ージードsideー
理巧は、ジードライザーを構え、『ベリアルカプセル』を起動させる。
『「融合!」』
ーーーーゼェェェッ!!
カプセルの中から紫色の光の線が幾つも現れ、ウルトラマンベリアルが出現し、カプセルをナックルに装填した。
『「アイ・ゴー!」』
『ウルトラマンキング』のカプセルを起動させると、カプセルから七色の光の線が幾つも現れ、『ウルトラマンキング』が現れる。
ーーーーダァァァッ!!
『キングカプセル』を装填する。
『「ヒア・ウィー・ゴー!!」』
ジードライザーのスイッチを押した理巧は、装填ナックルを取り外し、ジードライザーで読み込む。
ーーーードクンッ! ドクンッ!
鼓動のような音がすると、ジードライザーの中央カプセルに、今までベリアルカプセルを読み込むと紫色だったのに、キングカプセルを読み込んで虹色の光が出ると、真っ白な光となった。
『「はッ!」』
[ウルトラマンベリアル! ウルトラマンキング!]
ジードライザーはいつもと異なり、スキャンした虹色と純白のエネルギーが放出されて混ざり合い具現化すると、V字の形をしたクリスタルが輝く柄をした、まるで杖と剣が一体化したようなアイテムを作り出す。
[我、王の名の下に!!]
理巧は装填ナックルからキングカプセルを抜いてアイテムの柄に差し込み、V字のクリスタルが七色に輝き、柄におもむろに手をかざす。
[ウルトラマンキング!]
『「変えるぜ! 運命!!」』
『トワッ!』
『「ハァっ!! ジィィィィィィィィドッ!!」』
光り輝く剣『超絶撃王剣キングソード』を握り締め、トリガーを引いた理巧は『目の細いウルトラマン』へとその姿を変え、ウルトラマンベリアルとウルトラマンキングのビジョンと重なり合い、美しく清らかな鐘の音色と共に、無数の金色に輝く光の粒子に包まれ飛び立つと、一瞬輝いたベリアルの両目を背に、金色の光を纏った青と赤紫の渦を背にしながら飛び出していく。
[ウルトラマンジード! ロイヤルメガマスター!!]
黄金の光の突き進みながら、ウルトラマンジードは新たな姿へとなったーーーー。
◇
そしてーーーーその姿を飛鳥が、斑鳩が、葛城が、柳生が、雲雀が、焔が、詠が、日影が、未来が、春花が、雪泉が、叢が、夜桜が、四季が、美野里が、雅緋が、忌夢が、紫が、両備が、両奈が、大道寺先輩が、鈴音先生が、多くの忍達が見た。否、霧夜先生とゼロ、鷹丸とハルカとナリカとスバル、ペガとレムとゼナ、そして多くの人々も、その姿を見た。
思わず両膝を突き、跪いてかしずくような姿勢を取る者もいたが、それを咎める者も、嘲笑を浮かべる者も皆無であった。
ーーーー誰もが、そうしようとしてしまっていたのだ。
暗雲の空を黄金の光で討ち消し、蒼穹の空が広がり、大きなマントを靡かせながらその手に杖のような剣を携え地上に降り立つ。
紫を基調に銀と黒のラインが伸びた姿をし、全身には黄金の装甲が施され、頭には獅子のタテガミにも似た側頭部と赤いビームランプのある王冠のごとく施された頭頂部をし、 カラータイマーから両肩部まで広がった金色に輝く胸部プロテクター、腰の金色のベルト、両手の金色のガントレットに両腕部を装備し、両足にも金色のグリーブを装備し、さらに裏地が赤い黄金のマントも装着した、その気高くも美しい荘厳な威光に満ち満ちたその姿はまさにーーーー。
『ハァァァ・・・・!』
『王者』が、運命を変える眩き光輝の王『ウルトラマンジード ロイヤルメガマスター』が降り立ったのだ。
ーーーー・・・・わぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!
その雄々しい勇姿を見て、人々が割れんばかりの歓声を上げた。
そして、それを見たキメラベロスは、驚愕したような声を発する。
『ーーーーその姿は・・・・馬鹿な!? 貴様、認められたというのか・・・・キングに!!
