「ん」と「ね」と「(単語)」しか言わないクラスメートの性欲がヤバすぎる件について 作:羽虫の唄
心操「こんな力…!」
淫魔「君の! 力じゃおっへぇ♡!?」
そんな内容だったにも関わらずお気に入り件数が4000件を突破致しました。偏に皆様のお陰です。評価、誤字報告、感想などなど、改めまして、ありがとうございます。
今話はvs小大さん前編。ちょっと短めです。
悲鳴が上がり、その身体が崩れ落ちる–––。
「
その尋常ならざる悲鳴を聞き真っ先に動いたのは、過激なコスチュームに身を包んだ18禁ヒーロー・ミッドナイト。すぐさま駆け寄り、その体をすんでのところで彼女は受け止めた。
「弘原海君、大–––––」
ミッドナイトの視線は即座に異常の原因を探る為、その体にくまなく巡らされる。
まず始めに、黒さを感じる程に紅潮した頬。潤んだ瞳。滲む汗。
「–––––丈–––––」
震える体。やけに帯びている熱。
そして順を追う様にして視線は最終的にその
「–––––夫だからね! もう大丈夫よ!!」
爆速、と言う表現がぴったりな速度で駆け出したミッドナイト。お姫様抱っこの状態で抱えられた少女は振動を受ける度に艶を帯びただらし無い声を漏らしていたものの、ミッドナイトの努力の甲斐有り、その様子が地上波に放送されることは何とか防がれることとなった。
因みに。
「………この人って増強型でしたっけ?」
…と、この時のミッドナイトを画面越しに見た『速すぎる男』と称されている若手ヒーローがそう呟いていたりするのだが…それはまた、別のお話。
さて、色々と–––本当に色々とあった第1回戦。最後に見せた少女の様子に異常事態だと悟ったブラドキングは思わず実況席から飛び出し、最短・最速で様子を伺いに複数用意されている簡易救護室の1つへと訪れていた。彼の背後には同じ考えであろう、彼が受け持つヒーロー科・B組の生徒たちが幾人か引っ付いている。
救護室の入り口に立つミッドナイトの姿を認めたブラドキングが、声を発した。
「ミッドナイト! 弘原海はぐぼあっ!?」
「「「先生–––っ!?」」」
…のだが、そんな彼はミッドナイトが振るった鞭の強烈な一撃を顔面に喰らい、大きく吹き飛ぶこととなる。突然のことに生徒らは悲鳴を上げた。
「ごぶ、突然、何を…ッ?!」
混乱するブラドキングだが、そんな彼に答えること無く、18禁ヒーローは鞭を振るうことで地面に一筋の線を作り出す。
「ココカラ先ハ、何人タリトモ進マセナイワ…!」
凄まじい形相と妙な片言に怯え、生徒の1人が「先生が新劇の2號機みたいに…!?」と声を漏らした。
理由は定かではないが、今の状態の彼女には近づかない方が身の為だろう。少し距離を取るブラドキングたち。
「わ、分かった。取り敢えず、弘原海は大丈夫なのかっ?」
「…正直何とも言えないわね。恐らくは個性の反動でしょうけど、少し様子を見る必要が有ると思うわ」
その言葉に、「なにッ」と声を漏らしつつブラドは一歩分近づき–––
「オオオオォォオオ…ッ!!!」
「お前は一体どうしたんだ!?」
表情。姿勢。果ては纏うオーラすら怪物じみたミッドナイトを不気味に思い、心配ではあるものの彼女が付いているし問題は…多分、無いだろう。そう判断を下し、彼は生徒らと共にその場を後にした。
………曲がり角を迎え、その数名分の姿が完全に見えなくなる。その後数度、上下左右前後を–––恐ろしさを感じる速度で–––確認するミッドナイト。周囲に誰も居ないことを確かめた彼女は、ひたり、と救護室の扉の前に屈むと片耳をあてがう。
『…–––––っ♡?! 〜〜〜〜〜ッッッ♡♡♡!!!』
…聞こえてきたのは、小さな小さな
それを聞く、ミッドナイトはと言うと。
「嗚呼〜ダメ、ダメよ弘原海君…! そんな声出されたら、私…! –––んぁ❤︎!」
『–––お待たせしちゃったわね、私が居なくなって寂しかったかしら男子たち!? で・も・大・丈・夫♪ こうして戻って来たから安心してね? さぁさぁ第2回戦! 早速始めまくっちゃうわよォーっ!!』
うおおおおー!! と言った具合にミッドナイトの言葉に雄叫びを上げる観客席の男衆。一部に至ってはウェーブまで起こす始末である。
『1回戦目から注目を集めてるわね、良いことよ! あの時の啖呵で意外とファンになっちゃった子も多いんじゃない? 弘原海 ありす!!』
対するはぁ〜…、と『タメ』の後。
『そのクールな美貌に惑わされちゃダメよ! どうしてって? 綺麗な花は棘の他にも毒を持っているんだもの! 1回戦でまさかの相手を
両者の紹介を終え、2人が息を整えたのを認めるミッドナイト。そうして彼女は片手を掲げ–––
『2回戦–––STARTッ!!』
ハイと言うわけで2回戦が来た。(ヌルっ)
『何であの人はあんな元気なんだ』
『知らん』
『俺の仕事…』
そんな感じの実況席の3人方の会話を聞きつつ、視界の隅で
さてと。心操クンとの戦いの後から今の今に至るまでを救護室で過ごしていたオレ–––理由? 聞くな–––は、残念ながら1回戦を全て観戦出来ていなかった。その為、先ほど先生が述べた小大サンによる瞬殺…その方法が分からない。
対戦相手はA組の上鳴クンだったらしいけれど…。本当、一体全体どうやったんだ? 電撃を扱えるその個性の強さから、時折B組内でも話題に上がっていたりしたのだが…。*1
まぁ方法が分からない以上、オレがやれることは1つだけだ。
(何かされる前に–––っ!)
