ーゼナsideー
ゼナは本部に戻ると、局員であるセミ女に自分を呼んだ理由を聞いていた。
がーーーー。
『ーーーーゼナさんを呼び戻した記録はありませんよ?』
『そうか・・・・。なら、良いんだ』
『はい』
そう言って、セミ女の局員が離れると、ゼナの背後から、
『ーーーーフッフッフッフッフッフ・・・・』
『怪しい影』が両目を光らせ、不気味な笑い声を上げていた。
ー鷹丸sideー
大道寺先輩が鈴音先生に挨拶をしてくると言って退室すると。
「現在、『カレラン分子』の分解構造を研究しています。完成すれば、『リトルスター』の構成エネルギーを分解できるかも知れません」
トリィ=ティプがタブレットを見せて説明しているが、鷹丸は顔を俯かせていた。
「・・・・鷹丸様?」
「どうしたんですか?」
「伏井出ケイ・・・・! 理巧の人生を弄んだだけでなく、『リトルスター』もヤツの仕業だったか・・・・!」
鷹丸は、伏井出ケイに対して、拳をキツく握り締めた。
「・・・・推測ですが。六年前、彼が怪獣となって鷹丸さんを襲ったのも、『リトルスター』を回収しようとして失敗ーーーー」
ーーーーバシュンッ!!
と、トリィ=ティプが推測を話そうとしたその時、背後からの銃弾が彼女の右肩を貫通した。
『っっ!!』
突然の事に飛鳥達が愕然となるが、鷹丸とハルカはすぐに武器を構えようとしたが、リング状のビームが飛んできてそれを回避すると、ゴドー=ウィンが、銃の銃口をトリィに押し付けながら、トリィの身体を支える。
「武器を捨てるのだ!」
「ゴドー=ウィンさん!?」
「どうして!?」
「何をしているのです!?」
「良いから捨てろ! この女の命がどうなっても良いのか!?」
「あっ・・・・! ああっ・・・・!!」
『っ・・・・!』
ゴドーは、トリィの傷口を握りながら言うと、痛みでトリィが悲鳴を上げ、それを見て、鷹丸とハルカ、飛鳥達も武器を床に静かに置いた。
ーゼナsideー
ゼナが研究施設に戻ろうとすると、背後から、身体が細長く、両手が蟹の爪のようになっている異星人、『反重力宇宙人 ゴドラ星人』が、爪の『ゴドラガン』を突きつけた。
『っ、何のつもりだ?』
『黙れ! 戦闘能力の高いあなたを研究施設に戻す訳にはいかない!ーーーーフンっ!』
『っ・・・・!』
ゴドラ星人が『ゴドラガン』で背中を押すと、ゼナはゆっくりと両手を上げた。
ー鷹丸sideー
そしてトリィを捕獲してまま、ゴドーは焔達と雪泉達と雅緋達がいる部屋へと着いた。その後を追ってくる鷹丸とハルカと飛鳥達。
「おい、扉を開けるのだ!」
「イヤよ・・・・!」
「お前の目的は『リトルスター』か!?」
「そうだ! 『リトルスター保持者』の雅緋達‹あの五人›を我々の星へ連れて行く!」
「そんな事私達が許しません!」
飛鳥が前に出てそう言ったが、ゴドーは止まらない。
「ーーーートリィ、開けろ!」
ゴドーはトリィをコンソールへと叩きつけると、トリィは解錠コードを入力させる。
「ご、ごめん・・・・!」
トリィが入力を終えると、ゴドーは扉を開け、銃を突きつけながら部屋に入っていく。
「動くなぁ!」
そして部屋に入るとそこにはーーーー武器を構えていた焔達と雪泉達と雅緋達が待ち構えていた。
「な、何!? どうなっている!?(ガシッ、ギギギギギギギギ!)ぬぁっ!?」
ゴドーが戸惑っていると、横から伸びた手が、ゴドーの銃を持っている腕を握りしめ上げた。
そうーーーー大道寺先輩だ。
『大道寺先輩!』
「き、貴様・・・・!」
飛鳥達半蔵学園組が笑みを浮かべ、ゴドーは顔を歪ませる。
「ぬかったな。我も暁月や雲雀と同じく探知能力があるのでな。数十メートルも先から物騒な気配を漂わせていれば、誰だって臨戦態勢で待ち構えているわ!!」
「っ!」
「なっ、(ドゴォン!)グォワアアアアアアアアア!!」
ナリカがトリィを救出すると、大道寺先輩が膝蹴りをゴドーの腹部に叩き込み、後退りするゴドーの身体が変貌し、ゴドラ星人へと変わった。
『クソッ!! ハァァァッ!!』
「ぐっ!」
「しまった!」
ゴドラ星人が『ゴドラガン』を放つと、リング状のエネルギーが大道寺先輩と鈴音先生の身体を拘束した。
「先生!」
「許せません!」
「ハァッ!」
『大人しくしていろ!』
『うわぁぁぁぁぁっ!?』
焔達と雪泉達と雅緋達が飛び出すが、同じく『ゴドラガン』で拘束された。
『ーーーー皆、カッコ悪い・・・・』
思わず呟くペガ。
ーゼナsideー
その頃、ビルの中の廊下に移動したゼナとゴドラ星人。
『止まれ!』
『っ!』
ーーーーガンっ!