キメラベロスは、自分の遺伝子から生まれた暁月理巧が、ウルトラマンジードが、ウルトラマンキングに認められた事が信じられないと言わんばかりに、地響きを上げながらロイヤルメガマスターへと向かう。
ロイヤルメガマスターは、ゆっくりとキメラベロスを指さす。
『アンタは強い! あぁ、認めるさ。その凄まじい強さ!ーーーーだけど、間違っている!!』
『グワッ!!』
『ハァッ!!』
そして、キメラベロスはロイヤルメガマスターに向けてカギ爪を振り下ろすが、それを『キングソード 剣モード』を持って防ぐ。
『ハァッ! フッ! ハァァッ!!』
そしてそれを受け流すと、キングソードを振るって、キメラベロスの身体を左から右から上から斬っていく。
『グゥゥゥゥ!!ーーー!ハァァァァァ!』
キメラベロスは両腕を何度も振るい、『ベリアルリッパー』を幾つも放つ。
『ハァァァァァ!!』
が、ロイヤルメガマスターはキングソードを腰に納め、まるで『抜刀術』のように構えると、抜き身を見せない目にも止まらぬ速さでキングソードを振るい、その闇色の刃を全て斬り捨てていく。
『ハッ!』
[アン・ドゥ!]
『『スウィングスパークル』!!』
理巧がキングソードを持ち上げ、柄のV字のクリスタルに手を二回翳すと、音声が流れ、その場で回転しながらキングソードの刀身に集めた燃えるような黄金のエネルギーの斬撃を放って、キメラベロスの身体を斬り付ける。
『グワァァァァァァァァァァァァ!!』
それを受けて、キメラベロスの身体に爆裂が起こる。
『ーーーーハァァ・・・・!』
ロイヤルメガマスターはキングソードを杖モードに持ち変える。
爆炎が収まると、キメラベロスは『ベロスインフェルノ』を放った。
『っ! 頼みます、『ウルトラ六兄弟』!!』
ーーーーシュワ! デュワ! シャッ! トワー! タァー! デヤッ!
理巧は、初代ウルトラマン。セブン。ジャック。エース。タロウ。ゾフィー。『ウルトラ六兄弟が入ったウルトラカプセル』をキングソードに装填した。
[ウルトラ六兄弟!]
『ハッ!』
ーーーーシュワ! デュワ! シャッ! トワー! タァー! デヤッ!
キングソード・杖モードのV字の柄に手を翳すと、ウルトラ六兄弟の幻影が出現しーーーー。
『『ブラザーズシールド』!!』
ロイヤルメガマスターが杖モードのキングソードの後ろを押すと、V字の柄から、黄色、白、青、緑、水色、赤の光の粒子が交互に放出され、何とーーーーゾフィー、初代ウルトラマン、セブン、ジャック、エース、タロウとウルトラ六兄弟の姿が発現し、『ウルトラサイン』と『ウルトラ文字』で描かれた円形の魔法陣のバリアを展開して、キメラベロスの『ベロスインフェルノ』を防いだ。
そして防ぐと、バリアと共にウルトラ六兄弟の姿が消えた。
『ーーーーハァ!』
『ーーーーハァァッ!!』
キメラベロスが背中の大きな翼を広げると、空高く飛び立ち、その風圧で車とかが吹き飛ぶ。
『っ! ハァっ!!』
ロイヤルメガマスターもそれを追って飛び立ち、キメラベロスとぶつかり合う空中戦を繰り広げる。
『俺をどれ程否定しようと! お前はベリアルの息子!!』
ロイヤルメガマスターとキメラベロスが、空中でぶつかり合いながら組み合う。
『生きている限り! 俺の名か名前らは逃れられん!!』
『もう逃げるつもりはない!! 僕の身体が、アナタから造られたモノだとしても! この『意志』は! 『心』は! 『魂』は!! 僕の、暁月理巧の、ウルトラマンジードのものだぁ!!!』
