転生者を逮捕する警察 D   作:ガンダムラザーニャ

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サイドプロフィール:バン

パトレンジャーが結成される前、アースラの一角に食堂の近くにある店があった。

 

その店の名前は湖光食堂。

 

湖光食堂は元々ミッドチルダにあった飲食店として栄えていたが、来客していた管理局の職員たちから絶賛の評判であったことや当時の管理局の食事事情などからスカウトされて、一年前からこうしてアースラに店を構えることになったのだ。

 

それからというもの、アースラではさらに食事が進み、元々あった食堂のシェフから一時期ライバル心を抱かれたりしたがそれが向上心を上げるきっかけにもなって、アースラで働く職員たちからも食事が楽しみだと言われてるほどだ。

 

そして今日も一人の青年は店の前で客の呼び込みを行っている。

 

彼の名前は湖光バン、18歳。

 

湖光食堂で店主を務める両親の一人息子でコックも務めている。

 

「へい、いらっしゃい!!

うちの店はどうですかぁ!!

様々な料理が楽しめますよぁ!!」

 

ぞろぞろとやって来る客、いやアースラの乗組員及び管理局職員たち。

 

客が店に入っていくと、一人の女性がせっせと接客及び注文を聞いて、その注文を聞いた男がフライパンを振るう。

 

「はぁい、おひとり様ですかぁ?

あら、こちらのご注文でよろしいですねぇ?

あなたぁ、3番テーブルナポリタン一人前入るわよぁ!」

 

「おう、じゃあそこにメニュー書いててくれ!

あと5番テーブルにこのピラフ持って行ってくれ」

 

間延びした口調で客から注文を聞いている白髪の女性は湖光みたま、バンの母親である。

 

そして、力のこもった声で返事をしながら料理の品を作り上げるオレンジの髪にバンダナを巻いた男は湖光ジバゴ、バンの父親である。

 

「バン、客の引き入れが終わったらこっち手伝ってくれ!」

 

「わぁーてるよ♪」

 

バンはジバゴに言われて店の中に入って注文聞いたり厨房で料理を作る。

 

「お袋、あっちのテーブルにこのラーメン頼むわ!

…ふぅ…っ!?」

 

みたまに料理を渡して一息ついた途端、バンの体に異変が起こった。

 

バンは苦しさのあまり胸を押さえて膝をついてしまう。

 

「うっ、がぁっ!?」

 

「おい、どうしたバン!」

 

ただ事ではないと思ったのか、ジバゴは料理を中断してバンの背中を擦る。

 

「あなた、バンがどうかしたの!?」

 

接客から慌てて戻ってきたみたまが厨房を覗き込む。

 

「バンっ、しっかりしろ!」

 

「返事してっ、バン!」

 

二人から必死の声掛けをされるがバンはそれどころではなかった。

 

猛烈に汗をかき、胸が締め付けられるような痛みが走り、視界もぼやけてきた。

 

そしてそのまま、バンは意識を失った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…うぅっ、ここは」

 

バンは目を覚ますと、そこは医務室だった。

 

「俺、何でここに」

 

「気が付いたか?」

 

「…!」

 

声のした方向に顔を向けると、黒髪の少年がいた。

 

アースラの執務官を務める、クロノ・ハラオウンだった。

 

「クロノ…」

 

「店のことなら気にするな。

ジバゴたちが君をここまで運んだ後、店仕舞いの準備をしている。

それよりもさっき調べてみた所、体には特に異常がなかったが、特にリンカーコアが…」

 

「俺のリンカーコアが何かあったのか?」

 

クロノはデータを展開して、それをバンに見せる。

 

「君が倒れた時、君のリンカーコアが何かに反応するように共鳴した形跡がある。

だがそれは、本局でも同じ反応が見られた」

 

「同じ反応?」

 

「それについて、本局から連絡があって今職員がここに来てるんだ。

…入ってください」

 

「失礼」

 

クロノがドアに向かって言うと、一人の男が入ってきた。

 

