「ん」と「ね」と「(単語)」しか言わないクラスメートの性欲がヤバすぎる件について   作:羽虫の唄

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原作と違い、襲撃事件の際にはA・B合同で授業を受けていたものとして扱っています。今回はその翌々日からスタート。
バトルにしようか原作通りにしようかで悩み、結構時間がかかってしまいました。


今後の展開について、アンケートを設置してみました。宜しければ、ご意見お聞かせください。




「ん」と「ね」と「(単語)」しか言わないクラスメートが色々ヤバすぎる件について

 クラスメートが色々とヤバい。

 

 事の発端は記憶を確かめるまでもない、オレにとっても雄英にとっても、ある種一つの節目となった、△曜日のことである。

 

「──おはようござ……」

「無事だったか弘原海(わたつみ)ィ!」

 

 何時もの時間帯より少し遅めの登校。教室に入るや否や、殴りかからんばかりの勢いで駆け寄ってきたのは鉄哲クン。

 〝個性〟「スティール」の彼はかなりの熱血漢であり、行動全てに全力を尽くしていると言っても過言ではない性格の人物だ。こちらの身を案じる鉄哲クンだが、オレが何かを言う前に他のクラスの面子が詰め寄って来た為、彼に言葉を返すことは叶わず。

 

「怪我はもう大丈夫なのか?!」

(ヴィラン)と戦ったんでしょーっ?」

「皆心配してたんだぜ、誰も弘原海のケー番もLINEも持ってないからさぁ」

 

 止めろ取り囲んで一気に来るんじゃない、陰キャのメンタルでは耐えられん。後、連絡先に関してはすまんかった円場クン。

 

 1対1ならまだしも、多人数が相手となるとオレは『素』が出てしまいしどろもどろになりわたわたしてしまう。キモい。

 はわわわわ…! (美化5億%)と対処に追われて居ると、詰め寄って来たクラスメートの中から聞き慣れた声が発せられた。

 

「ん……!」

 

 何時もと比べ、僅かながら力の込められた声。その表情も異なっていて、こちらを心配そうに見つめている。

 

「あー……。問題ないッスよ! 怪我もリカバリーガールのお陰ですっかり治りましたから!」

 

 言いながら、『個性』を発動。

 オレを心配してくれているクラスメートたちを安心させようと、すっかり完治したことをアピールし──

 

 

 

 

 

 *小大 唯:性欲 105/100*

 *感度「激高」*

 *状態「興奮」*

 

 

 

 

「すいませんやっぱ大丈夫じゃないです(吐血)」

「「「弘原海ィ──ッ!」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◇◇◇◇◇◇◇

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 先日起きた、A・B合同での人命救助(レスキュー)訓練中の(ヴィラン)襲撃事件を受け、雄英は臨時休校日を設けた。その間家族から鬼の様な安否確認の連絡が来たものだが、負傷したのは我らがブラドキング先生含めた教師陣が大半であり、生徒からも出たものの後遺症や命に問題はないので、そこまで騒がなくともよかったりする。いや、心配されるのは素直にありがたいが。

 生徒から出た負傷者は2名。うち1人は、A組の緑谷クン。詳細は不明だが両脚と手の指がバッキバキだったらしい。

 怖っ。

 

 そして、もう1人がオレである。

 

 当時の状況としては、ワープ系の『個性』を持った敵により散り散りにされた後、その先で一緒に転移させられた小大サンを人質に取られ、それを助ける為に敵と交戦……我ながらようやったわ。

 先に断っておくと個性が個性な為、バトル漫画の主人公の様なことは出来ず、ひたすら魅了や吸引性睡眠(どピンクの)ガスで動きを止めながら小大サンと逃げ回った感じである。最後の方はスタミナ切れを起こして数の暴力にあったわけだが、間一髪の所で雄英教師陣が駆けつけてくれたのだ。

 

 九死に一生を得るとは正にあのこと。

 敵の攻撃でボロボロになっていたオレは、緊張の糸が切れ、大粒の涙を流しながら抱きついてきた超絶美少女(小大サン)の感触や匂い諸々にキャパオーバーを起こして気絶した。

 真面目に死ぬかと思った瞬間である。……増強型敵に「ボ」された時より死を意識した。

 

 とまぁ、そんな経緯があったわけなのだが。

 

 

 

 *小大 唯:性欲 105/100*

 *感度「激高」*

 *状態「興奮」*

 

 

 

 何 か 色 々 増 え た ん で す け ど ?

