がるその場に、衣服がボロボロになり、脇腹から血を流した理久が気を失って倒れていた。しかも傍らには、カプセルホルダーが倒れた拍子に開いたのか、『ウルトラカプセル』が何本かが落ちてしまっていた。

 

「ーーーーハァ、ハァ、ハァ、ハァ、ハァ、ハァ、ハァ、ハァ、ハァ・・・・!」

 

と、粉じんの中から、同じように衣服がボロボロになった伏井出ケイが、ヨロヨロになりながら、近づいてくると、落ちていたカプセルを拾うと、気を失っている理久を見下ろしながら嘲弄の笑みを浮かべた。

 

「ーーーーハハハハ、無様なものだな!!」

 

さらにカプセルを奪おうと、理久の右脇腹のカプセルホルダーに左手を伸ばしたーーーーその瞬間。

 

ーーーーガシッ! 

 

「なっ!? (バキッっ!!) ぐばぁッ!!?」

 

理久の左手が伏井出ケイの腕を掴み、グイッと引き寄せると、その横面に右手の拳を叩き込んだ。

 

「がぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」

 

伏井出ケイは地面を何度かバウンドすると、地面に落ちていた大きなコンクリートの瓦礫に叩きつけられた。

 

「ガハッ!・・・・あっ、あああああっ・・・・!! ごばぁっ!ーーーーき、貴様ぁ!!」

 

殴られた左側の頬の骨にヒビが入り、首の骨にもヒビが入った感覚があり、凄まじい激痛に襲われ、口の中を盛大に切ったのか血が溢れて吐き出す。

伏井出ケイが怨嗟と怒気に満ちた目を理久に向けると、そこには。

肌色から生気を失いそうになり、ボロボロの身体をユラリと起き上がらせ、最早死に体同然の身である筈なのに、僅かでもコチラに近づけば、命を奪うと言わんばかりの凄みを放つ理久の姿があった。

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

呼吸は小さく浅い。薄く開かれた目は焦点があっていない。今にも倒れそうであり、立っているのが不思議なくらいに状態である。先程の攻撃は本能のようなものであったのだろう。今なら簡単に命を奪える筈なのだ。

 

「っっっ!!!」

 

しかし、伏井出ケイは一瞬見えた。否、見えてしまった。理久のその姿が、その面影が。

 

ーーーーウェェェッ!!

 

ーーーーウルトラマンベリアルを彷彿させたのだ。

 

「ま、幻だ! き、貴様如きがっ! 『模造品』ふぜいがぁっ!! 惑わせるなああああああああああああっっ!!!」

 

伏井出ケイが先程見えた面影を幻影と決めつけて杖を持ち上げると、理久に突き刺そうと突進しようとする。

 

「これでエンドマークだぁぁぁぁっ!!!」

 

しかしーーーー。

 

ーーーーバシュバシュバシュバシュバシュバシュバシュバシュバシュバシュっっ!!

 

「っっ!」

 

足元に銃弾が放たれ、伏井出ケイは突進を止めた。

 

『りっくん!/理久(くん/さん/様)!!』

 

飛鳥達と焔達と雪泉達が理久を守るように立ち塞がった。

 

「ーーーーちぃっ・・・・!!」

 

多勢に無勢と思ったのか、忌々しげに顔を歪めると、粉じんに紛れて、伏井出ケイはその姿を消した。

 

「りっくん!」

 

伏井出ケイが姿を消すと、全員が理久に駆け寄る。無意識状態の理久はそのまま立ち往生し、動けずにいた。失血はいつの間にか収まっていたが、傷口は開いたままである。

 

「クソっ! 理久悪いが、カプセルを使うぜ!」

 

ーーーーフワッ!

 

葛城が『コスモスカプセル』を使って治療する。

そして気絶しながらも理久は、小さく口を動かした。

 

「・・・・ぼ・・・くの・・・・せい、なの、か・・・・」

 

『っ!』

 

その言葉に一同は、フォトンナイトとペダニウムゼットンの光線の撃ち合いでできたクレーターを見ながら、悲痛に顔を歪めるのであった。

 

 

 

 

ーゼロsideー

 

そしてその頃ウルトラマンゼロと霧夜先生は、〈AIB〉から貰った座標地点に到着した。

 

『そろそろ、目標地点だぞ』

 

『「さて、鬼が出るか、蛇が出るか・・・・」』

 

『ーーーー見ろ』

 

『「ん?」』

 

二人の視線の先には、宇宙空間に裂け目のような大きな『穴』が開いていた。

 

