『転生特典はガチャ~最高で最強のチームを作る~』外伝   作:ドラゴンネスト

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京矢の言葉に何も言い返せなくなる。守ると言うのならば最初から危険から遠ざけるモノ。両親や祖父が幼い頃の子供だった光輝にしてくれた様に、妹にしてくれた様に。

 

「…………さい……」

 

だが、光輝は理性の部分が浮かべた納得を、感情の部分から否定する。

 

「うるさい! うるさい! うるさい! 屁理屈を言うな!」

 

「はあ。口先だけの守るって言うスカスカな言葉に、みんなで仲良く人を殺しましょうなんて誘っておいて、その様子だとその覚悟も無さそうだな」

 

自覚もなければ経験もない。経験がないのは羨ましい限りだ。日本に生きる以上、いろんな意味でしない方が良いが、ここでは違う上に、コイツは人殺しが日常になる場所に無自覚に誘ったのだ。

……訓練と覚悟を持った兵士でさえ、場合によっては精神を病む様な場所に。

 

「そう言えば、魔人族の女を殺した事に何か言ってたな?」

 

「そうだ! 彼女は既に戦意を喪失していたんだ。殺す必要はなかった。お前がしたことは許されることじゃない!」

 

京矢の言葉にここぞとばかりに言葉を続けていく。

 

「あのまま降伏させて捕虜に……」

 

「その本人はお前を罵って、俺に感謝していたぞ?」

 

京矢の指摘に再び言葉を失う光輝。

 

「少なくとも、聖教教会じゃ魔人族も人間扱いされていないんだ。捕虜にされた方が死んだ方がマシって事を少しは理解しろ」

 

寧ろ、痛みもなく一瞬で死なせた京矢の方が相手にしてみれば情け深いと言う事になる上に、屍も辱められない様にすると約束もした。

そこで、「それに」と言って一度言葉を切ると、

 

「魔人族を殺した事は褒められても、罰せられる事はない。トータスの人間からしたら助けられたくせに手柄を取られたと喚いてる情けない姿にしか見えねえだろうな、阿保勇者」

 

呆れた様にヤレヤレと首を振る京矢に対して激昂する光輝。

 

「あのジーサンやら王様やらの前で叫んでみるか? オレが魔人族を殺したから裁きを受けるべきだって? 多分、お前の頭の方を心配されるか、手柄を取られた事を妬んでるって思われるから止めとけ」

 

既に京矢がベヒーモスを倒した手柄を奪ったと噂になっているのだ。此処に来てそんな事をしたら最早光輝推しのイシュタル教皇でも庇えないだろう。

一応、此処については京矢も純粋な善意での忠告だ。

 

「さっきから屁理屈ばかり!」

 

周囲の、特に街の人間達からの視線が冷たさを増す中で、いや、「あんなのが勇者?」と光輝に対して勇者なのかと言う疑惑さえ浮かんでいる者もいる。

 

振るう剣の鋭さは増したが、京矢は鎧の魔剣でそれを受け止める。

 

「お前がクラスの連中を立たせたのはそう言う場所だ!」

 

受け止めた聖剣を弾き、お返しとばかりに乱撃を浴びせながら言葉を続ける。

 

「お前は人を殺す覚悟ができていないのに、お前だけじゃない、全員を殺し合い前提の戦場に立たせたんだよ!」

 

割と手加減した不完全版のアバンストラッシュを打ち込み光輝を弾き飛ばす。

 

「目の前で人が死ぬ。そんな、お前の世界にとってあり得ないことが起きるのが見たくなかったってか? ふざけんじゃねえよ」

 

顔を上げた光輝を蹴り飛ばし、「まあ」と前置きして、

 

「運が悪かっただけかもしれないけど、覚悟の方は教導する側の責任もあるからな」

 

そう言って光輝が立ち上がるのを待ちながらメルドの方に視線を向けると、目があったメルドはバツが悪そうな顔をしていた。

メルドは召喚者に対して神の使徒という目線ではなく対等に付き合ってくれる貴重な人だが、どうやらそれが今回は裏目に出たらしい。

 

「まあ、最初に教えるべきだったとは思うけど、オレ達の事情を考えてくれたんだろうな」

 

