『転生特典はガチャ~最高で最強のチームを作る~』外伝   作:ドラゴンネスト

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「ぐっ……」

 

肉体的な欠損はないがダメージは大きい。

ハジメが戦ったヒュドラとは違い毒のような性質の広範囲攻撃は無く純粋に強いRXである事が救いだったのだろうか?

それとも、バールクスのシステムが持つ防御力による物か?

或いはその両方かは不明だが、ダメージの大きさは兎も角ハジメと比べれば余程軽傷と言えるだろう。

 

「どうする?」

 

血の気の引いた頭で考えてみるが、バールクスでは勝ち目は薄い。

バールクスがRXの模造品な時点で戦闘スタイルは近い分変身者の差が大きく出てしまうだろう。

 

 

歴史から生み出されたコピーとデータから生み出された模造品。

 

 

前者の方が限りなく本物に近い。模造品を纏った己とは格が違うと言う事だろう。

 

(こいつは……もう、ダメそうだな)

 

諦めの感情が頭の中に浮かび、それを受け入れてしまいそうになる。

 

(後は南雲に任せるしか無いか?)

 

元々人数こそ違えど元の世界への自力での帰還と言う目的は同じなのだ。

あとはハジメに任せてここで倒れてしまってもいいのでは無いか?

そんな弱気な考えさえ浮かんでくる。

 

全てを諦めて目を閉じれば楽になる。そんな誘惑に負けそうになってしまう。そんな時だった。

 

『それで良いのか?』

 

そんな声が聞こえたのは。

 

「っ!?」

 

その声に反応して飛び起きる。

 

「最後まで諦めるなって事か? ったく、そうだよな。アンタはこんな状況よりも絶望的でも、勝ち取ったんだからな」

 

その声の主が誰なのか理解してしまった。

此処にいるはずのない、だがその声を聞いたとしても不思議ではない人物を。

それを理解してそう言って京矢が取り出すのはブレイバックル。

 

「何より、あの日、あいつに約束したんだからな……全員で帰る方法を探すって、な」

 

まあ、その時点で絶対に邪魔しそうな一部を見捨てる事を決めていたが。

そんな一部の例外の事は一時思考の片隅に置いておいてブレイバックルを装着する。

 

闇の中から目の前に現れるのは『最強』。だが、敵が最強であろうと諦めるわけにはいかない。

 

「行くぜ、変身!」

 

 

『turn up』

 

 

奇しくもハジメと同じタイミングでオリハルコンエレメントを潜る京矢。片腕が誰かに引かれる感覚を覚えると、腕にはラウズアブソーバーが装着されていた。

 

『負けるな』

 

「ヘッ。ありがとうございます、剣崎さん」

 

激励の言葉と彼が託してくれたであろう力への礼を述べて京矢はブレイドへと変身するとRXへと対峙する。

 

ラウズアブソーバーの使い方は知っているし、理解した。選択肢など一つしかない、RXに対抗できる手段はただ一つ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ユエは感極まったようにハジメに抱きつく。

怪我はほとんど治ってない。今、ハジメは気力とギャレンのライダーシステムの恩恵だけで立っているような物だ。

 

ギャレンの仮面の奥からヒュドラを睨みつける。余裕そうな態度で光弾を浮かべ、今更死に損ないが何をしに出て着たとでも言うような態度で問答無用で光弾を放つ。

 

「遅ぇな」

 

ギャレンはギリギリまで動かず、光弾が直撃する寸前でふらりと倒れる様に動き、回避する。

 

ヒュドラの銀色の頭の目が細められ、無数の光弾が一気に襲いかかってくる。

 

「ハジメ、逃げて!」

 

ユエは必死の表情で言うが、ギャレンはどこ吹く風。ユエを抱いたままダンスを踊るようにくるりくるりと回り、時にふらふらと倒れるように動いて光弾をやり過ごす。

そんな光弾が彼を避けているような光景にユエは目を丸くする。

 

「ユエ、流石に今は血は吸えないよな」

 

ライダーシステムはアンデッドの攻撃からも致命傷から変身者を守るだけの防御力がある。それが仇となってユエに血を与える事は出来ない。

 

「切り札はある。オレの言う通りにしてくれ」

 

ユエに片腕のラウズアブソーバーの使い方を簡潔に説明する。

 

「……やるぞ、ユエ。オレ達が勝つ!」

 

「……んっ!」

 

 

 

 

 

『アブソーブクイーン』

 

 

 

 

 

京矢もハジメの指示に従ったユエも、共にクィーンのカードをラウズアブソーバーにセットする。

 

 

 

 

 

 

『エボリューションキング』

 

 

 

 

 

そして、京矢とハジメが選択するカードは最強の一手。

13枚のスートの頂点に立つ王の名を持つ最強のアンデッドのカードだ。

 

ブレイドの体にラウズカードが、13体のアンデッド達が融合し、その体をラウズカードのクレストの刻まれた金色の装甲が纏う。

 

ギャレンはブレイドとは違いカテゴリーキング単独での融合だが、ボディにはギラファアンデッドのクレストの刻まれたより重厚な金色の装甲が全身を包み込む。

 

金色の王の力を纏った二人の仮面ライダーが、互いの挑むべき敵と対峙した瞬間だった。

 

「おおおおお!」

 

ブレイドキングフォームのクレストの二つが輝き力を纏ったパンチと赤熱を纏ったRXのパンチがぶつかり合う。

 

二つの拳のぶつかり合う衝撃に床が砕ける。だが、二人のライダーは一歩も下がる事なく互いを睨みつけていた。

 

「やっと、手が届いたぜ!」

 

次に動いたのはブレイドキングフォームの方だ。ブレイドキングフォームのパンチの連撃をRXもまた同じくラッシュで迎え撃つ。

 