『「これは!?」』

 

『異空間への入り口だ。ストルム星人の波動は、ここに向かっていたらしい。ーーーー行くぞ!』

 

『「ああ!」』

 

ウルトラマンゼロは、『穴』へと突入した。

 

 

 

 

 

ー飛鳥sideー

 

そしてその夜。

飛鳥達が、気を失った理久を運んで基地に戻ると、理久がこんな状況を見越して予め用意していた『輸血パック』を取り出し、医療の知識がある春花が輸血を始めた。

理久の顔色から生気が戻り、レムが基地にあった『人工呼吸器』や『バイタル測定機』等による検査によりチェックによると、バイタルも安定していってるのを見て、とりあえずホッとする一同。

 

「ありがとう春花さん」

 

「ふぅ・・・・こういう時、自分が医者の家の人間である事が良かったと思うわ」

 

礼を言う飛鳥に、春花はやれやれと苦笑する。

そして次に、〈AIB〉にスナイパー達を引き渡しに行った斑鳩と詠と叢が戻ってくるが、まだ意識が戻らない理久を心配そうに見つめていた。

 

「まさか、理久くんが『人工生命体』だったなんて・・・・」

 

「しかも、ウルトラマンベリアルのコピーとして造られた、か」

 

「理久くん、大丈夫かな・・・・?」

 

「自分の今までが、あの伏井出ケイの手の平の上だと知らされたからな」

 

「キツいですわね」

 

「ウチだったら、自暴自棄になってるし・・・・」

 

斑鳩と柳生、美野里と焔、詠と四季がそう言うと、周りの皆も同じ気持ちなのか、何とも重い空気に包まれる。

 

『ーーーー報告です。天文台に手紙が届いています』

 

『手紙?』

 

突然のレムからの報告に、一同は首を傾げる。

 

『天文台地下基地宛となっています。何者かに、この施設の存在が察知されたようです』

 

少し怪しいのだが、飛鳥が焔と雪泉と共に手紙を取りに転送エレベーターに乗って地上に戻ると、天文台に置かれた一通の手紙を見つけ、手に取ると達筆で書かれた文字を見た。

 

「ーーーーえっ? この字って・・・・じっちゃん?」

 

それは飛鳥の祖父・半蔵の文字であり、飛鳥は目をパチクリさせた。

 

 

 

 

 

 

ー伏井出ケイsideー

 

伏井出ケイは『超光速思念体通信』の空間で、ベリアルに片膝を突いて頭を垂れるが、その表情には狼狽の色が濃く浮かんでいた。

そんな男に、ベリアルは冷淡な声を発する。

 

『お前には失望している』

 

「・・・・間もなくウルトラマンゼロがソチラへ。どうかその前にと! こうしてカプセルを!」

 

『"誰がそんな命令を出した?"』

 

「っ!」

 

伏井出ケイが弁解を言うが、ベリアルはそんな言葉に何の意味がないと言わんばかりに吐き捨てる。

 

『拠点を知られたのは、お前の失態だ。それに"私の息子"ならば、放っておいてもまだまだ多くのウルトラカプセルを回収してくれていただろう。それを待たず、独断で行動した挙句、お前が"私の息子"から回収してきたウルトラカプセルはーーーーたったの六個。"私の息子"が所有するウルトラカプセルの半分も回収できていなかったではないか』

 

「!!!!」

 

『そして、その無様に負傷した顔と惨めに汚れた衣服。それだけで、お前が"私の息子"にしてやられたのが良く分かる。ーーーーやはり"私の息子"の方がお前ごときよりも遥かに優れているようだ』

 

「〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!」

 

ベリアルが理久の事を『私の息子』と呟き称賛する度に、伏井出ケイの腸には、理久に対する言いようの無い憤怒と嫉妬と憎悪が満ち満ちていき、拳を握り締めすぎて血が流れ、歯を食いしばり、口の中の傷が開いたのか、口元から血がタラリと流れる。

しかし、ベリアルはそんな伏井出ケイの心境に気づいているのかいないのか、さらに冷酷な言葉を浴びせてくる。

 

『拠点を悟られた失敗。勝手な行動を取った失敗。“私の息子”から十分な数のウルトラカプセルを用意できなかった失敗ーーーー』 

 

ベリアルは次々と罪状を言うと、一拍置いて、

 

『万死に値する』 

 

判決を下した。

 

『ーーーーしかし、その罪を贖う機会を与えよう。命を捧げる『覚悟』はあるか?』

 

「ございます!」

 

