過去の因縁
ー???sideー
それは、ペダニウムゼットンが街に暴れ、飛鳥達が焔達と雪泉達と共に避難誘導をしている時であった。
ペダニウムゼットンが放った『ペダニウム・メテオ』の爆発によって、幾つかの大きな瓦礫が、郊外にあった一つの『建物』の壁を破壊した。
『わぁぁぁぁぁぁぁぁ!!』
その壁が破壊されると、中にいた人間達が『建物』から逃げ出していた。
その『建物』ーーーー『少年刑務所』から脱獄したのだ。
無論、脱獄した囚人達の大半がすぐに捕まったが、その中で数人の囚人の少年達は、女子刑務所に収容されているかつて『仲間』達を脱獄させると、そのままその数人の男女は警察や市民の目を避けながら廃ビルの中に潜伏し、何日かが経過していった。
「ーーーークソがっ!! 何で俺らがこんな惨めな思いしなきゃならねぇんだよ!?」
「ーーーーだよなぁ? 俺達が、刑務所‹ムショ›で生活する事になったのも納得できないぜ!」
「ーーーー俺達の青春、滅茶苦茶になっちまったよ・・・・!」
「ーーーーどうして・・・・!? どうして私達がこんなみすぼらしい服や不味い食事をしなくちゃいけないのよ!?」
「ーーーー寒いよ・・・・! 辛いよ・・・・!」
「ーーーー・・・・・・・・なぁお前ら。『復讐』したいと思わないか? “アイツ”に・・・・?」
数人、六人の“高校生くらいの男女”の中で、三人の男子が廃ビルの壁や柱を殴り蹴りながら怒りをぶつけ、二人の女子はゴミ袋とかから盗んできた服を見下ろし、手に持った賞味期限切れのパンとかを床に踏みつけたり、蹲って泣いていたりしていると、リーダー格のような一人の男子が、“自分達をこんな目に合わせた『元凶』への『復讐』を提示した”。
その瞬間、他の男女達は目の色を変えて吠える。
「『復讐』・・・・したいに決まってるだろうっ!!」
「大体おかしいじゃないか! 何で『あのクズ』が『被害者扱い』で、俺達が『加害者扱い』なんだよ!?」
「だよなぁ? 後、調べてみたんだが『アイツ』、高校でかなり良い生活してるみたいだぜ?」
「? 何でそんな事分かるのよ? あんた、親に勘当されたんじゃなかったの?」
「勘当したのは祖父‹ジジィ›が決めた事さ。俺が刑務所‹ムショ›にいる間にその祖父‹ジジィ›がくたばって、俺が脱獄したのを知った親父とお袋が、使用人を使ってコンタクトしてくれてな。それで色々と調べてくれたんだよ」
そう言って、リーダー格の少年がスマホを取り出して、液晶に映された『元凶』の今の生活を皆に見せた。
都内でも有数のマンモス校に在籍し、中学の頃よりも美形になり、さらにその周りには、顔も良ければ胸も大きく、スタイルもえげつないくらいに整った十数人の美少女達に囲まれている姿だ。
「・・・・な、なんだよこれ・・・・? なんなんだよこれはっ!?」
「ふっざけんなよっ!? 俺らが惨めな生活をしているのに、何で『あのクズ』がこんなバラ色の青春を謳歌してんだよ!?」
「こんな・・・・こんな美少女で、エロい身体した女の子達に囲まれてるって言うのかよ・・・・!?」
「しかもこの中には、『鳳凰財閥』や『大狼財閥』のご令嬢までいるそうだ」
「はぁ!? 顔の良さを使って金持ちの女を誑かしたっての!? とんだ最低なゲス野郎ね!!」
「ズルいよ・・・・私達がこんな目にあっているのに、私達の青春と人生を滅茶苦茶にしておいたくせに・・・・!!」
リーダー格の少年以外の男女が、憤怒と憎悪で顔を歪めて歯軋りをし、殺意と怨嗟に満ちて血走らせた瞳で、『元凶の少年』を呪い殺さんばかりに睨み付けた。
