『転生特典はガチャ~最高で最強のチームを作る~』外伝   作:ドラゴンネスト

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「シア、メルドの容態はどうだ?」

 

「危なかったです。あと少し遅ければ助かりませんでした。……指示通り〝神水〟を使っておきましたけど……良かったのですか?」

 

「ああ、この人には、それなりに世話になったんだ。それに、メルドが抜ける穴は、色んな意味で大きすぎる」

 

「ああ、勇者パーティーの教育係に変なのがついても困るからな。まっ、あの様子じゃ、メルドさんもきちんと教育しきれていないようだけど……人格者であることに間違いはねえしな。死なせるにはいろんな意味で惜しい人だ」

 

変身を解除した京矢とハジメは、龍太郎に支えられつつクラスメイト達と共に歩み寄ってくる光輝が、2人を睨みつけているのをチラリと見ながら、シアに、メルドへの神水の使用許可を出した理由を話した。

ちなみに、〝変なの〟とは、例えば、聖教教会のイシュタルのような人物のことである。

 

(まあ、善人なのが仇になって、大事な事を教えられないか……。自分達の戦争に部外者を巻き込んだっていう自覚がある分、な)

 

京矢はそうメルドの内心を推測していた。死刑囚なり、盗賊なりの相手に対人の訓練や、その先にある人を殺す訓練をさせていた様子がない為に、だ。それでも、それは平和に暮らしていた者達を無関係な戦争に巻き込んだ事に対する負い目も有るのだろう。

まあ、そうなると京矢の怒りが向くのは主にのうのうと安全な所にいる王族と貴族になる。

問答無用で一発国王の顔面を全力で殴り飛ばしたくなる思いだ。……バールクスのロボライダーアーマーで。並の怪人でも辞めてくれと懇願してくるだろうが、キシリュウジンで殴らないだけ情けがあると思えと言いたい心境なのだ。

 

そんな危険思想を切り辞めて、機会があれば王城の物理的な転覆でも実行に移すかと思いつつ、いつも通り2人の世界を作ってるハジメとユエに呆れ、此方を睨んでいる光輝に『誰だよ、あの面倒なの回復させたのは?』と思いたくなる。死んで無いなら、あのまま気絶でもさせておけば静かだったと言うのに。

 

「おい、鳳凰寺。なぜ、彼女を……」

 

「ハジメくん……いろいろ聞きたい事はあるんだけど、取り敢えずメルドさんはどうなったの? 見た感じ、傷が塞がっているみたいだし呼吸も安定してる。致命傷だったはずなのに……」

 

京矢をを問い詰めようとした光輝の言葉を遮って、香織が、真剣な表情でメルドの傍に膝を突き、詳しく容態を確かめながらハジメに尋ねた。

 

ハジメは、一瞬、自分に向けられた香織の視線に肝が冷えるような感覚を味わったが、気のせいだと思うことにして、香織の疑問に答えることにした。

 

「ああ、それな……ちょっと特別な薬を使ったんだよ。飲めば瀕死でも一瞬で完全治癒するって代物だ」

 

「そ、そんな薬、聞いたことないよ?」

 

「そりゃ、伝説になってるくらいだしな……普通は手に入らない」

 

「八重樫、回復魔法じゃ間に合わないって奴がいたら教えてくれ、数人分位なら融通できる」

 

「え、ええ……ありがとう」

 

そんな薬を数人分も簡単に渡せる京矢の表情に、最低限の義理は果たしたと言う意思を感じた雫は、その感情が他のクラスメイト達に向けられて居ると言うのに、背筋が寒くなるのを感じる。

 

「おい、南雲、鳳凰寺、メルドさんの事は礼を言うが、なぜ、かの……」

 

「ハジメくん。メルドさんを助けてくれてありがとう。私達のことも……助けてくれてありがとう」

 

また二人に話しかけようとする光輝を香織が遮る。香織は完全に光輝を意識していない。

 

ハジメに歩みよる香織はグッと込み上げてくる何かを堪えるように服の裾を両の手で握り締め、しかし、堪えきれずにホロホロと涙をこぼし始めた。

嗚咽を漏らしながら、それでも目の前のハジメの存在が夢幻でないことを確かめるように片時も目を離さない。ハジメは、そんな香織を静かに見返している。

 

「ハジメぐん……生きででくれで、ぐすっ、ありがどうっ。あの時、守れなぐて……ひっく……ゴメンねっ……ぐすっ」

 

目の前で顔をくしゃくしゃにして泣く香織に対して、ハジメは何とも言えない表情をしている。

愛子から聞いた通り、どうやら相当張りつめていたらしい。

 

