ー理巧sideー
そして翌日。
理巧の基地に、飛鳥達と焔達と雪泉達といつものメンバーが集まっていた。
「ふぁぁ〜・・・・皆おはよう」
『おはよう(ございます/はよー♪)!』
と、朝のニュースを見ていた忍達に、今起きてきた理巧がやって来た。
「りっくんが寝坊なんて珍しいね」
「いつもなら、わたくしと同じくらいの時間に起きて鍛錬をしているのに」
飛鳥と斑鳩がそう言うと、ペガが声を発する。
『理巧。大丈夫? 昨日の夜、結構うなされてた』
「ーーーーあぁ、そう言えば、なんか夢を見たような気が・・・・」
「夢、ですか?」
「どんなだ?」
雪泉と焔が問うと、理巧は思い出すように口を開く。
「覚えていないけど・・・・『誰』かに会ったような気がする。良く知っている筈の人なんだけど・・・・」
「良く、知ってる人・・・・」
理巧の言葉に、飛鳥も、他の皆も首を傾げた。
ークルトsideー
そして、クルトは〈AIB〉の本部にて、空中キーボードを操作しながら、空中ディスプレイに映し出された図面を見ていた。
ーーーーブー!
すると、図面から警告音が鳴った。それは、アクセス拒否の音である。
「っ!」
クルトはそれを険しい顔で睨むと、再びアクセスしようとする。
「・・・・カム・タタール・シャドー」
その言葉を口を動かさずに呟きながら、キーボードに入力する。
ーーーーブー!
しかし、またも警告音が鳴っただけであった。
「・・・・・・・・・・・・」
クルトは考えを巡らせるように思案すると、再度アクセスした。
「ガブラ・カーノ・・・・」
ーーーーフゥーン!
アクセスが出来て、図面が、否、保管庫の扉が開いた。
クルトがその扉に左手を伸ばし、腕を通過させると、ディスプレイから出た扉がリング状になり、クルトの左手に、中央に宝石を付けたフィンガーブレスレットのような道具が装備された。
「・・・・・・・・・・・・」
クルトはそれをあらゆる角度からマジマジと見ているとーーーー。
「ーーーー何をしている? クルト?」
背後から声が聞こえ振り向くと、鋭い視線を自分に向けている鷹丸がいた。
「それは確か、『異次元』に封印されている怪獣を操る為のコントロール装置だよな? それをどうするつもりだ?」
「・・・・・・・・・・・・っ!」
「っ!」
クルトは右手の袖口から小さな光線銃を取り出して、鷹丸に向けて撃つが、鷹丸は寸前で回避する。
その隙に、クルトはキーボードを操作し、転送装置で外に出た。
「待てクルトっ!!!」
鷹丸が声を張り上げたが、クルトは応えず、本部から姿を消した。
◇
転送装置でビルの屋上に出たクルトは、コントロール装置を嵌めた左手を握り締める。
「カム・タタール・シャドー」
クルトがそう呟くと、宝石部分が光り出し、遠くで青い稲妻が迸った。
そして、クルトのいる場所から遠く離れた湾岸にて、海に大きな黒い『次元の穴』が開き、そこから水柱を上がると、白い霧が巻き起こり、街に広がっていった。あたかも、ドライアイスの蒸気が広がるように。
すると、その白い霧の中を魚のヒレのようなものがゆっくりと通過し、巨大な尻尾が出てくる。
「栄光への道は再び拓かれた!」
クルトがそう言うと、白い霧の中から、巨大な生物が飛び出してきた。
「『時空破壊神 ゼガン』!!」
地上に着地したソレは、シャチや甲殻類などの水生生物が融合したような姿をしており、両手はカニやエビのようにハサミとなり、長い尻尾はクジラのようで、胸にはウルトラマンのカラータイマーのような結晶体があり、背中には魚の鰭のような形状の翼を持った怪獣『時空破壊神 ゼガン』であった。
『キュァァァァァァァァァァァッ!!』
ー理巧sideー
『怪獣の出現を確認。モニターに映します』
レムからの報告の後、すぐにメインモニターにゼガンのスカートが表示された。
「なんなんあれ?」
「海洋生物がゴッチャになったみたいな姿ね」
ゼガンの姿に、四季と春花がそう言った。
「レム。あの怪獣は一体何処から?」
『怪獣は、『異次元ゲート』から出現した様です。周辺に『リトルスター』の反応もありません。ベリアル融合獣とも違ったエネルギー反応です』
葛城の言葉に、レムはメインモニターの横に、ゼガンの解析表が映し出して答える。
「『リトルスター』目的でも、融合獣でもないんだ」
「ーーーーん? って事は」
飛鳥と焔が理巧に目を向けると、ソファに寝転がってダラケている理巧がいた。
