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自分の部屋に戻ると、シャレイは目を覚ましたようで使っていた布団を畳んで部屋の隅に避けていた所だった。
シャレイの寝巻きは父親のを勝手に拝借させてもらった。
「シャレイ、起きたんだ」
「今さっき起きた」
「朝食作ったから、一緒に食べよう」
「ああ……いただく」
二人で「いただきます」と言って僕らは命をいただいた。
「ところで……今日の深夜の事なんだけど……」
食事中に喋るのはちょっと行儀が悪いのだけれど、僕はシャレイに今日の深夜起きたシャレイの謎の叫び声についての話題を出した。
「昨日、シャレイ魘されてたよね?」
「ああ。悪夢を見ていた」
「それでさ、最後にシャレイ、『まり』って言ってたよね? それって、どういう意味で言ったの?」
「『まり』……? いや、すまない、そんな事を言った記憶は無い」
どうやら、その事についてシャレイは覚えていないらしい。
確かに、とても辛そうだったし、意識も曖昧だった、無意識に言ったのかもしれない。
「そっか、じゃあさ、他に思い出した事とかある?」
「いや、残念ながら……」
「そっか」
特に進展がないまま、この話題は終わってしまった。
「すまない。君は頑張って俺の記憶を取り戻す手伝いをしてくれているというのに……俺は自分の事なのに全く役に立ててない」
「ううん、気にしないで。少しずつ思い出していけばいいよ」
「ありがとう」
それ以降、食事中に会話はなかった。二人は同じタイミングで朝食を食べ終わり、「ごちそうさま」と命に感謝した。
昼食はスパゲッティで、レトルトのミートソースで三人分用意し、僕とシャレイは僕の部屋で食べた。
冷蔵庫の中には昨日作ったカレーが入っていて、冷蔵庫のスペースを贅沢に取っている事より、あまり物を保存出来ない、よってすぐ食べきれるレトルトスパゲッティというメニューになった。
僕がスパゲッティと麦茶を入れたコップを持って二階に上がろうとすると、姉が「弟はここで私と一緒に食べてもいいんだよ?」と言ってきたが「シャレイが一人じゃ可哀想でしょ?」と姉の提案を断った。
スパゲッティを食べ終わると時刻はもう午後十二時半になっており、シャレイの記憶を取り戻すために僕とシャレイを家を出た。
とは言ったものも、何処か行く当ても記憶に関する情報もないため、昨日と同じく近所に唯一あるカードショップ、『カードショップパンドラ』に行く事になった。
家から徒歩十分程度の場所にある『カードショップパンドラ』。
休日という事で今日は客が多く、結構な
だが、この店は常連客が殆どなので、知ってる顔が半分以上だった。
「おっ。お前も今日の大会に出場するのかぁ?」
僕がシャレイと一緒に店内を回っていると、見覚えのある少年が僕に声をかけてきた。
薄緑色の髪を肩まで伸ばした少年で、僕の知り合い……というか友達である。
彼とは学校は同じではないのだが、となりの中学校に在学している同年代の少年である。
彼の家庭は結構凄い事になっていて、なんと彼は五人兄弟の四男で、しかも全員男という物凄い家族構成なのだ。
写真を見せてもらった事があるがマジぱねー。全員顔そっくり。服装まで同じ。こえー。
そして、重要な
でも『デュエルモンスターズ』は好きなので弱くてもいつも楽しそうに
そういう無邪気な姿は結構好きだ。
僕は彼の「お前の今日の大会に出場するのか?」という質問に返答する。
「あ、そういや今日は大会の日だったね」
この『カードショップパンドラ』は、毎週第二土曜と第四土曜の月に二回、『デュエルモンスターズ』の大会が開催されるのだ。
参加費は無料で、参加賞として出るだけでカードパックを一つもらえる。
優勝者にはカードパックを一BOXもらえる。
一BOXとはカードパック三十個分である。
店長経営大丈夫? と心配になってくる。
正直な話、僕は今日が大会である事をすっかり忘れていた、そのため、大会に出るつもりでこの店に来た訳ではない。
「つーか、お前の後ろにいるデッカイ人……だれ?」
彼は僕の後ろに佇んでいるシャレイを指さしている。
ちょっと引いてる、若干後ろに下がってるし。
まぁ、シャレイは身長百八十越えの巨体だし、オールバックにした白髪と爬虫類のようなギロリとした目は結構威圧があるかもしれない。
初対面には結構心臓に悪い。
「彼はシャレイ。僕の友達」
「よろしく」
シャレイは、僕の前に出て、彼に手を伸ばす、どうやら握手を求めているみたいだ。
彼は若干シャレイの威圧に引きながらも、手を伸ばして、シャレイの大きな手を握る。
「どうも……よろしくお願いします。
彼――絽場君は苗字だけ言って握手する。シャレイがブンブンと握った手を上下に振るので、身長が低い絽場君の手は限界まで上下に引き伸ばされ肩に結構な負荷が掛かっていた。
シャレイに悪気はなかったみたいだけどちょっと可哀想な
絽場の弟とか他に一切ないだろ、登場してる小説……。
感想熱望ちゅー☆