『転生特典はガチャ~最高で最強のチームを作る~』外伝 作:ドラゴンネスト
「こ、これは、エヒト様の起こした奇蹟か?」
二体の鋼の巨人を見上げながら、町の住人の誰かがそう呟いた。
異世界トータス。その世界の住人にとって、神話の中の出来事が目の前で広がっていた。
地球。異世界から召喚された地球人にとって、空想の中での特撮の光景が目の前で広がっていた。
存在其の物が災害であったデスボーンを超え、その行動全てが災害となる怪物EXタイラント。それに立ち向かうのは二体の鋼の巨人、キシリュウジンとヨクリュウオー。
トータスと地球。その二つの世界において、想像の中にしか存在していない光景であることは間違いなく共通点だろう。
巨大ロボが巨大怪獣と戦う光景など、何処から驚いて良いのか理解出来ていない。ただ言えるのは、その二体を操るのはかつて最強であった京矢と最弱であったハジメの二人だったと言う事だ。
何人かは顔を真っ青にしてしまっているが。主にこれ迄のハジメへの諸行を思い出して、だ。
巨大ロボ使ってお礼参りされる光景をリアルに想像してしまったと言う訳だ。
そんな彼らを他所に二体の鋼の巨人は怨念の暴君へと向かって行く。
全く別の生き物の足を新たに繋いだ様な異形のケンタウロスの姿で、空中を舞い翻弄するヨクリュウオーを撃ち落とさんと鉄球状の腕を振り回すが、飛行能力を持つヨクリュウオーを捉える事はできない。そんな状況にEXタイラントはイカルス星人の耳から針状の光線アロー光線を放つ。
「そんなモンが当たるかよ!」
針状の光線は射程、範囲ともにハンマーを振り回すよりも攻撃範囲は広い。だが、自在に天空を舞うヨクリュウオーは余裕さえも感じさせる動きでアロー光線を回避していく。
「こっちも忘れるな!」
同時に足元から攻めるのは京矢の乗るキシリュウジンディメボルケーノだ。そんなキシリュウジンディメボルケーノをその巨体と四本の足を使って踏み潰さんとしている事が、ヨクリュウオーへの射撃の精度を下げている。
空中を飛ぶヨクリュウオーへと頭の羽を手裏剣の様に飛ばした事で出来た隙にキシリュウジンディメボルケーノはEXタイラントの背中へと飛び乗る。
これだけの巨大だが、背中に飛び乗って仕舞えば反撃の手段は乏しいと判断した結果だが、その判断は失敗だった。
背中の棘に電流が走り、背中から放たれた電撃がキシリュウジンディメボルケーノを襲う。
「ぐあぁ!!!」
ハンザギランと言う超獣のパーツで有る背中に配された棘から放たれた電流に焼かれたキシリュウジンディメボルケーノはそのままEXタイラントから振り落とされる。
「指揮官!?」
「ああ!」
キシリュウジンのコックピットの中にも電撃のダメージが現れる中、地面に落ちる前に体制を立て直し、後ろ足となっているゴモラの脚によるスタンピングを回避する。
最早、単なるスタンピングが小規模な地震となっている事に言葉を失っている街のトータスの住人に対して、光輝(樽に頭から突っ込んで気絶中)と龍太郎を除いた地球出身の男子達は二体の巨大ロボの戦いに歓声を上げている。恐怖よりも勝っているのだろう。
目の前で巨大怪獣と戦う二体の巨大ロボ。最早危険を忘れて目を奪われていた。
「ユエ!」
「ん!」
ユエの操作によってヨクリュウオーが氷の矢を放ち、しつこく追跡してきた羽手裏剣を撃ち落とす。
「喰らいやがれですぅ!」
「こっちも持ってけ!」
シアと京矢の叫び声と共に、上から急降下するヨクリュウオーのヒエヒエクローが、下からはキシリュウジンディメボルケーノのナイトメラメラソードがEXタイラントの頭に叩きつけられる。
「少しは効いたか!?」
「いえ、まだの様です」
京矢の言葉にベルファストが答える。彼女の言葉通り、EXタイラントは咆哮を上げて健在をアピールしている。
「やっぱり、タフな奴だな」
流石は、ウルトラ兄弟五人抜きをしたタイラントの強化体だけの事はあるのだろう、頭部への同時攻撃にも眩暈一つしていない姿に逆に感心してしまう。
「アイツの武器を逆利用したいところだけど、それも無理そうだな」
あの巨大では武器を切り落とすのさえ、必殺技を使う必要も考えられるので却下だ。
「不死身の能力消えたら、今度は巨大化って有りかよ、ホント」
最早、存在其の物が暴君の名に相応しい暴力の様なEXタイラントに対してボヤくしか無いハジメだった。
単なるスタンピングさえ、巨大ロボットにさえ必殺の破壊力を持つ怪物なのに、様々な能力まで持っていると言う反則仕様なのだから仕方ないだろう。
