『転生特典はガチャ~最高で最強のチームを作る~』外伝 作:ドラゴンネスト
「こう言う相手はオレ達には苦手分野か……」
残念ながら、現状ではハジメパーティーのメンバーには怨念の類を浄化する事が出来る者は居ない。
「いや、あれは大量の怨念の集合体が、更に怨念吸収した結果誕生した化け物だぞ。神代魔法の魂魄魔法とか言うやつでも、あれはこっちが危ないだろう?」
実際に恵里が怨念の渦に自我と言うよりも魂レベルで飲み込まれそうになった事を知っている京矢の言葉に、ハジメ達も軽く想像してしまったのだろう、顔が青くなる。ユエの再生能力でも自我とか魂レベルで消滅させられかねないのは無理だろう。
一歩間違えればエヒトでさえ消滅しかねない怪物である。
怨念を物理レベルの攻撃に進化させた化け物相手の対処方法が見つからない以上、選択出来るのは。
「ふむ、では、その空の技とやらを試すしか無いのでは無いか?」
巨大ロボのコックピットと言う状況に驚きのあまりフリーズしていたティオが再起動してそう呟く。
ハジメもユエもシアもそれしか無いかと言う顔だ。
「まあ、悪人じゃ無いし、行けるんじゃねえか、正義の剣士専門の技」
「正義とか光とかって柄じゃ無いだろう、オレは?」
ハジメの言葉を京矢は否定する。カリバーやらバールクスやらガイソーグやらとガチャの結果とは言え闇属性とかがよく似合う力を愛用しているのだし、寧ろ闇の闘気の方が相性が良いと思っている。
「いや、どちらかと言えば善人寄りだろう、指揮官は」
「間違いなく善人側だと思いますよ、京矢様」
エンタープライズとベルファストからも試す事を勧められてしまった。
「兎に角、何でも良いから試せるだけ試してくれ、どうせオレ達にはお前に任せるしか手はねえんだ!」
そう言われると無理だとは言ってられない。空の技とまでは行かなくても、可能性のある手段が使えるのは京矢一人なのだ。そして、使えさえすれば現状では一番空の技が倒せる確率が高い。
「分かった。時間稼ぎ頼めるか?」
「ああ!」
京矢の言葉に簡潔に返してヨクリュウオーを操りデスボーンへと向かう。
強敵への恐怖心など無い。心を満たしているのは巨大ロボを操る高揚感だ。……それもどうかと思うが。
そんなヨクリュウオーの背中を一瞥し、京矢は両手でガイソーケンを構える。
気配を読むのは出来ないことはない。いくつもの邪悪な怨念の集合体の気配が読めない訳はないが、逆に無数の怨念の集合体と言うべきデスボーンは大き過ぎて、技を撃ち込むべき点が見えにくくなっている。
(何処だ?)
技さえ成功すれば何処に当ててもダメージは与えられるが、それで与えられるのは一部へのダメージのみ。穿つべきなのは敵を構成する怨念を繋いでいる一点のみ。
ガイソーケンを構え、デスボーンの気配の中、怨念の中心点の位置を探る。無数の怨念の集合体。怨念が形を持った存在をその姿を維持させている中心点。
「この骸骨野郎!」
京矢が技の準備に入っている間、ヨクリュウオーを操るハジメ達がデスボーンを引きつけるべく向かっていく。
デスボーンの振り回すハンマー状の腕と鎌状の腕を避けているが、一撃でも受けてしまうのは危険と言う判断からだ。
デスボーンが咆哮をあげながら振り回すハンマーを避けるヨクリュウオー。
スピードではヨクリュウオーが上だが、パワーではデスボーンに負ける。距離を取りたい所だが、そのパワー以上に厄介なのは、デスボーンの使う紫の炎だ。怨念の力の炎はヨクリュウオーの冷気でも消せない。
「相性最悪」
ユエの呟きが全てを物語っている。如何なる力も侵食していく怨念の前には物理的な力は無力とでも言われている感覚だ。
「この野郎」
隙をついてヒエヒエクローの一撃を見舞うが、それによって倒れたかと言うと再び起き上がる。
「凍って!」
透かさずその隙にユエが己の魔力とヨクリュウオーの力でデスボーンの全身を氷漬けにする。
ミレディの迷宮でも同じ事をしたが、デスボーンに使ったそれは魔力がうまく使えない領域では無い為、あの時よりも分厚い氷がデスボーンを包み込む。
「凍っちまえば、関係ないだろ?」
これで時間が稼げるかと安堵するハジメ達を他所に、デスボーンの全身を飲み込んだ氷が内側から紫色に腐り始めている。
「嘘だろ?」
「嘘?」
怨念の炎によって全身を包む氷を砕き、咆哮を上げて再度デスボーンが動き出す姿にハジメ達は驚かずには居られない。
怨念によって生まれ、怨念によって強化されたタイラントの強化体たるデスボーン。怨念がある限りその動きは止まらない。
「だったら、コイツで!」
