寒椿の君   作:ばばすてやま

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16-2.鞨鼓を打って舞い見せよ

 椿とカナエは花を摘んできて盛花を生けたり、向かい合わせに座って本を読んだりして、日々を楽しげに過ごしていた。一方、しのぶはこれまで以上に部屋に閉じこもりきりになり、研究に没頭するようになった。

 はかなきこの世にただ二人だけの肉親と思い定めた姉と妹の間に割って入るその女性が、いかほど美しき麗人であったとしても、そうやすやすと心に受け入れられるものではない。しのぶは姉を取られてしまったといういとけない嫉妬に身を焼いたが、椿に姉との交際を妨げるに値するような悪いところがひとつも見当たらない以上、どうすることもできなかった。

「ねえしのぶ、どうしたの」

 近頃誘っても中々外出しなくなった妹を見兼ねたカナエがそう尋ねてやってきた。姉のやさしい手が、妹の少しやつれた頬の線を撫でた。

「顔色が良くないわ」

「今、手強い文献にあたっていて……もう少しで読み終わりそうだから……」

 しのぶは自分の醜い心の内を詮索されたくなくて、咄嗟にそのように言った。それに、外国語の医学書を読み進めていて、睡眠時間を削っていたのは本当だったのだ。

「身体を壊しては元も子もないでしょう?しっかり休むのよ」

「うん、姉さん、わかってる、わかってる……」

 しのぶは姉の気遣わしげな眼差しを振り切って自室に戻り、分厚い辞書や研究資料が積み上がった洋机の上のわずかに開いた空間に手を突いて突っ伏した。

 どうして自分は姉に、椿と友達になれて良かったね、と素直に言ってあげられないのだろう。

 しのぶは椿のことが嫌いになれなかった。椿は素敵な女性だ。年下のしのぶにもとても謙虚で、丁寧に接してくれる。それなのに、椿と一緒にいるときの姉の生き生きとした様子を思うたび、しのぶの胸中には焦燥と嫉妬が燃え上がった。

 胡蝶カナエは私の姉だ。私だけの姉さんだ。

 ……でも、姉さんが笑ったり、喜んだり、戦うときに隣にいる相手は、私じゃなくてもいいんだ。

 二人で一緒に鬼を倒すのだと誓い合った、幼い日を思い出す。

 カナエには才能があった。鬼狩りとして将来を嘱望される姉に比べて、しのぶはどうしようもなく弱かった。ただでさえ体力や筋力で男に劣る女たちの間にあってさえ、なお弱かった。どれほど努力をしても、鬼の頸を切れない。姉と並び立てない情けなさと劣等感がしのぶを苛まない日はなかった。

 それでも、カナエにこんな弱音を漏らすことはできなかった。だって、もしも、万が一にも、心弱いことを口にして、鬼狩りなんてやめなさい、あなただけでも人並みの少女らしく生きて行きなさいと、そう言われてしまったら?とても耐えられない。そんなことを言われるのは、しのぶにとってはほとんど死を宣告されるに等しい。父と母とを失ったしのぶはもう、片時だって姉と離れていたくなかった。

 

 

 忍耐の日々はそう長く続かなかった。もともと気の長い性質ではない。

 ある休みの日に外出から帰ってきた姉が、妹が出迎えるや否や、椿と二人で明治座までお芝居を観に行ったの、と喜色を湛えて言うに及んで、しのぶの中に積もり積もった不満がとうとう爆発した。

