「前よりもギターの腕は上がってきたと思ってるけど……まだまだ実力不足ね」
「新しい楽譜を買ってきたからこれで練習しないと。ちょうど店頭にあったから思わず手に取ったけど大丈夫だったかしら」
【購入ありがとうございます。この本は楽譜に指示が書かれているので初心者から上級者まで直感的でレベルの高い演奏ができるようになります】
「ふぅん、楽譜に指示ね。分かりやすいのは私としてもありがたいからいいけど」
「それじゃまず1ページ目……」
【強く】
「なるほど、こういう風な指示が書かれているのね。次は……」
【情熱的に】
「演者の感情も必要となるわけね。確かにこれならレベルの高い演奏ができるかもしれないわね」
【情けなく】
「いや何よこの指示!? 『情けなく』って何!?」
「ギターに必要な音なのかしらこれ……。ちゃんとして欲しいわね」
【このパートはギターは休みです】
「ああ、ここは私のパート休みなのね」
【今のうちに近くのコンビニで一服しましょう】
「いやどんだけくつろいでるの!? 休みのパート長すぎない!?」
「なんで演奏の最中にステージ出てコンビニまでいかなきゃいけないのよ……。完全に怪しい人じゃないの」
【(あぶりだし)】
「分かんないから! なんで演奏の度に楽譜燃やさなきゃいけないのよ!」
【18歳未満演奏禁止】
「どんなパートよここ! うちのバンド半数が演奏できないじゃない!」
【楽譜を床に伏せてターンエンド】
「練習にならないから! というかターン制って何!?」
【あの頃を思い出し感傷に浸りながら】
「どの頃!?」
【寒中見舞い申し上げます】
「ここに書かないで!」
【家の鍵を閉めたかどうか思い出しながら】
「不安になるから! 演奏に集中させて!?」
【いちいちうるさいな】
「文句言われた!? というかこんな返事を用意するくらいなら最初から真面目にやって!」
【指示書が送られてくるのでそれに従いください。なお、到着は地域によっては発送から1週間程度かかります】
「待ってられないから! 直接指示して!?」
【ガっとやってザーっと】
「曖昧過ぎ! 直感的にも程があるから!」
【ここを読むには会員の登録が必要となります】
「普通に読ませて!」
【1秒間に16回弦を鳴らして】
「どこの名人よ!」
【1回休み】
「すごろく!?」
【振り出しに戻る】
「いやだからすごろく!? 専用の記号あるからそれ使って!」
【そういえば家の鍵閉めたっけ】
「著者が不安になってどうするの!」
【『タカシ……。私たちもう一度やり直しましょう?』『ミチコ……。残念ながらそれは無理なんだ……』】
「えっ、なんか急に始まったけど……」
【『あの女ね……! タカシを狂わせたあの女が原因なのね……!』『違う! これは俺の問題であって彼女は関係ない!』】
【『……優しい人ね。そんなあなただから私は好きになったのよ』『ミチコ……』】
【『でも、もういいわ。あなたが手に入らないならこんな世の中生きている意味はない! 私は自ら命を絶って楽になるわ!』】
【『やめろミチコ!』】
【『ミチコおおおぉぉぉぉっ!!』←これくらい感情的に】
「やかましい!」
【そろそろ終わりたいので最後に一言】
「いい加減にして!」
どうもありがとうございました。