閃乱ジード   作:BREAKERZ

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ウルトラマンに変身できない理巧が、どうやって切り抜けるか!?
今回、『ウルトラカプセル』のリトルスター能力のオリジナルを出します。後、理巧もリトルスター能力が使える設定です。


昇るぜ、運命の大瀑布!

ー半蔵sideー

 

「・・・・・・・・」

 

半蔵は、ペダニウムゼットンに向かって駆け出した理巧の背を見送ると、真っ直ぐ立ち上がり、その戦いを見据えていた。

 

『おじいさ〜ん!!』

 

「じっちゃ〜ん!!」

 

『半蔵様!!』

 

と、ソコで台車を引いてきたペガと、合流した飛鳥達半蔵学院、焔達紅蓮隊、雪泉月閃女学館が駆けつけてきた。

全員服装は少し土煙で汚れ、少しボロボロになっていて、怪我もし満身創痍である事が伺えた。

 

「おおっ飛鳥。皆も無事じゃったか」

 

「はい。ペダニウムゼットンからの攻撃の余波に巻き込まれましたが、全員無事、とはいきませんでしたけど」

 

雪泉がチラッと周りを見ると。

半蔵学院側は、飛鳥は身体の至る所に小さな怪我をしており、斑鳩が左腕に怪我を、葛城は右足を引いており、柳生は頭から少し血を垂らし、この中で負傷が殆ど無い雲雀は柳生に肩を貸している所を見ると、恐らく雲雀を庇って柳生が負傷したのだろう。

焔紅蓮隊側は、焔は隠しているが右肩を負傷した様子であり、詠も脇腹を抑えており、日影は左足に包帯が巻かれており、春花も右足を引いており、比較的無傷の未来はマトモに動けない日影と春花に手を貸している。

月閃女学館側も、叢はお面が割れたせいか素顔を隠して夜桜の後ろに隠れ、夜桜も脇腹を抑えており、四季と美野里はお互いに支え合いながら歩いてきていた。

 

「・・・・ふむ。全員満身創痍じゃな。雪泉の方も、アバラが数本ヒビが入っておるようじゃ」

 

「・・・・流石のご彗眼ですね。半蔵様」

 

雪泉が、尊敬する祖父・黒影のライバルである半蔵にソッと会釈した。

 

「皆無事で何よりじゃが、避難誘導はどうしたのじゃ?」

 

「ペダニウムゼットンの攻撃の後、他の場所で避難誘導をしていたAIBの隊員がやって来て、わたくし達にはペダニウムゼットンの進行先の住人の避難を任されました」

 

「そしたら飛鳥の実家がこの近くにあるって聞いて、急いで駆けつけて見たら、台車を引っ張っていたペガを見つけて状況を聞いてここに来たんだ」

 

斑鳩と焔がさらに詳しく説明し出すと、飛鳥が祖父に向かって声を張り上げた。

 

「それよりじっちゃん! 何で、何でりっくんがーーーーペダニウムゼットンと戦っているのっ!?」

 

と、ソコで飛鳥が指差した瞬間、理巧がペダニウムゼットンに拳を叩きつけた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ー理巧sideー

 

「レム。周囲の人達は?」 

 

《ーーーー避難は完了済みです。周囲一キロ圏内には、半蔵と飛鳥達のみです》

 

「よしーーーーティガ!」

 

ーーーーディヤッ!

 

周囲を気にせず戦えると判断した理巧は、カプセルホルダーから『ウルトラマンティガカプセル』を起動させると、理巧の身体が紫色の光に包まれると、空中を浮遊した。

『ウルトラマンティガカプセル』の固有能力『飛行能力』である。

 

『ゼットォオオンン!』

 

「ふっ! くっ!」

 

理巧はペダニウムゼットンの振り回される剛腕をヒラリヒラリと回避しながら、ザムシャーに付けられた傷を優しく撫でる。

 

「(傷の状態。伏井出ケイとの戦いで一時は開いたが、葛姐さんが治療をしてくれて塞いだようだな・・・・良し。問題ない)」

 

理巧が伏井出ケイに敗北したその日、残ったカプセルから葛城が治療を施してくれたのだ。

 