その男は眼鏡をかけて、オールバックの黒髪といった特徴の紳士風の壮年の男だった。

 

「彼が、本局から訪問してきた、特命係の杉下だ」

 

「どうも、杉下右京です」

 

「あ、どうも。

湖光バンです、ここでコックやってます」

 

「では、僕はこれで失礼する。

杉下係長、後のことはお願いします」

 

右京がぺこりと頭を下げて、クロノはその場を後にする。

 

「…さて、では少し話をしましょうかねぇ」

 

そう言うと右京は医務室の椅子に座り込み、バンの視線に合わせるように真っ直ぐと見つめる。

 

「まず最初に、君は先ほど、気を失ったそうですねぇ」

 

「はい、何でも俺のリンカーコアと何かが共鳴した影響だとか。

…右京さんは、何か知ってるんですか?」

 

「知ってると言うか、心当たりとでも言いましょうかねぇ。

恐らくは、これに反応したのではないかと」

 

右京はそう言って懐から変わった形の銃とトリガーの付いた車型のアイテムだった。

 

「…何ですか、これ?」

 

「これはVSチェンジャーとトリガーマシンです。

対転生者用の、ロストロギアとでも言いましょうかねぇ?」

 

「対転生者用?

しかもロストロギア!?」

 

対転生者用という言葉に疑問を抱き、ロストロギアという言葉に驚くバン。

 

前者はともかくとして、ロストロギアという物は、コックとはいえアースラの職員として働いているバンにもよくわかる。

 

特に二年前に「闇の書」というロストロギアに関する事件が新しい。

 

今となってはその「闇の書」は完全に消えて、そのマスターは今は嘱託魔道騎士として管理局で働いているという噂を耳にする。

 

「えーと、それって、前に聞いたことのある、『闇の書』みたいに主を蝕むとか…」

 

「ご安心を、これにはそう言う機能はありません。

あくまで転生者に対抗するための力ですから」

 

そんな機能はないと聞いてほっと安心するバンだが、先ほどから転生者という言葉に妙に引っ掛かりがある。

 

「あの、気になってるんですけど、その転生者ってなんなんですか?

どっかの次元世界から来た支配者とかですか?」

 

「そうですねぇ…」

 

その質問は予測していたと言わんばかりに右京は説明する。

 

転生者とは、いわば死んだ人間が神から特典と呼ばれる力を手に様々世界を行き来する者たちのことだそうだ。

 

中にはバンたちがいる世界の知識を知ってる者もいればこの世界の未来で何が起こるのかもわかる者もいるそうだ。

 

また、中には知識としてだが特定の人物の性格や過去なども知ってるとかなんとか。

 

さらに特典とやらも、その様々な世界という物に由来する物が多い。

 

「…けど、いくらそうは言っても相手は人間なんですよね?

対抗ってことは、まるでそいつらと戦うみたいですけど」

 

「確かに、彼らも元を辿れば僕たちと同じ人間です。

しかし、人間だからこそ、過ちを犯す者たちも出てくるのです」

 

「まぁ、その辺りは人ですからね」

 

人間は状況次第では善悪に分かれるのはわかる、実際世の中には境遇故に強盗を働く者もいるし、正当防衛のつもりが殺人を犯す者もいるのだから。

 

転生者という存在が元が人間だというのならそう考えるのは当然だった。

 

「けど、それだったら別に俺じゃなくても魔導士に…」

 

「それがどうも、難しいみたいなんですよねぇ。

現段階では魔導師ですら決定的な有効打にならないんですよねぇ。

特に、転生者の確保に成功しても、その後搬送途中や拘置所で特典が暴走して被害を拡大させてしまうケースもあります」

 

「けど、それをどうにかできる力を、このVSチェンジャーとトリガーマシンにはあるってこと、ですか」

 

「はい、さらにはそれを扱うのは、それらに選ばれた者たちだけ。

その内の一人が、君だったんですよ」

 

