『転生特典はガチャ~最高で最強のチームを作る~』外伝   作:ドラゴンネスト

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戦闘体制を取り構えを取るRXに対してベルトから剣を出現させるバールクス。

今まで無造作に切り捨ててこれたこの迷宮の魔物達とは格の違う相手に構えを取る。その構えは自然と剣士ある京矢が得意とする八相の構えだ。

 

睨み合うだけで神経が削られる強敵を目の前に自然と手に汗がにじむ。何分、何秒睨み合っていたのか分からない。或いは数秒も経っていないのかもしれない。

 

そんな中、先に動いたのはRXの方だった。

 

「っ!?」

 

音も無く床を蹴り京矢へと接近して拳を振るう。ギリギリだったがなんとかそれに反応して剣を盾に防ぐ事には成功した。

 

(っ!? 知ってたけど、強すぎだろ!?)

 

その一撃を防いだ瞬間京矢の体が後方へと吹き飛ばされる。直接は受けていないはずなのに両手には痺れが残る。

 

「これ、本物ならどれだけ強いんだよ」

 

バールクスのライダーシステム越しでのこのダメージだ、生身ではなす術なく今の一撃で終わっていただろう。

しかも、これで目の前の相手は、本物では無く複製品なのだ。最強と言われた仮面ライダーは伊達ではない。

 

(まっ、所詮力を使ってるだけのオレと複製とは言え最強クラスの本物、差があるのは当然か)

 

そう思いなおして仮面の奥で笑みを浮かべ、京矢は剣を構え直す。ゆっくりと此方へと歩んで来るRXを見据えながら、

 

「行くぜっ!」

 

 

-地摺り青眼!-

 

 

青眼の構えから地に叩きつけるように振り下ろした剣から放たれた真空波が無防備なRXへと向かって行く。

 

その真空波を受けて一瞬止まった瞬間を逃さず、

 

「おおおおおぉ!」

 

 

『八相斬り』

 

 

一気にRXとの距離を詰め、八相の構えからの袈裟と逆袈裟からなる連撃を放つ。

目の前の相手を前に一瞬でも攻撃を緩めたら不味いと判断した京矢の選択は休みなく連撃を続ける。

 

 

-八相斬り・乱舞-

 

 

並みの魔物ならば一撃で仕留められるであろうその攻撃を何度も受けながら……

 

「がはっ!?」

 

京矢は腹部に熱と痛みを感じて吹き飛ばされる。

目の前にいる最強は京矢の技を受けながらもダメージを負った様子もなく逆に反撃をして来た。

 

「ゲホッ……! だったら、こいつで!」

 

 

『ロボライダー!』

 

 

吹き飛ばされて距離が開いたのを幸と腕からライドウォッチを外し、それを起動させる。

剣の先端に光が集まり京矢はそれを突きの形でRXへと放つ。

 

「ボルティックシューター!」

 

突き出した剣から放たれた、RXの姿の一つであるロボライダーの武器である銃『ボルティックシューター』の力をバールクスの剣から放つ技として使うこの力ならば、そう判断しての行動だ。

 

京矢の予想通り、この技を受けて始めてRXは京矢の攻撃に防御の構えをとった。

 

「良し!」

 

防御の体制をとったRXの姿に微かに笑みを浮かべ、追撃を放つべく距離を詰める。

RX自身の力の一部ならばダメージを与えることもできる。そう判断しロボライダーのウォッチの力の残る剣を下段に構えながら突撃する。

 

だが、等のRXも黙って受けるわけはなく京矢を迎え撃つべく拳を振るう。

 

「へっ!」

 

直前で上に跳びそれを回避し、RXの拳を踏み台にさらに高く跳び、空中で前転でもする様に回転しながら無防備なRXへと剣を振り下ろす。

 

ロボライダーウォッチのエネルギーと回転による遠心力を込めた斬撃。それならば効くだろうと思っていた京矢だったが、

 

「なん……だと?」

 

ピクリとも動かない剣。振り下ろされる直前に京矢の剣はRXに片手で受け止められていた。

 

「ヤベっ!」

 

