ー理巧sideー
焔達『焔紅蓮隊』と、『新生選抜メンバー』の雅緋達の睨み合いは、鷹丸に止めるよう言われた理巧と鈴音先生によって強制的に終わらされ、『新生選抜メンバー』の『リトルスター』の能力実験が開始された。
ーーーーコーン・・・・!
「ふっ・・・・はぁっ!!」
『リトルスター』の光が放たれると、両奈が左手首を右手で触れると光が溢れ、まるで手裏剣でも投げるような動きをすると、光の弾丸のような物が飛び出し、的を撃ち砕いた。
『っ!?』
それを見て驚く飛鳥達。
ーーーーコーン・・・・!
「ーーーーたぁっ!!」
両備が両手をグーにし胸元に持ち上げエネルギーを溜めると、一気に腕を上下に開くき、半月型の光のカッターが飛び出し、的を切り裂いた。
『っ!?』
今度は焔達が目を見開く。
ーーーーコーン・・・・!
「・・・・はぁ・・・・!」
紫が力を込めると、的に炎が生まれ灼き尽くした。
『っ!?』
今度は雪泉達が目を丸くした。
ーーーーコーン・・・・!
「ふっ! ハァァァァァァ!!」
忌夢が光り出した右手を天に突き立てると光を放ち、黄金の滝が降り注ぎ、光の内部にいる全員を特殊フィールドに転移させた。
『ほぉ』
特殊フィールドを解除すると、鷹丸にナリカにスバルが感心したような声を漏らす。
ーーーーコーン・・・・!
「ーーーーはぁぁぁぁ、はぁっ!!」
雅緋が弓矢を引くような仕草をすると、光の弓矢が生まれ、光の矢を放つと、縦列に並んだ十枚の的を貫いた。
「ーーーーこれが、彼女達の『リトルスター能力』だ」
『うわぁ~、カッコいい!』
『・・・・・・・・』
と、鈴音先生がそう言うと、ペガが目をキラキラさせて言うが、それを聞いて半眼となり面白く無さそうな顔となる焔紅蓮隊。
「ーーーーふっ」
「(ニヤニヤ)」
「クスクス」
ペガの言葉を聞いて、焔紅蓮隊を一瞥して鼻で笑う雅緋。ニヤニヤと笑みを浮かべる忌夢。小馬鹿にしたように笑う両備。
『(ーーーーカッチーン)』
それを見て、頭に血管を浮かべる紅蓮隊。
「・・・・理巧」
「・・・・ん?」
「私達の『リトルスター』だったウルトラカプセルを貸してくれ」
「・・・・ん」
焔の、否、焔達紅蓮隊の据わった目を見て、理巧はやれやれと肩を竦めながら、『ウルトラマンオーブ・エメリウムスラッガーカプセル』と『ウルトラマンティガカプセル』と『ウルトラマンダイナカプセル』、『ウルトラマンアグルカプセル』と『アストラカプセル』を紅蓮隊の皆に手渡した。
『はい焔』
「ああ」
更にペガがダークゾーンから出した鍛錬用の六本の木刀を焔に渡す。武器類はこの研究施設に入る際、スバル達に預けたからだ。
『忍び装束』を纏った時のように木刀を持ち、他の紅蓮隊の皆が十八個も的を持ってきて、横一列に並べた。
「っ!」
ーーーーシュワッ!
焔が木刀を持ったまま、器用にカプセルを起動させ、木刀の刀身を光で包むと、何と光に包まれた刀身の隣りの左右に光の刃が生まれ、一本の木刀に三本の、六本だから計十八本の光の刃が生まれた。
「ーーーーおらぁっ!!」
焔が少し女の子らしくない叫び声を上げ、両手の剣を振るうと十八の光の刃が飛び、的を上、横、斜めに切り捨てた。
「ーーーーふっ」
ーーーーディヤッ!