『おっと開始と同時に弘原海駆け出すゥー! どうやら速攻を』
\うるせーぞ山田ー!/
\引っ込めー!/
\ミッドナイトさんの邪魔すんじゃねぇー!/
\\\や・ま・だ! や・ま・だ!///
『…いや、そりゃ何に対するコールだよリスナー!? て言うか御先祖サマが連綿と受け継いで来た苗字をdisリに使うなよ! 俺と俺の親族と全世界のヤマダさんに謝りやがれェ!!』
会場中が妙なテンションに包まれている中で響く、マイク先生の声。その最中にもオレはどんどんと彼女との距離を縮めて、行き–––?
「な、ぁ…?!」
思わず、驚愕から間の抜けた声が漏れる。
出せる限りの速度で駆けたオレであるが、唐突に小大サンの姿が目の前からかき消え–––、いや!
(くそ、どうやったんだ!?)
小大サンと言えば、これまでの訓練からそのイメージは後方支援に向いたサポーターとしてクラス内では固定されており、言い換えれば彼女に対して『動ける』と言ったイメージを持っていないのが仇となった。
何処へ、と急いで視線を巡らし、漸く背後に小大サンが居ることに気づき、慌ただしく距離を取る。
「お、わわっ?」
と、その時にズボンがずり落ちそうになり慌てて引っ掴んだ。個性発動後に肉体が–––肉付きが増す為、予めジャージのサイズはある程度余裕を取ったものにしているのだが…にしてはおかしい。こうならない様に紐はしっかりと結んでい、る…………アレ?
…冷や汗を流しながら、オレは小大サンを個性を発動しながら見る。
*欲求:「–––これで脱がせやすくなった」*
ち ょ っ と 待 っ て 嘘 で し ょ こ の 人 ?
今、雄英体育祭よ? 将来の為にプロヒーローへ自己アピールを行う絶好のチャンスですよ? 皆が皆、性別も科も関係無く
…ビキリ、と言う不気味な音がオレのこめかみから鳴る–––
–––訳が無いんだよなァなんだこの人怖いよ! 超怖ぇ!! こんな場面でも欲望真っしぐらとか頭おかs、おかしいですねウン!!
余りの恐怖に思わず後退り…、それと同時。それまで何時の間にか抜き取っていたオレのズボンの紐を摘んでいた彼女は一息に駆け出し–––あっという間に目前、どころか懐へ。
(まずッ!?)
そう思ったところでもう遅い。兎に角場外に押し出されない様、両脚に力を込めその場で踏ん張る。ついでに合わせてスボンもしっかりと掴んで。
そんなオレに対し、小大サンが取った行動はと言うと…。
–––ずもにゅん、と片方の乳房が大胆に鷲掴みにされる。
なるほど、
馬鹿かな?
…と、平時であればそう言った思考を巡らせることがオレは出来たのだろうが、この時だけは少々異なっていた。と言うのも…。
「ンぅ、ひゃあぁ…っ♡!」
小大サンの、加減の施されていない力任せな行為がなされた乳房から全身に向けて走る
こうなのだ。心操クンとの戦闘後–––ピークこそ過ぎたものの–––妙に火照った体はあり得ない程に敏感となってしまい、少しの刺激でも反応し…正直なことを言えば衣擦れだけでもピクピクと小刻みに震えてしまう程だった。
『え』
と、実況席から息を飲む音。
これでは1回戦目と同じになってしまう。なのでオレは喘ぎ声を誤魔化しつつ。
「あ♡、–––ああぁアあ゛…ッ!」
片方の角を掴み–––。
「おるぅあああ゛あ゛あ゛ッッッ!!!」
「「『折った–––!!?』」」
実況席、観客席、審判の先生方から悲鳴が上がり、オレの側頭部からは鮮血がぴゅうぴゅうと言った具合でリズム良く吹き出していく。
『スプラ–––ッタ! 突然どうした弘原海ィー!?』
「お気になさらず…! 気合を入れ直しただけですッ!!」
段々と闘技場とオレの頭、それから顔面がべったりと血に染まっていく。が、角を捥いだ激痛は確かに
気持ちを引き締め、オレは改めて身構える。
*欲求:「ワンスモアァアアアアッ!!!」*
「ほお゛っ♡!?」
直後、反対側の乳房に衝撃。
何と言う煩悩の塊だろう。きっと108では収まりきらないであろう彼女の欲に慄くオレの視界は激しく明滅しているものの、そんな中でも震える手をなんとか角へと運ぶ。
「んなあ゛ぁアあ゛あ゛ッッッ!!!」
『また折ったー!!』
ぶしゃあぁ…ッ! と音を立てる赤黒い噴水。
–––いい加減、ここまでされると頭に来ると言うもの…! こっから先は一切のおふざけ無しだこの野郎ッ!!
今後、ガチ戦闘とかどうやって書けばいいんだ?