 

 いや、もう、この際だから性欲以外も確認出来る様になったことはどうでもいい。どうせ危機的状況を経験したことによる個性がPlus Ultraしたとかだし。

 

「──雄英体育祭が迫っている!」

「「「学校ぽいの来たァあ!!」」」

 

 襲撃などまるで無かったかの様な騒ぎっぷりを周囲は見せる。ブラドキング先生復帰早いとか、襲撃に遭ったんだから今年は控えようよなど様々な声が上がる中、オレは1人恐怖に震えていた。

 ……何? 105/100って何? 臨界点突破しちゃってるんですけど。

 

 クールビューティに相応しいその見た目に反し、内面がエラいことになっているクラスメートにひたすら恐怖を覚えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◇◇◇◇◇◇◇

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ヤバいクラスメートに怯えようが、体育祭とか言う陽キャの為にある様なイベントに怯えようが、クラスメートの性欲・感度は下がらないし、体育祭の開催日は刻一刻と迫り来る。

 

 ならばどうするか。

 答えは単純明快(かんたん)。性欲が高いなら──下げればいい。

 ……体育祭はどうしようもない、最悪仮病で休む。

 

 突然だがここで少し、オレの個性について説明したいと思う。

 基本的な女体化を始めとして、相手の意識をこちらに向け体の自由を奪う魅了の声。相手を興奮・発情させる淫毒液。一呼吸分で即座に意識を失う強力な睡眠ガス……。

 薄い本展開待った無しのエロいことが何でも出来るのがこの『個性』だ。

 

 ──と、言うのは実は間違いである。

 

 サキュバスが持つ本来の能力は()()()()だ。

 女体化は勿論、翼や角・尾状器官。相手の体の自由を奪う特殊な声を可能とするように声帯を。興奮・発情効果を持った分泌液や、即効性に優れた睡眠ガスを生成……。

 つまりはこういうことである。

 

 弘原海 ありす

 〝個性〟「サキュバス」!

 エロいことなら何でも出来る──様に、肉体を改造するぞ! 

 

 雄英体育祭に備え、個性訓練に励む雄英生の数々。そんな中オレがしていることと言えば、誰もいない屋上で、独り女体化して分泌した淫毒液の瓶詰め作業である。……何やってんだろ。

 現在の行為に唐突な虚しさが湧かないわけではないものの、ここで手を抜くわけにはいかない。

 何故かは分からないが(本当に何故かは分からないのだが)性欲が人の何倍も強く、オマケに体の感度もクソ高いクラスメート。気軽に人に相談出来るものではなく、尚且つその事実を知っているのはオレだけ……。

 ならば、すべきことは必然的に一つ。

 

「よし………。──出来た」

 

 小瓶に詰められた、輝く宝石をそのまま液体にしたかの様に、煌めく青。

 ズバリこれは──鎮静薬だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◇◇◇◇◇◇◇

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 アレから数日が経過し、個々人の個性訓練も本格的なものとなってきた頃。オレの下に、とある資料が届いていた。

 

「鎮静の効果を確認…。依存性、中毒、摂取量制限…。経口摂取? ……気化条件。──よし、よし!」

 

 一言で個性と言ってもその種類は千差万別、人の数だけ個性があり、中にはオレの様に何がしかを生み出すことが可能なものもある。

 今回オレが利用したのは、そういった個性の一次・副次生成物を調査・研究してくれる機関だ。この前生み出した鎮静薬の効果を確かめる為、雄英経由で頼み込んだのである。

 個人で受ければ高額となってしまうのだが、こういった部分を負担してくれるのは本当にありがたい。

 

 昼休み。すっかり快復したブラド先生から受け取った検査結果に、一通り(言うまでもなく超入念に)目を通した後、駆け足で人目の少ない場所へ。

 十分に人目がないことを確認してから、個性を発動……先日の物と全く同じ鎮静薬を、尻尾の先端(スペードマーク)から分泌。ソレを小瓶に詰め──。

 

「……後は実際に確かめるだけだな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◇◇◇◇◇◇◇

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 昼休みももう少しと言った時間。

 食堂でそのまま時間を潰したり、中庭で駄弁ったりする生徒が大半だが、B組教室では疎らではあるが数名の生徒が。

 ……お目当ての小大サンこそ居ないが、先に他の人物で効果を確認すればいいだけである。

 オレはサキュバスの状態となり、早速1人の男子へと近づいた。

 

「円場クンちょっといいッスか?」

「んぉ? なに──な、なんだ弘原海っ?」

 

 声をかけた彼の声は少し上擦っている。まあ、意図的にオレがシャツのボタンを多めに開けているからなのだが。

 

「すいません、実は()()()()()()()に祝い品で香水を渡そうと思ってるんですけども、いかんせん、センスが無いものでして……」

「へ、へぇ」

「でですね、ちょっとレビューと言うか問題なさそうか確認をしてもらいた──おっと」

「わ、わあーっ、馬鹿! その格好で屈むんじゃねえ!」

 

 ポケットから取り出した小瓶をわざと落とし、それを拾う為に体勢を落とせば、円場クンは慌てた様子で視線を逸らす。そのままだと彼からは胸の谷間が丸見えになるからだ。

 

 *円場 硬成:性欲 31/100*

 *感度「並」*

 *状態「興奮」*

 