それを見ながら、リーダー格の少年はうっすらと口角を上げて口を開く。
「ーーーー親父がその道のプロを雇ってくれるって言ってたんだけどさぁ? どうする? 殺るか? コイツを・・・・『暁月理巧』を?」
そのリーダー格の少年の言葉に、仲間達は頷いた。
ー???sideー
ーーーージリリリリ! ジリリリ! ガチャっ・・・・。
「はい。もしもし・・・・あぁ、これはこれは毎度ご贔屓に・・・・ええ。ええ。なるほど分かりました。息子さんとそのお友達の力になれば良いのですね? 分かりました。それでは詳しい話は息子さんから伺います。失礼致します」
今時珍しいレトロチックな雰囲気溢れるアパートで、畳とちゃぶ台の置かれた居間で、座布団に腰掛けて『ある人物』をターゲットに計画を立てていた男が、ちゃぶ台に置かれた黒電話を手に取り、贔屓にしている『金払いの良い資産家』から依頼を受けた。
「さて、と。生活の為にも少〜しお仕事をしてこないとな。その後は、ちゃ~んと『計画』を立てて『始末』してあげるよ。ーーーー暁月理巧、ウルトラマンジード」
その男は、壁に張り付けた暁月理巧とウルトラマンジードの写真に向けて、指を銃の形にして、パァン、と撃つような仕草をした。
その姿を一瞬ーーーー『異形の姿』へと変えて・・・・。
ーペガsideー
『・・・・はぁ、理巧。今何をしてるかなぁ・・・・?』
理巧の所から離れてもう三日。
内職で貯めたお金を使ってパンとかをこっそりと買い。カプセルホテルの中に無断でこっそりと泊まったりしながら過ごし、今はとあるビルの屋上から夜空を見上げていた。
数年前、意図せずこの星にやって来て理巧と出会うまで、野良犬のような生活をしてきた。しかし、皆と過ごしてきた日々がもう何ヶ月も昔のように思えて、涙ぐんでいた。
『・・・・・・・・』
一瞬、理巧の所に帰ろうかと思ったが、こんな自分が側にいたって理巧の役に立てないと考え、こうなったら貧民街にいる宇宙人仲間達に暫く泊めて貰おうかな、と思ったその時ーーーー。
ーーーーバチバチバチバチバチバチバチバチっっ!!
『っっ!! うあぁああぁぁぁあああ!!』
突然何かが飛んできて、ペガの身体にくっつくと、凄まじい電流が流れ、激しい痛みが全身を駆け巡り、筋肉の収縮と神経が麻痺していくのを感じながら、ペガはその場に倒れた。
『な・・・・なに、が・・・・?』
ペガの身体は痺れて動けず、眼球を動かして周りを見ると、鉄パイプを持って自分に近づく数人の男女を見た。
『ッッッ!!??(こ・・・・この、ひと・・・・たち、って・・・・)(バキッ!)あぐっ!・・・・り、く・・・・』
そして、その顔を見て、ペガは驚きに目を見開いたが、その男女が手に持っていた鉄パイプで殴られ、意識は闇に沈んでいった・・・・。
ー理巧sideー
その頃、理巧は『椅子』に座りながら、空中ディスプレイに映し出された各所の映像に目を走らせていた。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
『ーーーー理巧。街中の街頭防犯カメラに(こっそりと)アクセスしましたが、ペガらしき存在は確認されません』
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・そう」
レムからの報告に、静かく短く頷いた。心なしか苛立っている風に感じるのは、家出をしたペガを心配しているのだろう。
『・・・・・・・・////』