本来ならば死刑囚でも利用して最初に命を奪う訓練をさせたかもしれない。もしかしたら、亜人の奴隷や魔人族の捕虜だったかもしれない。

直ぐにそんな訓練をさせないでいてくれたのは感謝するが。

 

交渉もあっただろうが、それについては触れないでおこうと思った。あの、マギアやダークネスを用意した敵の仮面ライダー達の思惑が分からないからだ。

 

当然ながら、光輝が死ぬのが前提の交渉なのだから、光輝が突っ走るのも無理はない。まあ、それを除いたとしても。

 

「本当に、迷惑なやつだな、お前は」

 

「黙れ!! 次はこうはいかない。今度こそうまくやって見せる!!」

 

「次こそは、なんて言ってる奴が、次に上手くいくなんて思えねえな」

 

光輝の言葉を鼻で笑い、

 

「失敗を活かせる奴が、次こそは、なんて言う訳がねぇだろうが! 何が勇者だ、お前はいい加減な判断で仲間を危険に晒して、中途半端な力で剣を振るう阿保だよ」

 

その阿保の面倒を比較的扱い方を知っているからと雫に押し付けた事に心底申し訳なく思う。

 

「いい加減に黙れ!! ここからは本気で行く。今までのようにいくと思うな。”限界突破”!!」

 

「いや、最初から本気で来いよ。ってか、そう言うのは使うタイミングでも無いだろうが」

 

魔剣の本体を兜に戻し、聖剣イグザシオンを抜く。ふと、後ろに変な女の悪霊っぽいのが現れたから、手裏剣状の霊剣を顔面に突き刺したら消えたので、光輝との戦闘に意識を向ける。

 

ステータスが三倍になったとは言え、冷静さを失った光輝の動きは読み易い。

 

「大体、幼馴染が一緒にいるのが当然って、お前の頭の中は何年前のラノベだよ? 最近じゃドラマやアニメでも、長年続いてなきゃあり得ないだろうが」

 

「黙れ! お前に何がわかる!? 俺は誰よりも二人の傍にいたし、いつだって守ってきた。これからもずっと二人を守るんだ!!」

 

「お前、本当に将来DVで警察のお世話になりそうな奴だな。いや、一人で遊んでる人生ゲームに他人を巻き込むなよ」

 

限界突破した光輝の攻撃を時には避け、時にはイグザシオンで受け止めながら捌いていく。此処まで単調になれば目を閉じていても対処できる。

 

「おっと」

 

大振りの一撃を後ろに飛ぶ様な動きで避けると、そろそろ反撃でもするかと思いながらイグザシオンを地面に刺した瞬間、

 

「っ!?」

 

「今だ、光輝!」

 

京矢の一撃から意識を取り戻した龍太郎が後ろから京矢を羽交い締めにする。

 

(力加減を間違えたか)

 

気絶させる程度に抑えておいたが、多少手加減しすぎた様だと思う。なるべく怪我をさせずに負けさせておこうと思った仏心だったのだが。

 

「すまない、龍太郎!」

 

龍太郎に感謝の言葉を告げると叫び声をあげて身動き出来ない京矢に向かっていくが。

 

「教えてやるよ、限界ってのは、超えない為に有るんだぜ」

 

京矢の握るイグザシオンの七色の輝きが水面の波紋の様に広がり、その輝きを浴びた光輝の体が、

 

「ぐっ!」

 

突然の倦怠感と共に崩れ落ちた。

 

「鳳凰寺、今度は何をした!?」

 

「何って、限界突破の強制解除だ。倦怠感は限界を超えた代償だな」

 

笑いながらそう告げる京矢の背後の龍太郎の体がくの字に折れて再度吹き飛ばされる。

 

「無理に限界を越えるスキルだから、その反動で負担が出る。多分、制限時間は限界突破で回復できる範囲って所だろ」

 

フラフラの体で立ち上がる光輝を見据えながら京矢はため息を吐き、

 

「誰も殺したく無いなんて甘い考えは捨てろ。結局、他のクラスメイトはお前に巻き込まれたんだよ。その上で戦争に誘った時点でお前は人を殺す義務からは逃げられない」

 