キメラベロスの、ベリアルの言葉に、真正面から立ち向かう暁月理巧。
『変えられるものか! 運命を!!』
と、そう言って、キメラベロスがロイヤルメガマスターの頭に頭突きをぶつけたーーーーその時。
『っ!』
ロイヤルメガマスターの、否、理巧の脳裏に、『何か』が過った。
『(・・・・これは・・・・!)』
それを見て、ロイヤルメガマスターはそれが何なのか察すると、一瞬力が緩み、それを好機と見たのか、キメラベロスが組み合いから脱出して距離を空けると、腕を十字に組んで『デスシウムバースト』を放つ。
『グワァァァァァァァァァァァァ!!!』
『っっ!! ハァァッ!!』
ロイヤルメガマスターは迫りくる破壊光線をなんとーーーーマントで受け止め防ぎ切った。
『何だとっ!?』
『あなたは言ったな? 『運命は変えられない』と!』
キメラベロスに、ウルトラマンベリアルに向かって、ロイヤルメガマスターは、ウルトラマンジードは、暁月理巧は叫ぶ。
『ーーーー変えてみせる! あんたにはできなかった事を!僕の運命は、僕が決める!!』
ロイヤルメガマスターは、キングソード・杖モードにエネルギーを集束させ、光弾を撃ち出した。
『グァァァァ!!』
全身を灼きながら、キメラベロスはこれまでの戦闘で所々に火が上がっている街へと落下し、建物がクッションとなって倒れた。
『これで! 終わらせる!!』
理巧は、右手にジードライザーを持ってトリガーを押し、ライザーで左手のキングソードのV字のクリスタルを読み込むと、ライザー中央が七色に輝く。
[解放せよ! 宇宙最強の力!!]
『はぁっ!!』
七色に光るライザーを離すと、キングソードのV字のクリスタルから黄金の光が眩く放たれ、ライザーを腰に置き、右手にキングソードを持ち変えると、左手でV字のクリスタルに手を翳す。
[アン・ドゥ・トロワ!]
一回目で青、二回目で赤、三回目で金色に光かるキングソードを翳す。
『はぁっ!!』
すると、キングソードのV字のクリスタルが七色に輝いた。
そしてキングソードの柄部を杖のように天に掲げると、そこに目映い黄金のエネルギーが集まっていき、まるで太陽のような輝きを放つ。
『『ロイヤルエェェェェェンド』!!』
理巧が技の名前を叫び、下ろしたキングソード・杖モードを左手で十字に交差すると、目映い輝きと共に黄金の破壊光線、ロイヤルメガマスターの必殺技『ロイヤルエンド』が放たれた。
黄金の破壊光線がキメラベロスの身体に降り注がれ、キメラベロスのその身体に亀裂を生み出し、そこからドス黒い闇のエネルギーが溢れ出て、キメラベロスの身体が崩壊していく。
『ーーーー何だ!? この力はああああああああああああああああっ!!!???』
ーーーーコオォォォォォォォォォォォォンン!!!
ーーーーチュドォォォォォォォォォォォンン!!!
溢れ出た闇のエネルギーが無惨し、大量の黄金の粒子と共に、キメラベロスの身体は完全に崩壊し、美しい音色と共に大爆散した。
『・・・・・・・・・・・・』
それを左手に杖モードのキングソードを持って見据えるロイヤルメガマスターの姿は、威風堂々としたその佇まいはまさにーーーー『王』と呼ぶに相応しかった。
ー飛鳥sideー
「ーーーーやった・・・・やったぁ!! ジードが勝ったぁ!!」
ーーーーワァァァァァァァァァァァァァァ!!!
