『転生特典はガチャ~最高で最強のチームを作る~』外伝   作:ドラゴンネスト

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「ん? そう言えば、なんかオレ、新しい魔法……神代魔法っての覚えたみたいだぜ」

 

見たいと言うのは京矢自体覚えはしたもののこの魔法は役に立たないからだ。そう、京矢は。

 

「マジか?」

 

「……ホント?」

 

「ああ、マジだ」

 

信じられないといった表情のハジメとユエ。

それも仕方ないだろう。何故なら神代魔法と言うのは文字通り神代で使われていた現代では失伝した魔法である。

序でに京矢達をこの世界に呼んだ転移魔法も同じ神代魔法である。

 

「なんか、床の魔法陣が神代魔法を伝授する巻物とか魔道書みたいなモンらしいな」

 

「……大丈夫?」

 

「大丈夫なのか?」

 

「ああ、全然平気だ。しかも、この魔法は生成魔法って言って、南雲の為にあるような魔法だ」

 

「オレのためだと?」

 

「……どんな魔法?」

 

「魔法を鉱物に付加して、特殊な性質を持った鉱物を生成出来る魔法だ。この世界で言うところのアーティファクトを作る根本的な技術ってトコだろうな」

 

この魔法が失われたからこそ京矢にとっては棍棒程度の聖剣ですら国宝級の品なのだろうと推測出来る。

そして、現代の地球の技術を知るハジメならば神代のアーティファクトを超える品物も作れるだろう。

 

「つまり、アーティファクトが作れるのか?」

 

「そうなるな。まっ、二人も覚えて見たらどうだ? 折角の失伝技術(ロスト・テクノロジー)を会得する機会だ。南雲は当然として覚えといて損はないだろう」

 

そう言って二人にも会得を勧める。最悪使い捨ての爆弾程度のアーティファクトでも作れれば錬成が使えなくても御の字なのだし。

 

京矢の勧めに従ってハジメとユエも魔法陣の中央に立つ。そして、京矢の時と同様に魔法陣が輝きハジメに攻略の資格があるのか確かめる為記憶を探る。そして、試練を乗り越えた者として認められたのか、

 

 

 

「試練を乗り越えよくたどり着いた。私の名はオスカー……」

 

 

 

 

またオスカーが現れた。内心、やっぱりなーとは思ったが長々と一度聞いた内容を話し始めた。

京矢は念の為にと注意深く聞くことにする。

 

「鳳凰寺、お前一度見た映画をもう一度見るタイプか?」

 

「ああ。一度は感動を味わって、二度目は次回作への伏線とか探す方なんだよ」

 

聞いてしまった事実の衝撃で重要な情報を聞き逃していないかと思ったが取り立てて変わった内容もなかった。

そして、二度目のオスカーの話に暇そうだったハジメとユエには話が終わるまで見ていてくれとプロジェクターと仮面ライダークウガのDVDBOXを渡す。

 

魔法陣のある部屋の壁に映し出されるクウガのOPテーマをBGMに語られるこの世界の真実は中々にシュールだった。

なお、ハジメがペガサスボウガンを再現しようと頑張り始めたのはこの瞬間からだった。

 

「どうだ? 修得したか?」

 

「ああ……したな。これなら色んなアーティファクトが作れそうだ」

 

第一弾のアイディアとしてクウガのドラゴンロッドとタイタンソードを見ていたのはハジメの中での秘密だ。

 

「おう、相性とか適性の問題で、会得は出来ても使いこなせないって感じでオレには無理そうだけどな」

 

「やっぱ、神代魔法にも相性とか適正とか有るのか?」

 

「……ん、かもしれない」

 

少なくとも、生成魔法にこの中で最も強い適性が有るのは錬成師であるハジメだろう。

 

「それにしても、今頃上で頑張ってる連中が此処に辿り着いた時、どんな顔をするんだろうな」

 

こんな鬼畜な難易度の迷宮を必死に攻略した先にあるのは錬成師専用の魔法。その時の顔は想像しただけで笑いたくなってくる。

 