「理巧くん何してるんですか!? 怪獣が現れたのですよ!」
「えぇ〜・・・・でもさ、相手はベリアルとも関係無さそうだし、おじさんとゼロに任せておいてもいいんじゃない?」
「また気まぐれのサボり癖を!」
雪泉と夜桜がダラケる理巧を動かそうとした。
ークルトsideー
「・・・・・・・・っ」
クルトがゼガンに指示を出そうとした瞬間、背後の気配を感じて振り返ってみるとソコにはーーーー拘束し軟禁していた筈のゼナがいた。
『ゼナ!? どうして!?』
『詰めが甘いな。最後まで油断するなと教えた筈だぞ』
軟禁していた奴らを倒して脱出したのだ。
『・・・・ゼナァァァァァァァ!!』
『っ!』
クルトが声を張り上げるとゼナに向かって拳を振り上げる。ゼナもそれに応戦し、二人は格闘戦を繰り広げる。
クルトがタックルし、ゼナを屋上から突き落とそうとするが、ゼナはクルトを投げる。クルトは受け身をとって構える。
『『・・・・・・・・』』
二人が睨み合いをすると。
「ゼナ!」
屋上に鷹丸がやって来た。
「ーーーーどういう事なんだよ、ゼナ?」
問いかける鷹丸を一瞥してから、クルトは声を発する。
『ーーーー流石です。それ程の力を持っていながら、何故あなたは戦いを捨てたのですか!?』
「クルト・・・・!」
『・・・・・・・』
鷹丸が声をかけると、クルトはニッコリと笑みを浮かべる。
「・・・・無駄だクルト。お前のその笑顔、俺にはどうも『仮面』のようにしか見えない。だから、俺はお前を不審に思って、監視していたんだ」
『・・・・そうですか』
鷹丸が目を鋭くして言うと、クルトの顔から笑顔が消えた。
『表情変える為の特別な訓練も、通じない相手がいたようだな。敵地に潜入し、侵略する為の『偽りの笑顔』はな』
「ゼナ。聞きたい事はいっぱいあるが、彼は一体何者だ?」
『・・・・シャドー星の戦士クルト。私のーーーー“最後の教え子だ”』
ゼナがそう説明すると、鷹丸は目を更に鋭くすると、クルトは険しい顔で声を発する。
『あなたがやらないのなら私が戦う。シャドー星の栄光を取り戻す為に!』
『やめろ!』
そう言うとクルトは、ゼガンのコントロール装置を起動させる。ゼナと鷹丸が止めようとするが、コントロール装置から青いスパークが迸り、クルトの身体を包むと、クルトは青い球体となって、ゼガンの胸の結晶体に入っていった。
「クルト!」
結晶体の中のクルトは、全身からスパークを発生させ結晶体を満たすと、ゼガンの身体にエネルギーが迸り、動き出した。
『キュァァァァァァ!!』
そして、ゼガンはゼナと鷹丸がいるビルに背を向け、街を破壊していく。
ハサミでビルを引っ掻き、長い尻尾でアスファルトを砕き、両手のハサミから発する赤い稲妻の光線で街を蹂躙していく。
ー理巧sideー
「もう〜! りっくん! 行かなくちゃ駄目だよ!」
「いや〜分かってるんだよ。面倒な事が起こってるって事は。でもさ、なぁ〜んかモチベーションが上がらないって言うか。身体が動きたがらないって言うか」
「漫画の原稿の執筆作業の遅れを言い訳する漫画家か?」
《ーーーー理巧いる!?》
「(ピクッ)ーーーーナリカさん?」
ゼガンが動き出すほんの数分前、やる気を起こさずソファで寝ていた理巧を引きずって行こうとした一同に、ナリカからの通信が入り理巧が即座に反応する。
《今回の怪獣、ウチの組織で管理していたヤツが、潜入していたヤツに使われているみたいなの!》
《理巧。ソイツは鷹丸と昨日までコンビを組んでいたヤツだ。ゼナではないぞ》
「(ピクピクッ)ーーーーなんですと?」
《ーーーー理巧くん。行ってくれますか?》
スバル、ハルカまで加わって説得する。
「それがりっくんが「何をしているんだ皆!」ーーーーえっ?」
飛鳥がため息交じりに愚痴を言いそうになると、いつの間にか転送エレベーターに入った理巧が声を張り上げていた。
「すぐにあの怪獣をなんとかするぞ! グズグズしている暇はない!」
『ーーーーだぁぁっ!!』
数秒前とあまりにもテンションが違う理巧に、思わずずっこける一同。
『ーーーーもう! 鷹丸さんとハルカさん達の言う事だとやる気出すんだから!』
ペガが呆れ交じりそう言った。
◇
「ジーッとしてても、ドーにもならない!」
飛鳥達に避難誘導を任せ、ゼガンの近くに来た理巧はジードライザーを構えると、カプセルホルダーからウルトラマンのカプセルを取り出し、スイッチを押して起動させる。
「融合!」
ーーーーシャアッ!