「(ーーーー今使えるコチラの手札は・・・・クナイ二本。手裏剣十数本。フュージョンライズができないが『ウルトラカプセル』がある。『リトルスター』の皆と同じ事ができるのは、実験済だ)」

 

そう。理巧もまた、『リトルスター』であった飛鳥達のように『ウルトラカプセル』の固有能力を使える。そしてその能力は全て頭に叩き込んである。

 

「(今持てる手札で、どうやってコイツを・・・・!)」

 

『ピギュルルル、ゼットォォォォォンン!!』

 

「っ!」

 

ペダニウムゼットンが電撃光線を放つと、理巧はすぐに旋回して回避する。

 

「ちっ!(思考を止めるな! 動くのを止めるな! レムからの情報! コイツの状態! 持てる手札! コレらからコイツを仕留める糸口を見つけろ!!)」

 

理巧はペダニウムゼットンをキッと見据えながら、思考を巡らせる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ー飛鳥sideー

 

「りっくん!(ピキッ!) あぁっ!!」

 

飛鳥が飛び出そうとするが、突然足首からの激痛に、膝を折ってしまった。

 

「くぅっーーーーあっ、じっちゃん」

 

痛みに悶える飛鳥の足を、半蔵が診る。

 

「・・・・・・・・未熟者め」

 

そう言って半蔵が飛鳥の靴下を脱がすと、右足首が赤黒く腫れ上がっていた。

 

「完全に骨折しておる。こんな状態では加勢にはならん。己の肉体を省みないやり方を霧夜は教えたのか?」

 

「で、でも・・・・!」

 

「大事な孫娘が無謀な突撃をするのを、儂に黙って見ていろと言うのか飛鳥よ?」

 

「っ!」

 

ジッと飛鳥の目を見つめる半蔵に、飛鳥は黙ってしまい、力を抜いて、申し訳なさそうに目を伏せる。

 

「・・・・ゴメン、じっちゃん」

 

「ーーーー何。理巧くんから、『コスモスカプセル』を預かっておる。葛城」

 

「はい!」

 

ヨロヨロになりながら、葛城が前に出る。

 

「重傷者の治療を最優先にするのじゃ。春花は全員の容態を細かく調べるのじゃ」

 

「「了解!」」

 

葛城と春花がすぐに動くと、一同はとりあえずその場に腰を落とし、ペダニウムゼットンと戦う理巧を見つめる。

 

「半蔵様。理巧くんは何故、ウルトラマンになれないのに、あんな戦いを?」

 

「ーーーー今彼は、『壁』に、否、『滝』に挑んでいるのじゃ」

 

「『滝』?」

 

雪泉の言葉に、半蔵は淡々と答える。

 

「人は生きていく上で道を歩む。その道には必ず『壁』があり、時にその『壁』は近づく者を阻み、逆に呑み込む『滝』に変貌する事がある。大抵の人間は登りきれず諦めるか、回り道を選ぶか、はたまた『退く勇気』を以て別の道を選ぶかは、その者次第じゃ。そして今、暁月理巧くんは、自身を阻む『大瀑布の滝』に挑んでおる。伏井出ケイと、そしてその『滝』のさらに向こう側にいるーーーーウルトラマンベリアルと言う『最大の大滝』にな」

 

「りっくんの、『最大の大滝』・・・・」

 

「儂を見届けてみたい。彼があの大滝に呑み込まれるのか、それともーーーー昇りきる事ができるのか、のう」

 

「ーーーーそれって、鯉の滝登り?」

 

飛鳥の言葉に、半蔵は笑みを浮かべる。

 

「鯉の滝登り、か。確かにそうじゃのう。因みにな。その言葉には、一つの逸話があるのじゃ」

 

その場にいる全員が耳を傾け、半蔵が言葉を続ける。

 

「ーーーー鯉はの、滝を登っていくと、大瀑布をかき分けていくに連れ、ヒレは段々と大きく鋭くなる。大瀑布の勢いにより、身体は長くしなやかになっていく。やがて鯉の頭の骨格め形を変え、角となって頭から飛び出る。そして大瀑布を超えたその時、鯉はその姿を変え、天を駆ける、となーーーー」