「さて、オスカーさんの墓でも作ってやるか」

 

「ああ、ここはもうオレ等のモンだし、あの死体片付けるか」

 

「ん……畑の肥料……」

 

慈悲の無いハジメとユエ。情が有るのは京矢だけだった。

風も無いのにカタリと骸が項垂れたのは気のせいじゃ無いだろう。

 

取り敢えず、三人で協力してハジメの作った棺桶に入れた骸を埋めて墓石まで建てた。

流石に肥料扱いは可哀想だったので。

…………だが、地球の日本風のデザインはどうかと思うし、他の国の物も同様、そして解放者の墓にエヒト教風など論外だろうと思う中、ハジメが仮面ライダークウガのライダークレストを刻んだ上に地球の英語で『オスカー・オルクス、此処に眠る』と刻んだのは如何なのだろうか?

 

眠っているのはアークルと勘違いしてしまいそうな墓が出来た事には全面的に目を逸らしておく。

 

埋葬が終わると三人は封印されていた場所に向かった。

その際にオスカーの骸が嵌めていた指輪を頂いている。

……墓荒らしと言ってはいけない、最後までオスカーが嵌めていた以上この場所のマスターキーである可能性が高いのだ。

その証拠にその指輪には十字に縁が重なった文様が刻まれていて、それが書斎や工房にあった封印の文様と同じだったのだ。

 

まずは書斎だ。

 

先ずは一番の目的である地上への道を探らなければならない。

三人は書斎にかけられた封印を解き、目ぼしい物を調べていく。すると、この住居の施設設計図らしき物を発見した。通常の青写真ほどしっかりした物ではないが、何処に何を作るのか、どのような構造にするのかという事がメモのように綴られていた。

 

「ビンゴ! 有ったぞ、ユエ! 鳳凰寺!」

 

「よっしゃ!」

 

「んっ」

 

目的の物を見つけたハジメから歓喜の声が上がる。京矢とユエも嬉しそうだ。

設計図によれば、どうやら先程の三階にある魔法陣がそのまま地上に施した魔法陣と繋がっているらしい。

オルクスの指輪を持っていないと起動しないようだ。盗ん……貰っておいて良かった。

 

「へっ、良いもん託されたな」

 

「ああ、そうだな」

 

「……んっ」

 

既に三人の中では盗んだのでは無く、快くオスカーから託された事になっているらしい。

 

更に設計図を調べていると、どうやら一定期間ごとに清掃をする自律型ゴーレムが工房の小部屋の一つにあったり、天上の球体が太陽光と同じ性質を持ち作物の育成が可能などということもわかった。人の気配がないのに清潔感があったのは清掃ゴーレムのおかげだったようだ。

 

工房には、生前オスカーが作成したアーティファクトや素材類が保管されているらしい。これは盗ん……譲ってもらうべきだろう。道具は使ってなんぼである。

 

「ハジメ……これ」

 

「うん?」

 

ハジメが設計図をチェックしていると他の資料を探っていたユエが一冊の本を持ってきた。京矢も気になって覗き込む。

どうやらオスカーの手記のようだ。かつての仲間、特に中心の七人との何気ない日常について書いたもののようである。

 

だが、その中に京矢達にとって重要な一節が有った。他の六人の迷宮に関することが書かれていたのだ。

 

「……つまり、あれか? 他の迷宮も攻略すると、創設者の神代魔法が手に入るということか?」

 

「間違いなくそうなるな」

 

「……かも」

 

手記によれば、オスカーと同様に六人の『開放者』達も迷宮の最深部で攻略者に神代魔法を教授する用意をしているようだ。

生憎とどんな魔法かまでは書かれていなかったが……。

 

「……帰る方法見つかるかも」

 

ユエの言う通り、その可能性は十分にあるだろう。実際、召喚魔法という世界を越える転移魔法は神代魔法なのだから。

 

「エヒトの野郎を始末する手掛かりもな」

 