詠が『ウルトラマンティガカプセル』を起動させると、フワッと宙を浮いて、天井スレスレを飛翔する。
「おっ「(ガン!)」あでっ!?」
スカートから見える白が見え、鷹丸は鼻の下を伸ばすが、ナリカに殴られ、ゼナとゴドー=ウィンは顔を逸らし、理巧は見ていたが無反応。
と、やっている内に、未来と春花が、雅緋の時と同じく、十枚の的を縦列に並べると、今度は日影が前に出て、『ウルトラマンダイナカプセル』を起動させた。
「・・・・ほい」
ーーーーシュァッ!
「・・・・ふっ!」
日影の掌に野球のボールくらいの大きさをした光球が出現し、日影はそれを野球のピッチャーのように投げると、ジャイロ回転した光球が十枚の的を貫通した。
「今度は私!」
ーーーーシャッ!
次は未来が『ウルトラマンアグルカプセル』を起動させると、未来の腕から光の剣が伸び、否、まるで槍のように一直線に伸びて行き、日影が貫通した的の中心潜らせると。
「ーーーーよっと!」
未来が腕を持ち上げると、貫通させた的が宙を浮き、光の槍を伝って的が未来に近づくと、未来は自分の近くまで的が来た瞬間、槍を消滅させ、そのまま重力に従い、的が落ちるが。
「春花お姉様。後よろしく」
「はいはい」
ヤー!
「ーーーーはっ!!」
『アストラカプセル』を起動させると、春花の脚が燃えだし、落ちてきた的を蹴ると、蹴られた的が燃え尽きる。
「おぉっ!「(ゴン!)」んがぁっ!」
その際、春花のスカートの中の黒の紐が見え、鷹丸が再び鼻の下を伸ばして、ナリカに頭を蹴られた。
『うわぁ! 焔達の『リトルスター能力』もすごいね!』
ペガと雲雀がパチパチと焔達に拍手すると、焔達紅蓮隊はフフンとドヤ顔を浮かべて、その大きな(未来は平坦な)胸元を反らし、フルルンと揺れた。それを見て、雅緋達は半眼で小さく頭に血管を浮かべた。
しかし、悪忍が揃いも揃ってドヤ顔を浮かべている空間に、雪泉達エリート善忍にとって面白くない。
「・・・・理巧さん。私達にも『ウルトラカプセル』を」
「ん?」
「悪忍ばかりに良い格好はさせません!」
「はいはい」
少し呆れながらも、理巧は『ゾフィーカプセル』と『ルナミラクルゼロカプセル』と『ストロングコロナゼロカプセル』、『ウルトラマンガイアV2カプセル』と『ウルトラマンメビウスカプセル』を手渡した。
そして、今度は夜桜と美野里が的を並べる。
「・・・・参ります」
ーーーーシュワッ!
「はぁぁぁ・・・・はぁっ!」
『ゾフィーカプセル』を起動させた雪泉が扇子を構えて舞うように動くと稲妻が迸り、扇子を向けると電撃が放たれ、的を破壊した。
「他の子達の『リトルスター』能力が見られるなんて・・・・!」
「でも、もう的がありませんよ」
トリィ=ティプが喜ぶが、ハルカが的が無くなったと言う。
しかし、これまでの訓練で破壊された的を纏められた所に、叢が近づくと。
「・・・・問題ない」
ーーーーフッ!
『ルナミラクルゼロカプセル』を起動させると、叢の手の平に青い光が生まれ、それを破壊された的に向けると。
何と、破壊された的が光に包まれ、元の形に戻った。
「うわぁ~!? 戻ったよ!」
「・・・・成る程ね。『ルナミラクルゼロ』は傷を癒すのではなく、『元の状態に戻す能力』って訳なのね」
「では、的が戻ったのでわしもやってやるかの」
ーーーーセェヤァッ!
「はぁぁぁぁ・・・・せいっ!」
夜桜が『ストロングコロナゼロカプセル』を起動させると、両手に炎を纏い、十枚を重ねた瓦にチョップを叩き込むと、焼き切ってしまった。
「はいは〜い! 次はウチの番ね♪」
ーーーーディヤッ!