剣毎地面に叩きつけられそうになるった瞬間、剣を手放してRXから距離を取る。だが、RXはその行動を予想していた様に京矢へと回し蹴りを放つ。

 

「っ!?」

 

咄嗟に片手で防ぐ事に成功するが腕を襲う激痛に思わず悲鳴が溢れそうになる。

腕は動くし痺れは残るが問題はない。生身で受けていたら腕が折れる程度で済めば幸運、下手したらそのまま体が真っ二つにされていても不思議ではない。

 

地面に倒れ落ちながら剣を拾い上げ、RXの頭を狙って振り上げるが相手には紙一重で避けられ拳を握りしめられる。

 

 

『バイオライダー!』

 

 

続けてバイオライダーのウォッチを起動させその能力を発動させると同時に、引き絞った弓から放たれた矢の様なパンチが放たれる。

 

だが、液化の能力を得た京矢の体にダメージは無く液化したまま距離を開けた所で元の姿に戻り、

 

「はぁ!」

 

 

-剣掌・鬼勁-

 

 

死角より襲い掛かる気刃を放つ。死角より襲い掛かる不可視の気刃。これならば多少のダメージは期待できるだろうと考えたのだが、

 

「嘘だろ!?」

 

衝撃音が響く。死角から迫る不可視の気刃を撃ち落とすRXの姿に思わず驚愕してしまう京矢。

 

『その程度か?』

 

「っ!?」

 

そんな声が聞こえた気がした。気のせいかもしれないが、目の前のRXの空気が変わるのを感じてしまう。

 

京矢へと向かってくるRXに対し、

 

「旋!」

 

剣掌・旋。竜巻状の衝撃波を放つがRXはその竜巻を貫き京矢へとパンチを撃つ。

 

「がっ!」

 

それを防ぐも腕に装着していたロボライダーのウォッチが当然のように外れ、

 

 

『ロボライダー!』

 

 

RXの、本来の力の主人の元へと消えていく。

複眼の輝きが増す。纏う闘志の質が変わる。複製とは言え三分の一から三分の二の力を取り戻した仮面ライダーの姿が目の前には有った。

 

先程まででも充分過ぎるほど強かった敵が更に強くなってしまった。このままでは拙いと言う焦りが京矢にその選択をさせてしまう。

 

「くらえ!」

 

 

『バールクス! ターイムブレーク!』

 

 

本来は回し蹴りを放つ技を飛び蹴りの体制でRXへと向かって放つ京矢。それに応じる様にRXもまた、片手で地面を叩きジャンプし、後方回転しながら赤熱化した両足を揃えたキックを放つ。

 

バールクスタイムブレークとRXキック。二つの必殺技が空中でぶつかり合う。

 

共に赤い光を足に纏って放つ必殺キックだが、徐々に京矢の方が押され始めてきた。二つの必殺技の衝撃によるものか? それとも、それがそのウォッチに宿る意思による物か?

 

バイオライダーのウォッチが京矢の腕から外れRXの元へと消えて行った。

 

 

『バイオライダー!』

 

 

複眼の真紅の輝きが増し、両足の赤熱の輝きが強さを増し、必殺技の圧力が増す。

いや、それは増したのではない、取り戻したと言うべきだろう。

 

『RXキック!』

 

その拮抗が崩れた瞬間、京矢の必殺技が押し負ける。

 

「ぐっ! ああああああああああああああああああああああああああああああああああ!」

 

悲鳴をあげながら変身が解け、そのまま吹き飛ばされていく。

 

必殺技を放った後の体制から地に降りるとRXはゆっくりと吹き飛ばされた京矢を追いかける様に歩き出すのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ハジメ!」

 

うつ伏せに倒れこむハジメの下からジワっと血が流れ出している。ハジメの『金剛』を突き抜けダメージを与えたのだろう。

ユエの『蒼天』にもある程度耐えた魔物の外殻で作ったシュラーゲンを咄嗟に盾にしなければ即死していた事だろう。

 

仰向けにしたハジメの容体は酷いものだった。指、肩、脇腹が焼け爛れ、一部の骨も露出し、顔も左半分が焼けて右目から血を流していた。

角度的に足への影響が少なかったのは不幸中の幸いだろう。

 