カプセルから青い光の線が幾つもの放たれ、ウルトラマンの姿が現れ、カプセルを装填ナックルにいれる。
「アイ・ゴー!」
すぐにベリアルのカプセルを取り出し起動させ、ベリアルの姿が出現した。
ーーーーウエェェッ!
『ベリアルカプセル』をナックルに装填し、ジードライザーのスイッチを押して起動させた。
「ヒア・ウィー・ゴー!!」
装填したナックルを取り外し、ジードライザーにスキャンさせる。
ーーーードクンッ! ドクンッ!
ジードライザーの中央のカプセルに、青と紫の光が交差するように交わる。
[フュージョンライズ!]
「決めるぜ、覚悟!! ハァアアアっ!」
理巧はジードライザーを掲げて胸の前でスイッチを押した。
「ハァッ! ジイィーーーーード!!」
ライザーのカプセルが回転し赤く輝き、理巧の身体が青く輝く。
[ウルトラマン! ウルトラマンベリアル! ウルトラマンジード!! プリミティブ!!]
ウルトラマンとベリアルの姿が重なり合い、理巧は2人のウルトラマンの姿を合わさり、ウルトラマンジードとなり、ゼガンの前に立つ。
『シャァッ!!ーーーーハァ!』
ー鷹丸sideー
「っ! ジード!」
鷹丸とゼナも、ジードが現れたのを確認した。
ージードsideー
『『邪魔をするな!』』
ゼガンの中にいるクルトが、ジードを睨む。
『ハァッ!!』
ジードは構えてゼガンに拳や蹴りを繰り出すが、甲殻類のような鎧に阻まれ、逆にゼガンのハサミに首を掴まれ、蹴りを入れられ、後ろに倒れる。
『うぁっ!』
『キュァァァ!』
ゼガンが倒れた理巧に稲妻を浴びせる。
『うぅっ!! ぐぁっ!!』
ー霧夜先生sideー
そしてここに、ゼガンの登場で駆けつけた霧夜先生。
「ハァ!」
ウルトラゼロアイNEOを装着し、ウルトラマンゼロへと変身した。
『セャッ!』
ゼロはゼロスラッガーを放ち、ゼガンの稲妻光線を切り裂きながら、ゼガンの身体を切り、稲妻光線を止めた。
『キュァァァ!!』
スラッガーを戻したゼロも構える。
『俺はゼロ。ウルトラマンゼロだ!』
ージードsideー
『キュァァァ!!』
『うっ!』
稲妻光線が終わり、ジードが頭を振りながら立ち上がる。
『おいおい。早くもグロッキーか?』
『「ちょっと夢見が悪くて寝不足だったんだ。今の攻撃で、漸く頭がシャキッとしてきた所だよ」』
等と軽口を叩き合う二人。
『『消えろ!』』
クルトが叫ぶと、ゼガンのエイのように横に広がる頭部の角が発光し、さらに胸の結晶体からエネルギーが収束されると、青い破壊光線『ゼガントビーム』が放たれた。
『フッ!』
『ウォっ!』
ジードとゼロが回避すると、破壊光線はビルに着弾すると大爆発が起こった。
ーーーーズガァァァァァァンンーーーーキュォォォォ・・・・。
が、それで終わらず、爆風がブラックホールのような空間へと変化し、周囲の物体を吸引して消えてしまった。
ー飛鳥sideー
その光景は、避難誘導していた飛鳥達にも見えていた。
「何あれ!?」
驚く飛鳥達の右耳に付けたインカムから、レムの声が響く。
《物質を異次元へと転送してしまうようです》
ージードsideー
『「やっぱり面倒くさい怪獣だったか・・・・」』
ジードが転送されたビルを一瞥してから、ゼガンに目を向けるとーーーー。
『キュァァァァァァ!!』
ゼガンが再び『ゼガントビーム』を放った。
『ハッ!』
が、ジードはすぐに上空に飛んで回避する。
『ゼガントビーム』はそのまま地面を一直線に焼き、爆発を起こすと、またブラックホールが広がり、上空にいたジードが吸い寄せられる。
『グゥゥゥ・・・・ウァッ!?』
何とか離脱しようとしたジードだが、吸い込まれそうになった。
しかし、ゼロが飛んで救出した。
『「ありがとうゼロ!」』
『あっぶねぇ。もう少しで異次元送りだったぜ!』
が、ゼガンがゼロに向けて『ゼガントビーム』を放つ。
『っ! セッ!』
しかし、ゼロは飛んで回避した。
『「異次元攻撃か・・・・ならば、このフュージョンライズだ!」』
理巧は『ウルトラマンダイナカプセル』を取り出して起動させた。
『「融合!」』
ーーーーシュァッ!