 よしよし、十二分に興奮している。

 軽く謝りながら胸元のボタンを締め、改めて円場クンの手に軽く香水–––に、見立てた鎮静薬を吹きかけた。香りを確かめる円場クンだが、彼の性欲値はと言うと……。

 

 *円場 硬成:性欲 8/100*

 *感度「並」*

 *状態「冷静」*

 

 なんということでしょう(劇的ボイス)。 淫魔のマッチポンプによって、30を超えていた彼の性欲値はあっという間に一桁となり、状態も興奮から冷静に早変わりです。

 ……これで実際の効果は確認することが出来た。後は小大サンに渡すだけである。

 

「うーん。俺もよくわからないけど、いい匂いだと思うぞ? ってか、こう言うのなら女子に聞いた方が良いんじゃね?」

「それもそうですね。早速聞いてみます、ありがとうございました円場クン──あ。拳藤サンちょっと良いですか?」

「ん、なに?」

「実は──」

 

 その後も男女数名で確認し、いよいよ放課後……勝負の時である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◇◇◇◇◇◇◇

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 全ての授業を無事終え、迎えた放課後。

 個性訓練の為に訓練施設の利用許可を取りに行く数名を見送りつつ、オレは機が訪れるのを狩人が如く待ち続けた。

 そして──、

 

「こ、小大サンちょっといいッスか?」

「ん」

 

 小大サンが上手く1人となり、尚且つ人目も少ない場所で声をかけることに成功。声をかけられた彼女はこちらを振り向き──。 …こう見ると、本当に非の打ち所がない完璧な美少女なのだが…。いかんせん中身が欲求不満の感度3000倍と来たもんだ。初めて彼女を見た時の様な純真な眼差しを向けることはもう出来ない。……あぁ、いやそういう悪い意味ではなく。

 

「すいません呼び止めちゃって。実は渡したいものが……」

 

 ──その時オレに、電流が走った! 

 

 …謎のナレーションが突如頭の中で響き、小大サンに鎮静薬を渡そうとしたオレは動きを止める。

 ちょっと待とう。冷静に考えたらこの状況──色々ヤバくね? 

 

(そこまで親しくない異性にプレゼントとか完全に一目惚れの()()じゃねェかぁぁあッ! しかも香水て!!)

 

 今の自分の状況を客観的に見てしまい、へぎゅりと音を立て、可笑しな表情のまま硬直。テンパって思わずサキュバス状態になってしまうほどだ。

 ぐぁ、顔が熱い……! 

 

「ん?」

 

 *小大 唯:性欲 105/100*

 *感度「激高」*

 *状態「興奮」*

 

 訝しげにオレを見る小大サン。その頭上には、あいも変わらず、あのあり得ない数値が並んでおり……。

 えぇい、構うものか! 背に腹は代えられん。これで小大サンはある程度普通となるし、オレも一々彼女のことで精神衛生を心配する必要はなくなる! 

 プルスウルトゥルァ!(※ネイティブ)

 

「じぃ、実はプレゼントがありまして! この香水なんですけど……!」

「──ん」

 

 僅かな間を置いてから、彼女はオレが差し出した香水を受け取った。

 

「良ければ使ってください! 是非とも、ハイ、是非とも使ってください! それでは〜!」

 

 所々声を裏返しつつ、逃げる様に……いや、実際に逃げ出す。

 恐ろしく熱を持った顔を気にする余裕も無く、そのままノンストップで家まで走った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◇◇◇◇◇◇◇

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして、翌日。

 小大サンの性欲を落ち着けることばかりを考え、いらん所で怪我を負ったオレは、ぐったりしながら登校。完全に渡す際の内容を失念していた……。

 …………まあ、それでもやり遂げたことは確かである。

 

「弘原海おはよう。昨日のクイズ番組見た?」

「……あー。見ました見ました。最後寝落ちしちゃったんですけど、あのクイズ①と②どっちでしたか?」

「ああ、アレ? えっと確か──」

 

 力の無い、乾いた笑いを浮かべつつも、やり切ったことに変わりはないのでよくやったと自分を褒めていると、昨晩放送されたテレビの話題を鱗クンから振られた。 結構人気な番組でオレもよく見ているのだが、彼に言った通りに最後だけ見逃してしまったのだ。

  オレの質問に鱗クンは記憶を辿り始める。

 

『あ、唯オハヨー』

『ん』

 

 と、そんな時オレが入って来たものとは逆のドアから小大サンがやって来た。それに気づき、早速オレは『個性』を発動。

 さてさて、どうなってるかな……? 

 

 

 

 

 

 *小大 唯:性欲 120/100*

 *感度「超高」

 *状態「発情」

 

 

 

 

 

「──確か②だったかな?」

「んでじゃクソがァああああっ!!!」

「ええっ、そんなにキレること!?」

 

 

 

 

 




主人公「やべえよ、やべえよ…!」

今後の展開には、どの様な要素を取り入れれば良いと思いますか?

  • ラブコメ
  • シリアス
  • バトル
  • んほぉ゛♡!!
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