飛鳥の声を皮切りに、斑鳩達に焔達に雪泉達、この戦いを見ていた忍世界の者達、そして街の人々、否、世界中の人々が大歓声を上げたのであった。
ー霧夜先生sideー
「良し!」
《やったな、理巧。嫌、ウルトラマンジード!》
霧夜先生とゼロも笑みを浮かべた。
ー理巧sideー
『レム。ペガ。心配をかけたね』
《無事で安心しました》
《・・・・・・・・》
『ペガ・・・・?』
《あっ、う、うん! おかえりなさい! 理巧!》
『・・・・・・・・』
ペガの「おかえりなさい」を聞いた理巧は、「あぁ、やっと帰ってこられた」と、笑みを浮かべてから応えた。
『・・・・ああ。ただいま!』
そして、ロイヤルメガマスターは空を見上げーーーー。
『ーーーーフッ!!』
キングソードを掲げると、金色の光がシャワーのように降り注ぎ、街の火災を消した。全ての炎が消えた事を確認すると。
『ーーーーハッ!』
そのまま軽やかに宙を舞い、飛び去って行った。
◇
そして理巧が基地に戻るとーーーー。
「りっくん!!」
『理巧!/理巧さん!/理巧くん!/理巧様!』
飛鳥を筆頭に、大勢の仲間達が抱き着いて来たのだ。それはもう皆、理巧を力強く抱き締め、未来の貧乳は勿論、それぞれの巨乳・豊乳・爆乳を押し付けて、ムニュッ♡と変形した。
男にとって赤面したり生娘みたいに騒いだりするだろうが、理巧はまるで動じず、小さく笑みを浮かべてから優しく、抱き着いてきた皆を抱き返した。
そして、空中モニタでは。
《私達の見解は、間違っていたのかも知れません!》
ニュースのキャスターが、ウルトラマンジードは自分達の味方であると報道していた。未来がスマホを操作すると、ネット上でも『ウルトラマンジードは俺達の味方だ!』、『俺は最初から分かっていたけどwww』、『お前が一番怪しんでただろうが!?』、『そういえは、前のウルトラマンベリアルとウルトラマンジードの戦いで意識不明となった女性が目を覚ましたんだって』と、色々なコメントが表示されていた。
「かぁ~! コイツらの面の皮、春花お姉様か大道寺先輩の胸部装甲並にブ厚いわね!」
「散々ジードを怪しんでおきながらな」
「ま、世間と言うのはそんなもんだし。一々気にしなくて良くね?」
未来と柳生が手の平をあっさりと返すネット上の人間達に悪態をつき、四季がまぁまぁと宥めた。
すると、霧夜先生が近づいてきて、
「(デュォン!)ーーーー誰にもできない事をお前はやってのけた。誇って良い!」
ゼロが霧夜先生と変わり、理巧の肩に手を置いて理巧に笑みを浮かべて労った。
「・・・・はい!」
そして理巧は、飛鳥達や焔達、そして雪泉達に向けて声を発した。
「皆、ただいま!」
『おかえりなさい!』
すると今度は、転送エレベーターから、鷹丸達と鈴音先生と大道寺先輩。そしてーーーー雅緋達、『新生蛇女選抜チーム』が入ってきた。
「・・・・えっと、鷹丸さん? 何で彼女達が?」
「それに関しては、鈴音から話があるようだ」
「正確には、雅緋達からな」
鈴音先生がそう言うと、雅緋達五人は前に出ると。
ーーーーザッ・・・・!✕5
何と、理巧の前に片膝をついて頭を垂らした。まるで、主に忠誠を誓うかのように。
「・・・・・・・・何してんの?」
理巧は思わず首を傾げ、飛鳥達も焔達も雪泉達も、霧夜先生(&ゼロ)も首を傾げた。
それに答えたのは鈴音先生である。
「蛇女の悪忍上層部は、暁月理巧が善忍のエリート校である月閃女学館の選抜メンバーにして、『伝説の抜け忍 黒影』の孫娘達と婚約を結んだと聞き、こちらも更なる増員として、新たな選抜メンバーと暁月理巧の間に、『主従関係』を結ぶと言う方法を選んだ」
「えっ・・・・?」
『え"・・・・・!?』
それを聞いた理巧と他の皆は間の抜けた声を発した。
以前霧夜先生の授業で聞いたが、忍は個人や組織と『主従関係』を結ぶ事がある。戦国の世では風魔忍軍が北条家に使え、甲賀忍軍が織田信長や豊臣秀吉に。江戸時代では伊賀忍軍が徳川家康に仕えていたように。
「僕が・・・・雅緋さん達の、主・・・・?」
