『転生特典はガチャ~最高で最強のチームを作る~』外伝   作:ドラゴンネスト

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京矢side

 

反吐がでる。

それがこの世界の人間に感じたオレの感想だ。

例がクソジジイ供だけだから仕方ないだろうし、オレ達を指導してくれた人は良い人だったけどな。

 

訓練とは言え久し振りにマジでやり合える人ってのも良い印象だな。

 

極一部の人たちには悪いが。

 

取り敢えず、邪魔になりそうな勇者(バカ)とその取り巻きを残してやるから勝手にしてくれ。

 

そっちが喧嘩を売って来ない限りはな、

喧嘩売って来るなら、その時は全力で消してやるよ、腐れ神!?

 

 

 

 

 

 

召喚後の京矢の内心。

これが後に魔王と呼ばれる男の相棒たる『大首領』の降臨が異世界に確定した瞬間であった。

 

 

side out

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前に立つだけで冷や汗が流れる。目の前の相手はこれまでの迷宮の的とは次元が違うことが一瞥しただけで分かる。

 

黒いボディに真っ赤な瞳。平成0号ライダーにして昭和のラストナンバーの仮面ライダーが目の前に在った。

 

『仮面ライダーBLACK RX』

 

昭和最強にして、唯一フォームチェンジの能力を持った仮面ライダーだ。対する京矢はバールクスの姿で対峙しているが片腕にあるRXライドウォッチは存在していない。

当然だろう、目の前の相手はそのライドウォッチから再生された模造品なのだから。

 

何故こんな事になってしまったのか?

それは数分前に遡る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ブスアルラウネをバーニングディバインドで倒し、ハジメがユエの機嫌を損ねてから日が経過し、ハジメにもギャレンの使い方を教えてから数日。

三人は遂に真の大迷宮の百層目へと到達した。

 

これで表の迷宮の百層も含めると計200層の迷宮からなる此処を漸く走破した可能性が高い。

表の大迷宮が真の大迷宮の上澄み。変な言い方をすれば練習用のステージとすれば、真の迷宮も同じ深度である可能性が高い。

 

その最期の百層目その一歩手前、そこで京矢とハジメは装備の手入れを行なっていた。

 

京矢は魔剣目録を開いて改めて手持ちの剣を確認し、手持ちの中でどのライダーシステムを使うかの選択をする。

 

初めは魔剣目録の事にはハジメとユエにも驚かれたが、その中に収められた光輝に与えられたアーティファクトの聖剣がゴミに思える程の魔剣、聖剣、妖剣、邪剣の数々に既に驚くのに疲れてしまった。その中の剣に比べたら光輝の聖剣等単なる棍棒レベルの武器だろう。

しかも、魔剣目録自体も収納できるのは剣限定だがその広さは宇宙と同レベルの大きさを内包していると言うのだから驚くと言うのを通り越して既に達観の領域である。

 

そして、ハジメは手持ちの装備だけでなく、京矢から貰ったギャレンバックルの動作も確認していた。

それが強力過ぎるため、扱うハジメが片腕だけ等使いこなす上での不安点は多いが自分が作ったものよりも強力な武器なのだから、上手く使えれば現状一番頼りになる。

序でに個人的にも特撮ヒーローになれるそれは是非とも使って見たいと思っている。

 

そして、ユエは飽きもせず手元とハジメを交互に見ながらまったりとしている。

 

「見るからに嫌な予感がするな、南雲」

 

「ああ。感知系の技能に反応が無くても分かる。この先はヤバイってな」

 

「エースのカードはセットしとけよ。片手で戦闘中にそれをセットするのは難しいだろ?」

 

「ああ」

 

そんな会話を交わしてジクウドライバーを身に付ける京矢とエースのカードをギャレンバックルにセットするハジメ。

 

「ハジメ……」

 

「最高じゃねえか、漸くゴールに着いたって事だろ」

 

不安げに呟くユエにハジメは覚悟と決意を込めてそう返す。

 

「良いねえ、どっちにしても、何が出てきてもやるしか無いんだからな」

 

ハジメの言葉に楽しげに笑いながら京矢も答える。元より今から引き返すなどと言う選択肢など与えられていない。

 

準備は整ったとばかりに立ち上がるハジメ。それを見て京矢も立ち上がり、バールクスライドウォッチを起動させジクウドライバーへと装填する。

 

「変身!」

 

 

『ライダータイム! 仮面ライダー、バールクス!』

 

 

その姿をバールクスの物へと変えて準備は完了だと言う姿を見せる。

 

「しっかし、天之川がそれを見たら正しく使うべきだ! とか言ってきそうだな」

 

「ハハハ! 違いねえな。でもな、コイツはヴィランの力だぜ。正しく使ったら悪事だろ? あれか? あのバカ勇者はオレに世界征服でも企んで欲しいのかよ?」

 