すぐ近くでは、何故か蛇女の制服ではない衣装を着た雅緋と忌夢と紫と両奈が使用人よろしく控えていた。が、両奈だけは妙に興奮しているように息を荒くし、雅緋と忌夢と紫は頬を赤くしていた。
すると、転送エレベーターから、ペガの捜索に出ていた皆が戻って来た。
「りっくん駄目。学校周辺や天文台周辺、商店街まで探し回って見たけど、ペガくんは見つけられなかったよ」
「一応貧民街の方も見てきたが、住人の皆も、宇宙人の皆も見かけていないって言ってたぞ」
「このままではマズイですわね。ペガくんの姿が見つかれば、大騒ぎになりますよ。唯でさえ、この所の異星人による騒ぎで、世間の宇宙人に対する目は厳しくなっていると言うのに・・・・」
飛鳥と焔がペガを見ていないと言うと、斑鳩がスマホのテレビで、ニュースの映像を見せると、『異星人を地球から追い出せ!』、『地球は地球人のものだ!』、『異星人に屈服したりしない!』等々、プラカードを持ってデモ活動をしている人々が報道されていた。
「この前のベリアルの一件から、水面下で行われていた宇宙人追放運動が本格的になりましたね」
「その内、地球を鎖国、いや星を鎖国するから、『鎖星』でもしろと喚くかも知れませんわね」
「今はそれよりも、ペガの方が先決だよ」
雪泉と詠がそう話しているが、理巧にとって市民のデモ活動も地球の行く末など今はどうでも良く。一刻も早くペガの行方を見つける事を優先しているようだ。
「・・・・それは良いのじゃが暁月理巧よ。そろそろ蛇女の奴らの格好をツッコんで良いか?」
「それと、何でーーーー両備を椅子にしているんだ?」
夜桜と柳生が、雅緋達を指差してそう言った。
雅緋達の装いは所謂ーーーーメイド服であった。それもクラシカルなメイド服ではなく、半袖の上にスカートは短く、胸元は大きく開いた、まるで某イギリスの艦船のメイド隊のようなメイド服であった。それだけでなく、何故か両備は四つん這いになって、その背中に理巧が腰を下ろし、あたかも椅子のようにしていた。
「あぁ、僕が『主』である事に不満があった忌夢さんと両備が、僕と手合わせしろって煩かったからね。『僕が負けたら両備の下僕となる事』。『雅緋さん達が負けたら僕を『主』と認める』、って条件でね。こっちはペガの捜索で忙しいって言うのに面倒だったからーーーー本気で叩きのめした」
『その時の映像です』
レムがユートムで撮影した天文台から少し離れた位置にある森での戦闘映像を、飛鳥達の前に空中ディスプレイとして映し出した。
* * *
映像の中では、雅緋と紫はその場に動かず立っており、両備は何処かに消え、忌夢と両奈が襲いかかった。
【・・・・・・・・】
【アチョーっ!!】
【えーいっ!!】
悠然と立つ理巧に、専用武器である『如意棒』を振るい中国拳法のようなしなやかな動きで連続突きを繰り出す忌夢。両奈は両手に持った二丁拳銃を以て、地面をまるで滑るように移動しながら至近距離で理巧に向けて連射する。
リーチの長い棒術。至近距離から乱射される二丁拳銃の弾丸が絶え間なく繰り出される。普通はこれだけで逃げ場がないのだが。
【・・・・・・・・】
理巧は苦も無く、両手に持ったクナイで棒や弾丸を受け流し、回避しながらバックステップで後退していく。
【何で当たらないんだよぉ!?】
【うへへ、暁月理巧様♡ 両奈ちゃんの事、反撃して良いんだよぉ? いや、寧ろ思いっきりやっちゃってぇ♡】
全く当たらない事に忌夢は悔しそうに吠え、両奈は反撃して欲しいと言わんばかりに、口元から涎を少し垂らしながら言った。