「オ、オレは……」

 

「勇者になったからは、お前は必ず殺さなきゃならない。……魔王をな」

 

まあ、エヒトの考えがどうなのか分からないので、大魔王やら超魔王が出て来ても不思議じゃ無いが。

勇者の剣が魔王を倒す為に必要なのならば、その程度の覚悟、和解すると言う考え等捨てて貰わなければ、面倒なのだ。

 

「大体、南雲を非難するのも、お前は好きな女を取られて嫉妬してるだけだろ? いや、そもそも、お前」

 

京矢の言葉の刃は光輝に確実に突き刺さる。

 

「白崎の事も、雫の事も、どうでも良いんだろ?」

 

「なっ!」

 

その言葉に反応する光輝。そこで堰を切ったように吐き出す。

 

「ふざけるなッ、そんなわけないだろ。俺にとって二人は……」

 

「理想の自分に必要なアクセサリー、デコレーションだろ? 特別人目を引くから自分の傍にいるべきだって思ってるだけだろ?」

 

「黙れッ。俺は、そんなことを……勝手なことを言うなっ!!」

 

「じゃあ、何で直葉に付き纏ったんだ?」

 

「あ、あれは……」

 

「要するに、特別なオレには最高の女が傍に居なきゃならない。だから、二人にも負けて居ない直葉も自分の傍に居るべきだと思った」

 

ユエ達に視線を向けると、

 

「だから、ハジメの傍にユエ達が居るのが気に食わない。自分に劣るアイツの傍にいるのは許せない」

 

更にエンタープライズとベルファストにも視線を向ける。

 

「直葉がオレの義妹だって知ったのが後か先か知らねえからそれは良いとして。自分の邪魔をするオレの傍にエンタープライズやベルファストが居るのも気に入らない」

 

「黙れ、黙れ、黙れぇぇぇぇぇぇ──ッ!」

 

絶叫する光輝から悠々と距離を取り、

 

「喚いてないで最強の技でも使ってこい。望み通り黙ってやるからよ。最初からお前には言っても無駄だとは思ってたからな」

 

そう宣言すると京矢はイグザシオンを逆手に構える。神威の詠唱に入る光輝を一瞥し、妨害する事なく己の一撃を高める為に時間を使う。

 

「力にて地を、技にて海を、心にて空を」

 

その一閃はその世界に於いて勇者が編み出し、勇者へと受け継がれた秘奥義。真逆、それを一応勇者に対して向けられるとは技を生み出した勇者も思わなかっただろう。

 

「神威!!!」

 

光輝の放つ光の本流。京矢は構えを取ったまま一瞥するだけだ。

 

「鳳凰寺ィィィィィィイ!!!」

 

「全てを束ね、全てを断つ! アバン、ストラッシュ!!!」

 

京矢の放つ光の斬撃が光輝の放つ光の本流と衝突する。一瞬の拮抗、その瞬間、誰もが光輝の勝ちと錯覚する。

 

刃が津波を切り裂けないと考えるのも当然だ。だが、

 

拮抗が解けた瞬間、光の本流を光の刃が切り裂いていく。

 

「う、うぁ……!!!」

 

とっさにそれを聖剣で受け止めるが、真っ二つに折れた聖剣が破壊力を弱めたからか、

 

「その剣に感謝しとけ。お前の命程度は守ってくれたみたいだな」

 

速射性に優れたアローとは言え主人を守ったのだから、と。光の斬撃を受けた光輝を一瞥しそう呟く。

 

「……あれ?」

 

其処でふと、気がつく。

 

「ヤベ、やり過ぎたかも」

 

地面に落ちて倒れた光輝の様子から本当に死んだかも、と思ってしまう。ふと天生牙に触れてみるが、どうも本当にやり過ぎたらしい。

 

 

光輝に死の使いが見えた。

 

 

流石に此処で死なせるのも、後々面倒なのでさり気無く天生牙で蘇生しておくのだった。

ハジメに巨大戦力を渡すとしたら?

  • 倒したのを頑張って修復キングジョー
  • 京矢からのレンタル、ヨクリューオー
  • グランドライナー
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