「どうして私も連れて行ってくれなかったの?」

 カナエは、予想だにしていなかった妹の剣幕にあらまあどうしたの、ときょとんとした。

「一昨日に誘った時は興味がないから行かない、と言っていたでしょ?」

「……椿も一緒に行くなんて、聞いてなかった」

 しのぶがそう言うと、カナエは「ごめんね、みんなで一緒に行きたかったのね。姉さん気が利かなくてごめんね」と申し訳なさそうに妹を抱き寄せた。

 しのぶの勢いはいっぺんに削がれて、たちまち癇癪を炸裂させたことを後悔した。姉を謝らせたいわけでも困らせたいわけでもなかったのだから。

 だいたい、役者とか劇のお話なら、そういうことに詳しい椿と一緒に観た方が絶対に面白いのだし、姉だって、偏屈で気の短い妹といるよりもずっと楽しいはずだ。だからこれは全部しのぶのわがままで八つ当たりだ。そういう理屈を全部わかっていながら苛立ちを抑えきれない自分に腹が立った。

 姉さんは何も悪くなんかない。私が自分の感情を制御できないのが悪いの。

 そう言いたいのに、うまく言葉に出来なくて、しのぶは姉のやさしい胸に全身を預けて寄りすがることしかできなかった。

 

 

 そんな注意散漫のまま戦場に出てどうなるかは目に見えている。

 鎹鴉に導かれてやってきた峠で、鬼は山道を通る人間を無差別に喰い荒らしていた。みぞれ雪が降り散る中、しのぶは夜を徹して戦って、ようやく敵を山林の中に追い詰めた。後から援護のためにやってきた椿が戦いに加わって、二人がかりでようやく形勢がこちらに傾いたが、しのぶは、自分一人ではこの程度の敵を仕留めきることもかなわないのかと歯痒い気持ちを抑えられなかった。

「しのぶ、熱くならないで!」

 前に前にと突出しがちなしのぶを椿が諫めた。だが、普段なら正論として受け入れられるその言葉も、今はしのぶの神経を逆撫でするだけだった。

「行けるわ!放っておいてよ!」

 敵が椿に向かって大きく腕を振り上げたのを好機とみて背後に回る。致死量の毒を仕込んだ刃の切っ先を、鬼の頸に突き立てようとするが、敵が反応するほうが早かった。まずい、避けられる、と思ったが、すでに引くには遅過ぎた。

 しのぶの穿刺は頸を逸れて、鬼の肩口に突き当たった。しかし、刃が皮膚を貫通することはなかった。単純なことだ。鬼の剛皮を通すのに、しのぶの突く力が弱すぎたのだ。しのぶの攻撃の速度と威力は、数時間かけて戦ううちに体力の消耗とともに減衰していた。

 しのぶの攻撃は弾かれ、細い日輪刀の鋒が音を立てて毀れた。

 あ、と思ったときには、もう遅かった。鬼の鉤爪がしのぶを捉える。反応できない。死が迫る。

 

 水の呼吸・捌ノ型、滝壺

 

 上段から真下に向かって落ちた一閃が、しのぶに向かって伸びた異形の片腕を切断した。その隙にしのぶは後退して鬼の射程から逃れたが、椿は無理な体勢から技を繰り出したために、振り向き様に鬼が放った一撃を避けきることができなかった。

「椿!」

「平気よ。あなたは一旦退きなさい」

 椿の左の前腕は隊服越しにぱっくりと裂け、そこから血の滴が滴っていた。椿は冷静に、しのぶに撤退するよう指示を下した。武器を失ったしのぶは鬼にとって格好の餌にしかならない。

 鬼はにたにたと笑いながら椿を指さした。切り落とした腕先はすでに再生を始めて蠢いている。

「甘い、芳しい血が香るぞ。お嬢さん、こっちにおいで、話をしようじゃあないか」

 より栄養価の高い肉を求める本能で、鬼は組しやすそうなしのぶを差し置いて、椿を狙うことに決めた。椿は黙したまま、水の呼吸の壱の型を放つことで返答とした。

「つれない娘子だ」

 鬼は攻撃を避けながら、さらに下卑を重ねようと口を開いた。

「しかしようも今まで生きてこれたな。月毎に穢血を垂れ流す女の身で――」

 そこから先が言葉になることはついぞなかった。鬼は椿の突きの速さについていけず、青い刀身が、鬼の口腔から後頭部を貫通していた。ただでさえ飛び出た眼球が見開かれ、刀の突っ込まれた口の隙間から、くぐもったうめき声と血泡が漏れる。

