守護者の誓い   作:ガンマン八号

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 生まれて初めてペルソナシリーズ、もといATLUSのソフトをプレイしました。
 おもしれぇ(即堕ち)

 とりあえず一周はクリアしたので、書きたくなってしまった。ダメ文だけど。


prologue

「今日も収穫なし、か。やっぱ1人じゃ無理があるな…」

 

 持っていた資料を作業机の上に放り投げ、布団へと倒れ込んでしまう。疲労が着実に体に染み付いてきているのがわかる。頭に手を置き、ふぅとため息を1つこぼし、天井を見つめる。

 あぁ、そういえばそろそろレポート課題の提出期限だったなということを思いだし、さらにため息がでてしまう。

 

「…そういえば昨日は臨時収入があったっけ」

 

 近くにあるリサイクルショップで1日だけ働かせてもらった。しかし接客をすることは一切なく、品物を並べたり、店内を掃除するくらいしかやることがなかった。

 店主さん曰く、「ウチを頻繁に利用する貧乏学生は君くらいなものさ」と言われた。お金がないのは確かだが、そんなはっきりと言って欲しくはなかった。

 5時間バイトで5000円をいただいた。こんなにもらってもいいのかと思ったが、「わたしには使い道がない」と無理矢理にでも握らせた。素直に感謝した。給料をたくさんいただいて損することなどないのだから。

 

「…コーヒー飲みに行こ」

 

 自然と口に出た辺り、だいぶ疲れてきているのだと認識が強まる。あそこのコーヒーを味わいたい時は決まって自分に限界がきている時だからだ。お店自体の雰囲気も好みであり、客も多くないため、課題に追われてる時はお店で作業をしている。

 帰る度に「コーヒー一杯に何時間も居座りやがって」と決まり文句がいつも飛んでくる。接客業でその態度はいささかどうかと思うが、不思議と不快感は全くなく、いつも苦笑いを浮かべてしまう。マスターも文句は言いつつも、絶対に追い出したりしないし、お代わりの催促をしてくることもない。

 あの場所は僕の数少ない癒しの空間となっている。アパートからも近い距離にあるため、歩いていけるところがまた良い。

 

 一度決めたらどうやら身体はやる気になったらしく、手提げ袋にノートパソコンを入れ、出かけるために着替えを行なっていた。しっかりとドアに鍵を掛け、暗い夜道を歩く。

 

「うぉ!」

 

 歩いていると、横から左肩あたりに何かぶつかった衝撃がくる。横道から誰かが急に飛び出してきたらしい。確認しようと横を向く。暗いためよく見えないが、どうやら小さな女の子らしい。随分と大きな眼鏡をかけている。

 

「えっと、だいじょう「す、すすすすすすみませんっしたー!」ぶ、みたいだね……」

 

 心配して声をかけようとしたが、女の子は明らかに焦りまくり、謝罪をした後、急いで来た道に戻っていってっしまった。

 一人で夜道に知らない男性にぶつかってしまい、ビビってしまったのだろう。性格からして人見知りが激しそうな子だったし。

 にしてもこんな時間に女の子1人とは少し危ない。ぶつかった相手が自分だったからともかく、最近は物騒な事件が多いのだから。

 

「物騒な事件、いや精神暴走事件か。こんな時、あなたならどうするのですか、先生」

 

 ポツリと呟いた独り言も、闇に呑まれ、消えていく。そんなどうしようもない現実に嫌気がさし、ため息はついに笑いへと変化していた。

 あぁ、ダメだ。完全に疲れている。疲れ切っている。あれからもう何年経過したのだろう。

 決意を決め、今まで1人で頑張り続けたが、限界だ。いや、はなから限界だった。あの日から僕は一歩も進めていない。一歩を踏み出しても、その先には道がないのだから。

 道が無ければ、人は歩くことなんかできないから。

 

 時が経つにつれ、己の無力さを思い知る。僕は結局、この程度なのか?あの日から何もできず、何も変わらず、そんな無駄な時間を過ごして、後悔して死んでいくのか?

