『転生特典はガチャ~最高で最強のチームを作る~』外伝   作:ドラゴンネスト

100 / 112
091

恭弥の身を包むガイソーグの鎧が外れ、ガイソーケンともう一振りの剣『暗黒剣月闇』を持って京矢はディノミーゴから飛び降りると、ハジメと肩を並べる。

 

(……それにしても、ウルトラマンのダークネスが四体かよ……)

 

明らかに自分(バールクス)対策としか思えない四体のダークネスを一瞥すると、今回初披露となる邪剣カリバードライバーを装着する。

ここに来るまでに遠藤から聞いた仮面ライダー達は居ないようだが、魔人族の女が率いている魔物にダークネス達以外に混ざっているのは仮面ライダーゼロワンのトリロバイトマギア達だ。

魔法こそあれ、この世界の科学技術には似つかわしくない科学で生み出された敵の存在に、あの時あった二人の仮面ライダーの仲間の影を感じずにはいられない。

 

ふと、横を見てみると、ハジメが、落下してきたユエをお姫様抱っこで受け止めると恭しく脇に降ろし、ついで飛び降りてきたウサミミ少女シアも同じように抱きとめて脇に降ろす。

 

「な、南雲ぉ! おまっ! 余波でぶっ飛ばされただろ! 鳳凰寺もそんな便利なの有るなら、オレも乗せてくれよ! ていうか今の何だよ! いきなり迷宮の地面ぶち抜くとか……」

 

文句を言いながら周囲を見渡した遠藤は、そこに親友達と魔物の群れがいて、硬直しながら自分達を見ていることに気がつき「ぬおっ!」などと奇怪な悲鳴を上げた。

そんな遠藤に、再会の喜びとなぜ戻ってきたのかという憤りを半分ずつ含めた声がかかる。

 

「「浩介!」」

 

「重吾! 健太郎! 助けを呼んできたぞ!」

 

〝助けを呼んできた〟その言葉に反応して、光輝達も魔人族の女もようやく我を取り戻した。

そして、改めてハジメと京矢と二人の少女とディノミーゴを凝視する。だが、そんな周囲の者達の視線などはお構いなしといった様子で、ハジメは少し面倒臭そうな表情をしながら、ユエとシアに手早く指示を出した。

 

「ユエ、悪いがあそこで固まっている奴等の守りを頼む。シア、向こうで倒れている騎士甲冑の男、容態を見てやってくれ」

 

「ディノミーゴ、お前は護衛を頼む」

 

「ん……任せて」

 

「了解ですぅ!」

 

「任せろディノ!」

 

「南雲、悪いが、特撮ヒーローモドキはオレが貰うぜ」

 

「ったく、オレもそっちと戦ってみたかったんだけどな。仕方ねえ、他の相手はやってやるよ」

 

暗黒剣月闇を構える京矢の言葉に答えて、ハジメもまたエイムズショットライザーを装着する。

 

「ってか、そっちが逃げるなら見逃してやるがどうする、魔人族のお姉さん?」

 

京矢はまだ変身もせずに軽口で魔人族の女にそう問いかける。彼ら以外にしてみれば傲慢な、本人達にしてみれば当然で有り最大限の慈悲の困った提案だ。

 

「……何だって?」

 

もっとも、魔物に囲まれた状態で、普通の人間のする発言ではない。なので、思わずそう聞き返す魔人族の女。それに対して京矢は、呆れた表情で繰り返した。

 

「いや、さっさとコイツらを地上に連れてって依頼を終わらせたいから、そっちがさっさと帰ってくれるならお互いにお得って言う提案だぜ?」

 

『何言ってんだ、こいつ?』とでも言う様な態度に、改めて、聞き間違いではないとわかり、魔人族の女はスっと表情を消すと「殺れ」と京矢を指差し魔物に命令を下した。

 

この時、あまりに突然の事態に、冷静さを欠いていた魔人族の女は、致命的な間違いを犯してしまった。

 