ユエは急いで神水を飲ませようとするが、そんな時間をヒュドラは与えてくれるはずもない。

直径10センチほどの光弾をガトリングの様に撃ち出してきた。

 

ユエはハジメを抱えると力を振り絞ってその場を離脱し、柱の影に隠れる。

柱を削る様に光弾が次々と打ち込まれる中、ユエは急いで神水をハジメの傷口に振りかけ、もう一本を飲ませようとする。

だが、もう飲み込む力も残っていないのか、ハジメはむせて吐き出してしまう。

 

ユエは自分の口に神水を含んでそのまま口付けし、むせるハジメに無理矢理神水を飲み込ませる。

 

「どうして!?」

 

だが、神水は止血の効果はあったものの、中々傷を修復してくれない。いつもなら直ぐに修復が始まるのに、何かに阻害されているかの様に遅々としている。

 

「……今度は私が助ける……」

 

そう決意の言葉を口にしてユエはドンナーを持ってヒュドラの注意を引くべく飛び出していった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『この程度なのか』

 

ハジメの脳裏に誰かの声が響く。

 

(誰だよ、うるせえな)

 

『オレの知っているギャレンはもっと強かったぞ』

 

また別の誰かの声が聞こえる。薄れそうになり意識を繋ぎ止めるように握り締めたそれの感覚がそれを何かと教えてくれる。

 

『その程度で倒れるようならば、お前にギャレンを名乗る資格は無かった様だな』

 

侮蔑するわけでもない、ただ淡々と事実を告げられる諦めに似た声に怒りを覚える。

 

 

「あぐっ!?」

 

 

そんな声に苛立ちを覚える中で間違い無く聞こえた呻き声はユエの声だ。

 

まだヒュドラは生きている。なら自分が動けない以上ユエが一人で戦っている事はすぐに理解した。

 

無理矢理意識を取り戻して目を見開く。ハジメの手の中には京矢から渡されたギャレンバックルが有った。

片目を焼かれたせいか視界が半分ほど見えない。

 

ヒュドラの極光には生物の体を溶かす毒に近い性質があるのだろう。神水の回復力と魔物の肉を喰らい強靭さを得たハジメの体の耐久力が侵食を押さえているが、それだけだ。

 

全身の痛みを堪えながらハジメは立ち上がり、ギャレンバックルを装着する。

 

自分とユエ以外この場には誰も居ない。先ほどの声は幻聴だったのだろうか? そんなことを思いながら即座に思考から消す。

 

「変……身っ!」

 

 

『turn up』

 

 

 

全身の痛みを堪えながらオリハルコンエレメントを潜り抜けながらその姿をヒーローの物へと変える。

その瞬間、失った筈の腕が誰かに引かれるような感覚を覚えた。

 

『お前は失うな』

 

そんな声が聞こえたと思うと失った片腕を覆う力無く垂れていたスーツの手首に見たことの無い装備……ラウズアブソーバーが存在していた。

 

見たこともない筈なのに使い方は分かる。そんな事を疑問に思う暇もないとばかりに足を動かす。

 

破滅をもたらす極光を避けるため光弾に自ら飛び込んだユエは回避の代償に光弾を腹部に受けてしまう。

 

「うぅ……うぅ……」

 

体は動かない。動かなければ光弾に蹂躙される。それは分かっている。だからこそ必死にもがくが体は言う事を聞いてくれない。

ユエはいつしか涙を流していた。悔しくて仕方がないのだ。自分ではハジメを守れないのか、と。

 

勝利を確信したヒュドラから放たれる光弾が迫る中ユエは目を閉じなかった。

せめて、心だけは負けるものかとヒュドラを心の中でハジメに謝罪しながら睨みつけた。

 

その刹那……一陣の風が吹いた。

 

「えっ?」

 

気がつけば、ユエは、自分が抱き上げられ光弾が脇を通り過ぎていくのを見ていた。そして、自分を支える人物を信じられない思いで見上げる。

 

それは赤と銀の人影。前に京矢に渡された道具でハジメが変身していた姿だっだ筈だ。

 

「泣くんじゃねぇよ、ユエ。お前の勝ちだ」

 

「ハジメ!」

 

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