ホームレス拾いますか?《YES/NO》   作:御伽辰巳

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なんと今回初デュエル!?

店長……正体もっと隠せよ……。


ホームレス決闘しますか?《YES/NO》

-9-

 

 

 その後、これ以上いても記憶に繋がる物が発見出来ない事が判明したので、僕とシャレイは店を後にした。

 流石に何も買わないで店を出るのはなんだか悪い気がしたので、店長の生計を立てるためにもカードのパックを二つ買って帰った。

 カードパックとは、数十種類のカードがランダムに五枚入っている商品で、カードショップでなくても最近はコンビニでも買える。

 開けるまで中に何が入っているのか分からないので、特に欲しいカードがなくてもついつい買ってしまう。

 

 そして、店を出るまで、ちょくちょくと店長が、不審者を見るような怪しい目でシャレイを見ていたが、やはり初対面の人にはシャレイは怪しい人に見えるのだろう。

 

「家に帰るのか?」

 

 シャレイは聞いてくる。僕の後ろを勇者パーティのようにぴったりとくっ付いてくるシャレイ。

 なんだか、大きな犬みたいな感覚がした。

 こんな強面(こわもて)の犬は遠慮したいけど。いや、本来ならこんな強面のホームレスも遠慮したかったのだけれど。

 

「うん。手がかり見つからなかったし、それに、他にもう記憶を蘇らせる当てもないし」

 

 奥のデュエルスペースに行ってもよかったのだが、シャレイのデッキは普通に人前で見せていいデッキじゃないので、今回は控えておいた。

 伝説のレアカードをこんな所で披露したら結構ヤバイ事になりそうだと判断したからだ。

 

 実家に帰ると、やはりと言うべきか誰も帰ってきておらず――両親は海外だし兄は実家出て行ったし姉はもっと遅い時間に帰ってくるし――そんな訳で二人っきりの自宅だった。

 

「ねぇ、シャレイ」

 

「なんだ」

 

「シャレイは、『デュエルモンスターズ』のルールは知ってるんでしょ?」

 

「ああ、その記憶だけは残っている」

 

「じゃあさ、決闘(デュエル)しようよ」

 

「うむ、構わない」

 

「所でさ、このデッキも、何処でどうやって手に入れたか、覚えてないの?」

 

「ああ、残念ながら」

 

 一向に、記憶の手がかりは見つからないけど、まぁ、今は楽しく決闘(デュエル)して時間を潰す事にした。

 もしかすると決闘(デュエル)すれば何か思い出すかもしれないしね。

 

 

 で、決闘(デュエル)終わりました。

 五回もしました、五回とも負けました、はい、泣きそうです。

 シャレイはとても強く、僕は手も足も出なかった。

 シャレイが強いというより、デッキが強すぎるので……。

 先に4000P、LP(ライフポイント)があるのだが、その相手のLPを先に0Pにした方が勝ちなのだが、シャレイは普通に伝説のレアカード『エクゾディア』を五枚そろえて無条件で決闘(デュエル)に勝利してしまうのであっさりと負けてしまった。

 

 それに、シャレイのデッキの強さは『エクゾディア』だけでなく、速攻で『エクゾディア』をそろえる為のドローを加速させるカードや、なかなか相手にダメージを与えさせない守備力の高いモンスターを沢山使うので、何度やってもシャレイが『エクゾエィア』を揃えるのを阻止する事が出来ないのだ。

 

 更にあれから何度か決闘(デュエル)を続けたが、一向に僕が勝てる気がしないので、僕はいい加減に勝つのを諦めた。

 シャレイは、相変わらず無表情で、決闘(デュエル)に勝ったと言うのに喜ぶ素振を見せない。

 まぁ、こんな超強すぎるデッキで勝っても、勝ちなれていたらそんなに喜べないかもね。

 強者故に悩み、みたいな?

 

 そんな訳で決闘(デュエル)を止めて僕は、時間も時間なので夕食の準備をする事にした。

 今日の夕食は都合がいい事にカレーなので、普段二人分しか作らない夕食も、二日に分けて食べるカレーならシャレイの分も用意出来る。

 姉と二人暮しで、姉は帰って来るのが遅いため夕飯は基本僕が作っている。

 休日や姉が家にいる日だけ、姉が料理を作ることになっている。

 

「じゃあ、夕飯の準備するから、リビングのテレビで適当に番組見ててよ」

 

「分かった」

 

 シャレイは、そう言ってテレビを見始めた。

 この家の構造は4LDKなので、リビング、ダイニング、キッチン全てがくっ付いているので、キッチンで調理していても、テレビの音は入ってくる。

 僕はいつも通り調理を始めて、いつも通りのペースで調理を終わらせる。

 カレーが完成した時には時刻はもう七時になっていて、丁度、僕がいつも夕食を食べる時間帯だった。

 ま、いつも通りの時間にいつも通りに作ったから当たり前だよね。

 でも、カレーは完成した後に寝かせておいた方が美味しいので、三十分程そのままにしておく。

 ついでに一番美味しいのは二日目のカレーだ。

 三日目はカレーうどんにして全て処理する。

 これ、我が家のカレーサイクル。

 

 七時三十分になったら、予約タイマーで予め炊いておいた白米を皿に載せ、上にカレーをかけて完成。

 

「シャレイ。夕飯できたよー」

 

「…………」

 

 しかし、シャレイは反応しない。

 石のようにテレビに見入っている、僕はシャレイが何の番組を見ているのか気になったため、シャレイの後ろからテレビを除く。

 シャレイが見ていた番組は、夜のニュースだった。

 

 なんでも、最近ここら辺で他人のレアカードを強奪する事件が相次いでいるらしい。

 物騒な世の中になったなぁ、人様のように言う。いや、普通にここら辺の事件だからスルーは出来ないんだけどね。

 でも、ニュースで事件が報道されていても、自分がその事件に巻き込まれるなんて、いまいち実感出来ないじゃないか。

 

「ほら、シャレイ、夕飯出来たよ。食べよう」

 

 すると、ようやく僕の声が入ったのか、

 

「あ、ああ……いただく」

 

 と少し遅れて返事をしてくれた。

 

「今のニュース、気になる事でもあった? 確かにここら辺だから人事じゃあないけどさぁ」

 

「いや、特に記憶に関係する事は…………」

 

「ん?」

 

「い、いや、何でもない。記憶喪失なせいで、たまに思考が不安定になっていた。今もボーっとしていただけだ」

 

「そっか。まぁ辛かったら行ってね。流石に病院にはいけないけど、薬ぐらいなら出すからさ」

 

 その後、二人でカレーを食べた。

 普段夕飯は一人で食べているから、「いただきます」と「ごちそうさま」は言わない日もぼちぼちあるのだが、シャレイが真面目にしているので、僕も、今日はちゃんと手を合わせて、命に感謝してから、命をもらった。




>え? デュエル描写がないって?
>そういう仕様です。
>遊戯王二次でデュエルなしってどうよ?
>文章とストーリーで勝負してます。
>負けてると思います。
>勝負には負けましたが小説家志望としてはギリギリ勝ってます。



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