「お前の戯言になぜ私が付き合わねばならない」

 椿は冷たい怒りを発散しながら、口腔に押し込んだ日輪刀を、まっすぐ真横に引いた。鬼の口が裂けて血が吹き出る。このような形で鬼の肉体を切り裂くのは、相当の腕力があってこそで、しのぶには絶対にできない真似だった。だが、攻撃としては愚策である。鬼の息の根を確実に止めるためには、頭と胴を繋ぐ頸を断ち切らねばならないからだ。

 椿は頸に切り掛かったが、刃が通らず跳ね返されたのを見て次の手に移った。

「お前は頸が特別に硬いらしい。しかし、多少()()()をすれば刃も通りやすくなるでしょう」

 椿は鬼の能力の低下を狙って、淡々と敵の四肢を削ぎ、目玉をくり抜き、はらわたを抉り出して潰した。やられる方も木偶ではないから、何とか抵抗しようと悪あがきを試みるのだが、椿の手数の多さにまったく対抗できなかった。

 雪と泥の混じった地面に血飛沫が飛び、あたり一面が真っ赤に染まる。

 鬼はしきりに苦痛を訴え、さきほどまでの威勢を振り捨てて「許してくれ、許してくれ」と弱々しく哀願した。

「申し開きがあるなら、これより向かう地獄の獄卒にでも訴えるが良い」

 椿は冷たく言い捨てて、とうとう脆くなった頸をはねて殺した。

 しのぶは鬼を可哀想だとは思わなかった。人を殺した当然の報いだと思った。

 

 まもなく夜明けを迎えた。空を覆った雲の隙間から一差し覗いた太陽の光に照らされて、椿の顔面といわず全身に飛んだ血と肉片が蒸発していく。

「手当てを……」

「しない」

 椿は泥濘の地面を踏みしめて、峠を下るべく足を動かした。怒りが滲んだ足取りに、申し訳なさだけが募った。しのぶは自身の至らなさで、己ばかりか仲間の命まで危険に晒したのだった。

「椿、本当にごめんなさい」

「謝って欲しくない。いつものあなたなら、あんな軽率は犯さなかったでしょうし、私が来る前に倒せていたはずよ。何に気を取られていたのかは知らないけれど、こんな馬鹿げたことで自分の命を危険に晒さないで」

 言い返すことなどあるはずもない。椿の言い草が、自分を過大なまでに買ってくれていることがわかる分だけ、余計に辛く感じられた。しのぶは弁明するのは止して、今自分が言わなければならないことを言った。

「不清潔だから、せめて傷口を見せて。化膿しては大変だから」

 椿はそれで折れた。しのぶは傷口を消毒して包帯を巻いた。それほど深い裂傷ではなかったのが幸いだった。

「ありがとう」

 手当てが終わると、椿は仄かに微笑んで礼を言った。

「ううん。私のせいで……」

「いいのよ。少し熱くなりすぎたわね。気をつけましょう、お互いに」

 椿はそれ以上は咎め立てすることなく、しのぶの肩を軽く抱いた。襟元から淡く匂う清廉な花の香が鼻腔を擽った。

「しのぶが怪我をしなくてよかった。あなたに何かあったら、カナエに一生恨まれてしまうもの」

「姉さんはそんな風には思わないわ」

「何をいっているの。あなたはお姉さまの生き甲斐なのだから、もう少し自覚なさい」

 椿の言うことは大袈裟だとしのぶは思った。

「やめてよ。姉さんは私がいなくたってちゃんとやれる。……椿が姉さんの姉妹のほうがよかった。私なんか、鬼の頸も切れない役立たずだし」

 それを聞くと、椿は口元を押さえて笑い出した。

「そ……そんなこと、本気で考えているの?」

「何がおかしいの」

 真剣な悩みを茶化されて、しのぶがむっとして言った。

「だって役立たずなんて言うけれど、私、しのぶには助けてもらってばかりよ」

「私が?」

「ええ。先生方が私に処方してくださるお薬はほとんどしのぶが作ったのだとおっしゃっていたもの。それに、鬼を殺せる藤の花の毒はしのぶが完成させたのだって、カナエに教えてもらったわ」

