氷川紗夜の休暇   作:(仮)ユーザー

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氷川紗夜の休暇:日記

「さて、これで全部ね。部屋の中を掃除したら思った以上に昔の物が出て来たわね」

 

「このノートはもう使わないから処分して……。こっちのノートはまだ復習に使えそうね。っと、これは……?」

 

「日記……かしら? これ、もう10年以上前につけてたやつよね」

 

「せっかくだし、読んでみようかしら。あの頃は何を書いてたっけ……」

 

 

【きょうから日きをつけることにしました。でも、わたしは日きというのがなんなのかよくわかりません】

 

 

「幼い頃の私には難しかったかしら? まあ、意味もなく適当な事を書き綴ってそうだけど……」

 

 

【なので日びのできごとをかきしるすきろくとしてつかっていきたいとおもいます】

 

 

「使い方分かってるじゃない!」

 

 

【○月×日:きょうは、ひながみちであったねこをつれてきました。かいたかったのでおかあさんにそうだんしたけど、だめだったのでかえしてきました】

 

 

「ペットは仕方ないわね……。自分で育てなきゃいけないっていうのもあるし……」

 

 

【○月△日:きょうは、ひながみちであったトムをつれてきました】

 

 

「誰!?」

 

 

【おかあさんにかえしてきなさいといわれました】

 

 

「でしょうね!」

 

 

【○月□日:きょうはペットショップにつれていってもらいました。かえないけどみるだけならいいそうです】

 

【わたしはいぬがすきなので、チワワにえさをあげてきました。でも、まったくうごかず、えさをたべてくれませんでした】

 

 

「そうだったの……。やっぱり動物を手なずけるのは難しいみたいね」

 

 

【あとでおかあさんにきいたら、あれはチワワじゃなくてチクワだったそうです】

 

 

「どんな間違いしてるのよ! 竹輪の時点で気付くでしょ普通!」

 

 

【○月☆日:きょうはおはかまいりにいってきました。とちゅうふらっとしたけど無事に当家の者たちと出会えた。皆健康そうで何よりでうれしかったです】

 

 

「日記の途中でとり憑かれてる!? 大丈夫なの過去の私!?」

 

 

【×月◎日:きょうはみんなでおいしいものをたべにいきました。おとうさんがわたしのケーキをたべてしまったのがかなしかったです】

 

【でも、おとうさんもわるぎはなかったといってたのでゆるしてあげることにしました。かえってきたらおかあさんがちいさなおまんじゅうをくれました】

 

 

「あぁ、そんなこともあった……ような? 自分でいうのも何だけど子供なのに相手を許してあげられるのは偉いわね」

 

 

【おとうさんはおいてきました】

 

 

「思いっきり根に持ってるじゃない! お父さん置いて行かないで!」

 

 

【×月◇日:きょうはおかあさんにこうえんにつれていってもらいました。こうえんではおしゃべりをしているひとたちがいて、わたしもいっしょにおしゃべりをしました】

 

 

「公園でおしゃべりね……。このころは一体どんな話をしていたのかしら?」

 

 

【でも、せいじかさんのいってることはむずかしくてわからなかったです】

 

 

「『講演』じゃないこれ! 分かるわけでしょそんなの! ていうかお母さんもどこ連れていってるのよ!」

 

 

【×月▽日:きょうはおとうさんとおかあさんがいない日でした。さいしょはさびしかったけど、ひなとおしゃべりしてたらだんだんたのしくなってきました】

 

 

「この日は二人ともいなかったのね。もし、子供の私が一人だったと思うと……あまり考えたくはないわね」

 

 

【トムもたくさん笑っていました】

 

 

「だから誰なの!?」

 

 

【×月☆日:きょうはおかあさんとおとうさんに、ひごろのありがとうのきもちをこめてひなといっしょにてがみとにがおえをかくことにしました】

 

【ひながえをかきたいといったので、わたしはてがみをかくことにしました】

 

【おとうさんはいっしょにあそんでくれるし、おかあさんはおいしいものをつくってくれます。わたしもひなもそんなふたりがだいすきです】

 

【おかあさんにみせたら『ありがとう。えらいね』といってあたまをなでてくれました。とってもうれしかったです】

 

 

「手紙と似顔絵……。そういえば、両親に感謝の気持ちを伝える機会なんてすっかり無くなったわね」

 

「たまには親孝行するのも悪くない……かもね」

 

 

【おとうさんはおいてきたままでした】

 

 

「お父さーん!!」




どうもありがとうございました。
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