 

「ダメだダメだ。落ち着こう、落ち着かなきゃ」

 

 悪い思考を振り払うかのように頭を振る。今の自分は完全に参っている。こんなんじゃ何をやっても上手くいかない。なにより、こんな悲劇のヒロインぶってる自分が気持ち悪い。

 

「明日は1限からあって、午後はバイトか。いい加減切り替えないと」

 

 そんなうじうじ思考から抜け出した時、ちょうどお店に到着した。軽く店内を覗く。どうやら客は自分以外来てないようだ。集中したかったので、これはちょうどいい。

 

「いらっしゃ…て、なんだお前か。こんなしけた店に来るなんて、よほどお金がないんだな」

 

「そんな態度ばっかだから、こんなしけた店になるんじゃないですか?総治郎さん」

 

 一度は普通に接客をしようとするが、こちらを見た途端ため息をつくのは、この喫茶店、ルブランのマスター、佐倉総治郎さん。こちらに住み着いて2ヶ月ほど経つが、僕が1週間に一度のペースで来るため、すっかりこんな態度だ。

 しかしこんな態度が、何故か僕には心地よいのだ。傲慢な大人たちが嫌いだったはずなのに、いざ言葉にしようとすると難しいのだが、とにかく好きなのだ。

 

「座りな。どうせいつものだろ」

 

「さすが総治郎さんだ。客が少ないだけあって、僕のことすっかり覚えてもらえてるようで」

 

「別に好きで覚えてるわけじゃねぇよ。お前みたいな若造がこの店に来ることなんかねぇからな」

 

「そうですか、それはもったいない。店員の態度さえ除けば素晴らしい店なのに」

 

「今日はいつになく辛口だな。あんま文句ばっか言うと追い出すぞ」

 

「あぁ、すみません。ちょっと嫌なこと続きで、つい八つ当たりしてしまいました」

 

「嫌なこと、ね」

 

 総治郎さんはコーヒーを入れる作業に入る。待っている間にも、パソコンを起動し、レポート課題を仕上げるための作業に入る。途中までは学校で仕上げたのだ。もうあと半分、がんばろう。

 

「ほらよ、熱いから気をつけな。ったく、お前はここに来るといつもカタカタと作業ばっかしてんな」

 

「宿題や仕事は家に持ち帰りたくない主義なんですよ。基本は学校で終わらせるんですけど、予定が重なるとどうしても持ち帰らざるを得ないものでして。ここは基本静かですし、なによりコーヒーが飲めますから」

 

「コーヒーならそこらのコンビニで安くて大量に飲めるだろ?」

 

「失礼、1つ訂正を。なにより美味しいコーヒーが飲めますから」

 

「フンッ、野郎に褒められてもねぇ」

 

 「いただきます」と言った後、カップを持ち、コーヒーから溢れ出す湯気の香りを鼻いっぱいに吸い込む。あぁ、なんて優しくて、存在感のある香りだろうか。匂いは鼻から脳まで直接届くような錯覚に陥り、先ほどまで感じていた疲労感が溶けていくのを感じる。

 ここのコーヒーを味わってから、コンビニなんかで売っているものでは決して満足できなくなってしまったではないか。

 

 香りを十分に楽しんだ後、そっと一口、味わう。あぁ、なんと素晴らしい苦味だ。苦味から幸福感を味わえるなんて、ここに来るまで思いもしなかった。

 まるで金属のように固くなっていった全身の筋肉から緊張が抜け、柔らかくなる。無理した笑いから、自然と笑顔が溢れてしまう。

 

「美味しいです、本当に。なんでもっと早く出会えなかったのか後悔してしまうほどに」

 

「なんだ、今日はやたら喋るな?さっきまで辛口だったくせに、コーヒー飲んだら甘々になっちまって。そんなにストレス溜め込んでのか?」

 

「いや、まぁ、そうなんですかね。でも、ここのコーヒーを飲んでると、いつのまにか元気を取り戻せるんです」

 

「そうかい。若い奴にここまで評価してもらえるなんて、これならまだまだ続けられそうだな」

 

