『転生特典はガチャ~最高で最強のチームを作る~』外伝   作:ドラゴンネスト

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たった4体でも自分が敬愛する上司より与えられた魔物達の千の軍勢よりも遥かに強かった四体のダークネス達が倒される様を見ていた魔人族の女は、我に還るとそのままと逃走のために温存しておいた魔法をカリバーとバルカンに向かって放ち、全力で四つある出口の一つに向かって走った。

 

たった四体で千の魔物の軍勢を蹂躙する様に言葉を失う上司だが、その言葉さえ出てこない強さは魔人族の勝利を確信させていた。

そんな、ダークネス達が倒される様は魔人族の女がその場から逃げると言う選択をさせるのに十分過ぎるほどの現実だった。

 

二人のいる場所に放たれたのは〝落牢〟だ。それが、彼等の直ぐ傍で破裂し、石化の煙が二人を包み込んだ。

 

が、それは直ぐに霧散する事となる。カリバーが振ったのは何時の間にか取り出していたテン•コマンドメンツの封印の剣、ルーンセイヴ。魔力を無力化する剣から放つ竜巻は封印の力さえ宿し、飲み込んだ煙を無力な物へと変換していた。

 

そして、暗黒剣月闇を前方の空間へと振るうとカリバーの姿が消える。

 

「はは……既に詰みだったわけだ」

 

「そう言う事だな」

 

魔人族の女の目の前、彼女へと暗黒剣月闇を突き付けるカリバーの姿があった。乾いた笑いと共に、ずっと前、きっと京矢の警告を聞かずに攻撃を仕掛けてしまった時から既にチェックメイトをかけられていたことに今更ながらに気がつき、思わず乾いた笑い声を上げる魔人族の女。

 

魔人族の女が、今度こそ瞳に諦めを宿して自身へと暗黒剣月闇を突き付けるカリバーを眺めて居ると歩み寄ってくるバルカンの姿が見えた。

 

「……この化け物め。上級魔法が意味をなさないなんて、あんた達、本当に人間?」

 

「一応、人間のカテゴリーだぜ。まっ、地球人とトータス人って分けたら、異世界人の方が正しいか?」

 

「実は、自分でも結構疑わしいんだ。だが、化け物というのも存外悪くないもんだぞ?」

 

各々の返しを魔人族の女に返す二人。バルカンはショットライザーの銃口をスっと魔人族の女に照準する。剣と銃、眼前に突きつけられた二つの死に対して、魔人族の女は死期を悟ったような澄んだ眼差しを向けた。

 

「さて、普通はこういう時、何か言い遺すことは? と聞くんだろうが……生憎、お前の遺言なんぞ聞く気はない。それより、魔人族がこんな場所で何をしていたのか……それと、あの魔物を何処で手に入れたのか……吐いてもらおうか?」

 

「あたしが話すと思うのかい? 人間族の有利になるかもしれないのに? バカにされたもんだね」

 

嘲笑するように鼻を鳴らした魔人族の女に、ハジメはバルカンの仮面の奥で冷めた眼差しを返した。

そして、何の躊躇いもなくドンナーを発砲しようとするが、カリバーが手を翳してそれを止める。

 

「聞くまでもないだろ? 魔物は魔人族の勢力下の神代魔法。ここに来た目的もそれだろ?」

 

「序でに此処にそれを目的に来たなら無駄足だったな。正規のルートじゃ、此処は最後に攻略を推奨される場所だ。入る事も出来ないだろうし、裏道つかって無理に入っても食糧不足で餓死するのがオチだ」

 

「は?」

 

カリバーから話されるネタバレに思わず唖然とする魔人族の女。

 

「後戻りできない百階層がもう一つだぜ。その装備だと、途中で餓死って言うのがオチだろ」

 

そんな事を告げて居るカリバーの足元に上半身だけのトリロバイトマギアが二体、ゆっくりと這いずってくる。

その姿に気が付いたバルカンがその二体の頭を撃ち抜く。

 

「悪い、二体ほどまだ生きて……っ!?」

 

「ああ、サンキュ……っ!?」

 

バルカンの銃撃が頭を撃ち抜いた際に、頭部の装甲も吹き飛び、その中にある顔も露わになり、その顔に思わず二人は言葉を失う。

 

「……檜山?」

 

「……どうなってんだ?」

 

ゾンビの様な檜山の顔は直ぐに消えて人形の様な物に戻るが、先程のアレは間違いなく、檜山のものだった。

 

「あの兵士達の様な人型と違って、魔物達は、神代魔法の産物……図星みたいだな。なるほど、魔人族側の変化は大迷宮攻略によって魔物の使役に関する神代魔法を手に入れたからか……とすると、魔人族側は勇者達の調査・勧誘と並行して大迷宮攻略に動いているわけか……」

 

「どうして……まさか……」

 

バルカンが口にした推測の尽くが図星だったようで、悔しそうに表情を歪める魔人族の女は、どうしてそこまで分かるのかと疑問を抱き、そして一つの可能性に思い至る。その表情を見て、バルカンは、魔人族の女が、彼等もまた大迷宮の攻略者であると推測した事に気がつき、無言で返す事で「正解」と伝えてやった。

 

「なるほどね。あの方と同じなら……化け物じみた強さも頷ける……」

 