理巧は「どう言う事?」と言いたげな視線を鈴音先生に向けると、鈴音先生も、はぁ~っと、盛大に溜め息を溢して説明する。
「さっきも言ったが、月閃女学館の選抜メンバーと婚約したそうだな?」
「いや、黒影さんが勝手にそう言っているだけで、僕はそんなつもりはあんまり・・・・」
「お前がそう思っていようが、悪忍上層部はそう見てる。と言う訳で、雅緋達の事もよろしく頼むぞ」
「ちょっと待って下さい! そんな事言われて、雅緋さん達は了承すると「了承している」えぇぇぇっ!?」
飛鳥が止めようとするが、リーダーの雅緋がそう言った。
「確かに、いきなり年下の少年を主としろと言われて、最初は納得できなかった。しかし、あの姿を見て、私達は決めた」
「あの姿って・・・・ロイヤルメガマスターの事?」
「そうだ。あれ程の威光と、ウルトラマンベリアルを圧倒して強さを見せられ、我々は、いえ、私はあなたを主と認めました」
雅緋のその目からは、嘘は全く言っていない様子であった。
「・・・・お前はさ、覚えていないだろうけど、ボクや紫とは会った事あるんだぞ」
忌夢がそう言うと、紫もコクコクと頷いた。
「んん? んん〜? 紫ちゃんって・・・・あっ! 僕が半蔵のお爺さんに会いに行く手前で、不良達に囲まれていたあの子!?」
「(コクッコクッコクッコクッコクッ!!)」
紫はパァッと顔をほころばせると、凄い勢いで首を縦に振った
すると、忌夢の方は覚えていないようなので忌夢は話した。
「私を含めて蛇女子学園で大勢の忍や教官をほぼ数秒でのし上げて、さらに脱走者を始末する『三鬼者』を半殺しにしただろう!?」
「・・・・あっ! 気絶させたと思ってたけど起きてて、僕にあの鎧武者達の名前を言った忍さんか!?」
「そうだよ! お前と三鬼者の戦いに巻き込まれて毒で苦しんでいたのがボクだよ! ついでに、奴らから解毒剤を奪ったお前がーーーー“口移しで解毒剤を飲ませた女だの”!!//////」
『何ィィィィィィィィィィィィ!?』
顔を真っ赤にした忌夢の発した言葉に、飛鳥達が大声を発して理巧をギロリと睨むと、理巧は思い出すように眉間に指を当ててから、記憶を探る。
* * *
あれはそう、三鬼者と呼ばれる三人を蹴散らし、彼らの懐から解毒剤を奪った時の事。
【・・・・ぁっ・・・・ぐぅぅ・・・・!】
他の忍達は気絶していたお陰か、毒をあまり吸わなかったようだが、起きていた眼鏡の忍は毒を吸ったせいか苦しそうにしていた。
【(ペロッ)ーーーーかなり苦いけど、解毒剤だ。飲める?】
理巧が指先に当ててひと舐めして解毒剤だと体内で分析すると、それを少し飲ませた。
が、
【ぶはっ!?】
その忍はあまりの苦さに吹き出してしまった。これでは飲めそうにない。
【・・・・仕方ないか】
【ケホッ、ケホッ! ん?ーーーーんん!?】
理巧は解毒剤を口に含めると、その忍にーーーー口移しした。
【ん!? んんっ!? んんーーーー!!・・・・んん、ンチュ・・・・////】
最初は目を見開いて抵抗したが、やがてヘナヘナと動かなくなった。
【ーーーーぷはっ。さて、解毒は済んだかな?】
頬を紅潮して、顔を蕩けさせた忍の容体を見てコクリと頷く。
【解毒剤は置いておくから、他の人達にも飲ませなよ?】
【(コク・・・・コク・・・・)】
そしてそのまま、理巧は乗り込んでいるであろう飛鳥達と合流すべく、その場を離れたのであった。
***
ポンッと手を叩いた。
「・・・・あぁ、毒を吸って酷く苦しんで手に持って飲む事もできそうになかったから口移しで飲ませたんだっけ?」
「そうだよ!! うぅ~っ、ファーストキスだったのに・・・・!////」
さめざめと泣く忌夢は取り敢えず置いておいて、理巧は紫と両備と両奈に目を向ける。
「で、他の三人はどう?」
「・・・・わ、私も、理巧、くんに、仕えたい・・・・」
「ふふっ、ウルトラマンジードを屈服させのも悪くないし」
「り、両奈ちゃんの事、椅子にしたりして良いよ」
紫達も了承しているようだ。
「私達のあなたへの忠誠の証として、ウルトラマンの祈りと共に、これを譲渡します」
ーーーーコーン・・・・!
