また、活動報告作ってありますので、興味のある方はリクエストお願いします。
https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=239518&uid=99940
アストルフォが気絶させられた休憩室に、店の店員であった青年二人が一緒に来ていた。
「うちの連れが迷惑かけて悪かったな」
「いや気にするなよ、俺も今来たところだから状況が呑み込めてないなら」
nacitaでアストルフォが叩き付けられた後、スタッフの休憩室にアストルフォを寝かせた後バンたちは店に迷惑をかけたことを謝る。
「ちなみに、何でこんなことに?」
「そう言えば…、あっ!
あの、バンさんがそちらの人に話しかけようとしたら、金髪の子にすごい技を掛けられてるのを見ました!」
「金髪の子か?
だけど、あの子の体格じゃ、そんなの無理だろ」
そう言いながら、店内にいたフェイトの事を思い出したのか、青年はそのままその事を否定した。
魔導士という事情を知らない彼からしたら、当たり前の意見であり、体格差があり、そのような事ができないと考えるのは当たり前だ。
「あと、なんだか古風な喋り方をしていたような。
見た目と喋り方が全然違ったような、あれ?」
その特徴を聞いた瞬間、凄い冷や汗をかいていた青年はすぐに下の方を向く。
「どうしたんだ?」
「なんでもない」
「いや、何かあるだろ」
「なん・でも・ないっ!」
「あっはい」
何かを隠している青年だったが、その威圧感に思わず返事をする事しかできなかった。
「そう言えばそこの白髪頭のあんた、さっき俺に何か聞こうとしてなかったか?」
そうして威圧されている間に店員の一人である褐色の青年が話しかけてきた。
「ん、あぁそうだったな。
なぁ、あんたらは確かこの町の外から来たのか?」
「まぁな。
この前に月が落ちる事件があっただろ。
そこで店が潰れて、たまたまこっちで良い物件があったから、こっちに移ったんだ」
「そうなのか俺たちもこの町に来たのは今日が初めてなんだけどな、それで散歩がてらここに寄ったんだ。
それでこの前のニュースでその事についてが気になっていてな。
なんか知らないか、噂程度だけど、例えば黒い怪盗とか」
そう呟くと一瞬、目を見開くが。
「黒い怪盗か。
まぁ俺達も噂程度だからな。
でも俺達が知っているのは三人組の怪盗だけどな。
それに当時はノイズが町中に溢れて、大変だったから、そんなのを見ている暇はなかったからな」
その言葉を聞きながら、何か隠しているのかと思った。
だが、当時の状況についてもクロノから聞いたのと同じであり、何よりも嘘はついていない事が分かった。
「そうか…、じゃあ邪魔したな。
今度また立ち寄ったらお詫びに何か持ってくるよ」
そう言ってバンたちは、休憩室で未だに寝ているアストルフォを引きずって、nacitaを後にした。
「お前、問題をあんまり起こすなよ」
そう、青年が影に向かって喋っていた事に気付かずに。
そしてそのあと、気が付いたアストルフォはというと。
「ねぇねぇ!
あの店にいた子あんなに小さいのにすっごい力持ちなんだね!
また皆で行こうよ!」
「お前本当に懲りねぇな!?
というよりも、いなかったという話じゃなかったのか?」
トラウマになるどころか、後日nacitaで謎の少女に会う気満々であった。
これにはバンたちも呆れた目で見つめるしかなかったのであった。