ハジメも借りることもあるだろうからとヨクリュウオーの事は京矢から教えて貰っていた。その中の必殺技についての知識は真っ先に教えてもらった。
「ヨクリュウオー、ブリザードストーム!」
開かれた胸のプテラードンの嘴から放たれた冷気の嵐がデスボーンを飲み込む。それに対抗する様に怨念を弾丸の様に撃ち出すが、
「させない」
ユエの声が響き、ヨクリュウオーの周囲に発生した氷の鏃が怨念の炎を撃ち落としていく。
やがて冷気の嵐に包まれたデスボーンの全身が凍結する。だが、そのままでは、またすぐに動き出すだろう。故にハジメ達はすぐに次の行動に入る。
ヒエヒエクローに集うエネルギー。エネルギーを纏い輝くヒエヒエクローを翳し、空高く舞い上がるヨクリュウオー。
「食いやがれ、ですぅ!」
「ヨクリュウオー、ブリザード、クローストライク!」
シアの叫びとハジメの宣言が響くと同時に急降下しながらヒエヒエクローをデスボーンに叩き込むヨクリュウオー。
その一撃を受けたデスボーンは吹き飛ばされながら爆散する。
その光景を見て、クラスメイト達も、街の住人達も今度こそはと勝利を確信する。
だが、
ゆっくりとデスボーンの破片が浮かび上がり、怨念を吸収して行く。ダメージが大きいのか、吸収する怨念も多い。
「またか」と予想はしていてもこうもキリが無いと流石に嫌になって来る。
だが、今のデスボーンはそんなハジメ達の予想を大きく上回っていた。
「「「「え?」」」」
現れた巨大な影に呆然とするハジメ達。ヨクリュウオーの全長程もある巨大な足が四本。
ゾンビの様な姿は肉体を取り戻し、前後で別の生物の継ぎ合わせたかの様なケンタウロスの様な姿には頭から生えた羽毛が王冠の様に見える。
EXタイラントと呼ばれるデスボーンの一つ前の形態。本来のデスボーンの在り方を考えれば、この姿こそが最も強い姿かもしれない。
EXタイラントが足踏みする度に大地震の様な振動が起こる。
屈強な冒険者達が唖然として座り込む。最早、人が太刀打ちなどできない生きた災害を目の前に、既に生き延びる事を諦めていた。どれだけ急いで逃げてもあの怪物の一歩は簡単に追いついて来る。王都の城壁の奥に逃げ込んでも、あの怪物は意にも介さない。
生物としての次元が違う。虫が人に勝てない様に。人間の身ではどんな優れた騎士も、魔法使いも勝てない存在が目の前にいるのだ。対峙した瞬間、抵抗する事も逃げる事も、そうしようと考えることすら出来なくなった。
「嘘だろ? 巨大化ってのはお約束なんだろうけど、これはいくら何でも、反則じゃねえか?」
EXタイラントをヨクリュウオーの中で見上げながらハジメは唖然としながら呟く。
そんな、次の行動を迷う内に京矢の操るキシリュウジンが動く。
個体そのものが高密度な怨念の集合体。そんな物の撃つべき一点など簡単には見つからない。そんな時だった。
ハジメの一撃によってデスボーンの巨体が砕け散るのは。当然ながら、その破片は怨念を吸収し再生しようとしていた。
(南雲、ナイスだ!)
砕けた破片が再生する一点、その一点こそが撃つべき点だと確信出来る。唯一の計算外はデスボーンの姿では無く、EXタイラントの姿での再生と言う所だ。
「それだけデカくなってくれたら、逆に狙いやすいぜ!」
怨念の密度はデスボーンよりもEXタイラントになった事で下がっている。戦闘力を増しているが、それでも、撃つべき一点を捉えられることは有り難い。
狙うべき点を捉えたならば、この技を試すのみ。そう考えてキシリュウジンディメボルケーノを走らせる。
EXタイラントの真上へと飛び京矢はガイソーケンを構え、目を閉じる。
「我が心、明鏡止水。されど、我が刃は烈火の如く!」
キシリュウジンディメボルケーノのナイトメラメラソードを通じて、その技を放つ。
「空裂斬!」
キシリュウジンディメボルケーノの放った一撃を受けたEXタイラントは全身から紫の煙を放ち苦しみ始める。
狙った一撃は正確にEXタイラントの狙うべき一点を捉えていたのだろう。敵の不死性が消えている筈だ。
ハジメに巨大戦力を渡すとしたら?
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倒したのを頑張って修復キングジョー
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京矢からのレンタル、ヨクリューオー
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グランドライナー
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ダイボウケン