閃乱ジード   作:BREAKERZ

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届けよう、愛する人へ

ー飛鳥sideー

 

飛鳥達は、鷹丸達の車に乗って、『十宝学園』と記された学校へと到着した。

 

「あの、鷹丸さん。ここって・・・・?」

 

「『十宝学園』、俺達の母校さ。まさかここが『クライシス・インパクト』の爆心地だったとはな」

 

「・・・・私達の戦い、『オボロ党事変』も、もしかしたらここから始まったのかも知れませんね」

 

「懐かしがっている場合ではないぞ」

 

そして、一同は校舎の中に入り体育館へと赴くと、金色の粒子が舞い上がっていた。

 

「・・・・・・・・・・・・一か八か、『あれ』をやってみるか」

 

斑鳩の問いかけに、鷹丸を顎に手を当てて思案すると、その場に坐禅して、印を結ぶ。

 

「臨・兵・闘・者・皆・陣・烈・在・前!」

 

『っ!?』

 

その時、鷹丸の身体が金色の光に包まれた。

 

「こ、これって・・・・!?」

 

「『ノロイ党事変』の頃、私とスバルとナリカさんもノロイ党の忍達による『忍結界』に閉じ込められ何度か窮地に追い込まれた事がありましたが、その度に、鷹丸さまが己の『心を契りを結んだ相手に送る術』を使い、私達を救ってくれたのです」

 

「多分、自分と交信していたウルトラマンキングの気配を辿って、キングと交信しようとしているのよ」

 

「・・・・皆、俺の肩に手を置き、お互いに手を繋ぐんだ」

 

鷹丸の左右の肩に飛鳥とハルカが手を置き、もう片方の手で他の仲間達と手を繋ぎ合い、大きな円を作ると、光の粒子が、鷹丸達へと向かってきた。

 

「っ!」

 

そして、鷹丸達と飛鳥達が粒子に包まれるとーーーー光り輝く空間に立っていた。

そして・・・・。

 

『よく来た・・・・戦部鷹丸、閃忍達、『リトルスター』に選ばれし少女達・・・・』

 

目の前に、一人のウルトラマンが立っていた。

赤い瞳に金と紫を基調とした神々しい身体をマントに包み、頭には王冠らしき装飾がされ、口周りには豊かな髭が蓄えられており、高齢さを窺わせながらも威厳と荘厳がある風体をしているウルトラマン。

 

『(ーーーーこの人が、ウルトラマンキング・・・・!?)』

 

鷹丸は、否、この場にいる全員が確信をした。この人こそ、『伝説の超人 ウルトラマンキング』であると。

そして、代表として鷹丸が声を発する。

 

「ーーーーあなたが、ウルトラマンキング?」

 

『そう。君達を待っていた・・・・』

 

 

 

 

ーベリアルsideー

 

『「ウァッ!!」』

 

『ぐぅぅっ!』

 

その頃、ベリアルの精神世界にて、目を真っ赤に染めたジードが、ゼロビヨンドを攻撃していた。

 

『そうだ! 良いぞ、我が息子よっ!』

 

『「アァァッ!!」

 

『くっ!』

 

ゼロは気づいていない。目の前で戦っているキメラベロスは、実はベリアルに操られているジードが動かしている事に・・・・。

 

 

 

ー鷹丸sideー

 

「俺が、あなたの『リトルスター保持者』だったから、あなたの声が聞こえたのですね?」

 

『いや、それだけではない。かつて、君は『クライシス・インパクト』の際、瓦礫にのまれて死の淵を彷徨っていた・・・・』

 

「っ! そういえば、そんな話を聞いた事が・・・・」

 

両親から聞いた事がある。『クライシス・インパクト』で建物が崩れ、その瓦礫に潰されそうになり、危うく死にかけていたと。

 

『その時に、君に死んで欲しくないと言うご両親の祈りが、私の意識に届き、失いかけた君の命をすくい上げ、君は私の声が聞こえる特質な存在へとなったのだ』

 