「若いバイトも入りましたしね。あれ?でも今日は蓮くんいないんですね」

 

「バイトじゃねぇよ。それに毎日手伝わせてるわけでもないしな。まっ、あいつも学生だしな、学生生活をエンジョイしてるんだろ」

 

「高校生は学生ではなく、生徒ですよ総治郎さん。学生は僕のような大学生を指すんです」

 

「あんま細かいこと言ってると、舌引っこ抜くぞ」

 

「それは困ります。では黙って作業に入りますか」

 

 この店では何故か口が軽くなり、気がつけば話し込んでしまう。こんなに誰かと話をするのはこの店、いや総治郎さんと蓮くんくらいなものだろう。特に蓮くんは今年この場所に引っ越してきた者同士、何かとよく話してしまう。彼は何処か不思議だ。なんでも話してしまうというか、気を許してしまうというか。

 彼と総治郎さんは、不思議とあの人と何処か重ねてしまう。いや、重ねるというより、関連させられるというか。

 ネットサーフィンをしていて、ある記事を読んでいたらある話題が思い出すというか…ふと見たお土産の品から、その土地の光景が浮かんでくるというか、そんな感じだ。

 

 資料を確認しながらパソコンに文字を打ち込み、レポートを仕上げる。コーヒーは冷める前に飲み干す。

 できることならお代わりをもらいたいのだが、貧乏学生にそれは叶わないのだ。泣く泣く我慢しなければならない。

 

「ーーっ、よし。これで終わり、と」

 

 データをメモリに保存し、パソコンを閉じる。作業から解放されて、腕を思いっきり伸ばす。随分と長い間没頭してしまったようだ。

 

「おい、もうすぐ閉店だぞ。終わったんなら、とっとと帰りな」

 

「もうちょっとコーヒーみたいにマイルドな声かけできないんですか?まぁ、終わったので帰りますけど」

 

「コーヒー一杯で長時間居座るの許可してやってるだけありがたく思えよ。それに…うん?」

 

 携帯の着信音が鳴り響く。どうやら総治郎さんの電話らしい。

 

「おぅ、どうした。……あぁ、もう店を閉めるとこだよ。あと貧乏学生を帰すだけだ」

 

 あんまり本人の前で貧乏学生と連呼しないでもらいたいが……それにしても総治郎さん、あんな顔できるんだな。

 すごく優しくて、楽しそうで。

 相手の声はよく聞こえないが、女性なのか?恋人?家族?

 

 それとも…。

 

 

 

『えぇ、わかってるわ。じゃあ、また明日』

 

 

 

 ………?何故だ?

 

 

 

「おい、いつまでボサッと突っ立ってんだ。…あぁ、気にすんな。中々帰ろうとしなかったから。わかってる、いつものやつな」

 

「え?あっ、はい。お代ここに置いておきます」

 

 我に返り、お代をカウンターに置き、店を出る。帰り道を歩きながら、先ほどの総治郎さんの姿を思い出す。

 

(なんでだ?もうこの店に通いつめて2ヶ月以上経ってるのに……なんで今さら見えたんだ?)

 

 自問自答を繰り返しながら、ふと空を見上げる。あの時はよく空を見上げていた。

 が、今は夜だった。それに曇っており、ただ真っ暗な空が広がっているだけだった。

 

「明日は、晴れるかな」

 

 ポツリと呟いた独り言。当然返事をしてくれる人なんていない。それに今は梅雨のシーズン。明日は一日中雨だと予報で聞いていた。

 

(もう寝よう。なんか今日は調子狂う日だ)

 

 そう決めた僕は、布団を敷いて夢の中へと旅立つため、自宅へと急いだ。

 

 

 

 

 

『……!今、僅かに』

 

 

 

 

 

『ついに、か』

 

 

 

 

 その日、夢の中で巨大な鎖のようなものを見た気がした。




 ペルソナの小説増えないかなぁ。双葉ヒロインのやつ。
 さぁて、また勢いだけで初めてしまったぞ…。
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