ある程度に森を回り、理巧は小さく溜め息を吐いてから口を開く。
【ーーーー今忙しいんだから・・・・勘弁してよっ!!】
理巧は一旦二人から離れ、二人が追撃するように向かってくると、理巧は地面に手を置きーーーー『糸』を取り出した。
【『糸』・・・・? っ! まさかっ!?】
忌夢は嫌な予感がして後退しようとしたが遅かった。地面から蜘蛛の巣のように糸が出てきて、忌夢と両奈の身体に巻き付いていく。
二人の手足を拘束し、豊満な胸に巻きつき、股と尻と太股に食い込んで、二人の身体は、理巧の眼前位の高さの宙にぶら下がった。
【【うぁああああああああっ!?ーーーーあんっ♡】】
悲鳴を上げるが同時に、自分達の秘所に食い込む糸のせいか、妙に艶っぽい声を上げた。
【なっ!? い、いつからこんな糸の罠を!?】
【・・・・君達の回避しながら作っておいたんだ。全員で一斉に掛かってきてくれれば、一網打尽にできたんだけど】
【うぅ~っ! 両奈ちゃん、緊縛プレイは嫌いじゃないけど、これだけじゃ物足り(シュルルル・・・・)ーーーーへ?】
両奈が身じろぎしたその時、身体を拘束していた糸が独りでに動き、更にキツく縛り上げた。
【うっ!? ううっ!? んあああああああああ♡】
【り、両奈!? な、何やって(シュルルル・・・・)ひっ!?】
忌夢が嬌声を上げる両奈に声を上げようとした瞬間、忌夢の身体を拘束していた糸も独りでに動き、忌夢の身体を更に締め上げた。
【なっ!? あぁっ!? なぁああああああああ!】
締め上げてくる糸から繰り出される奇妙な感覚に、忌夢も悲鳴を上げる。
【な、なんだコレ!? 糸が変な風に動いて(シュルルル・・・・)んのぉぉぉぉぉ!?】
忌夢は必死に逃れようとするが、増々拘束がキツくなっていき、徐々に身体に背徳的な快楽が広がっていくのを感じた。
そして、理巧はゆっくりと近づくと、忌夢の顎をクイッと片手で持ち上げる。
明らかに年下の理巧にこんな屈辱的なやられ方をされ、忌夢はせめてもの抵抗にキッと睨み付けた。
【こ、こんな事で、僕はお前に屈したりしないからな・・・・! んあぅ!】
僅かに身じろぎしただけでも身体に食い込む糸に、忌夢がまた艶っぽい声を漏らすが、それでも睨み付ける。
【ーーーーそう言えば、僕ってあなたも口移しで解毒剤を飲ませたんだよね?】
【//// そ、それがどうした・・・・】
当時の事を思い出したのか、忌夢は顔を赤く染めるが、それでも目を逸らさなかった。
【ーーーーちょっと、一応ファーストキスだったんでね。どんな感じだったのか? 確かめて見ようかなってね?】
【なっ!? ま、まままままま待って! ひ、卑怯だぞ! こんな動けない状態の女にそんな事を!!】
忌夢が喚くが、理巧はゆっくりと顔を近づけていく。その距離が徐々に近づくにつれ、忌夢の脳裏にあの日、理巧と口移しをした時の、あの唇から伝わる感触、全身が蕩けるような甘美な感覚が、記憶に、身体に蘇ってくる。
【ひ、ひゃめ・・・・////】
忌夢は拒絶しようとするが、理巧の顔があと数センチ、吐息がかかる距離まで近づくと、目を閉じていき、唇を小さく突き出し、舌をチロと出す。
と、その時ーーーー。
【っおっと!】
理巧が頭を反らすと、理巧の頭のあった位置に一発の弾丸が地面に着弾した。
【ーーーー向こうか】
飛んできた弾丸の軌道から、両備の狙撃地点を見出だした理巧は、シュンッと姿を消した。
【【・・・・・・・・・・・・・・・・】】