「それは……私だけの力じゃない」

「あら、ご謙遜ね」

 謙遜ではない。事実だ。鬼殺隊はその千年にわたる戦いの中で、鬼という生物への見識を積み重ねてきた。その情報と研究の蓄積がなければ、いかにしのぶが薬学において早熟にして希代の才女だったとしても、鬼を死へ至らせるほどの強力な毒が完成の日の目を見ることはなかっただろう。しのぶは、綿々と受け継がれてきた先人の業績の最後のピースを埋めたに過ぎないのである。

 それでも、椿の率直な称賛は、しのぶの弱った心を強く打った。

「私が力足らずで倒せない鬼も、あなたの毒なら倒すことができる。あなたがそれを誇らなくても、私はしのぶを優れた、強い鬼狩りだと思うわ」

 こちらをまっすぐに見据える曇りなき眼差しに、このとき初めて、しのぶは自分の中にあった、椿に対して反撥しきれない理由、漠然とした好意の理由に気づくことができた。

 椿はしのぶを哀れまない。

 屋敷の医師や年長の隊士たちはしのぶに親切だったけれども、ことさらに向けられる恩情はむしろ「ここは本来あなたがいるべき場所ではないのだ」と釘を刺しているかのようだった。まだ、か弱い女の身で、鬼の頸を落とす才能にも恵まれないのに、なぜ鬼殺隊にしがみつくのかと面前で謗りを受けるほうがましだっただろう。自分には戦う手段があるのだと、見下された仕返しをするために奮い立つことができたろうから。

 それだけならまだいい。姉の視線にほんの時折入り混じる、悲しい痛ましさほどしのぶを打ちのめすものはなかったのだから。まるでしのぶが鬼殺隊にいることそのものが耐えがたいような――それがあくまで妹のことを愛おしく大切に想うゆえのものであるとは理解しつつも、どこか我慢ならなかったのも事実だ。

 しのぶは、自分のような非力でも立派に戦えるのだと証明したかった。鬼狩りはヒトの肉体的な脆さを補うべく日輪刀を拵え、呼吸で戦う術を生み出した。しのぶの藤の花の毒もそれとなんら変わるところはない。

 それでも、どうあがいても、周囲の人の目に浮かぶ哀れみを消しきることがかなわない。そのことに疲れていた。

 だが今、この人は、しのぶを一人前の剣士として扱った。非力ゆえに毒に頼る哀れましい存在としてではなく、ともに戦う、対等な同士として認めてくれた。それはしのぶの擦り切れた心を貫いて、福音のように響いた。

「もしかして、カナエと喧嘩でもしたの」

 椿がしのぶの様子を見てとって言った。しのぶは決まりの悪さに思わず俯いた。

「喧嘩じゃない。私が一方的に当たり散らしただけだから」

「カナエは気にしないわ。それはあなたが一番良く知っているのではなくて?」

「でも」

 椿の口元には優しさが滲んでいた。

「カナエはね、いつも面白いくらいしのぶの話ばかりするのよ。こんなに優しくて賢い、頑張り屋さんな女の子はいないって」

「そうなの?」

「嘘なんかつかないわ。しのぶは頑張りすぎるところがあるから心配だって。息抜きに劇に誘ったのだけれど、断られてしまったって、落ち込んでいたわよ。だから、そんなに難しく考える必要はないわ。ほら、落ち込まないで。カナエはあなたの笑顔が一番好きだと言っていたもの」

