ホームレス拾いますか?《YES/NO》   作:御伽辰巳

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 始めまして。御伽辰巳(おとぎたつみ)です。
 遊戯王の二次創作を書かせてもらうことになりました。
 よろしければ、お付き合いお願いします。

 以前は「小説家になろう」で「実はカイザーはショタコンだった!?」という名前からしてどうしようもない小説を書いていました(笑)
 今思うと黒歴史しかないですww


ホームレス拾いますか?《YES/NO》

-1-

 

 

 ホームレスと友達になった。

 いや、いやいや、いやいやいや。

 僕は一体何を言っているんだろうか?

 ホームレスと友達になる?

 それって凄い事かもしれないけど、危ない事かもしれないじゃないか。

 偏見だけど、ホームレスは乱暴そうなイメージがある。

 薄汚い服装で町をうろつき、普通の顔でゴミ箱を漁り、公園のベンチでダンボールと新聞紙だけで作った布団で眠る。

 それで生きている、なんだか、差別みたいだけど、同じ人間とは思えない。

 いや、誰だってそうでしょ? 僕だけが思ってるわけじゃないでしょ?

 あなた? どうして生きているんですか? 死んだ方がましじゃないですか?

 とか思わないかな?

 

 まぁ――いいや。

 そんな訳で――どんな訳かは後で説明するとして――僕はある日、ホームレスと友達になった。

 

 

 

-2-

 

 

 僕がホームレスに出会ったのは、高校受験を控えた六月半ばだった。

 中学校から自宅への下校中に、僕は気まぐれで、いつもと違う道で家に帰っていた。

 帰り道は、分かっていた。この道で帰ると、途中から僕が小学校の時に通っていた塾があり、そこからなら帰り方が分かるからだ。

 そういう訳で気まぐれ――というか、今日は放課後予定もないし家に帰って急いでする事もないので、風景を楽しもうと別のルートから家に帰ったのだ。

 でも――それがいけなかった。

 

 いつもと違う帰り道、その帰路の途中には、小さな公園がある。

 砂場と、ベンチぐらいしかない小さな公園。ぼーっと歩いていたら存在すら認識されないであろう、小さな公園。

 いや、公園と呼べるかすら怪しい。もはやこれは広場だ。

 そんな小さな、なんの特徴も面白味もない公園ならぬ広場だったのだが、そのなんの変哲もない広場には、物凄い異常な光景が広がっていた。

 

「…………」

 

 目を背け、見なかった事にしたいぐらい異常な光景。

 面倒な事には関わりたくない、という僕の性格からして、この光景はやはり目を背けたい物だった。

 

 一体何がどうなっているのか申しますと…………人が倒れていました。

 

 広場に、うつ伏せに倒れるように、人が倒れていた。

 普通なら声を掛けるのが『優しい町の人々』としての理想なのだが、僕にはそんな勇気はない。

 もし危ない人だったらどうしよう? と僕は不安になる。

 いやいや、それ以前に『危ない人』かどうかはともかく、『怪しい人』には変わりないじゃないか。

 

 先生言ってたよ、怪しい人には近づいちゃいけません。って。

 

 それに、周りには僕と倒れている人以外に誰も通行人がいないし。

 いざってとき助け呼べないし。

 だから、僕はそのまま見なかった事にして、家に帰ろうとした――のだが。

 

「…………ッ。…………ッ」

 

 なんか……ピクピクと痙攣していた、その倒れている人が。

 もしかしたら死んでいるかもしれないと思ったが、どうやら生きているようだ。

 でも、生きていようが死んでいようが僕には関係ない、帰る。絶対に帰る!

 

 帰るからなっ!!

 

「…………」

 

 あ、あのさぁ……ちょっと言い訳というか、質問なんですが……。

 道端にダンボールの中に入った犬とか猫とか見つけたら……拾っちゃうよね?

 うん、拾っちゃう。犬も猫も嫌いな人はもう帰っていいよ、いやごめんなさい、共感はしなくていいので帰らないで。

 

 ま、まぁ、つまり……。

 ちょっと、あの人が可哀想だなぁ~。と僕は思った訳で、気づいた頃には、いつの間にか、僕はその倒れている人に声をかけてしまっていた。

 

「あの……大丈夫ですか?」

 

 近くまで近づき、しゃがんで声を掛ける。しかし反応はない。

 ちょっと勇気を振り絞って、肩の辺りを触って揺すってみる。

 

「あのー……大丈夫ですかぁ?」

 

「…………」

 

 しかし反応はない。

 でも、時折思い出したように、その人の体は『ピクピク』と痙攣している。だから一応は生きているはず。

 だから、このうつ伏せの状態は可哀想だと思い、その人の横に回り、体を持ち上げ、仰向けの状態にしようとした。

 ゴロン。ドサッ。と男の人は半回転する。するとその人の顔が露わになった。

 

 白髪で、鼻が高く、堀が深い顔つきの男性だった。

 歳は三十そこらと思われる。体は何日も何も食べてないのかかなり細い体付きで、頬も扱けている。

 髪が白いのは、老化じゃなくて、もともとそんな色の髪の毛の種類の人だったのか、それとも染めているのだろうか?

 

「あのー……おきてくださーい」

 

 男の人の体を揺すりながら、耳元で声を上げる僕。

 うっ……誰かに聞かれたら恥ずかしい光景だよぉ……。

 と思いながらも、ここまで来て家に帰るのはもっと恥ずかしいと思ったため、こうなら自棄(やけ)だと思い羞恥心に耐える事にした。

 

「起きてー! 起きろっ!」

 

 と、いつまで経っても意識が戻らず、痺れを切らしてつい大声を上げてしまった。

 すると、その僕の声に反応したのか、さっきまで倒れていたその男の人は、目を覚ました。

 『カッ』と目を大きく開き、ギョロギョロと黒目を動かし辺りを見回す男の人。

 その、爬虫類のような細くギラ付いた目を見て、僕は普通に怖いと思った。この人目付き悪っ!?

 

「っ!?」

 

 よって僕は大きく仰け反り、尻餅をついてしまった。

 あれ、この人怖くね? 悪者顔じゃね? なんか蛇みたいな目ェしてるしさ。

 僕は怖くなって今にも逃げ出しそうになってしまった。

 

「ここは……どこだ?」

 

 意識が戻った、男の人は、辺りを見回し、そう呟いた。

 そして次に言った言葉が――

 

「俺は……誰だ?」

 

 ――記憶喪失のホームレス。拾いますか?

 

 〈YES/NO〉

 

 激しくNOにしたかったのだけれど……何の間違いか、僕はその人を家に連れ帰ってしまったのであった。

 平凡な人生を歩んできた僕が、非日常に巻き込まれた瞬間だった。




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