四季が『ウルトラマンガイアV2カプセル』を起動させると、四季の腕から光が伸び、それを鞭のようにしならせると、夜桜が焼き割った瓦に巻き付け、上に投げた。
「ほいっと! 美野里っち、あとヨロ〜!」
「は〜い!」
ーーーーシャァッ!
「んんんん〜・・・・やぁぁぁ!!」
ーーーーピュゥゥゥ・・・・!
『ウルトラマンメビウスカプセル』を起動させた美野里が、両手を胸の前にクロスさせて広げると、火の鳥か出てきて、瓦を跡形もなく焼却した。
『うわぁ! うわぁ! 雪泉達も凄いね!』
「悪忍でもできる程度の事、私達善忍にとって造作もありませんよ」
『・・・・あん?』
『・・・・んん?』
ペガが拍手するが、雪泉がすまし顔で言う物だから、焔達と雅緋達の片眉がピクンと跳ね上がり、紅蓮隊、月閃女学館、蛇女新選抜メンバーで三竦みの睨み合いが始まった。
「・・・・どうしようりっくん・・・・」
「・・・・ご挨拶みたいなものだから、放って置いて良いんじゃない?」
飛鳥達半蔵学院側は静観し、鈴音が新選抜メンバーを、スバルが紅蓮隊を、ナリカが月閃女学館を押さえに入っていった。
すると、ゴドー=ウィンが部屋に入ってきてゼナにこっそりと話しかけた。
「ーーーー本部から連絡がありました。至急戻ってきて欲しいと」
『ーーーー分かった。彼らを頼んだぞ』
ゼナがそう言うと、退室していった。
ー鷹丸sideー
そして、取り敢えず焔達と雪泉達、雅緋の事はナリカとスバルも鈴音先生に任せ、ハルカと理巧とペガ、そして飛鳥達は、鷹丸の検査に付き添っていた。
MRI装置のような仰々しいものでは無いが、空中に表示されたモニタの数々に、鷹丸の身体情報が詳細に表示されていた。
そして、鷹丸の検査を一時終え、会話を始めた。
「鷹丸さん。いつから、『リトルスター』が?」
「・・・・理巧。覚えているか? 『六年前のあの日』、俺達はスカルゴモラと遭遇した事」
「・・・・朧気ですけど、確かスカルゴモラが現れて、ハルカさんとナリカさんとスバルさんが戦ったけど、徐々に追いつめられて、僕が思わず飛び出し、スカルゴモラの脳天に、それこそ拳が潰れんばかりの力を込めて殴った、でしたよね?」
「ーーーーあの後、一瞬脳しんとうを起こしたようにグラついた勢いで、スカルゴモラの反撃を受けた理巧くんは地面に激突して、そのまま目を回して気絶したんですよ。外傷はカスリ傷で済みましたけどね」
スカルゴモラの全長は五十七メートル。そこから落下して目を回してカスリ傷だけで済んだ理巧の頑強さに、ペガと飛鳥達も半眼で苦笑した。
「その後、スカルゴモラが理巧くんを踏み潰そうと迫り、私とナリカさんとスバルが助けに行こうとした際、鷹丸様の胸から『リトルスター』の光が放たれ、スカルゴモラを撃退したんですよ」
「その時、俺の『リトルスター』は消滅したものかと思っていたんだがな・・・・」
「『リトルスター』は感情によって抑え込まれ、観測不能な程、縮小されていただけだったのです」
ハルカが説明し、鷹丸の疑問にトリィ=ティプが応えた。
「記録上では、鷹丸様が最初の『リトルスター保持者』だったんです」
「ーーーーつまりヤツ、“伏井出ケイが『カレラン分子』を散布したのは、『六年前』より前と言う事か”・・・・」
「っ、伏井出ケイ?」
『『カレラン分子』?』
鷹丸の口から伏井出ケイの名が出て、理巧が眉をピクンと動かし、忍生徒達が首を傾げ、ハルカが説明する。