「複数の怪獣の融合体だからな。能力の多様さに関しては仕方ないと割り切っといた方が良いぜ」
京矢の言葉に内心で「マジかよ」としか思うしか無いハジメであった。
動くだけで災害である巨大怪獣を倒す手段がないのは同じだが。
「で、お前の事だから倒した奴のことや、倒し方も知ってんだろ?」
「こうなる前なら、
「良し、コイツに効きそうな大技は無いか?」
取り敢えず、
(キシリュウジンやヨクリュウオーの単独の必殺技は効かねえだろうし、ディメボルケーノも無理そうだな。ジェットも……)
現状、可能な合体形態及び単独形態でEXタイラントに効きそうな必殺技は思い付かない。
ハジメからの問いにEXタイラントの攻撃を避けながら、街から遠ざけながら思考する。
流石に思考に意識を取られているので、キシリュウジン本体の動きはエンタープライズが、隙をついてのディメボルケーノのパーツ部分での攻撃はベルファストが担当してくれている。
(後は、キシリュウジンを通じてのアバンストラッシュ。流石に完全版の初挑戦を巨大ロボでってのはな)
寧ろ、気を扱う空の技は得意分野の為に簡単にキシリュウジンで行えたが、完全版は初めて使うので確実とは言えない。
(手段が一か八かしか……待て、アバンストラッシュ? いや、ディメボルケーノとヨクリュウオーの力なら)
考えを纏めると笑みを浮かべ京矢は、
「南雲! 一か八かの策だけど、良い考えが有るぜ!」
「よく分からないが、考えがあるなら乗った!」
京矢の言葉に同意するハジメ。この二体の事は元々京矢の持ち物なのだ、ならば京矢の策に乗るだけだ。
「なら、全力で必殺技叩き込め! 仕上げはその後だ!」
「おう!」
ヨクリュウオーは上空を舞い、キシリュウジンディメボルケーノは地上を走る。
「キシリュウジン、ボルケーノスラッシュ!」
上空に舞い上がりながら、炎を纏ったナイトメラメラソードの連続切りを叩き込む。
「ヨクリュウオー! ブリザードクロー、ストライク!」
キシリュウジンとは逆に急降下しながらブリザードクローストライクを叩き込むヨクリュウオー。
二体の必殺技の同時攻撃によってEXタイラントが僅かに怯む。流石にその巨体でも、必殺技の同時攻撃にはダメージが有ったのだろう。
「今だ!」
一瞬の隙だが、必要な時間は十分に稼げた。後は最後の賭けに成功するだけだ。
「おう!」
「「騎士竜合体!!!」」
青と赤の光となった二体の巨人が一体化し、巨大な砲塔を持った一体の巨人となる。
「完成」
「「キシリュウジン、ジェットボルケーノ!」」
両腕のパキガルーの代わりに両肩にディメボルケーノのキャノン砲を装備したジェットのスピードと違い砲撃特化の形態らしく、翼は盾の様に前方に畳まれている。
赤と青に光るキャノン砲の中央に集まる白い光。
「南雲、バランスを間違えんなよ」
「分かってる。ユエ、制御は任せたぞ」
「ん」
熱と冷気の力で発生したエネルギーの制御を天才的な魔法の差異を持つユエが担当しているが、流石にユエでも難しいのだろう、表情に余裕はない。
「食いやがれ! 極大消滅砲撃! ゼロバースト!」
キシリュウジンの撃ち出した消滅のエネルギーはEXタイラントを飲み込み、抵抗を許さず消滅させ、上空へと消えていった。
京矢のとった策は騎士竜の力を使ってメドローアの擬似的な再現だ。物理では倒し難い相手に対して、腹のベムスターの口から吸収するのも難しいと判断した結果だが、うまく言った様子だ。
天空へと消えていく擬似再現した極大消滅魔法を見上げながら、あのままエヒトがいると言う神域にも直撃してくれないかと思いながら、EXタイラントに勝利したと確信する。
怪物の消滅に唖然としていた町にいる者達の声が消え、次の瞬間、街を揺らさんばかりの歓声が上がる。
トータスの者達は神の起こした奇跡に。
地球の者達は二体の巨大ロボットの勝利に。
全員に共通するのは絶望が完全に消え去った事だった。
ハジメに巨大戦力を渡すとしたら?
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倒したのを頑張って修復キングジョー
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京矢からのレンタル、ヨクリューオー
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グランドライナー
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ダイボウケン