 

「鯉が、大瀑布の大滝を超えるーーーー」

 

「うむ。今まさに、暁月理巧くんは鯉じゃ。この大瀑布を超えられるかが、彼の分岐点となるじゃろう・・・・」

 

そして、全員が、ペダニウムゼットンと生身で戦う理巧へと視線を向けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ー理巧sideー

 

「ーーーーこれだ! これしかない!」

 

理巧はこれまでの情報から、『策』を思いつくと、ペダニウムゼットンのプラズマ光線を回避すると、次のカプセルを起動させた。

 

ーーーーシュワッ!

 

『ゾフィーカプセル』を起動させると、カプセルを握っていない手が放電していきーーーー。

 

「はあぁっ!!」

 

ーーーーバリバリバリバリバリバリバリ!!

 

『ピギュポポポポポポポポポポポ!?』

 

手のひらから黄色の電撃を放ち、ペダニウムゼットンに浴びせた。

 

「ーーーーはっ、デカくなっただけで、全然対した事無いな、伏井出ケイさん?」

 

『っっっ!!!??』

 

理巧はペダニウムゼットンに、否、その向こうにいる伏井出ケイに向けて、鼻で笑ったような声を発する。

それが聞こえたのか、ペダニウムゼットンが驚いたように身体を震わせるとーーーー。

 

『ゼットォオオオオオオオオオオオオンンッッ!!!』

 

ペダニウムゼットンを雄叫びを上げると、再びプラズマ光線を放つが、理巧は『セブンカプセル』を起動させた。

 

ーーーーダーッ!

 

シールドを展開させ、プラズマ光線を防ぐと、ペダニウムゼットンは剛腕を振るうのを見て、次に『アグルカプセル』と『ウルトラマンオーブ・エレニウムスラッガー』を起動させた。

 

ーーーーシャッ!

 

ーーーーシュワッ!

 

理巧の手に光の刃が伸び、刃を振るう度に、三つの光の斬撃が飛び出し、ペダニウムゼットンの顔を切りつけ、一瞬怯んだ隙に旋回しながら、ペダニウムゼットンの剛腕を回避しながら、その腕を回りながら切りつけた。

人間で言えば、カッターの刃でちょっと薄皮が切り裂かれた程度のダメージである。

 

「どうした? こんなちっぽけな存在に切られるなんて、本当に対した事がないな!」

 

『ピギュルルルル、ゼットォォォォン!!』

 

が、理巧がさらに挑発すると、ペダニウムゼットンはまたも怒りの咆哮を上げると、理巧への攻撃を激しくさせる。

が、理巧は『セブンカプセル』のシールドで攻撃を受け流しながら再び急接近し、『アストラカプセル』を起動させる。

 

ーーーーヤー!

 

すると自分の腕に炎を纏わせると、渾身の力を込めた左の拳をペダニウムゼットンの顔面へと叩きつけた。

 

『ゼットォォォォォォォンンっっ!!!』

 

ヨロヨロになりながら後退りをするペダニウムゼットン。

 

「((ビキッ!)ーーーーぐぅうっ! 腕がぶっ壊れそうだ・・・・! 右腕もさっきの一発が限界か! これ以上拳打での攻撃は腕が壊れる・・・・!)」

 

理巧の渾身の一発。常人ならば一撃で顔面が潰れ、百メートル以上は吹っ飛ぶ一撃を浴びせているが、ペダニウムゼットンには決定打にならないようだ。

 

「(ーーーー駄目か! 首を殴り飛ばす処か、地平線の彼方までぶっ飛ばすつもりで殴っているのに! だが、まだだ! もっとヤツを苛立たせろ! 不快にさせろ! ストレスを与え続けろ!)・・・・こんな僕に二回も殴られるなんて、もしかして対した事がない陳腐なのはアンタじゃなくてーーーー“ベリアルの力なのかなぁ”?」

 

『ピギュルルルルルルル、ゼットォォォォォォォォォォンンっ!!!』

 

理巧の言葉で、ペダニウムゼットン、否、伏井出ケイは「貴様ァァァァァァァァァっ!!」と、さらに怒り狂ったように叫びを上げた。

 

