でも二巻にカードがついてなかったのは許せない……
-EX2-
下の階で、奇術師を名乗る男パンドラと、新生グールズの中でもかなりの実力を誇る二人組仮面コンビが
この部屋は、比較的綺麗な部屋で、下の埃が多い空間とは違って、人が最低限寝泊り出来る程度には片付いていた。
その部屋に、三人の人間がいた。もっと言えば、二人と一人。更に言えば二人の男と一人の女。
「ボス、エクゾディアのガキですが、あいつら契約を無視しやがりました。カチコミです。今下で暴れて部下がやられてます」
「やっぱりなぁ~」
真っ黒い外套を着た男が、ボスと呼ばれる男に、下のシャレイ達の状況を伝えている。
ボスと呼ばれた男は、イスの上に踏ん反り返り、机の上に足を乗せていた。
ボサボサと無造作に伸びた金髪をバンダナで無理やりまとめている男だった。
適当に伸ばされた無精ヒゲ、膝の破れたダメージジーンズに、Tシャツの上から黒い革のジャージを着ている。
黒いサングラスの奥の瞳は、黒く暗い、死に触れたような瞳をした男だった。
「クックック……カハハ」
バンダナの、ボスと呼ばれている男は部下の伝令を聞き、カハハと笑った。
「ボス……?」
「いやいや、面白くなってんじゃん。そうかそうか、そう来たか。馬鹿じゃねぇみてぇだなぁ。それとも、馬鹿だからカチコミかぁ……カハハ」
バンダナの男は、意味ありげなセリフを部下に吐き、いつのように笑っている。
このバンダナの男の名はキース・ハワード。
今ではその名を知る者は少ないが、かつて欧米の方ではその名を知らない者はいないとまで言われた大物の
バンデット・キース。
そのような二つ名で呼ばれていた。
元全米の『デュエルモンスターズ』の覇者で、賞金が出る大きな大会には必ずと言っていいほど参加し、優勝し、賞金を根こそぎ持っていく事で有名だった。
だが、数年前に『デュエルモンスターズ』の創造主、『インダスリアル・イリュージョン社』主催の大会、『デュエルキングダム』で、主催者であり、『インダストリアル・イリュージョン社』の会長の手によって消され、その消息を知る者はほぼいなかった。
だが、現在、日本の田舎に、かつて潰れたレアカードの盗賊集団『グールズ』を再びまとめあげ、自分を頂点とした犯罪組織を立ち上げていたのだ。
「おい、てめぇ」
バンダナの男――キースは、伝令の部下に声をかける」
「な、なんでしょう……?」
「あの仮面コンビは今どうしてる? あいつら結構強いだろ?」
「いえ……それが、突如現れた奇術師パンドラと名乗る男に邪魔をされて……足止めされております」
「はぁ……誰だよそれ?」
「そ、それが……元祖グールズからのメンバーが言うには……かつてのグールズの幹部だった男と申しておりました」
「ふーん……元グールズ。裏切り者か? いや、ちげぇな」
「まぁいいや……カハハ」とキースは笑う。大して焦っている様子はない。
それ所か、楽しそうにすら見える笑みだった。
「パンドラだかファック野郎だか知らねぇが、仮面以外にも腕が立つ駒はいるからな」
まるで、盤上遊戯のような感覚で言うキース。
「今ガキとノッポは何処だ?」
ノッポというのは、シャレイの事を言っているのだろう。
実の所、パンドラと同じで、シャレイも元グールズの一員だったのだが、シャレイのグールズでの立ち位置は下っ端であり、幹部だったパンドラとは違いその存在知るものはいない。
「はい、現在四階にいます、部下が相手していますが、ガキの癖にやたら強くて……相手になりません」
「あと二階でここに来られるなぁ……」
「どうしますか?」
「いや、大丈夫だ。手はある、こんなときのためにとって置きの切り札を用意してあるからよ」
「そんな団員いましたっけ?」
「いんや、いねーよ。だから雇ったんだよ……金で」
キースは、そういうと、携帯電話を取り出し、ある人間に電話をかけた。
相手が電話に出るのを確認すると、キースは電話相手にこう言った。
「おい。出番だ……これから来るはずの侵入者、そいつらぶっ潰して俺の所まで持って来い」
キースはそれだけ言うと、向こうの返事も聞かずに電話を切った。
そして、ロープで貼り付けられている、部屋の三人目の住人に話しかけた。
三人の人間。もっと言えば、二人と一人。更に言えば二人の男と一人の女。
その女。ロープで体の自由が奪われ、ガムテープで口をふさがれている。
意識は残っているようで、キースの声に反応して視線をキースに向ける。
その女というのは、今、下の階でシャレイと一緒に暴れまわっている少年の――実の姉だった。
ターゲットのエサ。おびき出すための生贄。
女は、キースの顔を見て、怯えたように震えながら、瞳に涙を浮かべていた。
「よぉ……良かったなぁ、女。お前の可愛い弟が、今下で俺の部下達と遊んでるらしいぜぇ……カハハ」
キースは、笑ながら、ローブで自由を奪われた女の顎を、腕で掴む。
「うむうむ。結構美人じゃん。下のガキ共捕まえたら、ガキとノッポは殺すがてめぇは生かしてやるよ。俺のペットにしてやる……カハハ」
キースはそう言って笑った。ロープで縛られた女は、恐怖でぶるぶると震えていた。
その光景を見て、キースのサド心は高まっていった。
「あのー、すいません……」
「あぁん? 今忙しいんだよ?」
先ほどの部下が、何か疑問が残ったようで、キースに声をかける、だがキースは女を虐めるのに夢中で、イライラしながら答えた。
「あの、さっき言っていた……金で雇ったというのは一体……?」
「あぁ、それな……傭兵だよ傭兵。腕利きの傭兵を一人雇ったんだよ」
「この展開を見越してですか?」
「ああ。この展開を見越してな……カハハ」
「それは一体どういう人なのか……教えてもらってもいいでしょうか?」
「
そしてキースは、いつものように――カハハと笑った。
Rにキース出したのは結構よかったなぁ。
あと百野さんも結構好きだった。