「なるほど。……〝敵〟って事でいいんだな?」

 

「やれやれ、一度は助け舟は出したぜ」

 

そんな魔人族の女に冷酷に告げながらプロクライズキーを取り出すハジメと、残念だと呆れた様子ながらもワンダーライドブックを取り出す京矢。

 

 

『ジャアクドラゴン!』

『BULLET!』

 

 

響き渡るのは二つの電子音。

 

 

【かつて世界を包み込んだ暗闇を生んだのはたった1体の神獣だった…。】

《AUTHORIZE……KAMEN RIDER KAMEN RIDER KAMEN RIDER KAMEN RIDER》

 

 

ライドブックから読み上げられる物語と、変身前の待機音を心地よさげに聞きながら京矢とハジメは笑みを浮かべる。

それに、ヒーローに憧れていた者のサガと言う奴ではあるが、それが本来の変身者達への無礼である事を理解して心から詫びるものの、どんな時も、この瞬間の高揚感は抑えきれないのだ。

 

此処より下の階層で、特撮ヒーローを相手に死にそうな目に会ったクラスメイト達にとってはデジャヴな光景だが、同時にそれは決定的にそれとは逆の光景。

敵として正面から見据えるのではなく、味方としてその背中を見ると言う事だ。

…………この二人が今後も味方であるとは限らない上に、飽くまで依頼の為に味方してくれているだけなのだが。

 

 

「「変身!」」

 

 

この一言を叫ぶ瞬間、この高揚感は二人の中に強く刻まれる。

 

ショットライザーの引き金を引くハジメと、闇黒剣月闇にジャアクドラゴンを読み込ませる京矢。

 

 

【ジャアクリード!】

《SHOT RIZE!》

 

 

荘厳な待機音が流れ出す中、京矢はジャアクドラゴンを腰のベルト、邪剣カリバードライバーに装填し、ハジメの放った弾丸は魔物達を牽制するように飛び交う。

そして、闇黒剣月闇を自身の目の前に構え、グリップで邪剣カリバードライバーのボタンを押す京矢と、真後ろに飛んできた弾丸を一瞥をせずに義手の裏拳を叩き付けるハジメ。

 

 

【闇黒剣月闇!】

 

 

天高く振り上げた闇黒剣月闇を上空で円を描くように振るい斬撃波を飛ばすと、京矢の体を紫色のオーラが包み込み、斬撃波が京矢に帰って来る。

ハジメの側も裏拳を叩きつけた弾丸が展開、バルカンのスーツを展開する。

 

 

【Get go under conquer than get keen.(月光! 暗黒! 斬撃!) ジャアクドラゴン!】

【月闇翻訳! 光を奪いし、漆黒の剣が冷酷無情に暗黒竜を支配する!】

『The elevation increases as the bullet is fired.』

 

 

並び立つのは雄々しく剣を構えた紫のドラゴンを象った鎧を纏った仮面の剣士と、白い装甲の狼を思わせる仮面の銃士。

 

敵として現れた特撮ヒーローが今度は味方として現れてくれた事に、最早驚き過ぎて言葉も出ないクラスメイト達を他所に、紫の剣士は闇の剣を振るい剣舞を見せると、

 

「闇の剣士、仮面ライダーカリバー」

 

「……いや、何だよ、それ?」

 

「こう言う場面だからな。何となくやって見たかった」

 

京矢の返しにハジメが内心で、『しまった! オレもやっておけば良かった!』と思ったのは秘密だ。次の機会の為にどんな決め台詞を叫ぶのか、よく考えておこうと思うハジメだった。

 

そして、そんな気の抜けるやり取りをして居る横で銃声が響き鮮血が舞う。

横凪に暗黒剣月闇を振るうカリバーとショットライザーを撃ったバルカン。

そんな横に鮮血が舞い、出来た血溜まりに落ちるキメラの屍。姿を消して無防備な二人を襲おうとしていたのだろう。

 

