ホームレス拾いますか?《YES/NO》   作:御伽辰巳

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 主人公がサイバー流後継者とか、デュエルに負けたらリアルファイトするとか、そういうユニークな話を書いていきたいなぁ……と思う作者。


ホームレス馴染みなすか?《YES/NO》

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 あれから、一週間が経った。

 一週間経ったが、未だシャレイの記憶は戻る素振を見せない。

 夜中にシャレイが見る「悪魔に体を乗っ取られる夢」というのはあれから二回見たようだ。

 その度にシャレイは狂気のような叫び声を上げる。

 「来るな」「やめろ」「来る来る!」と叫んでいた。

 僕がその度にシャレイの体を掴んで声をかけて夢から覚ましている。

 その度にシャレイは辛そうな顔をしていた。出来るものなら原因を早く解決させてあげたいけど、情報が少なすぎて僕には何も出来ない。歯がゆい……。

 インターネットで「見た夢によってその夢が何を表しているのか?」というのをちょっと調べてみたが、いまいち参考にならずに読むのをやめた。

 

 しかし、辛い出来事とは違い、嬉しい出来事もあり、シャレイは姉とも仲良くなり、今ではシャレイも家族の一員として認められている。

 平日、僕は中学校。姉は大学。と家をシャレイ一人にするのだが、シャレイは怪しい行動をしなければお金がなくなっている事もない。

 それ所か最近では家事の手伝いもしてもらっている。身長百八十を超えた強面の男性がエプロンつけながら料理しているシーンはちょっとシュールだったけど。

 よって、姉の不安も完全に解消されたと言っていいだろう。

 

 そして、先週の大会の帰りに僕達の前に現れたレアカードの盗賊集団だが、彼らはやはり最近ニュースに上がっている犯罪者と同じグループだったらしい。

 未だに犯人は捕まっておらず、町の人々は不安を感じている。

 僕も、始めは実際に僕が襲われるなんて思っていなくて余裕こいてたが、いざ実際に巻き込まれてみると他人事ではなくなっていた。

 夜の外出は避けるようになったし夕方の五時には家に帰るように心がけている。

 

 それから、シャレイのカードの事だ。

 先週レアカードの盗賊集団に襲われたとき、シャレイは自分のデッキで盗賊に立ち向かった。

 だが、そのカードはコピーカード。つまり偽者だったのだ。

 あれからシャレイのデッキのカードを決闘盤(デュエルディスク)に反応させてみたが、全てのカードにコピーカード使用の警告音が鳴った。

 

 つまり、伝説のレアカード、エクゾディアも偽者だったのだ。

 ほぼ本物に作られた偽者のカード。

 それを何故シャレイが持っているのか? もしかするとそれもシャレイの記憶の手かがリになると僕は思っている。

 でも、シャレイは何も思い出せないらしい。

 何故、自分がコピーカードを持っているのか、とい事については。

 しかし、そのデッキの使い方はマスターしているようで、僕と決闘(デュエル)すると魔法《マジック》カードを巧みに使って速攻でエクゾディアを揃えてくる。

 

 つまり、記憶がなくなる前はこの偽者のカードを使っていたという事になる……何故?

 今こそコピーカードを使うと警告音がなる決闘盤(デュエルディスク)だが、実は決闘盤(デュエルディスク)の初期版はそっくりに作られたコピーカードだと反応してしまうのだ。

 

 初めて決闘盤(デュエルディスク)が使われたのが、数年前の「バトルシティ」という大会の時に参加者全員に無料配布されたのが最初。

 その時大会で、本物そっくりのコピーカードを使い不正をした決闘者(デュエリスト)がいたのだ。

 その後、決闘盤(デュエルディスク)を開発した『海馬コーポレーション』は以後そのような不正行為がないように改良し、大会終了後に一般に向けて販売した『決闘盤(デュエルディスク)ver2』には、コピーカードが使われると警告音が鳴るようになっているのだ。

 

 余談だが最近、決闘盤(デュエルディスク)の最新型『ver3』が発売されたみたようで、写真でしか見たことないが、全体的に使いやすくなっているようだ。僕が受験しようとしている『デュエルアカデミア』に入学すると、学校が無料で新入生に新型の決闘盤(デュエルディスク)を配布してくれるらしい。太っ腹。

 

 そして再び土曜日。

 相変わらずシャレイの記憶は戻りそうにないけど、僕は諦めず今日も記憶を取り戻すために家を出る。

 と言っても、いつものカードショップぐらいしか行く所ないんだけどね。

 

 

 『カードショップパンドラ』に行くと、今日は客が全くいなかった。

 少し疑問に思ったが、現在の時刻は朝の十時半。開店してまだ三十分しか経っていない。

 そりゃ客も来ないわ。それに今日は大会もない日だし。

 

 しかし、一人もいないと思った客だが、よく見ると……一人だけいた。

 六月ももう半分過ぎたというのに、暑苦しそうな真っ黒な外套を着た男だった。

 僕とシャレイが店に入ると、その男と店長がカウンターを挟んでなにやら話しているみたいだった。

 

「だからっ! 私はっ! そんな集団とはもう関わりを持たないと言ったはずだろうっ!!」

 

 ――おおうっ!?

 いきなりの事で驚いた。

 耳に入ってくる鼓膜が破れそうな大音量。

 それは、店長の声だった。

 普段優しそうで、大人しそうな店長とは思えない怒鳴り声だった。

 店長は、僕が今まで聞いた事がない大音量で、客だと思われる外套の男に怒鳴っていた。

 

「帰ってくれっ! そしてもう二度と私の店に来ないでくれっ!!」

 

 ――きーん。

 再び耳に悪い大音量。普段の店長とは思えない声だった。

 

 すると、話しが終わったのか、外套をきた怪しい男は店を出て行った。

 い、一体今のは何だったんだ?

 

「て、店長?」

 

 僕は、いつもと様子が違う店長が心配になって、息を荒くしている店長に声をかけた。

 三十ぐらいの年齢の優しい風貌の男性で、手足が異常に長くて手品が得意。

 だかその優しそうな顔には大量の汗が滲み出ていた。

 

「っ!? き、君か……」

 

「はい、僕です」

 

「聞いて……いたんだね……」

 

「ええ。今の男……店長とどういう関係なんですか?」

 

「は、はは……聞かないでくれると嬉しい。私にも、誰にも言えない過去と言うのがあるのさ……後ろのシャレイ君と同じようにね」

 

「そ、そうですか……」

 

 店長の顔に、大量についていた汗は、いつの間にか引いていて、いつもの優しそうな顔つきに戻っていた。

 店長にも、聞かれたくない過去があるのだろう。




>そろそろ弟君の正体もばれてきたね。
>むしろよくここまでもったと褒めてあげたいよ。
>あと、この小説もようやく半分終わったらしいよ。
>後半戦まで読者が残ってるといいね。
>それ、死亡フラグや。
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