ハジメが泣いている香織をなだめようとあたふたしているが、その対応に益々感極まってしまい、とうとうハジメの胸に飛び込んでしまう。京矢は後ろでじっと香織とハジメを見つめるユエに気付くが見なかったことにした。

 

「……ふぅ、香織は本当に優しいな。クラスメイトが生きていた事を泣いて喜ぶなんて……でも、南雲も鳳凰寺も無抵抗の人を殺したんだ。話し合う必要がある。もうそれくらいにして、二人から離れた方がいい」

 

クラスメイトの一部から「お前、空気読めよ!」という非難の眼差しが光輝に飛んだ。

この期に及んで、この男は、まだ香織の気持ちに気がつかないらしい。何処かハジメを責めるように睨みながら、ハジメに寄り添う香織を引き離そうとしている。単に、香織と触れ合っている事が気に食わないのか、それとも人殺しの傍にいることに危機感を抱いているのか……あるいはその両方かもしれない。

 

「空気読めよ、阿保」

 

そして、そんな中で誰も口に出さない事を光輝に告げる京矢の姿も何時も通りだが、何時もならばそれに噛み付くであろう龍太郎が何も言えなくなる冷たさが含んだ言葉だ。

なお、檜山の取り巻きだった小悪党達はそんな京矢と光輝を交互に見てどちらに着こうか考えて居る様子だ。

 

「なあ、八重樫。この阿保はこの期に及んで何も分かってないんだな」

 

「…………ごめんなさい」

 

「いや、寧ろ、これの面倒を見させてたオレの方が謝るべきだ」

 

言う事を聞きそうなのが雫位かと言う理由で任せていたが、本当にコイツの相手を押し付けていたのが申し訳なくなる思いの京矢だった。

 

 

「ちょっと、光輝! 二人は、私達を助けてくれたのよ? そんな言い方はないでしょう?」

 

「だが、雫。彼女は既に戦意を喪失していたんだ。殺す必要はなかった。彼等がしたことは許されることじゃない」

 

「あのね、光輝、いい加減にしなさいよ? 大体……」

 

「……寝言言ってんじゃねえよ、阿保」

 

誰にも口を挟ませない様な冷たい言葉が京矢から告げられた。

ハジメ位は口を挟めそうだが、流石に今の友人に口を出すのは止めて居る様子だ。

 

「これが、お前が全員を巻き込んだ事なんだよ。本来なら、お前がやらなきゃならねえ事なんだよ!」

 

「巫山戯る「巫山戯てるのは、テメェだ!」……」

 

そんな京矢に対しての反論も許さず、京矢はさらに言葉を続ける。

 

「魔人族との戦争は異世界からの侵略じゃ無い、この世界の戦争だ。オレ達は戦争の為に呼び出されたんだよ。それをお前は、何がオレが守るだ? お前は何も守る気が無いくせに何言ってんだ?」

 

「オ、オレは皆んなを守ろうと「じゃあ、何で戦おうと他の連中を誘ったんだ?」……そ、それは……」

 

「守る気が有るなら、あの場で自分だけが戦う。戦うなと言えばそれで良かった筈だ、違うのか?」

 

「は、話をすり替えるな、オレはお前が彼女を……」

 

「戦争の相手の魔人族を殺して何が悪い? まあ、確かに、戦争が終わって敗戦国になったら罪人だろうが、戦争中なんざ、大量に殺せば、『英雄』だ」

 

龍太郎はそんな京矢に掴みかかろうとするが、殺意のこもった視線だけで怯んでしまう。

ハジメもそんな京矢の姿に『流石、異世界2回の上に世界を4回も救った奴の言うことは違うな』と内心で感心して居る。

 

「そ、それでも、捕虜にすれば……」

 

「そうなった時の末路もあの女は理解していたんだろう? だから、オレはそうなる前に楽にしてやった。当人もオレに感謝していて、お前は罵られた。そんな事も理解できないのか?」

 

「オ、オレからイシュタルさんに進言すれば……」

 

「お前には、ちゃんと丁重に扱ってると言って、裏じゃオレや当人の想像通りの末路だろうな? 毎日確認する訳でもないんだろ? 死んだら、自害したとでも言えば良いだろうしな」

 

「うっ……」

 

「何だったら地上に帰って、オレが魔人族を殺した人殺しだとでも糾弾でもするか? 良いぜ、好きにしろ。頭のおかしい狂人に見られるのは、お前だ、阿保」

 