最後の拳をぶつけ合った瞬間、弾かれるように二人のライダーは後ろへと下がる。力負けしたのではなく互いに別の攻撃に移るために距離をとったのだ。

 

RXはRXキックの体制に入り、ブレイドキングフォームは三つのクレストを輝かせ、通常フォームの必殺技を再現する。

 

理論上は可能な『キック』『サンダー』『マッハ』の三つのカードのコンボによる必殺技『ライトニングソニック』だ。

 

ぶつかり合うRXとブレイドキングフォームの必殺キック、RXキックとライトニングソニック。

その二つの必殺技の激闘により周囲の柱が砕け散る。

 

「負けられねえんだよ、オレは!!!」

 

微かにRXに押される中、ブレイドキングフォームの加速が増し拮抗が戻る。

再度メタルのカードのクレストを輝かせ、力を上乗せする。

 

その瞬間、衝突地点で起こる爆発。それに吹き飛ばされ地面に着地するRX。姿の見えないブレイドキングフォームを警戒するように爆煙を見据え、ベルトに手を翳しそれを出現させる中、

 

 

『スペード10、J、Q、K、A』

 

 

「おおおおおおおおおおおおおおお!」

 

光のラウズカードを潜り抜けながら、重醒剣キングラウザーを構えながらブレイドキングフォームは一直線にRXへと向かう。

 

 

『ロイヤルストレートフラッシュ』

 

 

最強の手役を完成させ、極光の輝きを纏ったキングラウザーを上段に構えながらRXへと振り下ろされたそれを、

 

「なっ!?」

 

RXは無防備に受ける。そして、その行動に戸惑うブレイドキングフォームにRX、ロボライダー、バイオライダーのライドウォッチを手渡し、彼を突き飛ばす。

 

「ったく」

 

戸惑う京矢を他所に、満足げに頷きながら最強は爆散して行ったのだった。

 

「勝った気が……しねえよ……」

 

そんな言葉を言い残して変身が解除された京矢はその場に崩れ落ちるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今、ギャレンキングフォームに変身したハジメの目には全てがモノクロに見えていた。

モノクロームの世界の中で全てはゆっくりと動く中、ギャレンキングフォームだけが普通に動ける。

 

それがハジメの得た技能『天歩』の最終派生技能『瞬光』。

京矢が知ればアクセルフォームかクロックアップと称するであろうその力をキングフォームの姿で発揮するハジメ。

 

(余裕だ!)

 

生身で有れば見えていても体が持つかわからない極光の嵐の中を今のハジメは鼻歌交じりで抜けることが出来る。

ギャレンキングフォームの防御力と身体強化能力が瞬光の負担から守り、一瞬で蒸発しかねない極光もその他の中にある重醒銃キングラウザーを叩きつけ弾き晒し他の極光とぶつけて相殺する事も出来る。

 

(この弾幕の中でも余裕で貫けるだと? 何て威力だ)

 

自分が使った力に逆に畏怖さえ覚えてしまうハジメだった。それを使っていた男にさえも。

……まあ、盛大な誤解で、本編中一度も使ってなかったが、ギャレンはキングフォームを。

 

それはさておき、ヒュドラは先程のユエや今のギャレンの銃撃に全くの無傷と行かなかったのが気にくわないのか、頭を振って回避する。

外れた銃弾は明後日の方向に飛んでいき、天井に穴をあける結果に終わる。

 

場所を変えながらキングラウザーを撃つギャレンキングフォーム。だが、その全ては外れて天井を穿つ。

 

リロードの手間も無く無制限に撃てる強力な銃の便利さに気を良くして連射を続けるギャレンキングフォームに対してヒュドラは嘲りを浮かべる。

 

 

-錬成-

 

 

天井付近に逃げたギャレンキングフォームを追って天井に向かって極光を放つのに合わせてハジメは天井を錬成する。

 

それを回避すると同時に天井がヒュドラへと崩落する。

ヒュドラの巨体を上回る質量が崩落したのだから、その純粋な大重量の呼ぶ破壊力はヒュドラを押しつぶす。

 

「ユエ!」

 

「んっ! 『蒼天』!」

 

青白い太陽がヒュドラを飲み込み少なくないダメージを与える。

苦しみながら自棄でも起こしたように極光を撃ち出すヒュドラ。

そんなヒュドラの極光を回避しながらユエはハジメの片腕の代わりになりキングラウザーのトレイを展開指示されていたカードを抜き出し読み込ませる。

 

 

『ロック』

 

 

ロックトータスのカードの力を得たキングラウザーの弾丸をヒュドラへと放つと、ヒュドラの耐性など全てを無視して石化させる。当然だ、その力はアンデッドの力を借りた異質な力。この世界の耐性など、無いに等しい。

 

石化して動きを止め事で極光も止まる。そんなヒュドラを見据えながらハジメはどう猛な笑みを仮面の奥で浮かべながら最後の一手を放つ。

 

 

『バレット』『ファイア』『ラピッド』

『バーニングショット』

 

 

三枚のカードを読み込ませ、発動させる最後の一手。ヒュドラへと肉薄したハジメは銃口が埋まるほどキングラウザーを石化したヒュドラの体に突き刺し、

 

「この距離なら効くだろ?」

 

冷酷に宣言しながら引き金を引く。

 

体内に打ち込まれた炎の弾丸によって石化が解けると同時にヒュドラは体内から爆散する。

 

「……ハジメ?」

 

それを確認すると自然とギャレンへの変身が解ける。

 

「流石に……もう限界」

 

「ハジメ!」

 

今までのダメージと出血と疲労、瞬光の脳への負担、キングフォームの負担、それらが襲いかかったハジメもその場に倒れるのだった。

 

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