 椿はしのぶのほつれた髪を一房手にとって撫で梳いた。

「こんなに可愛い妹がいるなんて、カナエが羨ましい」

 心の底からの羨慕の念がしのぶの胸を衝いた。椿には家族がいない。そんな女性と張り合って、的外れに恨みがましく思った自分は、なんと己のことしか考えられない、思いやりのない人間だろうか。しのぶは自分が恥ずかしくてたまらなくなった。

 まもなく山の麓に着いた。ここから本拠まではそう遠くない。休息に藤の家を使うまでもないだろう。空模様は変わりやすくて、晴れたり曇ったりを繰り返して、今は冷たい小雨が降りさしていた。

「帰ったら、お湯に浸かってちゃんと温まるのよ」

 椿はしのぶに背を向けた。このまま行かせてはいけないと思って、咄嗟に椿の怪我をしていない方の腕を掴んで引き留めた。

「その、都合が悪くなければ、これからお屋敷に来ない?傷口の経過を見たいし、ご飯もお風呂も用意できるし……それに、姉さんが作ってくれた柚餅子がまだ残っているの……一緒にどう?」

 なぜかひどくどぎまぎして早口になった。しのぶの方から椿に積極的になるのは初めてだった。隠せないほど頬が紅潮しているのが自分でもわかった。

 椿は本当に嬉しそうに、「いいの?」と言って笑った。冬の雨に濡れた南天の実が、朝の太陽の光を受けて輝いていた。

 

 

 こうして思い返せば、完全に愚かな独り合点で勝手な徒労を背負い込んでいたわけだが、あの頃はそれほど余裕がなかったのだ。姉を取られてしまうのではないかという焦燥も、もとを正せばしのぶ自身の、自己評価の低さに原因があった。姉にも言えず胸の内にわだかまり魂を硬く縛っていた劣等感を、椿は思いがけずもすっと解きほぐして、しのぶの目を開かせた。しのぶはカナエと互いの手を強固につなぎ合わせることに必死になるあまり、視野狭窄に陥って、この世界の色々なことを見おとしていたのだ。

 しのぶがカナエに内心を吐露すると、姉は「私が椿のことを好きになったら、しのぶを好きな気持ちも半分になると思ったの?」といたずらに笑った。改めて言葉にされるとあまりに子供っぽい。カナエはしのぶの両手を握って言った。

「誰かを好きな気持ちは、好きな人が増えたからって減ったりしないわ。そのぶん、愛する気持ちが大きくなっていくの」

 しのぶの眼差しは外の世界に向けられた。まだ壊されていない、誰かの幸福を守りたいという最初の願いに立ち返った。もはやカナエが、身寄りを失って看護婦として働くために屋敷にやってきた少女に、姉妹のお揃いの蝶の髪飾りを作って渡したからといって、厭わしく思うことなどあろうはずがなかった。しのぶはカナエとともに、少女たちを家族同然に愛しみ、時に自らよるべない子を連れて帰ってくることもあった。彼女たちのことはみんな、本当の妹のように可愛かった。かつてカナエが椿とささいに笑い合っているのにすら嫉妬していたことを思えば、瞠目すべき変化だった。

 相変わらずしのぶの背丈は小さいままで、激しやすい勝気な性格にも変わることがなく、この世から人の死の悲しみが消えることはなかったが、賑やかになった蝶屋敷はしのぶの幸福の住処だった。

 しのぶは戦いの場に身を置く限り、絶えず己の弱さに打ちのめされなければならないが、守るべき家族が増えたことで強くなれたし、姉と支え合い、もし姉にすら打ち明けられないことがあれば、その時は椿がしのぶの苦悩に寄り添ってくれた。

 こうした結果に至ったのは、椿が意図してもたらしたものではなくて、あくまでその行動の偶然の産物ではあったけれども、しのぶの中で彼女への感謝の念が尽きることはなかった。

 




ヒロインがしのぶに最初からタメ口だったのは、カナエからしのぶの話を嫌というほど聞かされていてすでに他人とは思えなかった+年下だからです。

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