雅緋達の胸元から、金色、黄色、青、緑、赤の光の『リトルスター』が飛び出すと、理巧の手に収まると、
ーーーーセヤッッ!
ーーーーシュワッ!
ーーーーシャッ!
ーーーートワー!
ーーーータァー!
『『ウルティメイトゼロカプセル』。『ネクサスジュネッスカプセル』。『ジャックカプセル』。『エースカプセル』。『タロウカプセル』が起動しました』
新たな『ウルトラカプセル』を手に入れたのだが、
「・・・・りっくん〜・・・・」
「・・・・理巧〜・・・・」
「・・・・理巧さん〜・・・・」
背後から幽鬼のようにゆっくりと理巧の肩に目を置いたのは、飛鳥と焔と雪泉だった。周りを見ると、斑鳩達も詠達も叢達も、前髪で目元が隠れていたが、ギラギラと物騒な光を放っていた。
「・・・・・・・・」
理巧は助けを求めるように、鷹丸達を見ると。
鷹丸は「流石は俺の息子だ!」と言わんばかりに頷き。
ハルカとナリカとスバル、さらに霧夜先生達は「鷹丸(様)の良くない所を影響されたな」て言わんばかりに苦笑した。
「・・・・ペガ。どうしようか?ーーーーあれ? ペガ??」
理巧はいつの間にか、否、理巧が基地に戻ってきてから、その姿と気配を消したペガを探して、周囲を見回した。
が、それと同時に、飛鳥達が襲い掛かり、追いかけっこが始まった。
ーペガsideー
『・・・・・・・・』
そしてペガは、基地のある展望台から一人で外に出ており、展望台を見あげながら、少し寂しそうな声を発する。
『理巧にはもうあんなに友達がいる。ペガは理巧に何もしてあげれない・・・・』
自分の無力さに落ち込み、ペガは展望台から背を向けて、『ダークゾーン』へと沈んでいく。
『さようなら、理巧。元気でね・・・・』
そう言って、薄っすらと涙を浮かべたペガは『ダークゾーン』を使って、その場から去って行った・・・・。
ー???sideー
そしてその夜。
ゴミ置き場とされている路地裏に一人の男が蹲る。
「・・・・ぐっ・・・・ベリアル、様・・・・!!」
その男は・・・・伏井出ケイは、薄汚れ、ボロボロの衣服を着た、満身創痍の身体で起き上がり、ヨロヨロとその場を去った。
ーーーーその身体から、負のエネルギーを立ち上がらせ、その背中に、そのエネルギーを浄化するように優しい光を放つエネルギー体を背負ったまま、路地裏の更に奥の闇の中へと消えて行った。
悪忍上層部は善忍のエリートである月閃の雪泉達が理巧と(一方的だが)婚約したので、それに対抗して雅緋達に理巧と主従関係を結ばせようと画策したようです。
因みに、ジードがキメラベロスと戦っている間、道元は内心「死ね! 死ねジード!!」と、呪いを送っていました。
ー次回予告ー
ペガが行方不明になってしまった。何処に行ったんだペガ・・・・! ペガが側いてくれたお陰で、ボクはどれだけ救われたと思っているのさ!? そんなボクの前に、『過去の因縁』が現れる。どけ! お前達なんかと遊んでいる暇なんかないんだ・・・・!!
次回、『閃乱ジード』
【ペガの家出】
掴むぜ、絆!