「えぇ…」

 

バンは嫌そうな顔をしながらVSチェンジャーとトリガーマシンを見る。

 

「…いやいや、ちょっと待ってください。

俺、そもそもコックの仕事あるんですけど!」

 

「それは承知しております。

ですので、今の仕事と兼業という形で、基本的に僕たちで調査をいたしますので、何かあればこちらから連絡しようかと思うのですよ」

 

「…」

 

バンは少し考える。

 

流石に今の仕事を引き抜かれるのはヤバイと思ったが、兼業として今の仕事を続けられるのなら、別に悪い話じゃない。

 

しかし、バンは子供の頃喧嘩こそはすれど戦闘経験はほとんどない。

 

それ故、仮に駆り出されたとしても戦えるかどうかもわからない。

 

そう考えて、バンはそれらを右京の顔を見る。

 

「すみません、少し時間をくれませんか?

俺、ほとんど戦ったこともないですから、あまり自信が…」

 

「そうですか、では今回のところはこれで失礼します」

 

一礼してから右京はその場を去った。

 

「はぁ…」

 

一息入れてベッドに横たわるバン、正直あのロストロギアに選ばれたとなったら、この先不安しかなかった。

 

ちゃんと今の仕事と兼業してそんなことが自分にできるかどうか。

 

そんな時、アースラは激しい揺れが起こった。

 

「うおっ!?

な、何だ、次元震か!?」

 

『緊急事態発生、緊急事態発生!

アースラの食堂近くに侵入者が出現!

魔導士は速やかにこれの対応を、そして非戦闘員は直ちにシェルターへ避難してください!

繰り返します…!』

 

「食堂近く…!

ってことはまさか!」

 

バンは勢いよく起き上がり食堂に繋がる通路へと向かった。

 

非戦闘員たちが急いでシェルターへと向かう中バンは突っ走る。

 

「バンっ!」

 

「お袋!

親父はどうしたんだ!?」

 

「それが、私に先に行くよう言って、まだお店に…」

 

「あのバカ親父!

…とにかく俺が親父を連れてくるから、お袋は先にシェルターに向かってくれ!」

 

「えぇ、バンも、気を付けてね」

 

バンはみたまと分かれてすぐに湖光食堂に向かった。

 

「おいバカ親父、今は緊急事態なんだ、早くシェルターにい、どう…」

 

湖光食堂の前に着いた途端、バンの目に衝撃的な光景が映った。

 

バンが来た通路とは別の通路が瓦礫のせいで塞がり、食堂のテーブルや椅子、食堂内も壊滅的だった。

 

それに店の中もかなり荒れていて、悲惨な状態だった。

 

だが、それよりももっと衝撃的な光景がある。

 

その奥で、この惨状を引き起こしたと思われる男が、ボロボロのジバゴの首を掴んで持ち上げているのだ。

 

「がふっ…!」

 

「親父っ!!

てめぇ、今すぐ親父を放せぇ!!!!」

 

バンは怒りのままに男に殴りかかる。

 

「おらぁ!!」

 

「ふっ」

 

男はほくそ笑むと拳を片手で軽々と受け止める。

 

「なっ!?」

 

「無駄だ。

お前程度じゃ俺には勝てない。

なにせ俺には…」

 

そう言うと男の姿が変わり、全身に突起物の付いた怪物へと変わった。

 

「この超獣ベロクロンの力があるからな!」

 

「に、げろっ、バン…!」

 

「ぐはぁああああああ!!!!??????」

 

ジバゴが血を吐きながら言うも遅く、全身の突起物がミサイルになって発射されてバンに直撃する。

 

「がはっ!!」

 

所々服が焼け焦げ軽い火傷を負った状態で何度もバウンドして叩きのめされる。

 

傷つきボロボロの体を起こしてバンは男が何かをしてるのが見えた。

 

「ほぉ、これがアースラの食堂か、イメージは違うが。

それにこの料理は…」

 