伏井出ケイは縋るように言った。それを聞いてベリアルは、ほくそ笑んだように返す。

 

『ならば、ウルトラカプセルを自らに打ち、力を解き放て』

 

「わ、私の身体に? しかし!」

 

狼狽える伏井出ケイに、ベリアルが言葉を続ける。

 

『お前はストルム星人。体内の『位相反転器官』が、ウルトラカプセルのエネルギーを邪悪な物へ変質させるだろう』

 

「・・・・・・・・お望みであれば・・・・!」

 

そう言って、伏井出ケイは『超光速思念体通信』を切った。恐らくコレが、最後のチャンスであると、伏井出ケイには分かっていた。

 

『ウルトラマンゼロの方はーーーーコチラで遊んでやろう』

 

ベリアルは眼前に、大型のコピークリスタルを二つ。怪獣カプセルを二つ浮遊させてほくそ笑んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーワイワイ・・・・!

 

ーーーーガヤガヤ・・・・!

 

「・・・・・・・・!!」

 

ジードとペダニウムゼットンの戦いから翌日の昼前の街。

人々が行き交う大通りの真ん中に、伏井出ケイは佇み、六個のウルトラカプセルを握りしめた手を震わせる。

 

「(このカプセルの力を使いこなせれば、ベリアル様は私を、認めて下さる! あの『模造品』なんかよりも!!!)」

 

伏井出ケイは握り締めた六個のウルトラカプセルを自分の胸元に押し込むと、六個のカプセルは伏井出ケイの体内へと入っていった。

 

「うぅっ!! ぐぐっ!!・・・・がああぁっ!!」

 

体内に入れたカプセルのエネルギーに、伏井出ケイは身体を悶えさせると、髪などが乱れ、身体からエネルギーが迸り、顔を歪めていく。

 

「が、ああああああああああああああっ!!」

 

苦しみ悶えるその姿に、周りの人間達は何だ何だと視線を向けてくる。

 

「ぐぅううううううううううううううううううつっっ!!ーーーーベリアル様ぁぁぁぁぁぁぁぁっ!! ご覧くださいませぇぇぇぇぇぇっ!! 私の方がぁぁぁぁぁぁ! あんな『模造品』などよりもぉぉぉぉぉぉ! 優れておりますぅぅぅぅぅぅっ! ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああッッッ!!!!!」

 

伏井出ケイが雄叫びを上げると、大きく目を見開いた眼には、エネルギーが充満して真っ赤に光り、身体め真っ赤に発光して後、周囲に漆黒の暗黒のエネルギーが覆い尽くしそしてーーーー。

 

『うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!』

 

『きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!』

 

周囲の人達が逃げると、漆黒の暗黒のエネルギーに包まれた伏井出ケイの身体が膨張し、大きくなって肉の塊へと変貌していくと、その身体がーーーーペダニウムゼットンへと変貌した。

 

『ピギュルルル、ゼットォォォォンン!!』

 

ペダニウムゼットンを見て、人々は益々混乱し、逃げ惑っていく。

 

『ゼットォォォォォォォォンン!!』

 

ペダニウムゼットンは頭や肩の角から電撃光線を放ちながら、街を破壊していった。

 

 

 

 

 

 

 

ー理久sideー

 

ーーーーペダニウムゼットンが再び現れた。

奪われたカプセルは、『ウルトラマンカプセル』。『ベリアルカプセル』。『レオカプセル』。『ダイナカプセル』。『メビウスカプセル』。『ヒカリカプセル』の六つ。

最悪な事に、フュージョンライズに必要なカプセルが全て奪われてしまった。

理久は造られた『模造品』。フュージョンライズに必要なカプセルが無ければウルトラマンジードになれない。

基地の中で、飛鳥達はディスプレイに映し出された街の状況に目を見開かせ、未だ意識が戻らず眠った状態の理久は、

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

ペダニウムゼットンの猛威を知る事なく、眠り続けていた。




自分の正体を教えられ動揺し、負傷を抉られ失血多量で意識朦朧。さらに飛鳥達の避難を気にして本気になりきれなかった。
コレが理久の敗因です。




ー次回予告ー

僕は一体何者なんだ? 僕の運命は何処に向かえば良いんだ? 半蔵のお爺さんから送られた一通の手紙に導かれ、僕は自分を支えてくれるかけがえの無い『大切な物』を、そして『生命の価値』を知る事になる。 超えてみせるさ。この運命という大瀑布を! その先にある光を掴む為に!!

次回、『閃乱ジード』

【僕の名は】

守るぜ、希望!
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