「・・・・成る程。ウルトラマンキングよ。頼みがあります」

 

『ーーーー彼を、救いたいのだね?』

 

「理巧は・・・・大切な子供なんです」

 

『・・・・分かった。君を彼の元に続く『道』を教えよう。『若きウルトラマンの魂』への・・・・』

 

キングがそう言って、手を掲げると、再び金色の粒子が自分達に集まり、再び視界が光りに包まれる。

そして、全員が目を開けるとそこはーーーードス黒い空の下、ゼロビヨンドと戦う瞳を赤くしたウルトラマンジード。そして、その二人の様子を見て笑っている、ウルトラマンベリアルであった。

 

『ハァっ! ウァッ!!』

 

「ウルトラマンジード!?」

 

「りっくん! 目を覚まして!!」

 

「ヴァァァァ!!」

 

『グハァァァァッ!!』

 

蹴り飛ばされたゼロビヨンドは、この世界から追い出されてしまったようだ。

すると、ベリアルがジードに近づきながら両手を広げて抱きしめようとする。

 

『良くやった息子よ。これからは父と共に歩むのだ。さぁーーーー』

 

そしてそのまま、ジードはベリアルの元へと向かおうとした。

だがーーーー。

 

 

 

 

「ーーーーりっくんダメーーーーっ!!」

 

「ーーーー行くなーっ! 理巧ーっ!!」

 

「ーーーー理巧くん! いけません!!」

 

 

 

『ーーーーっ!』

 

飛鳥の、焔の、雪泉の叫び声に、ジードは反応し、こちらに目を向けた。

 

「ベリアルに惑わされてはいけません!」

 

「んなゴツい親父に甘えようとしてんなよ!」

 

「こんな簡単に、自分を見失うな!」

 

「理巧くん! こんな理巧くん、雲雀イヤだよ!」

 

斑鳩が、葛城が、柳生が、雲雀が声を張り上げた。

 

『ーーーーキングか。余計な事を!!』

 

ベリアルが手をワナワナと震わせると、黒い稲妻を飛鳥達へと向けて放った。

 

『っ!』

 

「っ!」

 

『ふん!』

 

目を見開く飛鳥達の前に鷹丸達が彼女達を守るように立つと、その鷹丸達を守るように、ウルトラマンキングの形をした光の粒子が、自分達を守る障壁となった。

 

「(ありがとうございます、ウルトラマンキング!)ーーーー皆、続けるんだ!」

 

鷹丸の言葉に、今度は紅蓮隊が声を上げる。

 

「自分が何者なのか、忘れないでくださいませ!」

 

「あんたはそんな情けない男やないやろ?」

 

「あたしの事、無視しないって言ったじゃない!」

 

「私のご主人様と認めた方はそんな人じゃないはずよ!」

 

詠が。日影が。未来が。春花が・・・・。

すると次に、月閃のメンバーが叫ぶ。

 

「くっ・・・・理巧様! 目を覚まして下さい!」

 

「儂を倒した強者が、そんな無様を晒すでない!」

 

「今の理巧っち、鬼ダサいよ!」

 

「美野里は、美野里はいつもの理巧くんが大好きだよ!」

 

自らお面を外した叢が。夜桜が。四季が。美野里が・・・・。

そして、家族が理巧を諭す。

 

「ここに来ていない人達も、アンタの帰りを待っているのよ?」

 

「待ってる女を泣かせるような恥知らずな息子に育てたつもりはないぞ」

 

「理巧くん。沢山の人達が、アナタの事を信じています。アナタは皆の『希望』なんですよ?」

 

「理巧。忘れるな、地球の事を。俺達『家族』を。霧夜達『仲間』を。そして、彼女達の事もな」

 

『・・・・・・・・』

 

ジードが、ゆっくりと顔をこちらに向けてきた。

 

 

 

 

 

 

ー理巧sideー

 

薄れゆく意識の中で、理巧はその暗闇の中を、ただゆっくりと落ちていくような感覚に呑まれていった。

目も段々閉じていき、このまま深い深い闇に沈んで、消えていくのかと思ったその時ーーーー。

 

ーーーーパシッ・・・・パシッパシッパシッパシッパシッパシッパシッパシッパシッパシッパシッパシッパシッパシッパシッパシッ!!