 

 

 

 

ー飛鳥sideー

 

「な、なんか、ペダニウムゼットンがスッゴく怒っているように見えるんだけど・・・・」

 

「どうやら理巧の奴、伏井出ケイを挑発しているようだぞ」

 

「えっ!? 焔ちゃん聴こえるのっ!?」

 

「な訳ないだろう」

 

「唇の動きを読むんですよ」

 

飛鳥がペダニウムゼットンの様子を訝しそうに見ていると、焔がそう答え、飛鳥が驚くが、焔は呆れ、雪泉がアドバイスをした。周りを見ると、雲雀や美野里以外は、理巧の言っている言葉が分かるようであった。

 

「でも、りっくんはどうして挑発なんか・・・・」

 

「何か狙いがあるのじゃろう」

 

半蔵は理巧が逆転の一手を考えている事を察したように口を開いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

ー理巧sideー

 

「ふっ・・・・!」

 

理巧は一瞬飛鳥達のいる方を一瞥してから、唯一残っていた高いビルの屋上に着地してから、ペダニウムゼットンに向かって手招きをする。

 

「ほら。アンタと遊ぶのもそろそろ飽きてきたんだ。ケリを付けようじゃないのさ」

 

『ピギュルルルルルルルルルルル・・・・!』

 

ペダニウムゼットンは力を込めると、両腕から火球を生み出し、『ペダニウム・メテオ』を放つ構えを取った。

 

「っ!」

 

それを見た瞬間、理巧は逃げようとしなかった。屋上の床にしっかりと両足を踏みしめ、腰を弱冠落とし、いつでも迎撃できる姿勢を取った。

 

「(来た! アレを受ければ僕は確実に死ぬ!ーーーーだが、これを待っていた! ウルトラマンに変身できない今の僕が、融合獣に勝てる方法は、これしかない!)」

 

久しぶりに理巧は、『死の気配』を感じた。かつて精神が摩耗する前に毎日のように感じていた感覚。だが、今理巧の心は自分でも驚く程に冷静だった。

これからやろうとする事は、試みた事がないぶっつけ本番のやり方。正直成功するか分からない。しかし、『ウルトラカプセル』のエネルギーは無限ではない上に、攻撃の決定打にならない。自分の身体も融合獣を相手にするには限界が近い。長引けば飛鳥達が加勢に来て危険が及ぶ。最早コレしか方法がない。

ならば、理巧は迷わずこの方法を選んだ。

 

『ーーーーーーーーーー!!』

 

今まさに『ペダニウム・メテオ』を放とうとするペダニウムゼットンを真っ直ぐに見据える理巧の身体に、理巧自身も気づいていないが、飛鳥達のようにチャクラが、七色の光となって理巧の身体を包む。

 

 

 

 

 

 

 

ー飛鳥sideー

 

『理巧! どうして逃げないのっ!?』

 

「りっくん!」

 

「アイツ!」

 

「あいや待たれい」

 

「「はぐっ!?(ゴキッ!)」」

 

飛び出そうとする飛鳥と焔のポニーテールを握る半蔵。勢い付いた二人は首が上を向き、嫌な音が響きながら止まった。

 

「は、半蔵様! 理巧くんが・・・・!」

 

「あの馬鹿、何をするつもりだ!?」

 

雪泉と葛城が声を張り上げる。他の皆も、今にも理巧の元に飛び出しそうな雰囲気であった。

 

「・・・・落ち着くのじゃ皆よ。アレは『死にに行く者の目』ではない。アレはーーーー『覚悟を決めた者の目』じゃよ」

 

半蔵はそう言うが、飛鳥は通信機で理巧に連絡をする。

 

「りっくん! りっくん! 聴こえる!? 何をしてるの!? 早く逃げて!!」

 

飛鳥がそう叫ぶと、遠くにいる理巧がコチラを振り向き、心配しないで、と言いたげな優しい笑みを浮かべ、唇を動かすと、通信機に理巧の落ち着いた声が響く。

 

《ーーーーあーちゃん。大丈夫だよ。僕を信じて》

 