そして後には、目を閉じたまま唇を突き出す忌夢と、身じろぎしてキツくなる緊縛を堪能する両奈。そして、それを見て何とも言えない顔で見ている雅緋と紫だけが残された。
そして、両備は。
【なっ!? アイツ、この距離からの狙撃に気付いた!?】
理巧が忌夢と両奈の二人と戦いながら後退し、自分は狙撃で攻撃しようとしていた。
が、忌夢と両奈が邪魔で狙撃できずにいたが、理巧が二人を拘束した事で僅かな隙が生まれたので狙撃したが簡単に避けられ、今真っ直ぐにこちらに向かってきたのだ。
両備は長く、銃底に斧を付けたスナイパーライフルを構えようとするが、理巧は木々に巧みに隠れながら狙撃をできずにさせた。そして遂に、理巧は見失ってしまった
【くぅぅ〜っ! 何処に行ったのよっ!?】
両備がスナイパーライフルのスコープで理巧を探すが、理巧のあの派手な緋色の髪の毛すら捉えられない。
どうすればと考える両備は気づいていない。とっくに理巧は、両備の背後にいたのであった。
【・・・・・・・・・・・・】
【はっ!?】
両備は後ろに気配(理巧がわざと出した)に反応して、スナイパーライフルを後ろに向けながら振り向いた。
しかし、そこには誰もいない。理巧が両備の背後に回り込んでいた。
【・・・・あのさ】
【っ!】
背後から理巧の声が聞こえ、両備は銃底の斧に持ち替えて振り抜くが、片手で刃を捕まれ止められた。
【なっ!?】
【僕は今忙しいんだから、こんな勝負している暇ないんだけど?】
若干の苛立ちを感じさせる理巧の言葉に、両備は一瞬威圧されるが、それでも口を開く。
【はん! この私の『ご主人様』になるなんて百年早いのよ! 逆に私があんたの『ご主人様』として、『ペット』として飼ってあげるわ! 『おもちゃ』でも良いけど?】
その両備の言葉に理巧は一瞬、『中学時代』の事を思い出した。
【『お前は俺らの『おもちゃ』なんだよ、『おもちゃ』は『おもちゃ』らしく、俺らに遊ばれな』】
【・・・・・・・・】
ーーーーバキッ!
理巧は思わず斧を掴んでいた手に力を込めて破壊した。
【はぁっ!?】
【っ!!】
驚く両備の顔面に理巧は思わず拳を振るった。
【ひぃっ!?】
拳とその目に宿る圧倒的な攻撃の意思に、両備は目を閉じた。が、次に来たのはシュルルル、とした風切り音。
【は? (バシィィィン!)はぁぁぁぁぁぁ!?】
いつの間にか持っていた縄で、理巧は両備を亀甲縛りにした。
【ちょっ、ちょっと何してんのよ!? んぁ!】
身じろぎする両備だが、縄が食い込んで声を漏らす。
【ーーーーさて、これで三人目】
と言って、理巧は両備を荷物のように担ぐと、忌夢と両奈のいる地点に戻った。
【両備! お前まで何やられているんだよ!?】
【うっさい! キスされなくて物欲しそうな目で残念がっていたムッツリ眼鏡!】
【誰がムッツリ眼鏡だ! ぼ、僕は残念がってなんか!】
ギャーギャー言い合う忌夢と両備。両奈は顔を弛緩させ、舌を出して涎を一筋垂らしながら、興奮していた。
【さて、次は・・・・】
理巧は次に、実は『蛇女新生選抜メンバー』の中で、『一番危険だと見ている娘』を見据えるーーーー紫だ。
【うぅ・・・・】
紫は、『べべたん』と言う少し不気味なぬいぐるみをその豊満過ぎる爆乳にギュウッと抱き締めながら、怯えるように理巧を見ていた。
しかし理巧は、紫の背後に一瞬で移動すると、ソっと優しく話しかけた。
【紫ちゃん。僕もこんな勝負したくないからさ。降参してくれる? そうすれば何もしないからさ】