カプセルから水色の光の線が幾つもの放たれ、『ウルトラマンダイナ』の姿が現れ、カプセルを装填ナックルにいれる。
『「アイ・ゴー!」』
カプセルホルダーから『コスモスカプセル』を持って起動させると、白い光の線が幾つもはなたれ、『ウルトラマンコスモス』の姿が出現した。
ーーーーフワッ!
『ウルトラマンコスモスカプセル』をナックルに装填し、ジードライザーのスイッチを押して起動させた。
『「ヒア・ウィー・ゴー!!」』
装填したナックルを取り外し、ジードライザーにスキャンさせる。
ーーーードクンッ! ドクンッ!
ジードライザーの中央のカプセルに、水色と白の光が交差するように交わる。
[フュージョンライズ!]
『「進むぜ、彼方! ハァアアア・・・・っ!」』
理巧はジードライザーを掲げて胸の前でスイッチを押した。
『「ハァッ! ジイィーーーーード!!」』
ライザーのカプセルが回転し赤く輝き、理巧の身体が青く輝く。
[ウルトラマンダイナ! ウルトラマンコスモス! ウルトラマンジード!! マイティトレッカー!!]
『ショワァッ!』
ウルトラマンダイナとウルトラマンコスモスの姿が合わさり、『ウルトラマンジード マイティトレッカー』となった。
『「異次元攻撃には、異空間攻撃だ!」』
マイティトレッカーは両腕は舞うように動かしエネルギーを収束させ、敵を異空間に飛ばす灼熱の波動光線を放った。
『ハァァァァァァ・・・・! 『フレイムコンプレッションウェーブ』!!』
『キュァァァァァァ!!』
青い『ゼガントビーム』と赤い『フレイムコンプレッションウェーブ』がぶつかり合う。
『『ハァァァァァァ!!』』
『「おぉぉぉぉぉぉ!!」』
クルトと理巧が吼えると、二つの光線が混じり合い、紫色の光が上空に二つに捻れながら上がると、異空間ゲートを開いた。
ーゼナsideー
「何っ!?」
『いかん!』
その光景を見ていた鷹丸は目を見開き、ゼナが焦った声を上げる。
ー飛鳥sideー
「レム! どうなってるの!?」
《ーーーー二つの強大なエネルギーが干渉し合い、制御不能になっています》
《『このままじゃ、街が異空間に呑み込まれる!》
「なんだとっ!?」
「理巧くん! 今すぐ止めて下さい!」
焔が驚き、雪泉が止めるように声を張り上げるが。
《ーーーーだ、駄目だ! 止められない!!》
「そんな!」
「あっ! ゼロさん!」
美野里と雲雀が声を上げると、ゼロが降りてきた。
ーゼロsideー
『霧夜。一か八か、荒っぽいやり方をさせてもらうぜ! 異次元を抑えるなら、コイツだ!』
ーーーーフッ!
ゼロが言うと、霧夜先生は『ルナミラクルゼロカプセル』を取り出し、装填ナックルに入れてライザーで読み込む。
[ルナミラクルゼロ!]
『ハァ!』
ライザーで読み込むと、インナースペースを青い粒子が包み込むと、ゼロの姿が、神秘的な青に変わった。
『ーーーーブラックホールが吹き荒れてるぜ!』
ルナミラクルゼロとなると、両手にエネルギーを集中させ、二人の光線の衝突地点に、ルナミラクルゼロが割り込む。
『「ハァァァァァァ・・・・!」』
『「ゼロ! おじさん!」』
マイティトレッカーが声を上げるが、ルナミラクルゼロの手から放たれる光が障壁となり、二つエネルギーを防いだ。
『ハァァァァァァァァァァァァ!!』
ぶつかり合いを止まった事で、異次元ゲートの拡大が止まった。
『ハァァァァァァ、ダァ!!』
ルナミラクルゼロが二つのエネルギーを包み込み、ゼガンとマイティトレッカーに跳ね返す。
『うわぁ!!』
『『ぐぁぁ!!』』
マイティトレッカーは後ろに倒れ、ゼガンはクルト諸とも、後方に異次元ゲートを作って姿を消した。
ー鷹丸sideー
がしかし、上空の異次元ゲートは開いたままであった。ソコから風が吹き荒び、鷹丸達を引き込もうとしていた。
「ーーーーうぉっ!? ゼ、ゼナ!!」
『ーーーー鷹丸!!』
鷹丸が引き込まれ、伸ばした手はゼナの手に届かず、鷹丸は異次元ゲートを呑み込まれてしまった。
理巧はこの時は知らなかった、自分の命よりも、かけがえの無い大切な人を失ってしまった事に・・・・。
書いている内に本編一話分書き上げてしまった。この調子だとすぐに終わりそうなので、前回の次回予告も改変します。