そう言った理巧の燃えるような緋色の瞳には、いつものような光と闇が混合した不思議な輝きの他に、『強い意志』を宿していた。

 

『・・・・・・・・・・・・・・・・』

 

その目を見た瞬間、飛鳥は、否、半蔵以外の他の皆も、理巧の元に行こうとした足から力が抜けたのを飛鳥は何となく感じた。何故ならーーーー自分もそうだから。

 

 

 

 

 

 

ー理巧sideー

 

理巧を見るペダニウムゼットン、否、その奥に伏井出ケイを見据えながら、理巧はこれまでのヤツの違和感のある破壊活動の『違和感』を並べていく。

 

「(ーーーーヤツは無駄な動きをしないタイプだ。僕から奪った『ウルトラカプセル』を取り込んだ事で強大なエネルギーを得ているようだが、何故そんな事をした? さらに不要な街への攻撃と破壊、自分の攻撃で気を失った事から推察するにーーーーヤツは今、“自分の力に暴走している”)」

 

理巧の攻撃にも、力任せに光線や豪腕を振るって迎撃している所を見ると、ヤツはただ遮二無二に力を振り回しているだけのようである。そう予想した理巧は、この『策』に出たのだ。

 

『ーーーーゼットォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオンンッッ!!!』

 

と、理巧の思考をかき消すように、ペダニウムゼットンが雄叫びを上げると同時に、『ペダニウム・メテオ』を放った。

 

 

 

 

 

ー半蔵sideー

 

「放たれたっ!?」

 

「今まで一番デカい!」

 

「ここに来て最大出力で!?」

 

「散々挑発されましたから!」

 

「怒りをパワーにしているの!?」

 

『理巧!』

 

「さぁ、暁月理巧くんどうする!?」

 

飛鳥と焔と雪泉、斑鳩と春花とペガが声を張り上げると、半蔵は理巧を真っ直ぐ見据えた。

 

 

 

 

 

ー理巧sideー

 

「(ここだ!!) ゼロォォォォォっ!!」

 

ーーーーセリャッ!

 

手に持った『ゼロカプセル』を起動させ、前に突き出したた理巧が、迫り来る『ペダニウム・メテオ』に向かってーーーー“巨大なワームホールを展開させた”。

全てを焼き払う超超高熱の火球は、そのワームホールに呑み込まれる。

 

 

 

 

 

 

ー半蔵sideー

 

『ワームホールっ!?』

 

「ゼロさんのカプセルの能力だっ!」

 

「しかし、アレでどうやって!?」

 

「ーーーーむっ! 融合獣の後ろじゃっ!!」

 

半蔵の言葉に反応して、全員がペダニウムゼットンの後ろを見やると。

何と、巨大ワームホールが展開され、その奥からーーーー『ペダニウム・メテオ』が飛んできた。

 

ーーーードガァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!

 

『ゼッドォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオンンンッッ!!?』

 

ペダニウムゼットンは技の威力に吹き飛びそうなっていたが、突如無防備な後ろからの衝撃に、理巧のいるビルへと吹き飛んでいった。

 

 

 

 

 

ー理巧sideー

 

「くっ! ゼロ!」

 

ーーーーセリャッ!

 

理巧はワームホールを展開して中に飛び込むと、出た先の地面を転がる。

 

『理巧(くん/様)!!』

 

「皆!」

 

ーーーーグシャァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアンンッ!!

 

理巧が飛鳥達の声に返答するのと同時に、ペダニウムゼットンが盛大に倒れ、その拍子に土煙が理巧達に襲い来る。

 

「っ! 皆! 僕に集まって!!」

 

理巧がそう叫ぶと、全員が理巧に集まる。すると理巧は、『セブンカプセル』を起動し、バリアを張った。

 

ーーーーダーッ!