 

何人もの手が、理巧の手を掴んだ。

その瞬間、理巧の閉じられていく瞼が開かれるとそこにはーーーー忍の皆がいた。

 

「みん、な・・・・?」

 

『理巧(くん/さん/様)!!!』

 

薄れていく意識がハッキリし、皆が理巧の名を呼ぶと、全員で理巧を、僅かに開けた『孔』へと押し上げようとした。

 

「行きなさい! 理巧くん!」

 

「運命なんざ、ひっくり返してこい!」

 

「・・・・ああ!」

 

雪泉と焔の言葉に理巧は力強く頷くと、押し上げる勢いを利用して飛ぼうとしたその瞬間、皆に向かって、今まで見た事のない笑顔を浮かべて言う。

 

「皆ーーーーありがとう」

 

「ぁ・・・・うん!」

 

飛鳥達も笑みを浮かべて、光の粒子となって消えた。

 

「鷹丸さん。ハルカさん。ナリカさん。スバルさん。皆をお願いします・・・・!」

 

そして理巧は、ジードライザーを構えて叫ぶ。

 

 

 

「ーーーージーッとしてても、ドーにもならない!」

 

 

 

ジードライザーが輝くと、理巧の身体が光に包まれ、『孔』の中を突き抜けていった。

 

 

 

 

 

 

 

そして、ゼロビヨンドと交戦していたキメラベロスに異変が起こった。

 

『グゥッ!? ウゥッ、ヴォアアアアア!!』

 

キメラベロスのカラータイマーから、『黒いエネルギーの塊』が飛ばしていくと、ゼロビヨンドの隣に舞い降り、その身体の周りを覆っていたエネルギーが消え失せるとーーーーウルトラマンジードが立っていた。

 

 

 

 

『ーーーーシュワァッ!!』

 

 

 

 

ウルトラマンジードは一声上げると、キメラベロスに向かって構えた。

 

『「理巧っ!!」』

 

『ふっ・・・・遅いぞ、ウルトラマンジード・・・・』

 

『悪いね、主役は遅れてやって来る。前にそう言ってましたよね?ーーーーゼロ。ついでだけど、あの人との『決着』は、ボクに譲ってくれないかな?』

 

『ーーーー奴は、強いぜ?』

 

『ーーーーだろうね。でも、もう負ける気がしない!』

 

ジードの姿と顔つきを見ると、ゼロビヨンドと霧夜先生は、フッと笑みを浮かべる。

 

『それじゃぁーーーー行って来い!!』

 

『了解!ーーーーハァっ!!』

 

『キシャァァァァァァァァァァァッッッ!!!』

 

ジードとキメラベロスが、月面でぶつかり合う。

 

 

 

 

 

ーペガsideー

 

『ーーーーウルトラマンジード。キメラベロスと分離しました』

 

『やったぁぁっ!! 皆がやってくれたんだぁ!!』

 

レムからの報告を受けて、ペガは空中モニタに浮かんだジードを見て声を張り上げた。

がーーーー。

 

『(ーーーーペガは・・・・何にもできてない・・・・理巧に対して、何もできてないや・・・・)』

 

 

 

 

ー鷹丸sideー

 

「ーーーーーーーーふぅぅ〜・・・・」

 

鷹丸が息を吐き出すと、場所は元の十宝学園の体育館に戻っていた。

 

「鷹丸さん! りっくんは!?」

 

「・・・・皆、理巧はすぐに戦場を変えるだろう。行くんだ。君達はいるべき場所はーーーーここじゃない!」

 

