「ん」と「ね」と「(単語)」しか言わないクラスメートの性欲がヤバすぎる件について 作:羽虫の唄
アンケート設置しました。宜しければ、ご意見お聞かせください。
雄英体育祭第1種目、妨害ありの障害物競走。
ゴール目前で発生した、緑谷クンによる爆豪クン・轟クン先頭2人が見せていたデッドヒートの飛び入り参加。
本来ならば避けるべき地雷を敢えて利用した追い上げを見て、観客席からの歓声と拍手は大いに賑わい–––
直後、爆発。
先程緑谷クンが起こしたものの倍……いや、それ以上の規模と衝撃、そして音。最早
「ぎぃやァあああ゛あ゛あ゛あ゛!!?」
しかし残念。
正解は、小大サンの
「ん」
1人目–––事態の原因である小大サンがオレに激突。
「ぐォ!?」
2人目–––小大サンと共に爆豪クンに衝突。
「う……!?」
3人目–––2人を巻き込みながら轟クンに突進。
「わ、わああぁ!?」
最後の4人目。
トップに躍り出て居た緑谷クンを巻き込むもオレたちの勢いは止まることは無く、飛び、転がり、或いは跳ねながらゴールまでの残り僅かとなった距離を進んでいった。
まず緑谷クンがゴール。
続いて轟クン。
次いで爆豪クン。
ジャイロ回転を行いながら小大サン。
そしてオレは–––開いていたゴールのゲートに体当たり。
「ぉ……う、ごぇ……ッ?!」
ゲートが……! 縦に……! 顔面、肋骨、肺……! そして股間が……!
『ここで1人目ゴォール! 妨害アリの地獄のレースを1位で生き残ったのは意外にもこの男、緑谷 出久だァ! 続いて2位に轟、3位爆豪! そして大・大・大爆発で怒涛の追い上げを見せたB組の小大と
プレゼント・マイク先生の解説と観客席からの歓声と拍手を聞きながら、思考する。
(サキュバス状態、間に合って……良か……)
……いや本当、間に合ってなかったら確実に潰れてたぞ。
◇◇◇◇◇◇◇
『大丈夫かなあの人……』
『い、痛そ〜』
『当然の報いだ』
『チッ。元の姿でぶつかれば良かったものを……』
『ざまぁみろ』
第1種目終了後、恥骨を抑え蹲っているオレに対して、周囲からは同情と罵声が発せられていた。後半言いたい放題だなぁオイ。
「だ、大丈夫か弘原海……?」
既にミッドナイト先生が第2競技……騎馬戦の説明を終え、チームを組み始めている中でも痛みを堪え続けるオレを見かねた鱗クンが声をかけてくるが、未だ引かぬ痛みの所為でろくに返事を返すことが出来ない。
「こ……、ころひゅ……! ぜったいころひゅうぅ……っ!」
「ああ、うん。駄目そうだな」
この騎馬戦でギッタンギッタンにしてやるかんな!!
と言うわけで早速チームを組もう。相変わらず男子からのヘイトが凄いものの、目の前の鱗クンはそこまでオレに対してヘイトを向けては居ない。彼の様な人間を引き込めれば取り敢えず騎馬が組めない事態に陥ることは無いだろう。
ちなみに小大サンはオレの暴力(断じて違う)から守ると言う名目の下、拳藤サンや取蔭サンに引き取られて行った。
や っ た ぜ 。
「一緒に小大のヤローをぶちのめそうぜ鱗クン! お前騎馬な!」
「ええ……。キャラが凄いことになってる」
不干渉なんて甘いこと言ってられないんだよもう。こうなったら徹底抗戦あるのみ!
……しかしながら意気込むオレに反し、鱗クンはその首を横に振るった。
え……、何故? 君はそこまでオレに憎しみを向けては居ない筈じゃ……。
「ごめん弘原海–––」
そう、先に断りを入れてから彼は続ける。
「敵襲撃事件の時、俺は–––B組は殆ど自分の身を守ることで精一杯だった。……A組やお前は敵に立ち向かったのに、俺たちは怖くてそれが出来なかった」
いやあの、オレもビビリまくってたんですけど。ビビリ過ぎて逆に動けた感じなんですが。
「今のままじゃ、俺は俺が目指すヒーローには絶対になれない。–––だから挑ませてもらう。勝つぞ、弘原海」
まるで少年漫画のキャラクターの様な台詞を残し、彼は去っていく。
……いやあの、待って? 勝つぞとか言われてもどうすりゃいいの。そもそも敵襲撃事件の時だって結局オレ、ボコボコになってただけだよ?