ゆっくりとメルドを指さすと、

 

「メルドさんだって、魔人族を殺して居る筈だし、何より認める気もないが、お前は勇者……確実に一人は殺さなきゃならないだろ?」

 

「そんな事、ある訳ないだろう! オレは……」

 

「魔王を殺さない勇者が何処にいる? 綺麗な言葉で飾ろうが勇者の役目は魔王を殺す事だ。結局のところ、勝手にお前は全員を巻き込んで、やるべき事も出来ず、変わりにそれをやってやったオレ達を、お前の世界にあり得ない事を起こしたから責めてるだけだ」

 

そして、一度ため息を吐くと心底呆れたと言う様子で、

 

「何よりタチが悪いのは、お前自身にゃ、その自覚がないことだ。相変わらずだな。その息をするように自然なご都合解釈」

 

これ以上反論されるのも面倒と思ったのか、首を掴み上げ、静かに……だが、全員に聞こえるようにはっきりとした声で、

 

「要するに、人を殺す覚悟ができていないのに、殺し合い前提の戦場に立つんじゃねえよ」

 

非殺傷設定がある魔導師の戦闘でも、シグナム達が殺す気が有れば死人は出ていただろう。

セフィーロの時も、京矢の介入で助けられた者も居たが、最終的には1組の恋人達は犠牲にするしか無かった。二度目の戦いでも犠牲者は出てしまった。……何より、それをしてしまった事で、生み出された少女と、自分自身を強く嫌った少女を知って居る。

 

だからこそ、そんな最悪の体験に、そんな事も考えすらせずに、全員を巻き込んだ挙句、それを成すべき状況で寝言を言っている光輝に対して、既に怒りさえ湧かない。

 

言うだけ言うと無言で光輝を投げ捨て、クラスメイト達を一瞥する。

 

「で、くだらない事でこれ以上時間を無駄にする気は無い。他にも敵は居るんだろ?」

 

そう言われて、他にも六人も特撮ヒーローがいた事を思い出すクラスメイト達。後から追いかけてくるかもしれないと思うと顔が青くなる。

 

「まあ、仲間として認められないとか、この阿保が言いそうだけどな。この阿保の仲間なんて、こっちから願い下げだ。寧ろ、認めないなら、その事だけは感謝してやるよ」

 

そう言うとクラスメイト達を一瞥し、『さっさと行くぞ』と目で訴えかける。慌てて動き出そうとする一行を他所に、まだ動かないであろうメルドをディノミーゴの背に乗せると、

 

「おっ、そう言えば、八重樫。武器が無かったな」

 

「え、ええ」

 

「なら、これをやるから、予備の武器に使ってくれ」

 

そう言って差し出すのは、ハジメと共に徹夜での仮面ライダーアギト視聴マラソン明けのテンションで作った京矢監修の一本の刀。

 

深夜テンションで回したガチャ産の金属を使った記憶があるが、その刀に使った金属の事は、完成直後にベルファストによって強制的に眠らされたので覚えてないが、作ったことだけは覚えている。その後は試し斬りもせずに京矢が普通の刀と思ってしまっていた。

 

なお、深夜テンションの直後の制作からの強制睡眠で使ったアイテムは覚えていないが、ここでそれを語っておこう。

 

重ねて言おう。二人は普通の金属と思っているし、精々ミスリルか斬鉄剣と同じ金属とも思っているが、そうではない。

 

 

 

 

オリハルコン(ドラゴンクエスト)

 

 

 

 

で、ある。何気にⅢやロトの紋章の王者の剣と同じ材料であったりする。まあ、握りや鞘は普通のものだし、一応特殊な能力など持ってないので、精々が物凄く切れる程度の刀だ。

 

敢えてこう言おう。錬成師の本領を発揮しすぎで有るし、ハジメから貰った京矢も気付いていないから死蔵していたが、何気に光輝の聖剣がゴミになりかねない超高性能な剣で有る。

 

……流石に、そんなゲームお馴染みの伝説の金属など、ハジメも深夜テンションでも無ければ簡単には使えない。どっちにしても金属の塊よりは武具に仕上げた方が良いのだろうが、とんでもない物を使ったことには変わりない。




京矢、ハジメ「「え? オレ達何かやっちゃいました?(無自覚)」」

誰も知らないところでまたやらかしちゃった京矢くんとハジメくんでした。

ハジメに巨大戦力を渡すとしたら?

  • 倒したのを頑張って修復キングジョー
  • 京矢からのレンタル、ヨクリューオー
  • グランドライナー
  • ダイボウケン
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