ゴドラ星人がそう言うと、ゼナは即座にゴドラガンを逸らさせ、そのまま格闘戦を繰り広げると、蹴りをゴドラ星人に叩き込み、壁に叩きつけた。
『己ぇ!』
『貴様の目的は何だ!?』
そのまま壁に組み敷いて尋問を始めた。
ー飛鳥sideー
『貴様らも大人しくしていろ!』
『っ!』
「雲雀!」
「うん!」
飛鳥達はリングを回避すると、柳生と雲雀がゴドラ星人の腕を抑え。
「(バキッ)斑鳩ちゃん!」
「はい!」
鷹丸がモップの先を折ると、斑鳩に手渡し、斑鳩はモップの棒を刀のように構えて突きをゴドラ星人の腹部に繰り出す。
『ぐぁ!?』
身体をくの字にするゴドラ星人。
「おぅらぁっ!」
「えぇーいっ!」
『ぬぁぁっ!!』
すかさず、葛城と飛鳥がダブルキックを繰り出し、ゴドラ星人は倒れた。
「(むっ! 葛城ちゃんは青と白の縞々模様! 飛鳥ちゃんは赤緑黄色の縞々模様か!)」
そして鷹丸も、目敏く二人の下着を見極める。
倒れたゴドラ星人に、ハルカとスバルとナリカが、武器を突きつける。
「あなたの負けです、ゴドー=ウィン、いえ、ゴドラ星人。降伏して下さい」
『ーーーーっ!』
「「「っ!」」」
ゴドラ星人は両手から『ゴドラガン』を放つと、ハルカ達は瞬時に回避し、飛鳥達も離れる。その隙に起き上がるゴドラ星人。
『ーーーー我々は『リトルスター』の力を手にして、我が種族の繁栄を誓うのだ!』
「種族の繁栄!?」
『そうだ! 貴様らも見たろう!? 『リトルスター』の持つ奇跡としか言いようの無い力を! たかが脆弱な地球人ですらあの力を得てこれ程の力を出せたのだ! 我々ゴドラ星人が使えば、『クライシス・インパクト』で痛手を負った我が種族は、再び宇宙にその名を轟かせる事ができるのだっ!!
ヌォォォォォォォっ!!』
ゴドラ星人の身体が緑色に発光する。
「まずい! ハルカ! ナリカ! スバル!」
「ーーーー『雷術 真・四門五月雨』!!」
ハルカは手にしたクナイ『建御雷』から放つ降り注ぐ稲妻の雷術『真・四門五月雨』を放ち。
「ーーーー『氷瀑砕刀・雹牙』!!」
スバルは強化された右手の義手によって振るわれる冷気の刀『氷爆砕刀・雹牙』を放ち。
「ーーーー『鋭・紅破旋空』!!」
ナリカが炎を纏った大型手裏剣を投げると、手裏剣が複数に分身して切り裂く『鋭・紅破旋空』を放った。
ーーーードゴォォォォォォォォォンン!!