どうやら今の状況を甘く見ていたらしい。
例えヘイトを向けられていなくとも、それはそれで先程の鱗クンの様に優勝を狙っていることになる。本気で勝ちに行くのならば、個性の相性やポイントなんかも考慮しなくてはならない。
オレの個性の詳細を知らない他クラスはもちろん、B組のメンバーはヘイトの所為で論外だ。や、やばい。下手をすると堂々1位の緑谷クンよりも孤立している……!
そんな感じで本気でぼっちの可能性を考慮し始め、騎馬戦のチーム分けの時間も残り僅かとなったその時だった。
「–––弘原海ー! 一緒に組もうぜー!」
手を振り、そう言いながら駆け寄ってきてくれたのは、頭部が吹き出しとなった男子生徒–––吹出 漫我クン。自ら進んでチームを組もうと言ってくれた彼に対し、オレは知らず内に涙を零していた。
コレガ……ココロ……? コレガ……ナミダ……?
「良いの吹出クン? オレ、確実に狙われるよ……?」
「そんな感情が芽生えたロボットみたいに泣きながら言うなよ……」
しかし意外である。自分としても、小大サンに対して暴力を振るっている姿はただのDV野郎でしか無いとは思うのだが、彼は他の様に気にしないのだろうか?
そう思っていると、
「弘原海さ、小大のこと嫌って……というか怖がってない? よく分からないけど、見ているとなーんか違和感があるんだよね」
うーん? と唸る彼の姿は正しく救世主に他ならない。
マジでか吹出クン……! 見たままで判断せずに、どうしてそうしているかを考えているとは……! オレの真の友達は、どうやら君だった様だ!!
「と言うか皆弘原海のこと妬んでるけど、それって自分がモテてないこと教えてるだけだよな。もっと大人になればいいのに、余裕無さすぎない? 流石に」
『
『『『イエッサー』』』
勘違いだったらしい。さては敵だなオメー。
「で、どうする? あと1人は必要だけど」
「吹出クンのお陰で壊滅的に困難になったスけどね」
しかしどうするか。ルール上、騎馬と騎手は最低3人でないといけないのだ。頑張れば、肩車の要領で彼を騎手にしてオレがフィールドを駆け回ることも出来なくはないものの–––
「ん」
「ヒェッ(即死)」
「え待って、そんな真っ白になる程なの?」
背後から発せられた声に思わず心配停止に陥ったオレ。それを見ていた彼の
と言うか何でこっちに来た。拳藤サンたちは何をやってるんだ、目ぇ離しちゃダメでしょ!
『–––さあ、もうすぐ試合開始よ! 準備はいいかしら!?』
審判のミッドナイト先生が無慈悲に試合開始迄のカウントダウンを始めてしまう。既に組み分けが終わっている他のチームから誰かを引き抜くのは不可能だろう、つまり、この面子で戦わなくてはならない。
「どうする、このままやるか?」
「〜〜〜ッ。仕方がない、やるっきゃないでしょもう!」
メチャクチャ嫌だけどな!
「にしても、見事に非戦闘向きで固まっちゃったな」
「ね」
「……弘原海、何か作戦は有る?」
吹出クンの言う通り、サイズ変更をする対象がこの場に無い小大サンはもちろん、オレも戦闘向きの個性とは到底言えないだろう。だが、あくまでこれは騎馬戦だ。ハチマキを取ることが目的であるのならば、オレは兎も角、2人の個性はかなり強い。
「ええと、そうですね–––」
『位置につきなさい! 第2種目開始するわよ!!』
「–––––て言う作戦どうッスか?!」
ミッドナイト先生が合図代わりに鞭を鳴らす中、騎馬役と騎手を決めながら2人に作戦内容を伝えるも、あまり良い返事は貰えなかった。
「それ、今以上にヘイト集まりそうじゃない?」
「ん……」
「あ、あれ? 皆の個性を最大限活かしたいい作戦だと思ったのに……!?」
予想外に難色を示す2人に困惑する。
……いや小大サン、少なくともヘイトの根源であるあんたはその反応はしちゃダメだからな?
「まぁいい、やろう! どうせなら1位を目指そうぜ2人とも!」
「ん!」
「もちろん!」
先頭騎馬の吹出クンに、騎手の小大サンと並んで声を返す。
さぁいよいよ–––騎馬戦、開幕だ。
◇◇◇◇◇◇◇
……おい
年末は忙しいんじゃー。
第3種目、主人公の対戦相手は…。
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爆豪
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轟
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心操
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緑谷