「おいおい、何だ? この半端な固有魔法は。大道芸か?」

 

「大道芸でももう少し見応えあるだろ? 精々素人の宴会芸だぜ。もっと悪けりゃお遊戯だ」

 

血溜まりに倒れるキメラに侮蔑の声を向ける二人。キメラが使ったのは気配や姿を消す固有魔法だろうに、動いたら空間が揺らめいてしまうなど意味がないにも程があると、思わずツッコミを入れる。しかも、バルカンのライダーシステムは正確にその魔物の存在を感知していたのだから、哀れ過ぎる。京矢に至ってはそこだけ気配に空白があるから分かり易いと酷評する始末だ。

……この二人を相手にしたキメラには心から同情したくなる。

だが、それもその筈だ。奈落の魔物にも、気配や姿を消せる魔物はいたが、どいつもこいつも厄介極まりない隠蔽能力だったのだ。

それらに比べれば、動くだけで崩れる隠蔽など、この二人からすれば余りに稚拙だった。

 

瞬殺した魔物には目もくれず、カリバーとバルカンが戦場へと、いや、処刑場へと一歩を踏み出す。

少なくともマトモな戦いになるのは、ダークネス四体を相手にするカリバーの側だけ。

バルカンの側でこれより始まるのは、殺し合いですらない。敵に回してはいけない仮面ライダーによる、一方的な処刑だ。

 

あまりにあっさり殺られた魔物を見て唖然とする魔人族の女や、特撮ヒーローの姿に度肝を抜かれて立ち尽くしているクラスメイト達。

そんな硬直する者達をおいて、魔物達は、魔人族の女の命令を忠実に実行するべく次々に二人の仮面ライダーへと襲いかかった。

 

黒猫が背後より忍び寄り触手を伸ばそうとするが、バルカンは、振り向きもせずダランと下げた手に持つショットライザーを手首の返しだけで後ろに向けて発砲。音速を優に超えた弾丸は、あっさり黒猫の頭蓋を食い破った。

 

トリロバイトマギア達が3体同時に槍を構えて襲いかかってくるが、カリバーは暗黒剣月闇を振るい、正面の一体を一瞬で両断する。

 

「大地斬。……って、必要もなかったか、技を使うのは?」

 

アバン流刀殺法の練習と初めて実戦に使う仮面ライダーの力を試す為に使って見たが、苦もなく両断した結果にやり過ぎたかと思うカリバーに残りの二体が襲い掛かる。

その瞬間、カリバーの姿が消え、次の瞬間二体のトリロバイトマギア達の後ろに背を向けて立つ。

それに気が付いてトリロバイトマギア達が振り返った瞬間、二体のトリロバイトマギアはバラバラになって崩れ落ちた。

 

「海破斬。こっちの方が使い勝手が良いな」

 

そして、自身の前に立つ残りのトリロバイトマギア達を一瞥し、

 

「さて、次は技を借りさせて貰おうか?」

 

突きの体制に構えた暗黒剣月闇を回転させながら突き出す。魔剣戦士の代名詞とも言えるその技の名は、

 

「ブラッディースクライド!」

 

暗黒剣月闇による闇の斬撃破を加えて放たれた螺旋状の衝撃波がトリロバイトマギア達を飲み込んでいく。

その一撃も本来の使い手の技には及ばないであろうと自重しながら砕け落ちるトリロバイトマギア達の残骸を一瞥した。

 

「悪くねえな。さて、本番は此処からか?」

 

一瞥すると四体のダークネス達が油断なく立つ姿に、京矢はカリバーの仮面の奥で、久し振りに戦い甲斐がある相手だと笑みを浮かべる。

ハジメに巨大戦力を渡すとしたら?

  • 倒したのを頑張って修復キングジョー
  • 京矢からのレンタル、ヨクリューオー
  • グランドライナー
  • ダイボウケン
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。