光輝ネタで爆笑しているハジメと京矢の二人。最期の敵を前にして冗談を言い合って緊張をほぐしている二人だがそのネタが分からないので蚊帳の外のユエは不服そうである。

 

三人が階段を降りて最後の100層へと足を踏み入れると、そこは無数の巨大な螺旋模様と木の蔓が巻き付いたような彫刻が彫られた柱に支えられた広大な空間。

柱の並びは規則正しく一定間隔で並んでいる。天井までは凡そ30メートルは有り、地面も荒れたところはなく平らで綺麗なもので、何処か荘厳さを感じさせる。悪趣味な絵の飾られた神殿などより、余程神聖さを感じさせてくれる場所だ。

 

罠もモンスターも複雑な迷宮も無い広い空間が続く中、警戒しながら先に進んでいくと、そこが100層目の終点なのだろう、行き止まりに行き着く。

 

その先にあるのは巨大な両開きの扉。ここが終着、最後のフロアで間違いは無いだろう。

 

何も罠も迷宮も無いのはこれから現れるであろう敵が存分に力を震えるように、此方が優位に戦えるような空間を与えない為に罠も壁も無い広い空間を用意しているのだろう。

 

「ラストバトルの為に用意した場所って感じだな」

 

「ああ。空気が違うぜ、ここはヤバイってな」

 

「まっ、オレの力もラスボスの力って奴だ、油断は禁物だけど、そう警戒し過ぎるなって」

 

「ハッ! 確かに、こっちにもラスボスが付いてるなら充分に勝ち目はあるか。最高じゃねえか」

 

「……んっ!」

 

不敵な笑みを浮かべて隣に立つ京矢の変身しているバールクスのライダーの文字の複眼を見据えた後……目を逸らしてユエの方を見据えた。

妙に見ているとシリアスになれない顔面のライダーの文字である。

 

三人揃って扉の前に行こうとして最後のフロアに足を踏み入れた瞬間、赤黒い光を放ち、脈打つようにドクンドクンと音を響かせる巨大な魔法陣が扉の前の空間に現れた。

 

「「っ!?」」

 

あの日、自分達を窮地へと追い込んだ忘れたくても忘れられないあの魔法陣だ。だが、そんな物とは規模も複雑さも違う。

 

ラスボスはこのフロアに攻略者が入って初めて姿を表すのだろう。先程まで用意されてさえいなかったのだ。

 

「ユエ、鳳凰寺、気を付けろ……相当ヤベェ奴が来るぞ!」

 

「っ!? 悪い、どうやら、オレは別の相手を用意してくれてる様子だ」

 

警戒を浮かべていたハジメだったが京矢のその言葉に驚愕を浮かべて彼の方を振り向く。

 

京矢の足元に現れているのは、目の前の魔法陣と同じく忘れられない物、彼らが奈落へと落ちた日に窮地へと彼らを運んだ魔法陣だ。

 

「鳳凰寺!」

 

「先に行って待ってろ、南雲! オレもすぐ追いつくぜ!」

 

そう言い残したのを最後に京矢の、仮面ライダーバールクスの姿は消えた。次の瞬間、召喚の魔法陣が強く輝き、そこならは巨大な体躯と六つの頭と長い首、それぞれの頭には鋭い牙と赤黒い眼を持った怪物が現れた。

 

ハジメの知識の中にあるそれとよく似た特徴のある神話の怪物『ヒュドラ』と一致する。

 

どう形容していいのか分からない不可思議な咆哮を上げて六つの眼がハジメとユエを見据える。

愚かな侵入者に死と言う名の裁きを与えるべく、最後の番人がその牙を剥く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「くっ!」

 

何処かへと転移させられる感覚の中、体制を立て直して目の前の召喚の魔法陣を見据える。

弾き出されるような感覚で体制を立て直して床に立った瞬間、片腕を近くの柱にぶつけてしまい、腕に装着してあったライドウォッチが外れてしまう。

 

「しまった!」

 

そのライドウォッチを拾おうとするが、それは意志を持っているように床に弾かれ床を滑りながら魔法陣の中へと入っていく。

 

「おいおい、マジかよ」

 

ライドウォッチが入った瞬間、魔法陣が形を変える。魔法陣からシンプルなライダークレストへと。

 

 

『RX!』

 

 

そして、響き渡るのはそのライドウォッチの起動音。

ライダークレストの召喚陣の中から現れたそれは射抜くような視線を京矢へと向ける。

 

 

……最強が現れた。

 

 

真っ赤な目に、黒いボディを持つ仮面ライダー。

 

 

その名は

 

 

 

『仮面ライダーBLACK RX』

 




なお、今回のことが原因でこの迷宮のラスボスに太陽の子が追加されて、大迷宮の難易度が場合によってはルナティックになりました。
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