『グォォオオオオオオオオオオオオオ!! 負けるものかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!』
ゴドラ星人を三人の技で吹き飛ばすとビルの壁をブチ破り、そのゴドラ星人は空へと吹き飛ばされる。
そして、ゴドラ星人は空中で巨大化した。
ー理巧sideー
そして、理巧と霧夜先生(inゼロ)は、鈴音先生から連絡を受け、研究施設に戻ろうとした矢先、巨大化したゴドラ星人を見つけた。
「レム、状況は? あのゴドラ星人はまさか、ベリアルの?」
《ーーーーいえ、ペガからの報告では、ベリアルとは無関係のようです。ゴドー=ウィンの本当の姿で、『リトルスター』保持者を狙った犯行のようです》
「そうか。皆は?」
《無事です。しかし、ゴドラ星人を研究施設から追い出す際に施設の一部を破損。ゴドラ星人は施設に戻り、『リトルスター』保持者を狙うつもりのようです。皆が危険です》
「良し、助けに行こう」
「待て理巧。俺達が行く」
「いや、ゼロは皆をお願い。奴はーーーー僕がやる! ジーッとしてても、ドーにもならない!」
理巧はジードライザーを取り出し、カプセルホルダーから『ウルトラマン』のカプセルを取り出し、スイッチを押して起動させる。
「融合!」
ーーーーシャアッ!
カプセルから青い光の線が幾つもの放たれ、『初代ウルトラマン』の姿が現れ、カプセルを装填ナックルにいれる。
「アイ・ゴー!」
ーーーーウエェェッ!
すぐに『ウルトラマンベリアル』のカプセルを取り出し起動させ、『ウルトラマンベリアル』の姿が出現し、『ベリアルカプセル』をナックルに装填して、ジードライザーのスイッチを押して起動させた。
「ヒア・ウィー・ゴー!!」
装填したナックルを取り外し、ジードライザーにスキャンさせる。
ーーーードクンッ! ドクンッ!
ジードライザーの中央のカプセルに、青と紫の光が交差するように交わる。
[フュージョンライズ!]
「決めるぜ、覚悟!! ハァアアア!」
理巧はジードライザーを掲げて胸の前でスイッチを押した。
「ハァッ! ジイィーーーーード!!」
ジードライザーのカプセルが回転し赤く輝き、理巧の身体が青く輝く。
[ウルトラマン! ウルトラマンベリアル! ウルトラマンジード!! プリミティブ!!]
ウルトラマンとベリアルの姿が重なり合い、理巧は二人のウルトラマンの姿を合わさり、その姿を変えた。
『シャァッ!!』
光と闇の螺旋の中から、『ウルトラマンジード プリミティブ』となって飛び出すと空を飛ぶと、辺りに『ゴドラガン』を乱射するゴドラ星人を見つける。
『『レッキングリッパー』!!』
『ぐぁぁぁぁ!!』
降下しながら、波状光線をゴドラ星人に放ち、それを受けて悶えるゴドラ星人の隣を通り過ぎながら地面を削りながら着地した。
『っ! フッ、ハァッ!』
『ウルトラマンジード! 片付けてやる! ハァァァァ!!』
迫りくるゴドラ星人に、ジードは回し蹴りを叩き込む。
『グァァァッ! ダァ! ダァ!』
『フッ! フッ!』
一瞬怯んだゴドラ星人が、両手の爪でジードを攻撃するが、ジードはそれを平手打ちで弾く。
『グゥゥ! このぉ!』
『フッーーーーダァァァッ!!』
ゴドラ星人が頭突きで攻撃してくるが、ジードはその頭を掴んで、ブルドッキング・ヘッドロックを繰り出し、その衝撃でアスファルトと車が十メートル以上に吹っ飛んだ。
ー鷹丸sideー
「早く避難するぞ!」
そして鷹丸達は、負傷したトリィをハルカとスバルが肩を貸し、『ゴドラガン』を外した忍達と共に、非難しようとしていた。
がーーーー。
「ーーーーっっ!!!」
突然、鷹丸がビクンッと身体を震わせ、目を見開いてその場に立ち尽くした。
「鷹丸さん? どうしたんですか??」
『???』
飛鳥が問うと、他の皆の視線が、鷹丸に集中する。
しかし鷹丸は、その視線に構わず、“自分にだけ聞こえる声を聞いた”。
ーーーー・・・・ベリアルが来る・・・・逃げなさい・・・・!
「ーーーー聞こえた・・・・!」
飛鳥が問うと、他の皆も鷹丸に視線が行った。鷹丸はその周囲の視線に構わず、バッと天井を、否、その向こうの空を鋭く睨んで呟く。
「ーーーー来る・・・・!」
「来るって・・・・何が?」
「ーーーー聞こえたんだ・・・・! ベリアルがーーーーウルトラマンベリアルが、来るぞっ!!!」
『っっっ!!!???』
鷹丸の言葉に、全員が目を見開き、息を詰まらせ、身体を一瞬硬直させた。
ー霧夜(ゼロ)sideー
ーーーーゴロゴロゴロゴロゴロゴロ・・・・!