「……もう一つ聞く、あの兵士達を待ってきた奴らは何だ? 何時からお前達の所にいる?」

 

「あいつらの事かい? ……そう言えば、何時からアイツらは……わからない? 何で……?」

 

奴等の連れてきていた無限に量産できる兵士と、強力だが数は限られるダークネスの説明をされた時のことは覚えている。だが、奴等が何時から魔人族の側に居たのか、思い出せない。

頭痛を堪える様に頭を抱えるが、突然頭が真っ白になる様な、頭が空っぽになる様な感覚を覚える。

 

「もう、いいだろ? ひと思いに殺りなよ。あたしは、捕虜になるつもりはないからね……」

 

頭が軽くなってからは、捕虜にされるくらいならば、どんな手を使っても自殺してやると魔人族の女の表情が物語っていた。そして、だからこそ、出来ることなら戦いの果てに死にたいとも。

ハジメとしては神代魔法と攻略者が別にいるという情報を聞けたが、敵側の仮面ライダー達の情報は聞けないだろうと判断する。

カリバーはそう判断して暗黒剣月闇を振り上げる。

 

「最後の情けだ。痛みを感じる間も与えない」

 

「……感謝するよ」

 

魔人族の女は、カリバーの言葉に楽に逝けそうだと思いながらも、道半ばで逝くことの腹いせに、負け惜しみと分かりながら二人に言葉をぶつけた。

 

「いつか、あたしの恋人があんたを殺すよ」

 

その言葉に、二人は仮面の奥で口元を歪めて不敵な笑みを浮かべる。

 

「敵だと言うなら神だって殺す。その神に踊らされてる程度の奴じゃあ、俺達には届かない」

 

「そいつがデボネアレベルの怪物なら、俺達も危ないだろうが、それ以下の奴に負ける気はねえよ」

 

互いにもう話すことはないと口を閉じ、カリバーは、暗黒剣月闇を魔人族の女の首筋と垂直に振り上げる。

 

しかし、いざ剣を振り下ろすという瞬間、大声で制止がかかる。

 

「待て! 待つんだ、南雲! 鳳凰寺! 彼女はもう戦えないんだぞ! 殺す必要はないだろ!」

 

「……」

 

「……」

 

京矢は、暗黒剣月闇を振り上げたまま、「何言ってんだ、アイツ?」と訝しそうな表情をして肩越しに振り返った。見ればバルカンも魔人族の女も同じ表情をして振り返った。

光輝は、フラフラしながらも少し回復したようで何とか立ち上がると、更に声を張り上げた。

 

「捕虜に、そうだ、捕虜にすればいい。無抵抗の人を殺すなんて、絶対ダメだ。俺は勇者だ。南雲も、鳳凰寺も仲間なんだから、ここは俺に免じて引いてくれ」

 

こいつ何言ってるんだと言う表情で魔人族の女を見てみると同じ顔をして居るのが分かる。

 

「で、あの阿保勇者はあんな寝言言ってるけどどうする? 王国か聖教会送りだろうけど?」

 

聖教教会では魔人族は神敵とされ、魔物と同様、基本人間扱いされていない。それは敵対しているわけでもない亜人族であるシアへの騎士達の態度から想像がつく。良くて処刑、まだマシで拷問。最悪はどうなるかは、想像するだけでも哀れだ。

はっきり言って、光輝は自分が魔人族の女にとって、どれだけ残酷なことを言っているのか理解できていない。

 

捕虜とした場合の彼女の身に起こることが容易く想像できたが、一応希望を聞いてみる。

 

「この悪魔め……あたしをそんなに辱めたいのかい。そんなことになるならここで死んだほうがましだよ」

 

「だろうな。首も晒されない様にしてやるから安心しな」

 

「重ね重ね、その情けに感謝するよ」

 

「止めっ……っ!?」

 

何故殺そうとするカリバーに感謝して、助けようとする自分を侮蔑するのか分かっていない光輝を他所に、カリバーの振り下ろした闇の聖剣の一太刀が首を切り裂く。

 

首を切り裂かれた女は鮮血が舞いながら、首と胴が分かれるよりも先にその体は消えて行った。

暗黒剣月闇の力で闇の世界に、その屍を送ったのだ。死後も辱めを受ける事がない様に、と。

 

後は、魔人族の領域に向かう途中で、故郷の地に埋めてやるなりすれば良いだろう。

 

「なぜ、なぜ殺したんだ。殺す必要があったのか……」

 

そう呟く光輝に呆れではなく、侮蔑の視線を向ける。

己の罪を、己が他のクラスメイト達を巻き込んでしまった事を、何も理解していない事に心底怒りを覚える。

 

偽装とは言え目の前で死を見せつけたと言うのに、コイツは何も理解していない、と。

怒りの感情が最早スッカリ冷めてしまった。嫌悪の感情すらも、もう湧かない。

 

光輝に対する感情が完全に失せた京矢は、変身を解除するとハジメと共にディノミーゴ達に守られて居る、クラスメイト達の元へと向かった。

ハジメに巨大戦力を渡すとしたら?

  • 倒したのを頑張って修復キングジョー
  • 京矢からのレンタル、ヨクリューオー
  • グランドライナー
  • ダイボウケン
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