「てめぇ、店の料理に触ってんじゃねぇ!」

 

ジバゴを床に放り捨てて、無事だった店の料理を手に取る。

 

「これは、地球の料理、だな?」

 

その言葉と共に、男は床にそれを叩き付けて食器を割り、盛られていた料理をぶちまけた。

 

「…!」

 

「おっと、手が滑っちまった」

 

男はその足でぶちまけられた料理を踏みにじる。

 

その行動が、バンの逆鱗に触れた。

 

「…てめぇ、うちの料理に何をしてれてんだ、あぁん!?」

 

「…は?」

 

その体を引き摺りながらバンは男に向かって近づく。

 

「食う目的もねぇのに、人様の料理を粗末にしておいて、ただで帰れるなんて思ってんじゃねぇぞ!

俺はお残しは仕方ねぇからまぁ許すが、故意にぶちまけるようなやつとか訳もなく無銭飲食働くやつは許さねぇ!!」

 

「…知るか、失せろ!」

 

男は全身のミサイルでバンにとどめを刺そうとする。

 

「バンくん!」

 

「…!」

 

男のミサイルがバンに当たる直前、右京が駆けつけて庇う。

 

「右京さん…?」

 

バンは突然右京に庇われたせいか、頭は冷えて元の口調に戻る。

 

「大丈夫ですか…!」

 

「なんとか…。

それよりも右京さん、あいつって…」

 

「転生者ですよ。

何が目的でアースラに襲撃を仕掛けているのかはわかりませんが」

 

「目的とかそれ以前に、あいつをこのままにすると食堂も店もひとたまりもないですよ!

それに瓦礫で魔導師たちが来れねぇし」

 

「確かに、このままではいきませんねぇ。

しかし、これは君が決めることですが、やり方次第では、この状況を打破できる手段はあります」

 

「それって、まさか…」

 

「えぇ」

 

右京は懐からVSチェンジャーとトリガーマシンを取り出す。

 

「君が、これを使って戦うんです。

しかし、君は魔導師ではないので、戦闘経験もないに等しい。

君は、どうしたいですか?」

 

「…」

 

バンはVSチェンジャーとトリガーマシンを見て考える。

 

確かに、自身に戦闘経験はない。

 

一応手元にデバイスは持っているが、ほとんど即席の物干し竿に使ってるような状態で戦闘目的で使ったことがない。

 

しかし、それがどうしたというのだ?

 

今は瓦礫のせいで魔導師たちが来るのが遅れているし、ここにいた皆は非戦闘員だ。

 

この今の状況を、どうにかできる可能性があるのは誰だ?

 

自分の父親のジバゴは重傷で気を失ってる状態だ。

 

右京に任せても、恐らくは自分とジバゴを連れて逃げることがやっとだろう。

 

なら、自分はどうだ?

 

立場的に非戦闘員だが、右京は自分のリンカーコアがVSチェンジャーとトリガーマシンに共鳴、反応したと言った。

 

そう考えたら、自分だけが、この状況を打破できるのでは?

 

そんな考えにたどり着いた途端、バンの中で闘争心が沸き上がってきた。

 

「おいっ、おっさん!!!」

 

「…何ですか」

 

「あんた、言ってたよな!

それさえあれば、転生者に対抗できるって!

だったら、それがあれば、あいつをどうにかできるんだよな!?」

 

「えぇ、可能ですよ」

 

バンの口調が変わっていたが、右京はバンにVSチェンジャーとトリガーマシンを渡した。

 

その瞬間、バンの中でこれの使い方が流れ込んでくる。

 

情報を読み込んだ後、バンは獣のような好戦的な目付きで男を睨みつけて、VSチェンジャーにトリガーマシンをセットする。

 

【1号!