封印か抹殺か、既に京矢の中では地球の安全の為にエヒト抹殺は確定事項だった。

封印の手段は有るが抹殺の方が一番安心だ。改心しようが許しを乞おうが関係ない。

 

「だな。これで今後の指針ができた。地上に出たら七大迷宮攻略を目指そう」

 

「ああ!」

 

「んっ」

 

明確な指針ができて頬が緩むハジメ。思わずユエの頭を撫でるとユエも嬉しそうに目を細めた。

 

(七大迷宮の攻略か、先は長そうだな。雫、悪いがバカ二人の手綱はしばらく任せた)

 

最初の夜に幼馴染で有る雫にはチャンスがあれば単独行動で帰還方法を探す事を伝えていた。

そして、死んだ事にして姿を消すという事も。だから心配するなとも。

 

(まあ、再会したらしっかり謝らせて貰うか)

 

心の中でそう誓うのだった。

 

(詫びの品も用意しとかないとな。魔剣目録の中の宝具の日本刀は渡すとして……そうだ)

 

そこまで考えると四次元ポケットの中から一つのペンダントを取り出す。

娘さんの蘇生の対価としてプレシア・テスタロッサに制作して貰った獣神鏡のファウストローブをベースにデバイスに改造して貰った物だ。

送り返す時に技術は吸収しただろうが、プレシアの管理局への取引材料になればと放置していたが。

 

「南雲、一応心配かけたんだから白崎に会ったらプレゼントくらい渡しとけ」

 

「……マトモなモンなんだろうな、これ」

 

渡されたペンダントは間違いなくとんでもない品物だろうと思うハジメだった。

実際、かなり殺意の高い攻撃が可能な装備で有る。使えれば。

 

それからしばらく探したが、正確な迷宮の場所を示すような資料は発見できなかった。

現在、確認されている【グリューエン大砂漠の大火山】【ハルツィナ樹海】、目星をつけられている【ライセン大峡谷】【シュネー雪原の氷雪洞窟】辺りから調べていくしかないだろう。

 

しばらくして書斎あさりに満足した三人は、工房へと移動した。

 

工房には小部屋が幾つもあり、その全てをオルクスの指輪で開くことができた。中には、様々な鉱石や見たこともない作業道具、理論書などが所狭しと保管されており、錬成師にとっては楽園かと見紛うほどである。

 

ハジメは、それらを見ながら腕を組み少し思案する。そんなハジメの様子を見て、ユエが首を傾げながら尋ねた。

 

「……どうしたの?」

 

ハジメはしばらく考え込んだ後、ユエたちに提案した。

 

「う~ん、あのな。しばらくここに留まらないか? さっさと地上に出たいのは俺も山々なんだが……せっかく学べるものも多いし、ここは拠点としては最高だ。他の迷宮攻略のことを考えても、ここで可能な限り準備しておきたい。どうだ?」

 

京矢はよく分からないが、ユエは300年も地下深くに封印されていたのだから1秒でも早く外に出たいだろうと思ったのだが、ハジメの提案にキョトンとした後、ユエは直ぐに了承した。

不思議に思ったハジメだが……

 

「……ハジメと一緒ならどこでもいい」

 

そういうことらしい。ユエのこの不意打ちはどうにかならんものかと照れくささを誤魔化すハジメ。

 

そして、京矢はというと、

 

「オレも構わないぜ。特に南雲にはバルカンとギャレンのライダーシステムの完熟も必要だろ?」

 

「そうだな」

 

京矢の指摘も最もだ。ギャレンもまだ使いこなしてるとは言えず、バルカンはまだ手に入れたばかりなのだ、

 

「安心しな、存分に付き合ってやるよ」

 

「……ん。私も」

 

「ああ、頼んだぜ、二人とも」

 

「おう!」

 

「んっ!」

 

結局、三人はしばらくの間、ここで可能な限りの鍛錬と装備の充実を図ることになった。

 

なお、ハジメの仮面ライダーの力を使いこなす為の訓練はかなり苦労したと追記しておく。

 




なお、アンケートは次話投稿時に終了とさせていただきます。
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