「ーーーーっ!」
そして、研究施設に向かっていた霧夜先生が、突然の雷鳴にその場に立ち止まると、空を見上げて目を見開いた。
今さっきまで晴天だった空に、不気味な黒い雲が、雷を迸らせながら広がっていったのだ。
「これは、一体・・・・!?」
ー???sideー
そしてここは、何処かのビルの合間、ゴミが乱雑に置かれたゴミ捨て場に、一人の男性のホームレスが座り込んでいた。
「ーーーーぐっ、うぅ・・・・!」
そのホームレスは上を見上げ、ビルの合間から見える空が、黒い雷雲に呑まれていっているのが見えた。
「ーーーーあっ、あぁ・・・・!」
そこにいたのは、髪も服もボロボロで、今にも野垂れ死にそうな顔色をしたーーーー伏井出ケイであった。
ージードsideー
『っ! な、何だこの空は!?』
『んん??』
戦っていたジードとゴドラ星人も、突然広がった暗雲に気づいて戦闘を中断すると、暗雲の一箇所がまるで渦のように回転している箇所を見つけた。
『ーーーーっ! な、何かが、来る・・・・!』
ジードは・・・・嫌、理巧は、渦の中からやって来る『ドス黒い威圧感を放つ存在』を感じ、戦慄したように身体を強ばわせた。
その瞬間、黒い稲妻が迸る漆黒の暗雲の渦の中からーーーー黒い影が降り立った。
『ーーーーフンッ!』
ー飛鳥sideー
「あっ・・・・あれは、まさか・・・・!!」
『っっっ!!』
研究施設から出た飛鳥も、焔も、雪泉も、雅緋も、そして仲間達も、勿論、ペガや大道寺先輩に鈴音先生も、そして鷹丸達もそれを見て驚愕と戦慄に目を見開いた。
暗黒の闇を彷彿させるドス黒い身体に、鮮血の如く真っ赤なラインが亀裂のように走り、両手には禍々しいカギ爪となり、その手に金棒状の武器が握られ、ウルトラマンのような頭部は大きく歪な形をしており、口も裂けているように広く、カラータイマーの色は紫色、禍々しい赤みがかかったオレンジの目はジードよりも釣り上がり妖しく輝くその姿。
ジードこと理巧や、多くの人々が写真や映像の中で、一部の人間達や宇宙人達は実際に見て知っている。
そしてーーーーウルトラマンゼロにとっては、何度も何度も死闘を繰り広げた不倶戴天の宿敵。
この世界の宇宙を滅ぼし掛けた未曾有の大事件『クライシス・インパクト』を引き起こした最悪のウルトラマン。
そうーーーー『ウルトラマンベリアル』である。
『ウェェェェェェェェッ!!』
ベリアルが雄叫びを上げると、 暗雲から黒い稲妻が雨のように降り注いだ。
ージードsideー
その稲妻が、ジードとゴドラ星人を襲う。
『うわぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!』
『がああああぁぁぁぁっ!! ば、馬鹿な!? 生きていただとっ!?』
稲妻が収まると、ゴドラ星人は驚愕の声を張り上げた。
『(ゴキっ! ゴキっ!)ーーーーフンっ!』
ベリアルが首を動かして関節を鳴らしてから、金棒状の武器、かつて『レイブラッド星人』がウルトラマンベリアルに与えた、一度に百体以上の怪獣・宇宙人・ロボットを召喚し操れる最凶の武器『ギガバトルナイザー』の先端に金色のエネルギーを纏わせながら振るうと、そこから金色の鎌状の光線『ベリアルデスサイズ』が放たれ、ゴドラ星人の身体を粉砕した。
『グアアアアアアアアアアアアッ!!』
ーーーードゴォオオオオオオオオオオオオンン!!
『うわぁっ!!』
一瞬でゴドラ星人は爆殺され、その爆風によって、ジードも倒れそうになるが、何とか宙返りして体制を整えて、片足の膝を折って着地する。
『くっ・・・・! っっ!』
ジードはスッと立ち上がり、自分を見据えるベリアルを睨む。
『・・・・!!!』
『ーーーーはじめましてになるな? 息子よ。迎えに来たぞ。父・ベリアルの元へ来い』
『ーーーーベリアル・・・・!!』
ジードは・・・・理巧は、生涯で最も戦慄に染まりきった声を上げた。
とうとう相対した二人。さぁ、次回どうなる?