 

バリアが展開されると同時に、土煙が理巧達を呑み込んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

煙が晴れるのと同時に、理巧がバリアを解除すると、ペダニウムゼットンが倒れたままであった。

 

「・・・・・・・・」

 

「りっくん!」

 

「ん?」

 

「凄いよ! 融合獣をやっつけちゃうなんて!」

 

「わざわざ挑発したのは、ヤツが最大出力の攻撃をさせる為の布石だったのか!」

 

「その攻撃を空間跳躍を応用して敵に返すだなんて、良く思いつきましたね」

 

飛鳥と焔と雪泉が称賛し、周りの皆も喜色に顔を染める。

しかし、理巧と半蔵は鋭い視線をペダニウムゼットンに向けたままであった。

 

『どうしたの?』

 

「まだだ・・・・」

 

『えっ?』

 

「まだだ!」

 

ーーーードシャアアアアアアアアアアアアアアンン!!

 

『ピギュルルルルルル、ゼットーーーーンっ!!』

 

理巧が叫ぶと、瓦礫を押し退けながらペダニウムゼットンが起き上がり、理巧達に向けて鉤爪の豪腕を振り下ろそうとしていた。

 

「くっ・・・・(駄目、か・・・・だが!)」

 

理巧は諦めそうになったが、それでも前に出て、ペダニウムゼットンに立ち向かおうとする。

が、その際に、飛鳥達と焔達と雪泉達が、理巧の周りに集まり、武器を構えた。

 

「皆、何してるんだ!?」

 

「何してる、ではありませんわ!」

 

「折角なんだから参加させろ」

 

「オレ達もヤツには借りがある」

 

「雲雀達も戦うもん!」

 

「理巧さん一人に戦わせませんわ!」

 

「儂らもウズウズしとるんや」

 

「理巧だけ良いカッコさせないわよ」

 

「医学知識があるものとして、少し休憩よ理巧様♥」

 

「ビニール袋を見つけました! これで我も戦えます!」

 

「相手は強敵じゃ! 気合を入れて行くぞ!」

 

「りょー。マジテンアゲで行くっしょ!」

 

「美野里達が、理巧くんを守るよ!」

 

斑鳩が。葛城が。柳生が。雲雀が。詠が。日影が。未来が。春花が。叢が。夜桜が。四季が。美野里が。理巧と共に戦おうとしていた。

 

「皆・・・・」

 

「理巧くんが皆を守る為に戦ってくれるように」

 

「私達も戦えるさ。守られるだけの女の子じゃないんでな」

 

「りっくん。りっくんは一人じゃない。私達がついているからね」

 

「・・・・・・・・」

 

理巧はその緋色の瞳に、薄っすらと涙を浮かべた。

 

『ピギュポポポポポポポポポポ!!』

 

ペダニウムゼットンが腕を振り下ろしたその瞬間、理巧は自分の身体から湧き上がってくる力を感じ、心に語りかけてくる声を感じ、両手をヘダニウムゼットンに向けて、浮かんでくる言葉を叫んだ。

 

 

 

「ーーーー『秘伝忍法 昇龍・天翔閃覇‹ショウリュウ・テンショウセンハ›』!!」

 

 

 

と、理巧が叫ぶと同時に、葛城の龍以上の巨体に翼を広げた龍の姿形をした気功波が、昇天するように飛び出し、ペダニウムゼットンの腕どころか、身体を薙ぎ払い、そのまま地面に倒した。

 

『ゼットオオオオオオオオオオオオンン!!』

 

再び倒れたペダニウムゼットンよりも、飛鳥達は、『秘伝忍法』を使った理巧に目を見開いた。

 

『理巧が・・・・『秘伝忍法』を使ったぁっ!!』

 

「ーーーー逆境の滝を遂に昇りきったのぉ・・・・よぉし! 今まさに! 鯉が滝を上りきり! 『天翔ける龍』へと成ったぞぉ!!」

 

ペガと半蔵が声高らかに叫んだ。




『ウルトラマンティガ』:飛行能力
『アストラカプセル』:拳や足に炎を纏う。
『ウルトラマンオーブ・エメニウムスラッガー』:三つの斬撃を飛ばす。
『秘伝忍法 昇龍・天翔閃覇‹ショウリュウ・テンショウセンハ›』:オーラを纏った翼付きの龍の気功波をを放つ技。イメージとしてはドラゴンボールの『龍拳』。理巧にはまだ他にもあります。

次回、希望を守るフュージョンライズが登場。
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