「ええ。彼が言っていたのです。『カレラン』ってという物質が原因で『リトルスター』はできるみたいです。伏井出ケイが振り撒いた『カレラン分子』には、宇宙を循環する『幼年期放射』と呼ばれるエネルギーを引き寄せて、捕まえておく力があるようで、『カレラン分子』は空気と一緒に生物の体内に入り、そこに留まって、“光の塊を育てるのです”」
「ーーーーそれが・・・・『リトルスター』の正体、なんですか?」
飛鳥の問いに、鷹丸達がコクリと頷く。
「ーーーーつまり、ヤツらの目論見は六年以上も昔から進んでいたって事だな」
と、そこで、新たに現れたのは霧夜先生(inゼロ)と大道寺先輩だった。
「先生。大道寺先輩」
「どうしてここに?」
「ベリアルが遂にやって来ると、ハルカ達から聞いたのでな。暁月の近くにいようと思ったのだ」
「・・・・・・・・」
大道寺先輩が説明すると、ゼロは心ここにあらずな理巧に目を向けると近づいていき、その首に腕を回した。
「ん?」
「理巧。ちょっと付き合え」
そう言って、ゼロが理巧を連れて外に出ていった。
「あっ、りっくん」
「飛鳥ちゃん。今はゼロの任せてくれないか?」
理巧を追おうとする飛鳥達に、鷹丸がそう言った。
「理巧のヤツ、どうしちまったんだ? 心ここにあらずって感じだったぜ?」
「ーーーーもしかしたら、ベリアルが来る事に、理巧くんなりに気を張っているのかも知れませんわね」
「理巧くん、大丈夫かな?」
「心配ない。アイツはどんな状況でも、倒れる事は無かった」
「だが、もし倒れる事になった時、お前達はどうするのだ?」
葛城、斑鳩、雲雀、柳生の会話に大道寺先輩が入ってくる。
「その時はーーーー」
飛鳥が、まっすぐに大道寺先輩を見据えて答える。
ー理巧sideー
外に出て、近くの公園のベンチに座る理巧とゼロ。
ゼロは途中の自販機で買ったブラックコーヒーを理巧に渡した。
「どうしたんだ? らしくない顔しやがって」
「・・・・・・・・ベリアルが、間もなくやって来ると思うとね。彼を前にした時、戦うつもりだけど、僕はどうなってしまうのかなって思ってさ」
らしくない言葉なのは分かるが、それでも心情を言うと、ゼロはフッと笑みを浮かべて、理巧の肩を叩いた。
「ーーーー親父がどんな存在でろうと、お前はお前だ。ちょっと生意気で、諦めるって言葉なんて知らない、感情が少し不器用な所がある少年、暁月理巧だ。自分の人生を歩け。自分の道は自分で決めなければならない」
「・・・・そうだね」
「道に迷ったら、皆の事を思い出せ。これまでお前が、『暁月理巧』として過ごしてきた時間。飛鳥達に焔達に雪泉達と紡いできた絆。自分のなりたい夢。自分が何故ーーーーここにいるのかをな。つか、理巧お前、忍びになるのにあまり本気じゃなさそうだが、何か他に、やりたい事でもあるのか?」
「ーーーーやりたい事、か。・・・・・・・・僕はねーーーーーーーー」
理巧がその先を、自分のやりたい事を言うと、ゼロ(と霧夜先生)は笑みを浮かべる。
「ーーーーーーーーそうか。ん」
「・・・・ふ」
ゼロが拳を突き出すと、理巧も拳を出して、お互いの拳をぶつけ合うグータッチをした。
『リトルスター能力』
焔:光の刃を自在に操る。
詠:浮遊能力。
日影:光球を生み出す。
未来:光の槍を精製。
春花:脚に炎を纏う。
雪泉:雷撃。
叢:壊れたり傷付いた物を元に戻す。
夜桜:腕に炎を纏う。
四季:光の鞭を生成。
美野里:火の鳥を撃ち出す。
雅緋:光の弓矢を生み出す。
忌夢:特殊フィールドを作り出す。