パトライズ!】

 

「何をするか知らんが、くらえ!!」

 

「警察チェンジ!」

 

男がミサイルを発射する。

 

だが、それよりも早く、バンは引き金を引く。

 

【警察チェンジ!!】

 

銃口から『S』の字が彫られた盾が出現し、ミサイルを全て防御する。

 

そして防ぎ終わった後に、その盾が警察手帳のように開いてバンの身を包み、変身が完了する。

 

【パトレンジャー!!】

 

「おぉ、姿が変わった…!」

 

「姿が変わったからってどうしたぁ!!」

 

「うおっ!!」

 

そう言うと男は手からビームを出し、バンはそれを避ける。

 

「これは、動きやすいな♪」

 

「バンくん、関心しているところをすみませんが、僕は奥にいる彼を助けにいきます。

その間、君は転生者を頼みます」

 

「わかったぜ!」

 

「クソジジイが、行かせるか…!?」

 

男が右京に攻撃しようとした途端、足元に銃弾が撃ち込まれて怯む。

 

「お前の相手は、俺だぜぇ!!」

 

「ちいっ!」

 

バンはVSチェンジャーで銃撃しながら接近する。

「この距離なら、ミサイルもビームも使えねぇな!

来いっ、セットアップ!」

 

『rod form』

バンはデバイスを展開して両端が杭のように尖った長い棒を取り出して懐に入る。

 

「いつまでそこに突っ立ってんじゃねぇ!

親父とおっさん巻き込まれたらどうしてくれんだぁ!!」

 

「ぐはぁっ!!」

 

バンは思い切りその棒で男をぶん殴り、遠く離れた壁に激突させる。

 

その隙に右京はジバゴを安全な場所へと連れていく‼️

 

「この、カス野郎がぁ!!」

 

『multi from』

 

怒り狂った男が全身からミサイルを発射するが、バンはデバイスの棒を多節棍に変形させて振り回す。

 

大量のミサイルはバンに当たる前に多節棍で破壊される。

 

「ちっ、こいつ、良い気になりやがって…!?

な、何だ、力が!?」

 

急に力が入らなくなって膝を着いた男は戸惑いを覚える。

 

「変身してお前に近付いた時から力を吸いとらせて貰ったぜ!

これで、終わりだ!!」

 

そう言うとバンはVSチェンジャーを回転させてトリガーマシンの引き金を引く。

 

『benefit sealing』

 

もう一度回転させて元の状態に戻し、狙いを定めて発射する。

 

男に着弾した瞬間に、男は元の姿に戻り氷付けにされる。

 

それと同時に男の中から光が出現し、VSチェンジャーに吸い込まれる形で消えた。

 

『arrest completed』

 

「任務、完了…。

はぁ…!」

 

「バンくん、大丈夫ですか?」

 

「右京さん…、はい何とか…」

 

変身解除して倒れそうになったバンを右京が支える。

 

「…それにしても、この力何なんですかね。

何かあいつ氷付けになりましたし」

 

「これはVSチェンジャーの力、逮捕の力とでも言いましょうか」

 

「逮捕?」

 

「えぇ、これにより、転生者は完全に無力化された上に特典の封印をしましたし、そう呼ぶべきかと」

 

「そう言えばarrestってこれが言ってましたからね」

 

その後、クロノたち魔導師が瓦礫を破壊してようやく来たのだった。

 

バンは男の身柄を右京とクロノたちに明け渡して事情聴取している。

 

何でもこの男はアースラをハイジャックして本局に特攻仕掛けた上で本局を乗っ取ろうとしたそうだ。

 

それからしばらくした時だった。

 

「右京さん」

 

「何ですか?」

 

「俺、未だに転生者がどうとかよくわからないんですけど、兼業しても良いなら、俺この仕事引き受けようと思います」

 

「それが、君の答えですね?」

 

「はい」

 

「そうですか。

それでしたら、改めて言わせてもらいましょう」

 

右京は改まった様子で、まるで迎え入れるようにお辞儀する。

 

「ようこそ、時空管理局特命係へ、湖光バンくん。

僕は、君の入隊を歓迎しましょう」

 

これが、バンが特命係のパトレンジャーになった瞬間だった。

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