【・・・・・・・・うん。分かった。ふぁ?】
紫はそう言うと、理巧は紫をお姫様抱っこで担ぐと、そのまま忌夢達の所に置いた。
【お姉ちゃん、何か縛られているの嬉しそう・・・・】
【ち、違うんだ紫! 僕に両奈みたいな性癖はーーーーんぁんん♡】
最愛の妹のあらぬ誤解を解こうとするが、また縛りがキツくなった。
【・・・・・・・・】
そして理巧は残った最後の一人、雅緋を見る。
【・・・・・・・・】
雅緋も武器の黒刀を右手に、左の拳に黒炎を纏って構えた。
【・・・・キングソード】
理巧がボソッと呟くと、『ウルトラマンキングカプセル』から虹色の粒子が出てきて、キングソードへとその形を形成した。
【・・・・参ります】
【うん】
雅緋と理巧はお互いに構えると、雅緋が一瞬で理巧に肉薄し、黒刀を振るうが、理巧はキングソード・杖モードでその刃を受け止める。
【(馬鹿め。雅緋は黒刀と黒炎を纏った拳打による二刀流だ! 黒刀を防いでも、黒炎の拳が襲い来るぞ!)】
それを眺めている忌夢がニヤリと笑みを浮かべ、雅緋の黒炎の拳が理巧の心臓のある胸に迫った。
がーーーー。
【ーーーーアストラ】
ヤー!
理巧は『アストラカプセル』を起動させると、理巧の拳にも赤い烈火の炎を纏って、雅緋の拳を受け止めた。
【っ!】
【春花さんは脚に纏っていたけど、アストラのリトルスター能力は手にも使えるんだよ】
【ーーーー面白い!】
【忙しいからね、本気でいく!】
そして、雅緋の黒刀と黒炎の拳と理巧のキングソード・杖モードと烈火の拳がぶつかり合ったーーーー。
* * *
『それから雅緋と三分戦い、勝利を収めた理巧が基地に戻り、葛城がいつの間にか用意しておいたメイド服を着させ、態度の悪い両備には『椅子役』をやらせているのです』
「り、りっくん、椅子は酷いと思うよ・・・・」
「人を『ペット』が『おもちゃ』にしてやるなんて言う奴はね、『椅子』にするくらいが丁度いいのさ。殴られた事のない奴は、人の痛みなんて理解しないのだからね」
「ぐぅぅ〜! いつか見てなさ(バチィンッ!) ひゃぁうっ!?」
悔しそうに歯軋りしながら睨み上げる両備のお尻に、理巧が張り手で思いっきり叩く。
「『椅子』が喋らない」
「あ、あの、理巧ちゃん。『椅子』なら両奈ちゃんがやるよ! 嫌寧ろ、両奈ちゃんにさせて下さい!」
「両奈ちゃんは『お預け』。妹が『椅子』になってるのを見てなさい」
「そ、そんな! 『お預けプレイ』なんて・・・・!」
「それなら私が踏んであげるわ! ホラホラホラホラ!!」
「わぅぅぅぅんん!」
お預けを受けて興奮する両奈を、春花がノリノリで踏み付け、両奈は四つん這いになって嬌声を上げた。
「・・・・前々から思ってたけど、理巧って結構ドSよね?」
未来の言葉に、全員が何とも言えない顔となった。
すると、この空気を変えるようにレムの報告が上がる。
『理巧。半蔵学院男子寮にある理巧の部屋に、手紙が付いた石が投げつけられました』
「石?」
レムが、もしかしたらペガが男子寮の理巧の部屋に来るのではないかと監視していたユートムの映像を見せると、理巧の部屋の窓が、『手紙の付いた石』によって割られ、床に石が転がっていた。
◇
理巧は手紙だけを回収し、一応管理人に窓が誰かが投げた石て割られた事を報告した後、基地に戻って手紙と一緒に同封されていた写真を見た。
「っ!? ペガ・・・・!?」
『えっ!?』
飛鳥達が理巧の手にした写真を覗き込むと、縄で縛られたペガが写っていた。
囚われたペガを救う為、理巧は立ち向かう。