『っ・・・・・・・・はい!!』

 

鷹丸にそう言われ、飛鳥達と焔達と雪泉達は、急いで外へと走り出した。

 

「・・・・鷹丸様。あの子達に、理巧くんを託すのですか?」

 

「いつまでも、理巧を親離れさせないでいる訳にもいかないだろう?」

 

「んで鷹丸、あたし達はどうするの?」

 

「ーーーー決まっている」

 

鷹丸は、再び印を結んでいきながら、ウルトラマンキングのメッセージを思い返していた。

 

ーーーー君の『使命』はまだ・・・・“終わっていない”。

 

「『リトルスター』を、理巧に届けよう・・・・!」

 

「OK!」

 

「届かせるさ!」

 

「私達の祈りを!」

 

鷹丸の隣に坐禅したハルカとナリカとスバルも、印を結び、瞑目して集中すると、四人の胸元に『リトルスター』の輝きを放ち、四人の周囲に、光の粒子が舞い上がってきた。

 

 

 

 

 

 

 

ージードsideー

 

『ハァァァァっ!!』

 

『グゥゥゥっ!』

 

ジードがキメラベロスの顎に飛び膝蹴りを叩き込む。

 

『ヴッ! ヴゥッ!』

 

キメラベロスがジードを引き裂こうとカギ爪を振り回すが、ジードはそれらを上体を下ろしながら回避して。

 

『『レッキングロアー』!!』

 

『ヌォォォォッ!!』

 

キメラベロスの顎に向かって絶叫攻撃をして怯ませると、大きく後ろにジャンプする。その際ーーーー。

 

『『レッキングリッパー』!!』

 

光の刃を連続で放ち、キメラベロスに浴びせていく。

 

『グゥゥゥゥ!!』

 

再び急接近して、光を纏った拳を叩きつけようとした。

がーーーー。

 

『フンッ!』

 

『っ!』

 

キメラベロスはその拳を受け止め、逃れようとするジードを引き寄せながら、後ろからヘッドロックをかけられる。

 

『息子よぉぉぉぉっ!!』

 

『言った筈だぞベリアル! その口で、僕の事を『息子』と呼ぶなってさぁ!!』

 

『貴様はどうやって、俺の『呪縛』からどうやって抜け出した!?』

 

『僕には! 『家族』が! 『仲間』が! 『大切な人達』がぁ! いたからだぁっ!!』

 

ジードはエネルギーをチャージする。

 

『ハァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!』

 

そして、月面の地面に向けて、必殺光線を放った。

 

『ーーーー地球に移動だぜ! ベリアル!!!』

 

『何!? まさか・・・・!?』

 

『『レッキングバースト』ォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!!!』

 

『ヌォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!??』

 

その威力に、二体の巨人は吹き飛び、その光線の勢いのまま、地球へと向かった。

 

 

 

ーゼロsideー

 

『アイツら!』

 

『「あのまま地球に戻るつもりか!?」』

 

ゼロビヨンドと霧夜先生も、急いで地球へと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

ー飛鳥sideー

 

飛鳥達と焔達と雪泉達が外に出て、十宝学園の屋上に飛び登ると、曇天の空を突き破って、二体の巨人か地球に落下した姿を見つけた。

 

ーーーーチュドォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォンン!!!!!

 

そして、とてつもない落下音と土煙と衝撃波が、周囲を蹂躙していった。

 

「ーーーーあそこだ!」

 

飛鳥が指差すと同時に、全員が即座にそこに向かった。

 

 

 

 

 

ー雅緋sideー

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

そして、十宝学園の体育館の屋上から、飛鳥達の様子を見ていた雅緋達もまた、飛鳥達を追って駆け出す。

見定める為だ。ウルトラマンジードを。暁月理巧をーーーー。

 




次回、現在なれるフュージョンライズでベリアルに立ち向かう!!
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